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後場に注目すべき3つのポイント~買い続かずマイナス圏に転落

配信元:フィスコ
投稿:2023/08/14 12:20
*12:20JST 後場に注目すべき3つのポイント~買い続かずマイナス圏に転落 14日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

日経平均は反落、買い続かずマイナス圏に転落
・ドル・円は下げ渋り、高値では介入に警戒
・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はアドバンテ<6857>

日経平均は反落、買い続かずマイナス圏に転落

日経平均は反落。313.35円安の32160.30円(出来高概算8億3854万株)で前場の取引を終えている。

国内連休中の米国株式市場のダウ平均は連日上昇。10日は、7月消費者物価指数(CPI)が予想通り鈍化傾向を証明したため金利先高観が後退した。しかし、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が追加利上げを否定しなかったため手仕舞い売りが強まり、上げ幅を縮小。11日は、7月卸売物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなったが、サービス需要の強さが再確認されたためソフトランディグ期待を受けた買いが強まった。ただ、金利上昇を背景にナスダック総合指数はまちまちで終了、強弱入り混じる展開となった米株市場を横目に、本日の日経平均は下落スタートとなった。

個別では、レーザーテック<6920>東エレク<8035>、アドバンテ<6857>などの半導体関連株が軟調に推移。三菱商事<8058>三井物産<8031>などの商社株、JR東<9020>やJR西<9021>などの鉄道株、JAL<9201>やANA<9202>などの空運株、なども下落。また、ソニーG<6758>、ファーストリテ<9983>キーエンス<6861>ディスコ<6146>、ソフトバンクG<9984>ホンダ<7267>オリンパス<7733>なども下落した。そのほか、決算発表を受けて材料出尽くし感が優勢となったメルカリ<4385>が急落、ミマキエンジニアリング<6638>ハイパー<3054>ミルボン<4919>などが値下がり率上位に顔を出した。

一方、NTT<9432>やKDDI<9433>などの通信株のほか、任天堂<7974>楽天グループ<4755>商船三井<9104>などが上昇。想定以上に底堅い業績推移をポジティブ視されたリクルートHD<6098>も堅調に推移した。ほか、第1四半期営業利益が通期計画を超過したダイコク電機<6430>、MSCI新規採用や大幅増益決算を好感されたゼンショーHD<7550>などが大幅に上昇した。そのほか、スターティアホールディングス<3393>、ゲオHD<2681>ライフドリンク カンパニー<2585>アトラエ<6194>、などが値上がり率上位に顔を出した。

セクターでは、鉱業、不動産業、機械が下落率上位となった一方で、パルプ・紙、ガラス・土石製品、小売業が上昇率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の40%、対して値下がり銘柄は58%となっている。

8月14日の日経平均は前週末比16.93円安の32456.72円と小反落でスタート。シカゴ日経225先物清算値は大阪比105円安の32455円で、本日の日経平均はシカゴ先物にサヤ寄せする格好からやや売りが先行した。ただ、為替が円安方向に振れていることが追い風となり、日経平均は一時プラス圏に浮上する場面も見られた。しかし、買いは続かず再度マイナス圏に転落、その後は軟じりじりと下げ幅を広げる展開となった。

新興市場も軟調な展開となっている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後、上げ幅を縮小してマイナス圏に転落する展開となっている。前週末まで大きく下落していた分、押し目買いの動きが広がったが、米長期金利が再度上昇しておりバリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株の重しとなっている。前引け時点での東証マザーズ指数は0.65%安、東証グロース市場Core指数は0.53%安。

さて、前週注目された米7月CPIは概ね市場予想に一致した一方、前年同月比で市場予想を小幅に下回り、米8月ミシガン大消費者調査の1年先期待インフレ率も予想に反して前月から低下するなど追加利上げ懸念を緩和させる内容も見られた。ただ、食品とエネルギーを除いたコアCPI指数は前年同月比4.7%上昇したほか、米7月卸売物価指数(PPI)が予想を上回っており、結果的に米国債利回りの上昇につながった。

直近では、米国がリセッション(景気後退)を回避すると予測するエコノミストや投資家が増加している。また、米ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、米金融当局が来年6月末までに利下げを開始するとの予想を示している。強弱入り混じる内容でどっちつかずの動きが続く中、やはり今後はFOMC議事要旨(7月開催分)や今月終盤に開かれるジャクソンホール会合にも注目が集まろう。同会合ではパウエルFRB議長含めて当局関連の発言に注視しておきたい。

そのほか、中国の景気回復は不動産不況の悪化に圧迫されているようだ。最新の経済指標では成長回復の兆しがほとんど見られない公算が大きい可能性があるという。中国の一部地域が豪雨や洪水に見舞われたことで先月の建設活動が妨げられたことも要因となるようだ。さらに、中国の信託会社及び中融国際信託の顧客2社が満期を迎えた同社の信託商品の支払いが滞っていることを明らかにしている。中融の主要株主1社が流動性の問題を抱えていると報じられる中、中国の金融セクターにも混乱の兆候が表れた。

また、中国外務省が、台湾の頼清徳副総統がパラグアイ訪問の経由地として米国に立ち寄る計画について「一つの中国の原則に対する重大な違反」だと非難している。同省の報道官談話は、「中国は、米国と台湾のいかなる形の公式接触にも断固反対する」とし、頼氏の立ち寄りをアレンジした米国の決定を批判したようだ。各国の経済状況を注視するだけでなく、今後は台湾情勢やウクライナ情勢などの地政学リスクを念頭に置いて相場や企業の動向を見守っていく必要があるだろう。

8月10日に発表された最新週(7/31~8/4)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物株を6週連続で買い越しているが、買い越し額は188億円と前週から縮小した。現物と先物を合算すると海外投資家は3842億円の売り越しとなっており、個人投資家は現物株を2662億円買い越した。さて、後場の日経平均は引き続きじりじりと下げ幅を広げる展開となるか。前週同様、決算発表を終えた銘柄中心に物色が続きそうだ。

■ドル・円は下げ渋り、高値では介入に警戒

14日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。米10年債利回りの上昇基調でドル買いに振れ、一時145円22銭まで値を切り上げた。ただ、日本の為替介入が警戒され、円売り縮小でドルは144円65銭まで下落。その後は144円後半を中心にもみ合っている。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は144円65銭から145円22銭、ユーロ・円は158円26銭から158円83銭、ユーロ・ドルは1.0930ドルから1.0950ドル。

■後場のチェック銘柄

日本アクア<1429>、ライフドリンクカンパニー<2582>など、14銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はアドバンテ<6857>

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・米・7月生産者物価指数:前月比+0.3%(予想:+0.2%、6月:0%←+0.1%)
・米・7月生産者物価コア指数:前月比+0.3%(予想:+0.2%、6月:-0.1%←+0.1%)
・米・7月生産者物価指数:前年比+0.8%(予想:+0.7%、6月:+0.2%←+0.1%)

【要人発言】

・バイデン米大統領
「中国の経済問題は時限爆弾」
「中国の経済成長は鈍化、苦境に陥っている」

<国内>
特になし

<海外>
特になし

<CS>
配信元: フィスコ
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