785円
コジマのニュース
日経平均は反発。77.72円高の27718.86円(出来高概算4億5087万株)で前場の取引を終えている。
27日の米株式市場でのNYダウは242.68ドル高(+0.69%)と反発。注目されていた米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の講演で、パウエル連邦準備制度理事会
(FRB)議長は年内の量的緩和縮小(テーパリング)の開始が適切となる可能性に言及したものの、利上げには程遠いとタカ派色を強めなかったことで安心感がもたらされた。長期にわたり低金利が継続されるとの期待から株式は広く買われ、ナスダック総合指数は史上最高値を更新して終了した。
こうした流れを引き継ぎ、週明けの日経平均も226.46円高の27867.60円と反発してスタートし、寄り付き直後には27921.55円まで上値を伸ばした。しかし、心理的な節目の28000円を手前にした戻り待ちの売りは根強く、失速すると、じりじりと上げ幅を縮小し、前場中頃には27700円を割り込んだ。ただ、27656.63円まで下げた後は前引けにかけて再び買い優勢となり、27700円を回復している。
個別では、特に景気敏感株の強さが目立っており、商船三井<9104>や日本郵船<9101>が大幅高で東証1部の売買代金上位に並んでいる。また、日本製鉄<5401>、JFE<5411>などの鉄鋼も抜きん出た上昇率となっている。そのほか、米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の上昇を追い風にレーザーテック<6920>、ルネサス<6723>が大幅高。主力どころでは、東エレク<8035>、ファナック<6954>、ベイカレント<6532>、リクルートHD<6098>、日立<6501>などがしっかり。
前週から復調の兆しを見せているアフターコロナ関連で、JAL<9201>、ANA<9202>などの空運株が堅調推移、エイチ・アイ・エス<9603>、エアトリ<6191>などの旅行関連株も賑わいを見せている。そのほか、自社株買いを発表した三井化学<4183>、国内証券が買い推奨としてカバレッジを開始したGセブンHD<7508>などが大幅高となっている。
一方、配当・優待権利落ちで換金売りに押されたコジマ<7513>、外資証券によるレーティング引き下げが観測された神戸物産<3038>などが大きく下落。日経平均寄与度の大きいファーストリテ<9983>が大幅安で年初来安値を更新、ソフトバンクG<9984>も前週末の米ハイテク株高がありながらも軟調となっている。そのほか、ソニーG<6758>、第一三共<4568>、エムスリー<2413>などが軟調となっている。
セクターでは、鉄鋼、海運業、非鉄金属などが上昇率上位で、ほぼ全面高。一方、医薬品、保険業の2業種が下落した。東証1部の値上がり銘柄は全体の78%、対して値下がり銘柄は17%となっている。
週明けの日経平均は寄り天といった形で朝高後に大きく失速する展開となっている。もともと、ジャクソンホール会議では、パウエルFRB議長が今後の金融政策方針について明確な判断を下す可能性は低く、無難な形で終わると予想されていた。イベント通過といっても想定線であり、持続的な買い戻し要因にはなっていない様子。
米国株が史上最高値近辺での推移を続ける一方、日経平均が年初来安値圏で推移していることはこれまで通り、前週末の米株高に対する本日の日本株の戻りの弱さも悲しい話だが想定内といったところだろうか。
もともと、こうした米株対比での日本株の大幅なアンダーパフォームの背景には、従来から指摘されている通り、日本を巡る様々な不透明感の存在がある。すなわち、高水準で高止まりしている国内での新型コロナウイルス感染動向、近く控える自民党総裁選や衆議院議員選挙の行く末などだ。さらにここに、景気敏感株としての特性が強い日本株にとって大きな重しとなっている要素として、米中二大国の景気指標下振れ傾向から窺える景気減速懸念が加わる。
結局、これらの大きな要因に変化がない限り、イベントを通過したところで本格的な日本株の上昇にはつながらない。本日大きく上昇している海運や鉄鋼については、市況ひっ迫に戻づく運賃高騰やスプレッド拡大など固有の好材料が直近で確認されていることが背景にあると思われ、それ以外の日本株の戻りは鈍いと言わざるを得ない。
新型コロナウイルスの感染動向については、8月半ばがピークとなった可能性が高いとの声も聞かれるが、水準としては依然として極めて高い。9月12日までとなっている緊急事態宣言もこのままいけば再延長の可能性も十分にありえる。不透明要素として残る限り、日本株の買い手控え要因となるだろう。
景気減速懸念については、これを占う重要な米中の経済指標が今週は相次ぐ。31日に中国8月製造業・非製造業の購買担当者景気指数(PMI)、9月1日には米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する8月ISM製造業景況指数、そして、週末3日には米8月ISM非製造業景況指数のほか、注目の米8月雇用統計が予定されている。景気減速懸念がくすぶる中、米中の景気指標への注目度はこれまで以上に高まっている。また、年内開始が濃厚となってきたテーパリングの開始時期を巡って重要な判断要素となる米雇用統計は、今回とりわけ注目度が高い。これらの結果を確認するまえに大きく動けないのも上値の重さにつながっているのだろう。
上述した要素から、東証1部の主力株については当面は上値の重い展開が継続しそうだ。一方、本日も大幅高で、チャート形状などテクニカル妙味が高まってきているマザーズ指数など、値動きの軽い新興株の方が、底打ち感の強まりとともに幕間つなぎの物色も相まって投資妙味がありそうだ。
<AK>
27日の米株式市場でのNYダウは242.68ドル高(+0.69%)と反発。注目されていた米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の講演で、パウエル連邦準備制度理事会
(FRB)議長は年内の量的緩和縮小(テーパリング)の開始が適切となる可能性に言及したものの、利上げには程遠いとタカ派色を強めなかったことで安心感がもたらされた。長期にわたり低金利が継続されるとの期待から株式は広く買われ、ナスダック総合指数は史上最高値を更新して終了した。
こうした流れを引き継ぎ、週明けの日経平均も226.46円高の27867.60円と反発してスタートし、寄り付き直後には27921.55円まで上値を伸ばした。しかし、心理的な節目の28000円を手前にした戻り待ちの売りは根強く、失速すると、じりじりと上げ幅を縮小し、前場中頃には27700円を割り込んだ。ただ、27656.63円まで下げた後は前引けにかけて再び買い優勢となり、27700円を回復している。
個別では、特に景気敏感株の強さが目立っており、商船三井<9104>や日本郵船<9101>が大幅高で東証1部の売買代金上位に並んでいる。また、日本製鉄<5401>、JFE<5411>などの鉄鋼も抜きん出た上昇率となっている。そのほか、米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の上昇を追い風にレーザーテック<6920>、ルネサス<6723>が大幅高。主力どころでは、東エレク<8035>、ファナック<6954>、ベイカレント<6532>、リクルートHD<6098>、日立<6501>などがしっかり。
前週から復調の兆しを見せているアフターコロナ関連で、JAL<9201>、ANA<9202>などの空運株が堅調推移、エイチ・アイ・エス<9603>、エアトリ<6191>などの旅行関連株も賑わいを見せている。そのほか、自社株買いを発表した三井化学<4183>、国内証券が買い推奨としてカバレッジを開始したGセブンHD<7508>などが大幅高となっている。
一方、配当・優待権利落ちで換金売りに押されたコジマ<7513>、外資証券によるレーティング引き下げが観測された神戸物産<3038>などが大きく下落。日経平均寄与度の大きいファーストリテ<9983>が大幅安で年初来安値を更新、ソフトバンクG<9984>も前週末の米ハイテク株高がありながらも軟調となっている。そのほか、ソニーG<6758>、第一三共<4568>、エムスリー<2413>などが軟調となっている。
セクターでは、鉄鋼、海運業、非鉄金属などが上昇率上位で、ほぼ全面高。一方、医薬品、保険業の2業種が下落した。東証1部の値上がり銘柄は全体の78%、対して値下がり銘柄は17%となっている。
週明けの日経平均は寄り天といった形で朝高後に大きく失速する展開となっている。もともと、ジャクソンホール会議では、パウエルFRB議長が今後の金融政策方針について明確な判断を下す可能性は低く、無難な形で終わると予想されていた。イベント通過といっても想定線であり、持続的な買い戻し要因にはなっていない様子。
米国株が史上最高値近辺での推移を続ける一方、日経平均が年初来安値圏で推移していることはこれまで通り、前週末の米株高に対する本日の日本株の戻りの弱さも悲しい話だが想定内といったところだろうか。
もともと、こうした米株対比での日本株の大幅なアンダーパフォームの背景には、従来から指摘されている通り、日本を巡る様々な不透明感の存在がある。すなわち、高水準で高止まりしている国内での新型コロナウイルス感染動向、近く控える自民党総裁選や衆議院議員選挙の行く末などだ。さらにここに、景気敏感株としての特性が強い日本株にとって大きな重しとなっている要素として、米中二大国の景気指標下振れ傾向から窺える景気減速懸念が加わる。
結局、これらの大きな要因に変化がない限り、イベントを通過したところで本格的な日本株の上昇にはつながらない。本日大きく上昇している海運や鉄鋼については、市況ひっ迫に戻づく運賃高騰やスプレッド拡大など固有の好材料が直近で確認されていることが背景にあると思われ、それ以外の日本株の戻りは鈍いと言わざるを得ない。
新型コロナウイルスの感染動向については、8月半ばがピークとなった可能性が高いとの声も聞かれるが、水準としては依然として極めて高い。9月12日までとなっている緊急事態宣言もこのままいけば再延長の可能性も十分にありえる。不透明要素として残る限り、日本株の買い手控え要因となるだろう。
景気減速懸念については、これを占う重要な米中の経済指標が今週は相次ぐ。31日に中国8月製造業・非製造業の購買担当者景気指数(PMI)、9月1日には米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する8月ISM製造業景況指数、そして、週末3日には米8月ISM非製造業景況指数のほか、注目の米8月雇用統計が予定されている。景気減速懸念がくすぶる中、米中の景気指標への注目度はこれまで以上に高まっている。また、年内開始が濃厚となってきたテーパリングの開始時期を巡って重要な判断要素となる米雇用統計は、今回とりわけ注目度が高い。これらの結果を確認するまえに大きく動けないのも上値の重さにつながっているのだろう。
上述した要素から、東証1部の主力株については当面は上値の重い展開が継続しそうだ。一方、本日も大幅高で、チャート形状などテクニカル妙味が高まってきているマザーズ指数など、値動きの軽い新興株の方が、底打ち感の強まりとともに幕間つなぎの物色も相まって投資妙味がありそうだ。
<AK>
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