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新光電気工業のニュース
*12:13JST 日経平均は続伸、株価堅調も違和感が拭えない
日経平均は続伸。112.52円高の28706.04円(出来高概算4億8662万株)で前場の取引を終えている。
24日の米株式市場でダウ平均は66.44ドル高(+0.19%)と小幅続伸。金利先高観の後退を受けて上昇して始まった。しかし、4月ダラス連銀製造業活動指数が予想外に悪化して景気後退懸念が再燃、売りが強まって一時下落に転じた。一方、今週の主要ハイテク決算を控えるなか動意に乏しい展開が継続。終盤にかけてダウ平均はプラス圏を回復も、ハイテクは終始軟調でナスダック総合指数は-0.29%と反落。他方、為替の円安基調や主要企業の堅調な決算を背景に日経平均は104円高からスタート。買いが先行し、寄り付き直後に28806円(213円高)まで上昇し、ザラ場での年初来高値を更新した。ただ、今晩の米国市場で控えるIT大手の決算をはじめ今後に控える多くのイベントを前に様子見ムードが強く、その後は伸び悩んで一進一退が続いた。
個別では、三井住友<8316>、みずほ<8411>の銀行、三井物産<8031>、住友商事<8053>の商社、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、JR東海<9022>、JR東<9020>の陸運が堅調。経済産業省が次世代半導体の国産化を追加支援する方針との報道を受けて、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>などの半導体株が高い。決算を手掛かりにニデック<6594>、コーエーテクモ<3635>が大きく上昇し、業績予想を上方修正した大和ハウス工業<1925>、配当予想を引き上げた住友ベークライト<4203>も上昇。証券会社のレーティング格上げが確認された乃村工藝社<9716>も大幅高。東証スタンダード市場では業績及び配当予想を引き上げたアイ・ピー・エス<
4335>、コスモスイニシア<8844>が急伸した。
一方、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼、JAL<9201>、ANA<9202>の空運が下落。三井ハイテック<6966>、イビデン<4062>、新光電工<6967>のハイテクの一角が軟調。ほか、MSOL<7033>、Sansan<4443>、Appier<4180>、SHIFT<3697>などグロース
(成長)株の下落が目立つ。
セクターでは証券・商品先物取引、その他製品、陸運が上昇率上位に並んだ一方、鉄鋼、電気・ガス、空運が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の75%、対して値下がり銘柄は21%となっている。
米市場の取引終了後、地銀のファースト・リパブリックが第1四半期決算を発表した。1株利益は予想を上回ったが、預金が第4四半期に比べて40.8%減少したことを明らかにしたほか、第2四半期に全従業員の約2割を削減する計画を発表し、時間外取引で株価は急落している。一方、3月末以降は預金流出ペースが鈍化したとしており、これが安心感につながっているのか、時間外取引の米株価指数先物は堅調に推移。東京市場でも銀行株が上昇しているなど影響はほとんど見られていない。
こうした中でも、本日の東京市場は動意に乏しかった前日の米株市場とは対照的に堅調な値動きを見せ、日経平均は再びザラ場ベースでの年初来高値を更新してきている。ただ、個人的にはどうにも実体と乖離したような違和感が拭えない。東京市場では前日に決算発表したニデック<6594>が大幅に上昇しており、これが今後に控える企業決算への期待感につながっているとの指摘も聞かれる。
ただ、ニデックの決算は強弱材料が混在している。2024年3月期の計画は市場コンセンサスをやや上回る水準としている。構造改革費用計上の一巡に加えて、電気自動車の動力装置であるイーアクスル(E-Axle)の収益改善などを見込んでいる。想定為替レートが1ドル=120円、1ユーロ=130円と、それぞれ現状の為替水準に対してかなり保守的である中でのコンセンサス上振れとあって、これを評価する声も聞かれる。
しかし、第4四半期(1-3月期)の営業損益は243億円の赤字で黒字予想の市場コンセンサスを大きく下回り、第3四半期決算の際に大幅に下方修正した通期計画も下振れた。車載事業の赤字が拡大したほか、精密小型モーターも赤字に転落し、その他の多くの部門でも減益となった。下方修正後の計画未達は業績予想に対する信頼度の低下につながり、今期の計画も素直に受け止めていいかにはやや疑問符が付く。株価も本日は上昇しているが、2022年以降の大幅な株価下落を踏まえれば買い戻しの域を出ておらず、評価されている程までの上昇率とも言いにくい。
株式市場はたしかに堅調ではあるが、引き続き足元の株価の想定超の底堅さを過大評価するべきではないと考える。今晩の米国市場ではアルファベット、マイクロソフトの決算が予定されている。景気後退懸念が強まっている中、顧客のクラウド投資については予算縮小やスケジュール延期などが想定され、注目のクラウド事業については両社ともに成長鈍化が予想される。ある程度は織り込まれていると思われるが、S&P500採用企業のうちIT業種を対象としたPER(株価収益率)などバリュエーションには割高感が否めず、株価反応には注意が必要だろう。
また、今週は米地銀決算が他にも多数控えており、パックウェストが今晩の米国市場では予定されている。預金流出の状況などが引き続き警戒され、金融不安もくすぶる中、今後も株式市場は堅調ながらも上値の重い展開が続きそうだ。(仲村幸浩)
<AK>
24日の米株式市場でダウ平均は66.44ドル高(+0.19%)と小幅続伸。金利先高観の後退を受けて上昇して始まった。しかし、4月ダラス連銀製造業活動指数が予想外に悪化して景気後退懸念が再燃、売りが強まって一時下落に転じた。一方、今週の主要ハイテク決算を控えるなか動意に乏しい展開が継続。終盤にかけてダウ平均はプラス圏を回復も、ハイテクは終始軟調でナスダック総合指数は-0.29%と反落。他方、為替の円安基調や主要企業の堅調な決算を背景に日経平均は104円高からスタート。買いが先行し、寄り付き直後に28806円(213円高)まで上昇し、ザラ場での年初来高値を更新した。ただ、今晩の米国市場で控えるIT大手の決算をはじめ今後に控える多くのイベントを前に様子見ムードが強く、その後は伸び悩んで一進一退が続いた。
個別では、三井住友<8316>、みずほ<8411>の銀行、三井物産<8031>、住友商事<8053>の商社、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、JR東海<9022>、JR東<9020>の陸運が堅調。経済産業省が次世代半導体の国産化を追加支援する方針との報道を受けて、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>などの半導体株が高い。決算を手掛かりにニデック<6594>、コーエーテクモ<3635>が大きく上昇し、業績予想を上方修正した大和ハウス工業<1925>、配当予想を引き上げた住友ベークライト<4203>も上昇。証券会社のレーティング格上げが確認された乃村工藝社<9716>も大幅高。東証スタンダード市場では業績及び配当予想を引き上げたアイ・ピー・エス<
4335>、コスモスイニシア<8844>が急伸した。
一方、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼、JAL<9201>、ANA<9202>の空運が下落。三井ハイテック<6966>、イビデン<4062>、新光電工<6967>のハイテクの一角が軟調。ほか、MSOL<7033>、Sansan<4443>、Appier<4180>、SHIFT<3697>などグロース
(成長)株の下落が目立つ。
セクターでは証券・商品先物取引、その他製品、陸運が上昇率上位に並んだ一方、鉄鋼、電気・ガス、空運が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の75%、対して値下がり銘柄は21%となっている。
米市場の取引終了後、地銀のファースト・リパブリックが第1四半期決算を発表した。1株利益は予想を上回ったが、預金が第4四半期に比べて40.8%減少したことを明らかにしたほか、第2四半期に全従業員の約2割を削減する計画を発表し、時間外取引で株価は急落している。一方、3月末以降は預金流出ペースが鈍化したとしており、これが安心感につながっているのか、時間外取引の米株価指数先物は堅調に推移。東京市場でも銀行株が上昇しているなど影響はほとんど見られていない。
こうした中でも、本日の東京市場は動意に乏しかった前日の米株市場とは対照的に堅調な値動きを見せ、日経平均は再びザラ場ベースでの年初来高値を更新してきている。ただ、個人的にはどうにも実体と乖離したような違和感が拭えない。東京市場では前日に決算発表したニデック<6594>が大幅に上昇しており、これが今後に控える企業決算への期待感につながっているとの指摘も聞かれる。
ただ、ニデックの決算は強弱材料が混在している。2024年3月期の計画は市場コンセンサスをやや上回る水準としている。構造改革費用計上の一巡に加えて、電気自動車の動力装置であるイーアクスル(E-Axle)の収益改善などを見込んでいる。想定為替レートが1ドル=120円、1ユーロ=130円と、それぞれ現状の為替水準に対してかなり保守的である中でのコンセンサス上振れとあって、これを評価する声も聞かれる。
しかし、第4四半期(1-3月期)の営業損益は243億円の赤字で黒字予想の市場コンセンサスを大きく下回り、第3四半期決算の際に大幅に下方修正した通期計画も下振れた。車載事業の赤字が拡大したほか、精密小型モーターも赤字に転落し、その他の多くの部門でも減益となった。下方修正後の計画未達は業績予想に対する信頼度の低下につながり、今期の計画も素直に受け止めていいかにはやや疑問符が付く。株価も本日は上昇しているが、2022年以降の大幅な株価下落を踏まえれば買い戻しの域を出ておらず、評価されている程までの上昇率とも言いにくい。
株式市場はたしかに堅調ではあるが、引き続き足元の株価の想定超の底堅さを過大評価するべきではないと考える。今晩の米国市場ではアルファベット、マイクロソフトの決算が予定されている。景気後退懸念が強まっている中、顧客のクラウド投資については予算縮小やスケジュール延期などが想定され、注目のクラウド事業については両社ともに成長鈍化が予想される。ある程度は織り込まれていると思われるが、S&P500採用企業のうちIT業種を対象としたPER(株価収益率)などバリュエーションには割高感が否めず、株価反応には注意が必要だろう。
また、今週は米地銀決算が他にも多数控えており、パックウェストが今晩の米国市場では予定されている。預金流出の状況などが引き続き警戒され、金融不安もくすぶる中、今後も株式市場は堅調ながらも上値の重い展開が続きそうだ。(仲村幸浩)
<AK>
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