2025年相場見通し&2024年振り返りと年間ランキング
2024年の東京株式市場は
上下に値動きの激しい相場となりました。
年前半は歴史的な上昇局面が到来。1月から始まった
新NISA(少額投資非課税制度)とともに株高に関する話題がさまざまなメディアで取り上げられ、株式投資に対する一般の関心が大きく広がりました。一方、
年後半は一転して波乱の展開となりました。8月に歴史的な暴落局面に遭遇し、その後も
日米の政治を巡って不安定な地合いが続きました。
1月上旬
半導体株が人気化
世界的なAIブームを背景に半導体需要の拡大期待が過熱。半導体関連株が人気化し全体相場を大きく押し上げた
2月下旬
34年ぶり最高値更新
22日、日経平均は1989年以来約34年ぶりに史上最高値を更新した
3月下旬
AIバブル加速
AIブームがバブル的な様相を呈すなか株高が加速。日経平均は4万1000円台に乗せた
7月上旬
トランプ・トレード
米大統領選でトランプ氏優勢との見方が台頭。同氏の経済政策への期待が広がり、日経平均は一気に4万2000円台へ水準を切り上げた
8月上旬
令和のブラックマンデー
急上昇後の反動で急落。日銀の利上げや米景気懸念も重なりパニック売りに
2024年相場前半の振り返り 株価に影響を与えたニュースとは
24年前半の株式相場は元日に能登半島地震が発生し、年明け早々不安が広がりました。日経平均は大発会に一時大幅安で
3万3000円割れまで下落しました。ただ、ここからムードは一変。春先にかけて
バブル期の最高値(3万8915円)へと駆け上がっていきました。原動力となったのは
半導体関連株です。世界的なAIブームを背景に半導体需要の拡大期待が膨らみ、
東京エレクトロンをはじめとする関連銘柄に買いが流入。相場全体を大きく押し上げました。1月にスタートした
新NISA経由の資金流入も追い風に、
日経平均は2月に約34年ぶりにバブル高値を更新しました。
株高の勢いは衰えず、3月に入り
日経平均はあっさり4万円大台を突破しました。同月に開かれた日銀の金融政策決定会合では10年以上にわたって続いた異次元緩和策が解除され、金融政策の正常化が進展。
歴史的な株高、金融政策の転換と日本株市場は大きな節目を迎えました。4月以降は年初からの上昇の反動で調整する場面もありましたが、
概ね3万8000~3万9000円前後で底堅く推移しました。このまま堅調な相場が続くかに思われましたが、この先市場では大きな波乱が巻き起こりました。
年後半は乱高下、“史上最大の暴落”を記録も
年後半は
リスク選好ムードで始まりました。米
大統領選で共和党候補のトランプ氏が優勢との見方が台頭し、同氏が訴える経済政策に期待した「トランプ・トレード」が加速。日経平均は7月半ばにかけて一気に
4万2000円台まで水準を切り上げました。しかし、ここから一転して急速に下落基調が強まりました。日銀の早期利上げに対する警戒感が広がったためです。実際に
日銀は同月後半の決定会合で利上げに踏み切りました。一方、時を同じくして米国では経済指標の悪化を受けて景気減速懸念が急浮上。
悪材料が重なり、株式市場は売りが売りを呼ぶパニック状態に陥りました。8月5日、
日経平均は前営業日比4451円安の3万1458円と大暴落し、史上最大の下げ幅を記録しました。その後市場は急速に持ち直しましたが、9月の自民党総裁選を巡って思惑的な売買が活発化し、再び乱高下する場面がありました。更に10月の衆議院選挙、11月の米大統領選と日米の政局を横にらみに神経質な展開が続きました。
2025年の相場はどうなる? 焦点は「トランプ新政権」
さて、25年の相場はどうなるのでしょうか。なんといっても
マーケットの話題の中心はトランプ米新政権になるでしょう。減税策など経済にプラスとなる政策を掲げる一方、関税強化や対中規制といったマイナスな政策も訴えており、
政権発足後に各政策の具体的な中身がどうなるのか注視する必要があります。また、トランプ氏と言えばSNSで頻繁に情報発信をすることで知られています。その内容によっては株式市場が突発的に大きく動く可能性もあり、注意が必要です。また、
日米の金融政策はもちろん、ウクライナ戦争や中東情勢など地政学リスクからも引き続き目が離せません。
政治面では、前述したようにトランプ新政権の動向が焦点となります。米大統領就任式は25年1月20日に行われます。日本では夏に東京都議会選挙と参議院選挙があります。
先の衆院選に続き、国内政局に更なる大きな変化をもたらすのか注目です。
このほか話題となりそうな投資テーマを押さえておくこともポイントとなります。まずは、25年に開催される注目のビッグイベント「
大阪・関西万博」が見逃せません。ビットコイン価格の上昇で関心を集める「
仮想通貨(暗号資産)」も要チェックとなります。このほか、株式市場で不動の人気を誇る「
AI」と「
半導体」、地政学リスクの高まりで重要性が増す「
防衛」、引き続き賑わいを見せる「
インバウンド」を押さえておきましょう。