808円
グローバルキッズCOMPANYのニュース
日経平均は反発。87.26円高の25804.12円(出来高概算5億8827万株)で前場の取引を終えている。
4日の米株式市場でダウ平均は133.40ドル高(+0.40%)と3日ぶり反発。米11月JOLTS求人件数が予想を上回り、労働市場の逼迫が確認されたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録や米ミネアポリス連銀総裁の発言で当局のタカ派な内容が確認されたこともあり、金融引き締め長期化観測の高まりが重荷となった。一方、米12月ISM製造業景気指数の下振れなどを背景に米長期金利の動きが落ち着いていたことで、押し目買いが優勢となった。ナスダック総合指数は+0.69%と3日ぶり反発。米国株の反発を受けて日経平均は108.64円高からスタート。香港ハンセン指数の連日の上昇や為替の円高進行の一服も支援要因に買い戻しが優勢となり、前場中ごろには25947.10円(230.24円高)まで上げ幅を広げた。ただ、心理的な節目を手前に騰勢一服となると、その後は上げ幅を縮めた。
個別では、米SOX指数の大幅反発を好感し、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>が大きく上昇。ソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>、信越化<4063>など指数寄与度の大きい銘柄のほか、日本電産<6594>、村田製<6981>、イビデン<4062>などのハイテク、リクルートHD<6098>やメルカリ<4385>などのグロース株も高い。東証プライム市場の値上がり率上位にはマルマエ<6264>、MonotaRO<3064>などが入った。ポピンズ<7358>やGキッズ<6189>は岸田首相の「異次元の少子化対策」の表明が手掛かりとなった。
一方、INPEX<1605>、住友商事<8053>、三菱マテリアル<5711>などの景気敏感株、三菱重<7011>、川崎重<7012>、IHI<7013>の原発・防衛関連、JR東海<9022>、JR西<9021>、JAL<9201>、ANA<9202>、ラウンドワン<4680>、パンパシHD<7532>などのリオープン・インバウンド関連が軟調。三井住友<8316>、りそなHD<8308>、第一生命HD<8750>、東京海上<8766>など金融関連も本日は利益確定売りが優勢のものが多い。
セクターでは、ガラス・土石、電気機器、サービスが上昇率上位となった一方、保険、陸運、空運が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の33%、対して値下がり銘柄は62%となっている。
日経平均は反発しているものの、下向きの5日移動平均線すらも回復できておらず、25日線からの下方乖離率は5.5%と依然として大幅な水準だ。自律反発の域を出ておらず、心理的な節目の26000円も回復できていない現状では、騰勢の弱さは否めない。また、為替の円高進行が一服し、前日の東京時間と比べて1円程度、円安に傾いている支援要因があった上でのこの上昇幅であることを踏まえると、軟弱さが鮮明だ。
前日に発表された12月ISM製造業景気指数は48.4と景況感の拡大と縮小の境界値である50を2カ月連続で割り込み、前回11月(49.0)よりも悪化、市場予想(48.5)も小幅に下回った。項目別では、新規受注が45.2と11月(47.2)から大きく悪化。また、生産や新規輸出など多くの項目で50割れとなり、景気後退に対する懸念を強める内容となった。
一方で、米労働省が発表した11月雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が1046万件と市場予想を40万件ほど上回り、前回10月分も上方修正された。依然として労働市場の需給が非常にタイトで、賃金上昇圧力が強く残り、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを継続していくとの方針を裏付ける内容だったといえる。
加えて、昨年12月に開催されたFOMC議事録が公表された。参加者の大半が景気後退リスクよりもインフレリスクをより強く警戒していることが示されたほか、2023年内の利下げを予想する参加者は一人もいなかったもようだ。また、正当な理由なき時期尚早の利下げへの転換には危険が伴うことを改めて指摘しており、今年後半に0.25ポイントの利下げを2回程織り込む市場に対してけん制する内容となった。
さらに、前日は米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、当面の政策金利の到達点として5.4%まで引き上げるべきなどと発言した。今の政策金利の誘導目標レンジは4.25−4.5%であるため、これは0.25ポイントの利上げがあと4回分実施されることを意味する。12月FOMCの際に公表された政策金利見通し(ドットチャート)での予測中央値は5.1%であるため、同氏の見解はかなりタカ派だ。
一方で、前日に発表された欧州連合(EU)圏の12月消費者物価指数(CPI)はEU基準で前年比+6.7%と11月(+7.1%)から大きく減速し、市場予想(+7.3%)も大幅に下回った。予想外の暖冬などを背景に天然ガスの在庫水準が高いまま推移し、エネルギー価格が大きく下落していることなどが主な要因のようだ。米12月ISM製造業景気指数の項目で価格が39.4(11月:43.0)、入荷遅延は45.1(同:47.2)と、それぞれ50を大幅に下回っていることもあり、モノのインフレに限って言えば、収束を通り越して足元ではデフレーションに向かいそうな勢いともいえる。
ただ、逼迫した米労働市場が継続していることなどから、サービス分野のインフレは根強いことが予想され、上述したように、FRBの姿勢転換も容易ではなさそうだ。年は明けたが、当面は金融引き締め長期化と過剰な引き締めが景気後退を招き得るとの警戒感が株価の上値を抑える、昨年同様の展開が続くこととなりそうだ。
こうした中、年末年始の先物手口では興味深い動きが確認された。ゴールドマン・サックス証券(GS)は12月29日に約2100枚、30日に約1800枚、1月4日に約6700枚とそれぞれTOPIX先物を大きく売り越していた(日中立ち会いのみ)。グローバルマクロ系のファンドなどによる、年明け以降の世界景気後退を織り込む動きと推察される。GSの手口は一度大きく傾くとなかなか反転しない傾向があり、相場の方向感を左右する影響力もあると思われ、今後の動向には要注意だ。
なお、今晩は米12月ADP雇用リポート、明晩は米12月雇用統計が発表される。労働市場の逼迫が改めて確認されれば、株式市場は再び下値模索の展開となる可能性があることに留意しておきたい。
(仲村幸浩)
<AK>
4日の米株式市場でダウ平均は133.40ドル高(+0.40%)と3日ぶり反発。米11月JOLTS求人件数が予想を上回り、労働市場の逼迫が確認されたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録や米ミネアポリス連銀総裁の発言で当局のタカ派な内容が確認されたこともあり、金融引き締め長期化観測の高まりが重荷となった。一方、米12月ISM製造業景気指数の下振れなどを背景に米長期金利の動きが落ち着いていたことで、押し目買いが優勢となった。ナスダック総合指数は+0.69%と3日ぶり反発。米国株の反発を受けて日経平均は108.64円高からスタート。香港ハンセン指数の連日の上昇や為替の円高進行の一服も支援要因に買い戻しが優勢となり、前場中ごろには25947.10円(230.24円高)まで上げ幅を広げた。ただ、心理的な節目を手前に騰勢一服となると、その後は上げ幅を縮めた。
個別では、米SOX指数の大幅反発を好感し、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>が大きく上昇。ソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>、信越化<4063>など指数寄与度の大きい銘柄のほか、日本電産<6594>、村田製<6981>、イビデン<4062>などのハイテク、リクルートHD<6098>やメルカリ<4385>などのグロース株も高い。東証プライム市場の値上がり率上位にはマルマエ<6264>、MonotaRO<3064>などが入った。ポピンズ<7358>やGキッズ<6189>は岸田首相の「異次元の少子化対策」の表明が手掛かりとなった。
一方、INPEX<1605>、住友商事<8053>、三菱マテリアル<5711>などの景気敏感株、三菱重<7011>、川崎重<7012>、IHI<7013>の原発・防衛関連、JR東海<9022>、JR西<9021>、JAL<9201>、ANA<9202>、ラウンドワン<4680>、パンパシHD<7532>などのリオープン・インバウンド関連が軟調。三井住友<8316>、りそなHD<8308>、第一生命HD<8750>、東京海上<8766>など金融関連も本日は利益確定売りが優勢のものが多い。
セクターでは、ガラス・土石、電気機器、サービスが上昇率上位となった一方、保険、陸運、空運が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の33%、対して値下がり銘柄は62%となっている。
日経平均は反発しているものの、下向きの5日移動平均線すらも回復できておらず、25日線からの下方乖離率は5.5%と依然として大幅な水準だ。自律反発の域を出ておらず、心理的な節目の26000円も回復できていない現状では、騰勢の弱さは否めない。また、為替の円高進行が一服し、前日の東京時間と比べて1円程度、円安に傾いている支援要因があった上でのこの上昇幅であることを踏まえると、軟弱さが鮮明だ。
前日に発表された12月ISM製造業景気指数は48.4と景況感の拡大と縮小の境界値である50を2カ月連続で割り込み、前回11月(49.0)よりも悪化、市場予想(48.5)も小幅に下回った。項目別では、新規受注が45.2と11月(47.2)から大きく悪化。また、生産や新規輸出など多くの項目で50割れとなり、景気後退に対する懸念を強める内容となった。
一方で、米労働省が発表した11月雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が1046万件と市場予想を40万件ほど上回り、前回10月分も上方修正された。依然として労働市場の需給が非常にタイトで、賃金上昇圧力が強く残り、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを継続していくとの方針を裏付ける内容だったといえる。
加えて、昨年12月に開催されたFOMC議事録が公表された。参加者の大半が景気後退リスクよりもインフレリスクをより強く警戒していることが示されたほか、2023年内の利下げを予想する参加者は一人もいなかったもようだ。また、正当な理由なき時期尚早の利下げへの転換には危険が伴うことを改めて指摘しており、今年後半に0.25ポイントの利下げを2回程織り込む市場に対してけん制する内容となった。
さらに、前日は米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、当面の政策金利の到達点として5.4%まで引き上げるべきなどと発言した。今の政策金利の誘導目標レンジは4.25−4.5%であるため、これは0.25ポイントの利上げがあと4回分実施されることを意味する。12月FOMCの際に公表された政策金利見通し(ドットチャート)での予測中央値は5.1%であるため、同氏の見解はかなりタカ派だ。
一方で、前日に発表された欧州連合(EU)圏の12月消費者物価指数(CPI)はEU基準で前年比+6.7%と11月(+7.1%)から大きく減速し、市場予想(+7.3%)も大幅に下回った。予想外の暖冬などを背景に天然ガスの在庫水準が高いまま推移し、エネルギー価格が大きく下落していることなどが主な要因のようだ。米12月ISM製造業景気指数の項目で価格が39.4(11月:43.0)、入荷遅延は45.1(同:47.2)と、それぞれ50を大幅に下回っていることもあり、モノのインフレに限って言えば、収束を通り越して足元ではデフレーションに向かいそうな勢いともいえる。
ただ、逼迫した米労働市場が継続していることなどから、サービス分野のインフレは根強いことが予想され、上述したように、FRBの姿勢転換も容易ではなさそうだ。年は明けたが、当面は金融引き締め長期化と過剰な引き締めが景気後退を招き得るとの警戒感が株価の上値を抑える、昨年同様の展開が続くこととなりそうだ。
こうした中、年末年始の先物手口では興味深い動きが確認された。ゴールドマン・サックス証券(GS)は12月29日に約2100枚、30日に約1800枚、1月4日に約6700枚とそれぞれTOPIX先物を大きく売り越していた(日中立ち会いのみ)。グローバルマクロ系のファンドなどによる、年明け以降の世界景気後退を織り込む動きと推察される。GSの手口は一度大きく傾くとなかなか反転しない傾向があり、相場の方向感を左右する影響力もあると思われ、今後の動向には要注意だ。
なお、今晩は米12月ADP雇用リポート、明晩は米12月雇用統計が発表される。労働市場の逼迫が改めて確認されれば、株式市場は再び下値模索の展開となる可能性があることに留意しておきたい。
(仲村幸浩)
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