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住友精密工業のニュース
日経平均は5日続伸。50.49円高の28604.47円(出来高概算5億3296万株)で前場の取引を終えている。
25日の米株式市場でのNYダウは81ドル安(-0.23%)。新型コロナワクチンの普及による経済活動正常化への期待から寄り付き後、上昇。経済活動再開の恩恵を受ける銘柄のほか、長期金利が1.6%を下回って推移していることを受け、ハイテク株にも買いが入った。ただ、取引開始後に発表された5月の消費者信頼感指や4月の新築住宅販売件数が市場予想を下回ったほか、NYダウについては高値圏での利益確定の売りも出やすく、結局、主要株価3指数は揃って小幅に下落、ナスダック総合指数は0.02%安となった。引けにかけて弱含んだ米国市場の動きを受けて、本日の日経平均は157円安と反落して始まったが、即座に切り返してプラスに転じると28710.83円まで上値を伸ばす場面がみられた。ただ、その後は伸び悩んで上げ幅を縮小していく動きが続いた。
個別では、自己株取得数の上限引き上げを発表したデジタルHD<2389>、大量保有報告書で光通信が5.08%を保有する大株主になったことが明らかになったサニックス<
4651>、24年3月期売上高545億円などを掲げた中期経営計画を発表した住友精密<6355>
などが大幅に上昇した。そのほか、証券会社によるレーティングが材料視されたところでは、ウシオ電機<6925>や日本製鋼所<5631>などが買われた。一方、前日に21年3月期の決算訂正を発表し、営業損益が1億円の黒字から6億円の赤字へと修正された曙ブレーキ<7238>は大きく下落している。
売買代金上位では、リクルートHD<6098>、Zホールディングス<4689>、パナソニック<6752>、JAL<9201>、SUMCO<3436>などが大幅高となっているほか、任天堂<7974>、トヨタ<7203>、ファーストリテ<9983>、レーザーテック<6920>などが上昇。一方、ソフトバンクグループ<9984>が1.5%安、米長期金利の低下を受けて三菱UFJ<8306>が1.6%安となっているほか、三井住友<8316>、日本製鉄<5401>、KDDI<9433>、サイバーエージェント<4751>などが下落している。
セクターでは、空運業、サービス業、電気機器、輸送用機器、その他製品などが上昇率上位となっている。一方、鉄鋼、パルプ・紙、電気・ガス業、銀行業、石油・石炭製品などが下落率上位に並んでいる。東証1部の値上がり銘柄は全体の33%、対して値下がり銘柄は61%となっている。
小節目として意識されていた28500円を前日に終値ベースでも突破した日経平均は、本日は前日に超えられなかった28600円を朝方に突破した後は、断続的な売り方の買い戻しが入るなか28700円まで上値を伸ばした。前週、戻り待ちの売りに押されて何度も
28500円を手前に押し戻されていたことを考えれば、前日の終値ベースでの28500円台乗せや、本日の28600円、28700円と100円刻みの上昇を果たしたところは素直にポジティブに捉えたい。
ただ、その後はまたもや急失速する展開となった。28000円台後半は今年に入ってからの商いが大きく積み上がっている水準であり、戻り待ちの売り圧力は依然大きいようだ。しかし、前日、今日と2日とも、失速した後も28500円を割っていないところを見る限り、これまで上値メドとして意識されていた28500円は下値支持へと切り替わった様子。積極的に買い上がる材料がないなか、上値が重いことに変わりはないが、下値も着実に切り上げてきていることは評価したい。
相場の調整要因の一つだった「インフレと長期金利」に対する懸念は徐々に後退している。25日、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は、ヤフー・ファイナンスのインタビューで、「恐らく、今後数回の会合で資産購入ペースの縮小について議論を開始できる状況になるだろう」、「今後入ってくる経済データ次第になると思う」と発言。今後の連邦公開市場委員会(FOMC)会合においてテーパリング(量的緩和の縮小)の議論が開始される可能性を示唆した。FRBの基本姿勢は「物価上昇は一時的」であり、足元の強い物価指標は次第に落ち着いていくとの考えで、これに大きな変化はない。ただ、4月開催分のFOMC議事要旨の発表以降、FRB高官らの発言には徐々にテーパリングを匂わすようなニュアンスの変化が感じ取れる。
そうした中でも、足元の米長期金利が低下し落ち着いた動きを見せているのは、これまでの相場調整局面において、テーパリングに関するリスクを徐々に織り込んできたからではないだろうか。そうだとすれば、市場のテーパリングリスクに対する耐性は大分ついてきたといえよう。市場のインフレに対する懸念の強さを表していた米ブレークイーブンインフレ率(期待インフレ率の指標)も一本調子の上昇に歯止めがかかってきている様子。一昨日の当欄での繰り返しにはなるが、「物価上昇は一時的」とし、頑なに金融緩和の継続を強調していた以前から、インフレに柔軟に対処し得る姿勢に変化しつつあるFRBを、市場はポジティブに捉えていると思われる。
むろん、懸念が消えたわけではない。前日に米国で発表された4月の新築住宅販売件数は予想よりも減少した一方で、 販売価格(中央値)は前年同月比で20.1%も上昇しており、インフレ圧力がなくなったわけではない。今週末にはFRBが物価指標のなかで最も重視しているPCEコアデフレーターの発表も控えているため、ここでの市場反応にも注目される。ただ、インフレや長期金利に対する耐性が徐々に付いてきたことは確かだと思われる。そうした動きが、足元の日経平均の下値切り上げにも繋がっているのかもしれない。
さて、本日の物色動向としては、これまでインフレ期待のもと買われていた鉄鋼などの資源関連セクターが大きく利益確定売りに押され、半導体などのハイテク株も上値が重いなか、アフターコロナ関連が買われている。米バイオ製薬モデルナの新型コロナワクチンが10代の若者に対しても極めて有効であることが示されたことや、国内でのワクチン接種体制の整備が徐々に進んでいることを背景に、出遅れ感のある銘柄に物色が向かっている様子。大手航空会社のほか、OLC<4661>などのレジャー関連、エアトリ<6191>などの旅行関連などで大きく上昇しているものが目立つ。これまで懸念されたいた国内でのワクチン接種率の格差も相当程度織り込んだとして、むしろ、今後のワクチン接種率の進展を期待した買いが向かっているようだ。景気循環株やハイテク株の方向感が欠けるなか、アフターコロナ関連への物色が目先は続きそうだ。
<AK>
25日の米株式市場でのNYダウは81ドル安(-0.23%)。新型コロナワクチンの普及による経済活動正常化への期待から寄り付き後、上昇。経済活動再開の恩恵を受ける銘柄のほか、長期金利が1.6%を下回って推移していることを受け、ハイテク株にも買いが入った。ただ、取引開始後に発表された5月の消費者信頼感指や4月の新築住宅販売件数が市場予想を下回ったほか、NYダウについては高値圏での利益確定の売りも出やすく、結局、主要株価3指数は揃って小幅に下落、ナスダック総合指数は0.02%安となった。引けにかけて弱含んだ米国市場の動きを受けて、本日の日経平均は157円安と反落して始まったが、即座に切り返してプラスに転じると28710.83円まで上値を伸ばす場面がみられた。ただ、その後は伸び悩んで上げ幅を縮小していく動きが続いた。
個別では、自己株取得数の上限引き上げを発表したデジタルHD<2389>、大量保有報告書で光通信が5.08%を保有する大株主になったことが明らかになったサニックス<
4651>、24年3月期売上高545億円などを掲げた中期経営計画を発表した住友精密<6355>
などが大幅に上昇した。そのほか、証券会社によるレーティングが材料視されたところでは、ウシオ電機<6925>や日本製鋼所<5631>などが買われた。一方、前日に21年3月期の決算訂正を発表し、営業損益が1億円の黒字から6億円の赤字へと修正された曙ブレーキ<7238>は大きく下落している。
売買代金上位では、リクルートHD<6098>、Zホールディングス<4689>、パナソニック<6752>、JAL<9201>、SUMCO<3436>などが大幅高となっているほか、任天堂<7974>、トヨタ<7203>、ファーストリテ<9983>、レーザーテック<6920>などが上昇。一方、ソフトバンクグループ<9984>が1.5%安、米長期金利の低下を受けて三菱UFJ<8306>が1.6%安となっているほか、三井住友<8316>、日本製鉄<5401>、KDDI<9433>、サイバーエージェント<4751>などが下落している。
セクターでは、空運業、サービス業、電気機器、輸送用機器、その他製品などが上昇率上位となっている。一方、鉄鋼、パルプ・紙、電気・ガス業、銀行業、石油・石炭製品などが下落率上位に並んでいる。東証1部の値上がり銘柄は全体の33%、対して値下がり銘柄は61%となっている。
小節目として意識されていた28500円を前日に終値ベースでも突破した日経平均は、本日は前日に超えられなかった28600円を朝方に突破した後は、断続的な売り方の買い戻しが入るなか28700円まで上値を伸ばした。前週、戻り待ちの売りに押されて何度も
28500円を手前に押し戻されていたことを考えれば、前日の終値ベースでの28500円台乗せや、本日の28600円、28700円と100円刻みの上昇を果たしたところは素直にポジティブに捉えたい。
ただ、その後はまたもや急失速する展開となった。28000円台後半は今年に入ってからの商いが大きく積み上がっている水準であり、戻り待ちの売り圧力は依然大きいようだ。しかし、前日、今日と2日とも、失速した後も28500円を割っていないところを見る限り、これまで上値メドとして意識されていた28500円は下値支持へと切り替わった様子。積極的に買い上がる材料がないなか、上値が重いことに変わりはないが、下値も着実に切り上げてきていることは評価したい。
相場の調整要因の一つだった「インフレと長期金利」に対する懸念は徐々に後退している。25日、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は、ヤフー・ファイナンスのインタビューで、「恐らく、今後数回の会合で資産購入ペースの縮小について議論を開始できる状況になるだろう」、「今後入ってくる経済データ次第になると思う」と発言。今後の連邦公開市場委員会(FOMC)会合においてテーパリング(量的緩和の縮小)の議論が開始される可能性を示唆した。FRBの基本姿勢は「物価上昇は一時的」であり、足元の強い物価指標は次第に落ち着いていくとの考えで、これに大きな変化はない。ただ、4月開催分のFOMC議事要旨の発表以降、FRB高官らの発言には徐々にテーパリングを匂わすようなニュアンスの変化が感じ取れる。
そうした中でも、足元の米長期金利が低下し落ち着いた動きを見せているのは、これまでの相場調整局面において、テーパリングに関するリスクを徐々に織り込んできたからではないだろうか。そうだとすれば、市場のテーパリングリスクに対する耐性は大分ついてきたといえよう。市場のインフレに対する懸念の強さを表していた米ブレークイーブンインフレ率(期待インフレ率の指標)も一本調子の上昇に歯止めがかかってきている様子。一昨日の当欄での繰り返しにはなるが、「物価上昇は一時的」とし、頑なに金融緩和の継続を強調していた以前から、インフレに柔軟に対処し得る姿勢に変化しつつあるFRBを、市場はポジティブに捉えていると思われる。
むろん、懸念が消えたわけではない。前日に米国で発表された4月の新築住宅販売件数は予想よりも減少した一方で、 販売価格(中央値)は前年同月比で20.1%も上昇しており、インフレ圧力がなくなったわけではない。今週末にはFRBが物価指標のなかで最も重視しているPCEコアデフレーターの発表も控えているため、ここでの市場反応にも注目される。ただ、インフレや長期金利に対する耐性が徐々に付いてきたことは確かだと思われる。そうした動きが、足元の日経平均の下値切り上げにも繋がっているのかもしれない。
さて、本日の物色動向としては、これまでインフレ期待のもと買われていた鉄鋼などの資源関連セクターが大きく利益確定売りに押され、半導体などのハイテク株も上値が重いなか、アフターコロナ関連が買われている。米バイオ製薬モデルナの新型コロナワクチンが10代の若者に対しても極めて有効であることが示されたことや、国内でのワクチン接種体制の整備が徐々に進んでいることを背景に、出遅れ感のある銘柄に物色が向かっている様子。大手航空会社のほか、OLC<4661>などのレジャー関連、エアトリ<6191>などの旅行関連などで大きく上昇しているものが目立つ。これまで懸念されたいた国内でのワクチン接種率の格差も相当程度織り込んだとして、むしろ、今後のワクチン接種率の進展を期待した買いが向かっているようだ。景気循環株やハイテク株の方向感が欠けるなか、アフターコロナ関連への物色が目先は続きそうだ。
<AK>
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