830円
東洋エンジニアリングのニュース
日経平均は小幅続伸。12.88円高の29040.82円(出来高概算7億0985万株)で前場の取引を終えている。
前日の米国株式市場では、経済協力開発機構(OECD)が2021年世界、米国経済の成長見通しを引き上げたほか、1.9兆ドル規模の追加経済対策案が数日中に成立する見込みとなったことを受けて期待感から上昇スタート。懸念されていた3年債入札も好調な結果となったことで長期金利の上昇が一段落したためハイテク株も持ち直し、主要株価指数は終日堅調に推移した。特に、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は6%
高と急伸した。この流れを受けて、日経平均も100円近い上昇でスタートとすると直後には200円高まで上値を伸ばした。ただ、大きく買い戻されて始まった値がさハイテク株が戻り売りに押されるに伴い、上げ幅を急速に縮小していき、その後は前日終値近辺でのもみ合いが続いた。
個別では、SOX指数の上昇を背景にアドバンテスト<6857>やレーザーテック<6920>といった半導体関連株が上昇したが、いずれも上げ幅を縮小するなど伸び悩んでいる。
また、2月工作機械受注を材料にファナック<6954>、安川電機<6506>のFA関連株がやや伸び悩みながらも堅調推移した。そのほか、レーティング関連が材料視される形で、東洋エンジニアリング<6330>、大日本印刷<7912>などが大きく買われた。
一方、市場予想を下回る第1四半期の大幅減益がネガティブサプライズとなった、くら寿司<2695>が急落となった。そのほか、売買代金上位では、エムスリー<2413>が5%
安と大幅に7日続落となったほか、ソフトバンクG<9984>、東京エレクトロン<8035>、ファーストリテ<9983>などの値がさグロース(成長)株、三菱UFJ<8306>、マネックスグループ<8698>、日立製作所<6501>、ENEOS<5020>、東電力HD<9501>などが下落した。
セクターでは、医薬品、電気機器、機械、その他製品、ゴム製品などが上昇率上位に並んだ。一方、鉱業、鉄鋼、石油・石炭製品、水産・農林業、海運業などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の38%、対して値下がり銘柄は57%となっている。
前回の米7年債の入札不調が米長期金利の上昇のきっかけであっただけに、今週の米国債の入札状況は注目されており、そうした意味で、前日の3年債の入札が好調に終わり、金利上昇に小康状態が見られたことは一先ずの安心感を誘う。
しかし、米国では今夜に10年債、明日11日には30年債と入札がまだ多く控えているだけに、大きな安心感には至っていないようだ。SOX指数の6%高というインパクトのある数字を受けて、東京市場でも、久々にハイテク株が大きな値幅を伴って買い戻されたと思いきや、寄り付き後5%高まで上昇したアドバンテストは一時0.9%高まで急速に上げ幅を縮める動きが見られた。上述した残された米国債の入札状況、今夜の米消費者物価指数(CPI)、来週の日米金融政策イベントなどを見極めるまでは、ハイテク・グロース株の本格的な見直し買いはお預けといったところか。
また、上昇が続いていた資源価格や対ドルでの円安の一服を受けて、日本製鉄<5401>などの鉄鋼セクターのほか、国際石油開発帝石<1605>などの鉱業、ホンダ<7267>などの輸送用機器といった関連セクターについても利益確定売りが広がり、直近の相場のけん引役となっていた景気敏感株についても本日は主役が不在ということで、全般的に買い気が感じられない状態だ。
ただ、株式市場全体としては、ムードはまだ意外と崩れてはいない様子。主に個人投資家についての話だが。例えば、米国のロビンフッターの間で根強い人気を誇るテスラは、2月上旬以降長く調整が続いてきており、すでに昨年末の終値比では株価パフォーマンスがマイナスに転じていた。下落基調のチャートを眺めながら、メインプレーヤーの個人投資家らは新規に買いにくくなるのではないか、もしくは、すでに保有している投資家については含み損が大きくなり、一段と投げ売りが出るのでなないかという懸念を持っていたが、前日は、時間外取引も含めてみれば株価は20%高と急騰。もはや同銘柄については「投資」という言葉が適当ではないのかもしれないが、この反発ぶりを見る限りは、米国の個人投資家センチメントは悪くない様子。
また、上述の状態は日本についても言えるようだ。本日は、ハイテクの戻りが弱く、景気敏感株も利益確定売りが優勢ということで、幕間つなぎ的な形の物色に過ぎない面もあるだろうが、マザーズ指数が上昇率で他の指数を僅かながらアウトパフォームしており、指数構成銘柄の騰落数でもマザーズの相対的な活況が窺える。バルミューダ<6612>などIPO直後に人気化しながらも、その後調整が続いてた銘柄でも本日は一時10%超の上昇を見せるなど物色が活発化している。高解像度画像を表示する処理速度を向上させる特許を取得したと発表したsMedio<3913>などは4連騰と買い気が失せていないようだ。
このように、日米ともにセンチメントはまだ大きく悪化していないようで、むしろ、まだ強気側にあるのかもしれない。大勢としては、来週の米連邦公開市場委員会
(FOMC)を終えるまではしばらく手掛けづらい状態が続くだろうが、米国では1人当たり最大1400ドルの現金給付が含まれる大規模追加経済対策が今月14日にも成立する見込みだ。速効性のある現金給付で懐が潤うことを考慮すれば、来週のFOMCを終えるころには、再びハイテク・グロース株が人気化するような相場がやってくる可能性がないともいえない。そのほか、経済協力開発機構(OECD)が米国を筆頭に世界の経済成長率見通しを引き上げたことで、グローバルマクロ系のヘッジファンドが再び動意づくなどのポジティブシナリオも頭の片隅に入れておきたい。
さて、そうは言っても、本日の後場は、今後控える材料を前に引き続き手掛けづらいムードが続こう。指数がこう着感を強めるなか、中小型株物色を主体とした相場展開の継続を想定しておきたい。
<AK>
前日の米国株式市場では、経済協力開発機構(OECD)が2021年世界、米国経済の成長見通しを引き上げたほか、1.9兆ドル規模の追加経済対策案が数日中に成立する見込みとなったことを受けて期待感から上昇スタート。懸念されていた3年債入札も好調な結果となったことで長期金利の上昇が一段落したためハイテク株も持ち直し、主要株価指数は終日堅調に推移した。特に、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は6%
高と急伸した。この流れを受けて、日経平均も100円近い上昇でスタートとすると直後には200円高まで上値を伸ばした。ただ、大きく買い戻されて始まった値がさハイテク株が戻り売りに押されるに伴い、上げ幅を急速に縮小していき、その後は前日終値近辺でのもみ合いが続いた。
個別では、SOX指数の上昇を背景にアドバンテスト<6857>やレーザーテック<6920>といった半導体関連株が上昇したが、いずれも上げ幅を縮小するなど伸び悩んでいる。
また、2月工作機械受注を材料にファナック<6954>、安川電機<6506>のFA関連株がやや伸び悩みながらも堅調推移した。そのほか、レーティング関連が材料視される形で、東洋エンジニアリング<6330>、大日本印刷<7912>などが大きく買われた。
一方、市場予想を下回る第1四半期の大幅減益がネガティブサプライズとなった、くら寿司<2695>が急落となった。そのほか、売買代金上位では、エムスリー<2413>が5%
安と大幅に7日続落となったほか、ソフトバンクG<9984>、東京エレクトロン<8035>、ファーストリテ<9983>などの値がさグロース(成長)株、三菱UFJ<8306>、マネックスグループ<8698>、日立製作所<6501>、ENEOS<5020>、東電力HD<9501>などが下落した。
セクターでは、医薬品、電気機器、機械、その他製品、ゴム製品などが上昇率上位に並んだ。一方、鉱業、鉄鋼、石油・石炭製品、水産・農林業、海運業などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の38%、対して値下がり銘柄は57%となっている。
前回の米7年債の入札不調が米長期金利の上昇のきっかけであっただけに、今週の米国債の入札状況は注目されており、そうした意味で、前日の3年債の入札が好調に終わり、金利上昇に小康状態が見られたことは一先ずの安心感を誘う。
しかし、米国では今夜に10年債、明日11日には30年債と入札がまだ多く控えているだけに、大きな安心感には至っていないようだ。SOX指数の6%高というインパクトのある数字を受けて、東京市場でも、久々にハイテク株が大きな値幅を伴って買い戻されたと思いきや、寄り付き後5%高まで上昇したアドバンテストは一時0.9%高まで急速に上げ幅を縮める動きが見られた。上述した残された米国債の入札状況、今夜の米消費者物価指数(CPI)、来週の日米金融政策イベントなどを見極めるまでは、ハイテク・グロース株の本格的な見直し買いはお預けといったところか。
また、上昇が続いていた資源価格や対ドルでの円安の一服を受けて、日本製鉄<5401>などの鉄鋼セクターのほか、国際石油開発帝石<1605>などの鉱業、ホンダ<7267>などの輸送用機器といった関連セクターについても利益確定売りが広がり、直近の相場のけん引役となっていた景気敏感株についても本日は主役が不在ということで、全般的に買い気が感じられない状態だ。
ただ、株式市場全体としては、ムードはまだ意外と崩れてはいない様子。主に個人投資家についての話だが。例えば、米国のロビンフッターの間で根強い人気を誇るテスラは、2月上旬以降長く調整が続いてきており、すでに昨年末の終値比では株価パフォーマンスがマイナスに転じていた。下落基調のチャートを眺めながら、メインプレーヤーの個人投資家らは新規に買いにくくなるのではないか、もしくは、すでに保有している投資家については含み損が大きくなり、一段と投げ売りが出るのでなないかという懸念を持っていたが、前日は、時間外取引も含めてみれば株価は20%高と急騰。もはや同銘柄については「投資」という言葉が適当ではないのかもしれないが、この反発ぶりを見る限りは、米国の個人投資家センチメントは悪くない様子。
また、上述の状態は日本についても言えるようだ。本日は、ハイテクの戻りが弱く、景気敏感株も利益確定売りが優勢ということで、幕間つなぎ的な形の物色に過ぎない面もあるだろうが、マザーズ指数が上昇率で他の指数を僅かながらアウトパフォームしており、指数構成銘柄の騰落数でもマザーズの相対的な活況が窺える。バルミューダ<6612>などIPO直後に人気化しながらも、その後調整が続いてた銘柄でも本日は一時10%超の上昇を見せるなど物色が活発化している。高解像度画像を表示する処理速度を向上させる特許を取得したと発表したsMedio<3913>などは4連騰と買い気が失せていないようだ。
このように、日米ともにセンチメントはまだ大きく悪化していないようで、むしろ、まだ強気側にあるのかもしれない。大勢としては、来週の米連邦公開市場委員会
(FOMC)を終えるまではしばらく手掛けづらい状態が続くだろうが、米国では1人当たり最大1400ドルの現金給付が含まれる大規模追加経済対策が今月14日にも成立する見込みだ。速効性のある現金給付で懐が潤うことを考慮すれば、来週のFOMCを終えるころには、再びハイテク・グロース株が人気化するような相場がやってくる可能性がないともいえない。そのほか、経済協力開発機構(OECD)が米国を筆頭に世界の経済成長率見通しを引き上げたことで、グローバルマクロ系のヘッジファンドが再び動意づくなどのポジティブシナリオも頭の片隅に入れておきたい。
さて、そうは言っても、本日の後場は、今後控える材料を前に引き続き手掛けづらいムードが続こう。指数がこう着感を強めるなか、中小型株物色を主体とした相場展開の継続を想定しておきたい。
<AK>
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