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タツモのニュース
*12:11JST 日経平均は大幅続伸、今週から重要イベント続く
日経平均は大幅続伸。332.50円高の28259.97円(出来高概算5億6147万株)で前場の取引を終えている。
前週末3日の米国株式市場のダウ平均は387.40ドル高(+1.17%)と大幅続伸。長期金利の上昇が一段落したため安心感から買いが先行。2月ISM非製造業景況指数が予想を上回った一方、仕入れ価格が前月より低下したことも好感された。終日堅調に推移し、終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。ナスダック総合指数も大幅続伸、ハイテク株高となった米株市場を受けて、本日の日経平均は前週末比254.84円高の28182.31円と大幅続伸でスタート。買い一巡後は高値圏でのもみ合い展開が続いている。
個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、アドバンテ<6857>、ディスコ<
6146>などの半導体関連株が堅調に推移。三井物産<8031>や三菱商事<8058>、丸紅<8002>などの商社株、郵船<9101>や川崎汽船<9107>などの海運株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株は上昇。JAL<9201>やANA<9202>などの空運株なども堅調、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、キーエンス<6861>など幅広い銘柄が上昇した。ほか、志賀原発敷地内の活断層はないと原子力規制委員会が評価したと伝わり北陸電力<9505>が大幅に上昇、冨士ダイス<6167>、タツモ<6266>、ハブ<3030>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、日経平均株価に採用も好材料出尽くしとの受け止め方が優勢となっているオリエンタルランド<4661>が下落した。そのほか、業績上方修正も修正幅は期待値に届かず嫌気された日本駐車場開発<2353>が急落、第1四半期の赤字幅拡大を嫌気された日本ハウスHD<1873>が大幅に下落、トーホー<8142>、北國FHD<7381>、ドトル日レス<
3087>などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。
セクターでは精密機器、電気機器、電気・ガスが上昇率上位となった一方、鉱業、パルプ・紙、石油・石炭製品が下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の65%、対して値下がり銘柄は30%となっている。
本日の日経平均は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買いが先行した。なお、取引時間中に28000円を付けたのは昨年12月15日以来となる。ただ、急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒されやすく、買い一巡後の値動きに注目する声も多く聞かれている。現状は高値圏でのもみ合い展開が継続している。
新興市場も堅調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇してスタートした後、プラス圏でのもみ合い展開が続いている。米国で主力グロース株が大幅高となったことは国内の投資家心理を改善させる要因となった。また、一時4%まで上昇していた米10年債利回りは再び4%を割り込んで推移しており、バリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株にとっては追い風となっている。前引け時点での東証マザーズ指数は1.22%高、東証グロース市場Core指数は1.33%高。
さて、今週からは主要イベントが控えている。まず、米連邦準備制度理事会(FRB)
のパウエル議長が7日に上院銀行委員会で半期に一度の議会証言を行い、翌8日にも議長は下院金融委員会で証言する。本日のブルームバーグでは、パウエル氏は2月7日のインタビューで、「並外れて強い労働市場」が続く場合は「さらなる措置を講じる必要が生じる可能性は十分にある」と述べていたと報じられている。
また、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は4日、「やるべきことがまだあるのは明らかだ」としたうえで、「高インフレを過去のものとするために、さらなる政策引き締めをより長めに維持することが必要になるだろう」と語っていたようだ。市場では、米1月個人消費支出(PCE)コアデフレーターや米2月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値などの経済統計やインフレ指標を受けて、インフレ再燃に警戒感が強まっている。パウエル議長の発言機会は今回の議会証言を最後に、次回連邦公開市場委員会
(FOMC)会合まで設定されていないため、いずれにしても同氏の発言には注目しておきたいところだ。
パウエル議長の議会証言に続いて、9日からは黒田東彦日本銀行総裁にとって最後となる金融政策決定会合が開催される。今回の日銀金融政策決定会合では現状維持を予想する向きが大半だが、次期総裁の植田氏による政策運営に自由度を与えておく状況を創出することを目的に3月会合でのサプライズ修正を指摘する向きもいる。10日には2月の米雇用統計、14日には同月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。非農業部門雇用者数の伸びとインフレの過熱が再び数字で示されれば、投資家心理を悪化させて株安に傾く可能性があろう。
そのほか、5日から中国で全国人民代表大会が開催。李克強首相は政府活動報告で、
2023年の経済成長率の目標を5%前後とし、昨年の目標(5.5%前後)より低く設定した。他方、スイスの金融大手クレディ・スイスの長年の大株主だった米運用会社ハリス・アソシエイツが、全保有株を売却したと5日付の英紙フィナンシャル・タイムズ
(FT)が報じている。
やはり、米国の経済指標やFRBの動向に加えて、そのほかの外部環境の変化にも逐一注目が必要である。このような不透明感が拭えない環境が台頭している中、月曜日の当欄を担当している筆者は、引き続き更なる下落シナリオを想定して相場を見守っている。さて、後場の日経平均は、プラス圏でのもみ合い展開が続くか。足元で強まっているバリュー(割安)・高配当利回り株や個別材料株、出遅れている新興市場の中小型株に物色が向かうか注目したい。
(山本泰三)
<AK>
前週末3日の米国株式市場のダウ平均は387.40ドル高(+1.17%)と大幅続伸。長期金利の上昇が一段落したため安心感から買いが先行。2月ISM非製造業景況指数が予想を上回った一方、仕入れ価格が前月より低下したことも好感された。終日堅調に推移し、終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。ナスダック総合指数も大幅続伸、ハイテク株高となった米株市場を受けて、本日の日経平均は前週末比254.84円高の28182.31円と大幅続伸でスタート。買い一巡後は高値圏でのもみ合い展開が続いている。
個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、アドバンテ<6857>、ディスコ<
6146>などの半導体関連株が堅調に推移。三井物産<8031>や三菱商事<8058>、丸紅<8002>などの商社株、郵船<9101>や川崎汽船<9107>などの海運株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株は上昇。JAL<9201>やANA<9202>などの空運株なども堅調、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、キーエンス<6861>など幅広い銘柄が上昇した。ほか、志賀原発敷地内の活断層はないと原子力規制委員会が評価したと伝わり北陸電力<9505>が大幅に上昇、冨士ダイス<6167>、タツモ<6266>、ハブ<3030>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、日経平均株価に採用も好材料出尽くしとの受け止め方が優勢となっているオリエンタルランド<4661>が下落した。そのほか、業績上方修正も修正幅は期待値に届かず嫌気された日本駐車場開発<2353>が急落、第1四半期の赤字幅拡大を嫌気された日本ハウスHD<1873>が大幅に下落、トーホー<8142>、北國FHD<7381>、ドトル日レス<
3087>などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。
セクターでは精密機器、電気機器、電気・ガスが上昇率上位となった一方、鉱業、パルプ・紙、石油・石炭製品が下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の65%、対して値下がり銘柄は30%となっている。
本日の日経平均は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買いが先行した。なお、取引時間中に28000円を付けたのは昨年12月15日以来となる。ただ、急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒されやすく、買い一巡後の値動きに注目する声も多く聞かれている。現状は高値圏でのもみ合い展開が継続している。
新興市場も堅調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇してスタートした後、プラス圏でのもみ合い展開が続いている。米国で主力グロース株が大幅高となったことは国内の投資家心理を改善させる要因となった。また、一時4%まで上昇していた米10年債利回りは再び4%を割り込んで推移しており、バリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株にとっては追い風となっている。前引け時点での東証マザーズ指数は1.22%高、東証グロース市場Core指数は1.33%高。
さて、今週からは主要イベントが控えている。まず、米連邦準備制度理事会(FRB)
のパウエル議長が7日に上院銀行委員会で半期に一度の議会証言を行い、翌8日にも議長は下院金融委員会で証言する。本日のブルームバーグでは、パウエル氏は2月7日のインタビューで、「並外れて強い労働市場」が続く場合は「さらなる措置を講じる必要が生じる可能性は十分にある」と述べていたと報じられている。
また、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は4日、「やるべきことがまだあるのは明らかだ」としたうえで、「高インフレを過去のものとするために、さらなる政策引き締めをより長めに維持することが必要になるだろう」と語っていたようだ。市場では、米1月個人消費支出(PCE)コアデフレーターや米2月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値などの経済統計やインフレ指標を受けて、インフレ再燃に警戒感が強まっている。パウエル議長の発言機会は今回の議会証言を最後に、次回連邦公開市場委員会
(FOMC)会合まで設定されていないため、いずれにしても同氏の発言には注目しておきたいところだ。
パウエル議長の議会証言に続いて、9日からは黒田東彦日本銀行総裁にとって最後となる金融政策決定会合が開催される。今回の日銀金融政策決定会合では現状維持を予想する向きが大半だが、次期総裁の植田氏による政策運営に自由度を与えておく状況を創出することを目的に3月会合でのサプライズ修正を指摘する向きもいる。10日には2月の米雇用統計、14日には同月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。非農業部門雇用者数の伸びとインフレの過熱が再び数字で示されれば、投資家心理を悪化させて株安に傾く可能性があろう。
そのほか、5日から中国で全国人民代表大会が開催。李克強首相は政府活動報告で、
2023年の経済成長率の目標を5%前後とし、昨年の目標(5.5%前後)より低く設定した。他方、スイスの金融大手クレディ・スイスの長年の大株主だった米運用会社ハリス・アソシエイツが、全保有株を売却したと5日付の英紙フィナンシャル・タイムズ
(FT)が報じている。
やはり、米国の経済指標やFRBの動向に加えて、そのほかの外部環境の変化にも逐一注目が必要である。このような不透明感が拭えない環境が台頭している中、月曜日の当欄を担当している筆者は、引き続き更なる下落シナリオを想定して相場を見守っている。さて、後場の日経平均は、プラス圏でのもみ合い展開が続くか。足元で強まっているバリュー(割安)・高配当利回り株や個別材料株、出遅れている新興市場の中小型株に物色が向かうか注目したい。
(山本泰三)
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