503円
パンチ工業のニュース
日経平均は続落。264.14円安の25855.38円(出来高概算5億9332万株)で前場の取引を終えている。
13日の米株式市場のダウ平均は112.64ドル高(+0.33%)と続伸。各主要銀行の最高経営責任者(CEO)が軽度の景気後退を想定していると慎重な見通しを示したため警戒感から売られた。ただ、その後発表された1月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が予想以上に改善したため景気への悲観的見方が後退し下げ止まった。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する上で注視している同指数の1年期待インフレ率が大幅に低下したため金利先高観がさらに後退しハイテクが買われ相場をプラス圏に押し上げた。終盤にかけ上げ幅を拡大し終了した米株市場を横目に、日経平均は前週末比282.85円安の25836.67円と続落でスタート。その後は、マイナス圏での軟調もみ合い展開が続いている。
個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、アドバンテ<6857>などの半導体関連株が軟調に推移、ファーストリテ<9983>やソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>などの大型株が下落した。また、郵船<9101>や川崎汽船<9107>、商船三井<9104>などの海運株、三井物産<8031>や三菱商事<8058>などの商社株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株なども下落している。業績予想、並びに配当予想の下方修正を発表したデンカ<4061>、先行投資負担増により収益予想を下方修正した北の達人<2930>も大幅下落。ほか、イオンファンタジー<4343>、大豊建設<1822>などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。
一方、キーエンス<6861>、NTT<9432>、エーザイ<4523>、任天堂<7974>などが上昇。
第1四半期営業利益は前年同期比2.5倍で着地したセラク<6199>、上限5.8%の自社株買い枠設定を発表したTSIホールディングス<3608>などが急騰した。また、23年2月期は一転営業増益の見通しとなったIDOM<7599>、第3四半期決算で想定以上のDX需要が意識される展開になっているベイカレント<6532>なども上昇。そのほか、東名<4439>、ヨシムラフード<2884>、パンチ工業<6165>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
セクターでは銀行、海運、非鉄金属が下落率上位となった一方、繊維製品、石油・石炭、パルプ・紙が上昇率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の36%、対して値下がり銘柄は59%となっている。
本日の日経平均株価は、下落スタート後にマイナス圏での軟調もみ合い展開が続いている。シカゴ日経225先物は大阪比290円安の25790円で、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から本日の日経平均は売りが先行。17-18日に控えている日銀金融政策決定会合で追加の政策修正が決定される可能性について報道があり、本日も国内金利上昇への警戒感から利益確定売りが広がっている。香港市場や中国市場の指数はプラス圏で推移、ナスダック100先物は上値の重い展開が続いている。
新興市場でも軟調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落してスタート。その後は、下げ幅を縮小する動きを見せるもマイナス圏で推移した。ただ、日経平均よりも下落率は小さく、為替の円高影響が小さい新興株に幕間つなぎの物色が向かっている可能性がある。また、インフレピークアウト期待は引き続き新興株のサポート要因として機能している。そのほか、新興市場でも決算発表を行った個別材料株中心に物色が向かっている。前引け時点で東証マザーズ指数が0.78%安、東証グロース市場Core指数が0.44%安。
さて、前週末に発表された米1月ミシガン大学消費者信頼感指数の1年先期待インフレ率は4.0%と市場予想4.3%を大幅に下回り、昨年12月の4.4%から大きく低下した。
2021年4月以来の低水準となり、米消費者が今後1年で物価上昇圧力が大幅に緩和するという確信を強めている様子が浮き彫りとなった。米10年債利回りは3.49%と昨年12月以降のレンジ下限まで低下、インフレピークアウト期待は個人投資家心理にポジティブに働こう。
ただ、米国のインフレピークアウトに楽観的な意見が見られてきたなか、今週は日銀の金融政策決定会合が17-18日に開催される。追加の政策修正が決定される可能性について一部メディアが報じており、市場参加者の注目度が急速に高まっている。ブルームバーグ調査によると、ほぼすべてのエコノミストが今回の政策据え置きを予想。
ただ、日銀が長期金利の許容変動幅を上下0.25%から同0.5%に拡大した理由である市場機能について、変更後も改善はみられず、市場は早くも変動幅の再拡大やYCC撤廃の可能性を想定し始めている。
年明けの段階では、12月会合の際に決めたYCC運用見直しの影響と効果を見極めるため、さらなる修正は急がない意向とも伝えられていた。2会合連続での政策修正があれば、ネガティブサプライズになろう。同会合が終了するまでは、日経平均は上値の重い展開が続きそうだ。
そのほか、株式デリバティブトレーダーは昨年市場を駆け巡った混乱が中断すると想定しているという。今後数カ月間の価格変動の激しさの予想を示すいわゆるボラティリティ・カーブは、どの点でも1年前より低下。カーソン・グループのチーフ市場ストラテジストであるライアン・デトリック氏は「昨年がどれだけひどい1年だったかを考えれば、市場には すでに多くの悪いニュースが織り込まれている可能性が高い」と述べた、とブルームバーグで報じられている。
また、ネッド・デービス・リサーチによる米商品先物取引委員会(CFTC)のデータ分析によれば、機関投資家は過去数週間、株式のショートポジションをカバーし、今月初めにはネットロングポジションを2022年5月以来の水準に高めたという。ネッド・デービスの米国担当チーフストラテジストは「良好なインフレデータが続き、企業業績がかなり良ければ、ヘッジファンドがショートポジションのカバーを続け、それが相場上昇を持続させるかなり良い材料になると言えるだろう」とブルームバーグに語ったようだ。
インフレが鈍化しつつあり、米金融当局が利上げペースを緩めるとの楽観的観測を受けて暗号資産ビットコインも連日大きく上昇している。暗号資産全体の時価総額も昨年11月以降と比較して回復傾向にあり、リスク資産に資金が戻り始めている。トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズの創業者のマイケル・パーブス氏は、短期的に強気の値動きを意味していると分析したようだ。ただ、暗号資産、米国株が好調に推移してはいるが、引き続きインフレ指標やFRB高官の発言、地政学リスクの動向などには注目を続けたい。さて、後場の日経平均は軟調もみ合い展開が続くか。米株先物の動向を横目に、日経平均が下げ幅を縮小する動きを見せるか注目しておきたい。
(山本泰三)
<AK>
13日の米株式市場のダウ平均は112.64ドル高(+0.33%)と続伸。各主要銀行の最高経営責任者(CEO)が軽度の景気後退を想定していると慎重な見通しを示したため警戒感から売られた。ただ、その後発表された1月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が予想以上に改善したため景気への悲観的見方が後退し下げ止まった。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する上で注視している同指数の1年期待インフレ率が大幅に低下したため金利先高観がさらに後退しハイテクが買われ相場をプラス圏に押し上げた。終盤にかけ上げ幅を拡大し終了した米株市場を横目に、日経平均は前週末比282.85円安の25836.67円と続落でスタート。その後は、マイナス圏での軟調もみ合い展開が続いている。
個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、アドバンテ<6857>などの半導体関連株が軟調に推移、ファーストリテ<9983>やソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>などの大型株が下落した。また、郵船<9101>や川崎汽船<9107>、商船三井<9104>などの海運株、三井物産<8031>や三菱商事<8058>などの商社株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株なども下落している。業績予想、並びに配当予想の下方修正を発表したデンカ<4061>、先行投資負担増により収益予想を下方修正した北の達人<2930>も大幅下落。ほか、イオンファンタジー<4343>、大豊建設<1822>などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。
一方、キーエンス<6861>、NTT<9432>、エーザイ<4523>、任天堂<7974>などが上昇。
第1四半期営業利益は前年同期比2.5倍で着地したセラク<6199>、上限5.8%の自社株買い枠設定を発表したTSIホールディングス<3608>などが急騰した。また、23年2月期は一転営業増益の見通しとなったIDOM<7599>、第3四半期決算で想定以上のDX需要が意識される展開になっているベイカレント<6532>なども上昇。そのほか、東名<4439>、ヨシムラフード<2884>、パンチ工業<6165>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
セクターでは銀行、海運、非鉄金属が下落率上位となった一方、繊維製品、石油・石炭、パルプ・紙が上昇率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の36%、対して値下がり銘柄は59%となっている。
本日の日経平均株価は、下落スタート後にマイナス圏での軟調もみ合い展開が続いている。シカゴ日経225先物は大阪比290円安の25790円で、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から本日の日経平均は売りが先行。17-18日に控えている日銀金融政策決定会合で追加の政策修正が決定される可能性について報道があり、本日も国内金利上昇への警戒感から利益確定売りが広がっている。香港市場や中国市場の指数はプラス圏で推移、ナスダック100先物は上値の重い展開が続いている。
新興市場でも軟調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落してスタート。その後は、下げ幅を縮小する動きを見せるもマイナス圏で推移した。ただ、日経平均よりも下落率は小さく、為替の円高影響が小さい新興株に幕間つなぎの物色が向かっている可能性がある。また、インフレピークアウト期待は引き続き新興株のサポート要因として機能している。そのほか、新興市場でも決算発表を行った個別材料株中心に物色が向かっている。前引け時点で東証マザーズ指数が0.78%安、東証グロース市場Core指数が0.44%安。
さて、前週末に発表された米1月ミシガン大学消費者信頼感指数の1年先期待インフレ率は4.0%と市場予想4.3%を大幅に下回り、昨年12月の4.4%から大きく低下した。
2021年4月以来の低水準となり、米消費者が今後1年で物価上昇圧力が大幅に緩和するという確信を強めている様子が浮き彫りとなった。米10年債利回りは3.49%と昨年12月以降のレンジ下限まで低下、インフレピークアウト期待は個人投資家心理にポジティブに働こう。
ただ、米国のインフレピークアウトに楽観的な意見が見られてきたなか、今週は日銀の金融政策決定会合が17-18日に開催される。追加の政策修正が決定される可能性について一部メディアが報じており、市場参加者の注目度が急速に高まっている。ブルームバーグ調査によると、ほぼすべてのエコノミストが今回の政策据え置きを予想。
ただ、日銀が長期金利の許容変動幅を上下0.25%から同0.5%に拡大した理由である市場機能について、変更後も改善はみられず、市場は早くも変動幅の再拡大やYCC撤廃の可能性を想定し始めている。
年明けの段階では、12月会合の際に決めたYCC運用見直しの影響と効果を見極めるため、さらなる修正は急がない意向とも伝えられていた。2会合連続での政策修正があれば、ネガティブサプライズになろう。同会合が終了するまでは、日経平均は上値の重い展開が続きそうだ。
そのほか、株式デリバティブトレーダーは昨年市場を駆け巡った混乱が中断すると想定しているという。今後数カ月間の価格変動の激しさの予想を示すいわゆるボラティリティ・カーブは、どの点でも1年前より低下。カーソン・グループのチーフ市場ストラテジストであるライアン・デトリック氏は「昨年がどれだけひどい1年だったかを考えれば、市場には すでに多くの悪いニュースが織り込まれている可能性が高い」と述べた、とブルームバーグで報じられている。
また、ネッド・デービス・リサーチによる米商品先物取引委員会(CFTC)のデータ分析によれば、機関投資家は過去数週間、株式のショートポジションをカバーし、今月初めにはネットロングポジションを2022年5月以来の水準に高めたという。ネッド・デービスの米国担当チーフストラテジストは「良好なインフレデータが続き、企業業績がかなり良ければ、ヘッジファンドがショートポジションのカバーを続け、それが相場上昇を持続させるかなり良い材料になると言えるだろう」とブルームバーグに語ったようだ。
インフレが鈍化しつつあり、米金融当局が利上げペースを緩めるとの楽観的観測を受けて暗号資産ビットコインも連日大きく上昇している。暗号資産全体の時価総額も昨年11月以降と比較して回復傾向にあり、リスク資産に資金が戻り始めている。トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズの創業者のマイケル・パーブス氏は、短期的に強気の値動きを意味していると分析したようだ。ただ、暗号資産、米国株が好調に推移してはいるが、引き続きインフレ指標やFRB高官の発言、地政学リスクの動向などには注目を続けたい。さて、後場の日経平均は軟調もみ合い展開が続くか。米株先物の動向を横目に、日経平均が下げ幅を縮小する動きを見せるか注目しておきたい。
(山本泰三)
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