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*15:16JST 国内株式市場見通し:米経済指標と需給要因にらみ神経質な展開か
■9月25日以来の高値圏でもみ合い
今週の日経平均は前週末比618.22円高(+1.9%)の32568.11円となり2週連続で上昇した。国内が祝日で休場だった先週末の米国市場では、10月雇用統計の結果を受け長期金利が低下し、主要株価指数が上昇した。この流れが波及し、週初6日は758.59円高と今年最大の値上がり幅となり、9月25日以来の高値水準となった。ただ、ここまでの4営業日で日経平均は2000円超の上昇を見たことから、週半ばは利益確定売りに押されやや下落。しかし、円安進行やオプション特別清算指数(SQ)に絡んだ商いから下値も堅く、週後半は再び上昇基調となった。また、決算発表ラッシュで個別材料を手掛かりとした売買が盛んであり、決算発表後に任天堂<7974>などが急伸した一方、ソニーグループ<6758>やソフトバンクグループ<9984>などは値を崩した。
■米国動向に目配せ、国内需給の波乱要因に警戒も
来週の東京株式市場は、米国の金利政策をにらんで神経質な展開が継続しそうだ。今週は国際通貨基金(IMF)主催のイベントに参加したパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が演説のなかでインフレ動向によっては政策金利を再び引き上げることを示唆し、そのほかのFRB要人からも追加利上げの余地を残す発言が散見された。ただ、米長期金利上昇は一服しており、今週末の米国市場でハイテク株が買われた流れを受け、来週の日経平均は上昇して始まることが予想される。
ただ、週半ばからは米国の動向が注目されるだろう。米国では14日に10月消費者物価指数(CPI)、15日に10月小売売上高と金融政策に影響を与える経済指標発表が控えている。CPIは前月比で0.1%増(9月は同0.4%増)、小売売上高は前月比0.4%減(9月は同0.7%増)とそれぞれ減速が予想されている。その内容次第では波乱となる可能性も抱えているが、無風通過となれば相場の上値追いのきっかけにもつながる。また、17日につなぎ予算の期限を迎える。再び政府機関閉鎖が回避されるよう暫定措置について検討しているようだが、今のところ見通しは不透明であり、注意は必要だろう。
一方、11月中旬は例年、日経平均のボラティリティ(変動率)が高まりやすい。ヘッジファンドに対して顧客が解約意向にある場合、決算期日の45日前までに通知するルールとなっているケースが多いことから、12月末の45日前にあたる11月中旬はヘッジファンドの換金売りが出やすく、一時的に波乱となりやすい傾向があるためだ。
また、海外機関投資家がベンチマーク指標として利用しているMSCI指数の定期銘柄入れ替えについて、次回は11月15日に発表される見通し。現状で銘柄の入れ替えは小幅とみられているが、その内容次第では国内需給のかく乱要因としてはたらくことになる。
日経平均は心理的な節目の32500円水準では強弱感が対立して上値を抑えられている一方、企業決算は相対的に悪くなく、32000円ライン接近では押し目買い意欲が強まる傾向にある。ボックス圏での推移が想定されるなか、基調は決して弱くはなく、年末高に向けた態勢固めとなりそうだ。
■決算シーズン終了で好業績株の選別物色にシフト
来週は13日に鹿島<1812>、メルカリ<4385>、日本郵政<6178>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、14日に東芝<6502>、三菱UFJフィナンシャルグループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、17日に東京海上ホールディングス<8766>など損害保険大手3社が決算発表を予定している。決算トレードが一巡し、改めて好業績を発表した銘柄などに選別物色の矛先が向かう可能性が高まる。今週は岸田首相が年内解散を見送るとの報道で、円安けん制姿勢が緩むとの見方が台頭しており、為替の円安基調が継続すれば自動車株やその周辺株が物色対象として注目される。決算発表後に株価が好反応を示した任天堂や村田製作所<6981>といった優良株の一角、日清食品ホールディングス<2897>など食品株に買いが継続するかも焦点となる。
決算発表の一巡による手掛かり難から、中小型の材料株にも物色意欲が高まってくる可能性があることもこの時期の特徴だ。再来週21日に米半導体大手エヌビディアの決算発表が控えていることから半導体関連に期待が向きやすいだろう。また、米国では24日にブラックフライデーを控えることから小売、消費関連のニュースフローも増加することが予想され、国内でも消費関連株に関心が向きやすくなるとみられる。
■7-9月GDP、米CPI、米小売売上高、など
来週は国内で13日に10月国内企業物価指数、15日に7-9月期GDP速報値、10月訪日外国人客数、16日に9月機械受注の発表が予定されている。海外では、14日に米・10月消費者物価指数(CPI)、15日に米・10月小売売上高、中・10月小売売上高、中・10月鉱工業生産、16日に米・11月フィラデルフィア連銀景況指数、17日に米・10月住宅着工件数発表、米・連邦政府つなぎ予算の期限がそれぞれ予定されている。なお、APEC首脳会議が15日から17日まで開催予定であり、これに合わせ米中首脳会談が15日に実施される見通しとなり、米中関係改善につながるか注目されよう。
<FA>
今週の日経平均は前週末比618.22円高(+1.9%)の32568.11円となり2週連続で上昇した。国内が祝日で休場だった先週末の米国市場では、10月雇用統計の結果を受け長期金利が低下し、主要株価指数が上昇した。この流れが波及し、週初6日は758.59円高と今年最大の値上がり幅となり、9月25日以来の高値水準となった。ただ、ここまでの4営業日で日経平均は2000円超の上昇を見たことから、週半ばは利益確定売りに押されやや下落。しかし、円安進行やオプション特別清算指数(SQ)に絡んだ商いから下値も堅く、週後半は再び上昇基調となった。また、決算発表ラッシュで個別材料を手掛かりとした売買が盛んであり、決算発表後に任天堂<7974>などが急伸した一方、ソニーグループ<6758>やソフトバンクグループ<9984>などは値を崩した。
■米国動向に目配せ、国内需給の波乱要因に警戒も
来週の東京株式市場は、米国の金利政策をにらんで神経質な展開が継続しそうだ。今週は国際通貨基金(IMF)主催のイベントに参加したパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が演説のなかでインフレ動向によっては政策金利を再び引き上げることを示唆し、そのほかのFRB要人からも追加利上げの余地を残す発言が散見された。ただ、米長期金利上昇は一服しており、今週末の米国市場でハイテク株が買われた流れを受け、来週の日経平均は上昇して始まることが予想される。
ただ、週半ばからは米国の動向が注目されるだろう。米国では14日に10月消費者物価指数(CPI)、15日に10月小売売上高と金融政策に影響を与える経済指標発表が控えている。CPIは前月比で0.1%増(9月は同0.4%増)、小売売上高は前月比0.4%減(9月は同0.7%増)とそれぞれ減速が予想されている。その内容次第では波乱となる可能性も抱えているが、無風通過となれば相場の上値追いのきっかけにもつながる。また、17日につなぎ予算の期限を迎える。再び政府機関閉鎖が回避されるよう暫定措置について検討しているようだが、今のところ見通しは不透明であり、注意は必要だろう。
一方、11月中旬は例年、日経平均のボラティリティ(変動率)が高まりやすい。ヘッジファンドに対して顧客が解約意向にある場合、決算期日の45日前までに通知するルールとなっているケースが多いことから、12月末の45日前にあたる11月中旬はヘッジファンドの換金売りが出やすく、一時的に波乱となりやすい傾向があるためだ。
また、海外機関投資家がベンチマーク指標として利用しているMSCI指数の定期銘柄入れ替えについて、次回は11月15日に発表される見通し。現状で銘柄の入れ替えは小幅とみられているが、その内容次第では国内需給のかく乱要因としてはたらくことになる。
日経平均は心理的な節目の32500円水準では強弱感が対立して上値を抑えられている一方、企業決算は相対的に悪くなく、32000円ライン接近では押し目買い意欲が強まる傾向にある。ボックス圏での推移が想定されるなか、基調は決して弱くはなく、年末高に向けた態勢固めとなりそうだ。
■決算シーズン終了で好業績株の選別物色にシフト
来週は13日に鹿島<1812>、メルカリ<4385>、日本郵政<6178>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、14日に東芝<6502>、三菱UFJフィナンシャルグループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、17日に東京海上ホールディングス<8766>など損害保険大手3社が決算発表を予定している。決算トレードが一巡し、改めて好業績を発表した銘柄などに選別物色の矛先が向かう可能性が高まる。今週は岸田首相が年内解散を見送るとの報道で、円安けん制姿勢が緩むとの見方が台頭しており、為替の円安基調が継続すれば自動車株やその周辺株が物色対象として注目される。決算発表後に株価が好反応を示した任天堂や村田製作所<6981>といった優良株の一角、日清食品ホールディングス<2897>など食品株に買いが継続するかも焦点となる。
決算発表の一巡による手掛かり難から、中小型の材料株にも物色意欲が高まってくる可能性があることもこの時期の特徴だ。再来週21日に米半導体大手エヌビディアの決算発表が控えていることから半導体関連に期待が向きやすいだろう。また、米国では24日にブラックフライデーを控えることから小売、消費関連のニュースフローも増加することが予想され、国内でも消費関連株に関心が向きやすくなるとみられる。
■7-9月GDP、米CPI、米小売売上高、など
来週は国内で13日に10月国内企業物価指数、15日に7-9月期GDP速報値、10月訪日外国人客数、16日に9月機械受注の発表が予定されている。海外では、14日に米・10月消費者物価指数(CPI)、15日に米・10月小売売上高、中・10月小売売上高、中・10月鉱工業生産、16日に米・11月フィラデルフィア連銀景況指数、17日に米・10月住宅着工件数発表、米・連邦政府つなぎ予算の期限がそれぞれ予定されている。なお、APEC首脳会議が15日から17日まで開催予定であり、これに合わせ米中首脳会談が15日に実施される見通しとなり、米中関係改善につながるか注目されよう。
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