2015年 株式市場に影響を与えたニュース・イベント
2015年の株式市況のポイントとして見たいのは日本株の自力の高さ。中国ショックでは震源地の中国を初め、米国・欧州など世界の多くの株式市場で年初来安値を割り込みましたが日本株はPER13倍の壁、つまり企業業績が防波堤になり年初来安値に到達すること無く回復基調を見せています。
アベノミクス以降、堅調な回復を見せている企業業績が来年以降も続けば数年に1度と言われる株価下落も跳ね返せることを示した結果となりました。
①1月中旬 | 岡山県、佐賀県で鳥インフルエンザの感染を確認 |
②1月28日 | スカイマークが民事再生法の適用を申請 |
③4月10日 | 日経平均20000円到達 |
④4月21日 | リニア実験が有人列車の最高速度記録を更新 |
⑤6月上旬 | 日経平均12連騰 |
⑥6月中旬 | 東京海上がインシュアランスを買収 |
⑦7月8日 | 上海証券取引所で1,000社が売買停止に |
⑧7月上旬 | フォルクスワーゲンが不正ソフトで規制逃れ |
⑨8月下旬 | 中国ショックで世界同時株安 |
⑩11月4日 | 日本郵政グループ3社が東証へ同時上場 |
⑪11月13日 | パリで同時テロが発生 |
2015年は世界情勢不安が内在も日本株が強さを見せた!
2015年前半は日本株の強さが目立ちました。日経平均を見ると1月から5月までの間、月足での下落が無く「20,000円回復」「歴代3位となる12連騰」などの記録を作りながら年初から約2,500円の高騰劇を演じました。
ただ6月に入り、米国の中央銀行による利上げ意識やギリシャ不安などで相場の雰囲気が徐々に悪化。そこに中国ショックによる世界同時株安が発生しました。日経平均は一時、今年の上昇分をほとんど放出するほどの下落に見舞われましたが、年初来安値に到達すること無く現在20,000円近辺まで回復しています。
では2016年はどんな年なのでしょうか?
2016年の日本株はどうなる?2016年の相場、株式市場に影響を与えそうなイベント・ニュース
1月1日 | マイナンバー(国民番号制度)開始 |
3月1日 | 米国スーパー・チューズデー(米国大統領選挙のヤマ場) |
4月 | 電力小売完全自由化 |
5月26日 | 三重県伊勢志摩でG7サミット(主要国首脳会議) |
6月19日 | 公職選挙法改正により満18歳から選挙権を付与 |
7月 | 参議院総選挙 |
8月5日 | ブラジル・リオデジャネイロオリンピック開催 |
11月8日 | 米国大統領選挙 |
日本株には更なる上昇余地も
国内外とも不安を抱える株式市場ですが、
日本株においては2016年も堅調な推移が期待できます。
理由は企業の地力の強さ。2015年4月にITバブル以来の日経平均20,000円を回復しましたが、当時と今との地力の違いは以下のように明らかです。
最安期のPER11倍、PBR0.8倍からアベノミクスで上昇したものの、日本市場はまだまだ割安水準で東京オリンピックに向けて株価上昇への期待感は持てるのは確かです。
【ITバブル時と今との比較】
| PER(※1) | PBR(※2) |
ITバブル | 約40倍 | 15~16倍 |
現在 | 約2.5倍 | 1.3~1.4倍 |
※1:PERとは財務分析指標の一つ。企業収益が何年で現在の時価総額に到達するのかを表す指標。15倍なら15年で時価総額に到達できるという意味。
※2:PBRとは財務分析指標の一つ。企業の現在の純資産額と時価総額の比率。1.0倍なら純資産額と時価総額が同じと言う意味。
2016年注目銘柄・注目キーワード
2016年の注目株、注目キーワードに関連する銘柄を上げてみました。各注目テーマに関連する銘柄を5銘柄ずつご紹介します。(テーマに関連する度合高い順に表示。関連度の情報は2015/12/9時点のものです。)
2016年新規上場(IPO)銘柄も注目!
2015年は郵政が新規上場したことで大きな話題となりました。2016年も期待の出来る上場銘柄はあるのでしょうか?
まだ決定はされていませんが、都心の大動脈「東京メトロ」や、自動運転関連で注目されている「ZMP」(ゼットエムピー)が新規上場するとの噂があります。
他にもどんな銘柄が上場されるか、2016年のIPOに期待しましょう。
2016年も期待が持てる日本株市場!きちんと事前準備を
米国発、世界同時不況を回避できるか!?
歴史的な金融政策QEにより米国はここ数年世界経済の牽引役になっていました。しかしQEも終わりいよいよ金利引き締めに進むことになります。
中国の景気減速やISによる欧米テロの問題など世界経済に影響を与える不安要素はたくさんありますが、FRB(連邦準備制度)の舵取りが来年の大きなポイントになりそうです。
また米国では2016年11月に行われる大統領選挙を控え、選挙に向けた動きが活発化します。大統領が決まるのは2016年後半ですが、選挙中に経済や市場に向けた発言や選挙動向で相場が反応することも考えられます。
アベノミクスの真価が問われる
2013年のアベノミクスから堅調に推移してきた日本経済ですが、足元では実質GDPでは2四半期連続マイナスとリセッション(景気後退期)に突入したことが明らかになりました。
更に2017年4月から消費税10%になることが決定しており更なる景気悪化不安も内在。このままではインフレと景気低迷が同時に起こる最悪のスタグフレーションがチラつき始めます。
黄色信号が灯り始めたアベノミクスは今後も続くのか、政府・日銀はこの状況にどう対応するのか、来年がアベノミクスの真価が問われることになります。
2016年も期待が持てる日本株市場 口座開設はお早めに!
以上、2015年のまとめと2016年の見通しを解説してきましたが、内外で様々な懸案事項はあるものの企業業績の上昇は事実。2016年の日本株市場も期待が持てるのでは無いでしょうか。
「押し目を狙うならいま!」
最後にプチ情報。
2016年以降、証券口座開設時にはマイナンバーの提示が必要ですが、2015年までのネット証券の口座開設ではマイナンバーの記載は必要ないようです。
株の取引をするならいつかは証券会社に情報提供する必要はありますが、まだ海の物とも山の物ともつかないマイナンバーを出来るだけ使わないで置きたいと思っている方は2015年までに口座開設を終わらせておくことをオススメします。
2016年も期待が持てる日本株市場!おすすめネット証券で口座を準備しましょう。
2015年 ネット証券総合ランキング
みんかぶが調査した2015年総合ランキング。各社の各項目を集計した上で、今年の最も優れたネット証券をランキング付けしました。2016年の更なる株価上昇に向け、こちらのランキングをネット証券選びの参考にしてみてください。
※上記ランキングは2015年11月のみんかぶ総合ランキングをもとに作成しています。