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*12:19JST 日経平均は続伸、米株高と円安で上昇も懸念はくすぶる
日経平均は続伸。316.41円高の32810.30円(出来高概算6億2272万株)で前場の取引を終えている。
18日の米株式市場でダウ平均は366.58ドル高(+1.05%)と7日続伸、ナスダック総合指数は+0.76%と続伸。6月の小売売上高や鉱工業生産が予想を下回り、景気減速懸念から売りが先行。一方、コア小売売上高の上振れや良好な決算を受けた金融セクターの上昇が好感され、相場はプラス圏に回復。さらに、金利の低下でハイテクも買われ、終盤にかけて上げ幅を拡大した。米株高を受けて日経平均は318.47円高からスタート。寄り付き直後に一時失速したが、為替の円高一服や米景気減速懸念の緩和を背景に景気敏感株を中心に買いが入り、前場中ごろには32873.15円(379.26円高)まで上昇。その後もこの日の高値圏で堅調な推移が続いた。
個別では、川崎汽船<9107>の急伸を筆頭に郵船<9101>、商船三井<9104>の海運が大きく上昇。為替の円高一服を受けてトヨタ自<7203>、三菱自<7211>、マツダ<7261>が買われ、日産自<7201>は株主還元に関する経営陣のインタビュー報道を手掛かりに大幅高。三菱重工業<7011>、INPEX<1605>、コマツ<6301>、JFE<5411>など景気敏感株が堅調。レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、SHIFT
<3697>、メルカリ<4385>、ベイカレント<6532>などハイテク・グロース(成長)株の一角も高い。マネーフォワード<3994>は業績上方修正が好感され一時急伸した。
一方、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>、ディスコ<6146>の半導体のほか、ソニーG<6758>、村田製<6981>、イビデン<4062>のハイテクの一角が軟調。ローム<6963>は東芝<6502>への資金拠出に対する懐疑的な見方から売り優勢。ファーマフーズ<2929>、日置電機<6866>は好決算ながらも出尽くし感から大きく売られている。
セクターで海運、証券・商品先物取引、鉱業を筆頭に全面高となっている。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の85%、対して値下がり銘柄は13%となっている。
前日、朝方の上昇後に急失速して冴えない展開だった日経平均は、本日は再び32500円を大きく超え、前日の高値を上回っている。一方、25日移動平均線手前で上昇一服となっており、同線が上値抵抗線として意識される格好となっている。本日の株高の要因は米国株高と為替の円高一服が挙げられる。
米6月小売売上高は前月比+0.2%と市場予想(+0.5%)を下回り、自動車・同部品を除いた売上高も+0.2%と市場予想(+0.3%)を下振れた。また、米6月鉱工業生産も前月比-0.5%と市場予想(横ばい)を下回った。
一方、米6月小売売上高については飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高が前月比+0.6%と5月(+0.3%)から加速し、市場予想
(0.3%)も大きく上回った。
さらに、先週末に発表されたJPモルガン・チェースやシティ・グループに続き、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカの金融大手の決算も良好だったことで、景気後退懸念が緩和、ソフトランディング(軟着陸)期待が高まり、景気敏感株を中心に買われた。また、米長期金利が低下したことやマイクロソフトの新サービスの発表を受けて、生成AI(人工知能)関連株の買いが復活し、ハイテク株も上昇した。
良いとこ取りの相場展開だった米株高の流れに加え、日本銀行の植田和男総裁が前日、「(物価目標達成には)まだ距離がある」などと発言し、粘り強く金融緩和を続ける姿勢を再表明した。これを受けて、先週末まで日本株の大きな重石になっていた為替の円高の一服が一段と鮮明になり、本日の日本株高に寄与している。
ただ、植田日銀総裁はかねてからイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の修正は「サプライズを伴わざるを得ない」としている。また、為替の円高への反転のきっかけになった内田日銀副総裁の発言も踏まえれば、依然として来週27-28日に開催される日銀金融政策決定会合での政策修正観測はくすぶる。今後は秋ごろから政府の物価抑制策の効果も切れていくため、政治的な観点からも為替の円安は許容しにくい背景もある。
米商品先物取引委員会(CFTC)によると、投機筋の円売りポジションは7月11日時点で11万7182枚だった。2018年以降で最大を記録した7月3日からほぼ横ばいで、巨大な円の買い戻し圧力はまだ大幅に残されているようだ。日経平均とTOPIX(東証株価指数)はともにまだ25日線を明確に上回ることができておらず、短期調整局面を抜け出せたとまでは言いにくい。景気・為替との連動性の大きい輸出系大型株への上値追いには依然慎重に臨むべきと思われ、引き続き米金利の低下が支援材料となりやすい内需系グロース(成長)株を選好すべきと考える。
(仲村幸浩)
<AK>
18日の米株式市場でダウ平均は366.58ドル高(+1.05%)と7日続伸、ナスダック総合指数は+0.76%と続伸。6月の小売売上高や鉱工業生産が予想を下回り、景気減速懸念から売りが先行。一方、コア小売売上高の上振れや良好な決算を受けた金融セクターの上昇が好感され、相場はプラス圏に回復。さらに、金利の低下でハイテクも買われ、終盤にかけて上げ幅を拡大した。米株高を受けて日経平均は318.47円高からスタート。寄り付き直後に一時失速したが、為替の円高一服や米景気減速懸念の緩和を背景に景気敏感株を中心に買いが入り、前場中ごろには32873.15円(379.26円高)まで上昇。その後もこの日の高値圏で堅調な推移が続いた。
個別では、川崎汽船<9107>の急伸を筆頭に郵船<9101>、商船三井<9104>の海運が大きく上昇。為替の円高一服を受けてトヨタ自<7203>、三菱自<7211>、マツダ<7261>が買われ、日産自<7201>は株主還元に関する経営陣のインタビュー報道を手掛かりに大幅高。三菱重工業<7011>、INPEX<1605>、コマツ<6301>、JFE<5411>など景気敏感株が堅調。レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、SHIFT
<3697>、メルカリ<4385>、ベイカレント<6532>などハイテク・グロース(成長)株の一角も高い。マネーフォワード<3994>は業績上方修正が好感され一時急伸した。
一方、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>、ディスコ<6146>の半導体のほか、ソニーG<6758>、村田製<6981>、イビデン<4062>のハイテクの一角が軟調。ローム<6963>は東芝<6502>への資金拠出に対する懐疑的な見方から売り優勢。ファーマフーズ<2929>、日置電機<6866>は好決算ながらも出尽くし感から大きく売られている。
セクターで海運、証券・商品先物取引、鉱業を筆頭に全面高となっている。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の85%、対して値下がり銘柄は13%となっている。
前日、朝方の上昇後に急失速して冴えない展開だった日経平均は、本日は再び32500円を大きく超え、前日の高値を上回っている。一方、25日移動平均線手前で上昇一服となっており、同線が上値抵抗線として意識される格好となっている。本日の株高の要因は米国株高と為替の円高一服が挙げられる。
米6月小売売上高は前月比+0.2%と市場予想(+0.5%)を下回り、自動車・同部品を除いた売上高も+0.2%と市場予想(+0.3%)を下振れた。また、米6月鉱工業生産も前月比-0.5%と市場予想(横ばい)を下回った。
一方、米6月小売売上高については飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高が前月比+0.6%と5月(+0.3%)から加速し、市場予想
(0.3%)も大きく上回った。
さらに、先週末に発表されたJPモルガン・チェースやシティ・グループに続き、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカの金融大手の決算も良好だったことで、景気後退懸念が緩和、ソフトランディング(軟着陸)期待が高まり、景気敏感株を中心に買われた。また、米長期金利が低下したことやマイクロソフトの新サービスの発表を受けて、生成AI(人工知能)関連株の買いが復活し、ハイテク株も上昇した。
良いとこ取りの相場展開だった米株高の流れに加え、日本銀行の植田和男総裁が前日、「(物価目標達成には)まだ距離がある」などと発言し、粘り強く金融緩和を続ける姿勢を再表明した。これを受けて、先週末まで日本株の大きな重石になっていた為替の円高の一服が一段と鮮明になり、本日の日本株高に寄与している。
ただ、植田日銀総裁はかねてからイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の修正は「サプライズを伴わざるを得ない」としている。また、為替の円高への反転のきっかけになった内田日銀副総裁の発言も踏まえれば、依然として来週27-28日に開催される日銀金融政策決定会合での政策修正観測はくすぶる。今後は秋ごろから政府の物価抑制策の効果も切れていくため、政治的な観点からも為替の円安は許容しにくい背景もある。
米商品先物取引委員会(CFTC)によると、投機筋の円売りポジションは7月11日時点で11万7182枚だった。2018年以降で最大を記録した7月3日からほぼ横ばいで、巨大な円の買い戻し圧力はまだ大幅に残されているようだ。日経平均とTOPIX(東証株価指数)はともにまだ25日線を明確に上回ることができておらず、短期調整局面を抜け出せたとまでは言いにくい。景気・為替との連動性の大きい輸出系大型株への上値追いには依然慎重に臨むべきと思われ、引き続き米金利の低下が支援材料となりやすい内需系グロース(成長)株を選好すべきと考える。
(仲村幸浩)
<AK>
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