181円
ソースネクストのニュース
日経平均は3日ぶり反落。303.23円安の26954.15円(出来高概算4億7266万株)で前場の取引を終えている。
19日の米株式市場でダウ平均は99.99ドル安(−0.32%)と反落。企業決算を好感した買いが先行したが、長期金利の上昇で警戒感が再燃して下落に転じた。引けにかけて金利が一段と上昇すると一段安となり終了、ナスダック総合指数も−0.85%と反落。
日経平均は275.63円安と27000円を割り込んでスタート。寄り付きから売りが先行し、ナスダック100先物が下げ幅を広げる中、連れ安の展開に。香港ハンセン指数の大幅安も嫌気され、下げ幅を広げる動きが続いた。前引けにかけてやや持ち直したが、27000円回復には至っていない。
個別では、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>の主力ハイテク株のほか、東エレク<8035>、ルネサス<6723>、アドバンテスト<6857>の半導体関連、信越化学<4063>、HOYA<7741>、SMC<6273>の値がさ株が大きく下落。中小型グロース株は底堅い一方、ベイカレント<6532>、SHIFT<3697>などの値がさグロース株が大幅安。外資証券による新規の売り推奨が観測されたGMOPG<3769>が大きく下落。ソースネクスト<4344>、オープンドア<3926>などインバウンド関連の中でも中小型株の一角が大幅安。出資先企業が子会社の上場申請取り下げを発表したことが嫌気され、BEENOS<3328>が急落した。
一方、蘭ASMLの好決算を手掛かりにレーザーテック<6920>が半導体関連の中で逆行高。関連株の中ではソシオネクスト<6526>も上昇している。米10年債利回りの14年ぶりの高値更新を背景に三井住友<8316>、第一生命HD<8750>の金融が堅調。NTT<9432>、マツキヨココカラ<3088>などディフェンシブ系の一角もしっかり。良品計画<7453>は国内証券の目標株価引き上げを好感して大幅高。業績予想の上方修正を発表したイントラスト<7191>、日本光電<6849>、イワキポンプ<6237>も大きく上昇した。
セクターでは精密機器、ガラス・土石、金属製品が下落率上位となった一方、鉱業、銀行、保険が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体72%、対して値上がり銘柄は22%となっている。
本日の日経平均は前日に上抜いたばかりの200日移動平均線を再び割り込んで、心理的な節目の27000円も下回った。6日にも大幅高で一度同線を上回ったものの、翌日に下落トレンド再開という形があった。今回も同様の流れになってしまったことで、今後この200日線が強力な上値抵抗線としてより強く意識されることになりそうだ。
前日19日、米10年債利回りは4.14%と2008年7月以来の高水準まで上昇した。英国でハント新財務相が大規模な減税策の大半を撤回し、欧州を中心とした財政不安が和らいできている中にもかかわらず、米国金利がこうして再び高値を更新してきていることは、それだけ金利上昇圧力が強い証左といえ、かなり気掛かりである。
前日の当欄(「年末に向けての株価の意外高も念頭に」)では、フェデラルファンドレート(FF)金利先物市場がすでに来年3−5月時点で政策金利が4.9%を超える水準にまで上昇することを織り込んでいること等を理由に、金利上昇圧力は限られてきたという話をした。ただ、英財政政策を巡る一連の不安について、これまでに発表済みの撤回分だけでは、財政不安を完全に解消するには不十分との指摘があり、欧州発のグローバルな金利上昇圧力はまだ残る。また、前日に発表された英10月消費者物価指数(CPI)は前年同月比+10.1%と8月(+9.9%)から加速した。冬季シーズンが本格化するに伴い、エネルギー危機が再台頭した際のインフレ・金利上昇のシナリオも考えられよう。
現在、米国の政策金利と連動性の高い米2年債利回りは4.55%に位置している。ターミナルレート(最終到達点)が、現状、米連邦準備制度理事会(FRB)が想定している4.50−4.75%のままであれば、米2年債利回りをはじめとした米国金利の上昇余地は小さいと考えられる。しかし、上述の欧州発のリスク要因が顕在化するか、もしくは、今後発表される米国のCPIや雇用統計が予想を大きく上振れることがあると、グローバルな金利上昇圧力が強まり、米ターミナルレートも5.0−5.5%程度にまで切り上がる可能性がある。この場合、米2年債利回りは5%前後、米10年債利回りでは4.5%程度までは上昇余地が生まれることになりそうだ。市場の目線はインフレ・金利動向よりも企業業績に移ってきているが、金利上昇を通じた株価下押し圧力が残っていることも留意しておきたい。
ほか、気掛かりなのは自動車関連だ。前日、米自動車ローン大手アライ・ファイナンシャルの7−9月期決算が発表されたが、新規ローンの申請件数が予想を下回り、株価が急落した。9月下旬にも、米中古車販売のカーマックスの決算を受けて自動車関連株が軒並み下落することがあったが、米国の個人消費を巡る環境は急速に悪化している可能性が高まってきた。個人消費の悪化を通じて企業の投資意欲もさらに落ち込んでいる可能性があり、広告需要の一段の悪化も想定される。現時時間で20日午後には米動画写真共有アプリを展開するスナップチャットの決算が予定されているが、広告関連のIT企業決算には注意が必要だろう。
(仲村幸浩)
<NH>
19日の米株式市場でダウ平均は99.99ドル安(−0.32%)と反落。企業決算を好感した買いが先行したが、長期金利の上昇で警戒感が再燃して下落に転じた。引けにかけて金利が一段と上昇すると一段安となり終了、ナスダック総合指数も−0.85%と反落。
日経平均は275.63円安と27000円を割り込んでスタート。寄り付きから売りが先行し、ナスダック100先物が下げ幅を広げる中、連れ安の展開に。香港ハンセン指数の大幅安も嫌気され、下げ幅を広げる動きが続いた。前引けにかけてやや持ち直したが、27000円回復には至っていない。
個別では、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>の主力ハイテク株のほか、東エレク<8035>、ルネサス<6723>、アドバンテスト<6857>の半導体関連、信越化学<4063>、HOYA<7741>、SMC<6273>の値がさ株が大きく下落。中小型グロース株は底堅い一方、ベイカレント<6532>、SHIFT<3697>などの値がさグロース株が大幅安。外資証券による新規の売り推奨が観測されたGMOPG<3769>が大きく下落。ソースネクスト<4344>、オープンドア<3926>などインバウンド関連の中でも中小型株の一角が大幅安。出資先企業が子会社の上場申請取り下げを発表したことが嫌気され、BEENOS<3328>が急落した。
一方、蘭ASMLの好決算を手掛かりにレーザーテック<6920>が半導体関連の中で逆行高。関連株の中ではソシオネクスト<6526>も上昇している。米10年債利回りの14年ぶりの高値更新を背景に三井住友<8316>、第一生命HD<8750>の金融が堅調。NTT<9432>、マツキヨココカラ<3088>などディフェンシブ系の一角もしっかり。良品計画<7453>は国内証券の目標株価引き上げを好感して大幅高。業績予想の上方修正を発表したイントラスト<7191>、日本光電<6849>、イワキポンプ<6237>も大きく上昇した。
セクターでは精密機器、ガラス・土石、金属製品が下落率上位となった一方、鉱業、銀行、保険が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体72%、対して値上がり銘柄は22%となっている。
本日の日経平均は前日に上抜いたばかりの200日移動平均線を再び割り込んで、心理的な節目の27000円も下回った。6日にも大幅高で一度同線を上回ったものの、翌日に下落トレンド再開という形があった。今回も同様の流れになってしまったことで、今後この200日線が強力な上値抵抗線としてより強く意識されることになりそうだ。
前日19日、米10年債利回りは4.14%と2008年7月以来の高水準まで上昇した。英国でハント新財務相が大規模な減税策の大半を撤回し、欧州を中心とした財政不安が和らいできている中にもかかわらず、米国金利がこうして再び高値を更新してきていることは、それだけ金利上昇圧力が強い証左といえ、かなり気掛かりである。
前日の当欄(「年末に向けての株価の意外高も念頭に」)では、フェデラルファンドレート(FF)金利先物市場がすでに来年3−5月時点で政策金利が4.9%を超える水準にまで上昇することを織り込んでいること等を理由に、金利上昇圧力は限られてきたという話をした。ただ、英財政政策を巡る一連の不安について、これまでに発表済みの撤回分だけでは、財政不安を完全に解消するには不十分との指摘があり、欧州発のグローバルな金利上昇圧力はまだ残る。また、前日に発表された英10月消費者物価指数(CPI)は前年同月比+10.1%と8月(+9.9%)から加速した。冬季シーズンが本格化するに伴い、エネルギー危機が再台頭した際のインフレ・金利上昇のシナリオも考えられよう。
現在、米国の政策金利と連動性の高い米2年債利回りは4.55%に位置している。ターミナルレート(最終到達点)が、現状、米連邦準備制度理事会(FRB)が想定している4.50−4.75%のままであれば、米2年債利回りをはじめとした米国金利の上昇余地は小さいと考えられる。しかし、上述の欧州発のリスク要因が顕在化するか、もしくは、今後発表される米国のCPIや雇用統計が予想を大きく上振れることがあると、グローバルな金利上昇圧力が強まり、米ターミナルレートも5.0−5.5%程度にまで切り上がる可能性がある。この場合、米2年債利回りは5%前後、米10年債利回りでは4.5%程度までは上昇余地が生まれることになりそうだ。市場の目線はインフレ・金利動向よりも企業業績に移ってきているが、金利上昇を通じた株価下押し圧力が残っていることも留意しておきたい。
ほか、気掛かりなのは自動車関連だ。前日、米自動車ローン大手アライ・ファイナンシャルの7−9月期決算が発表されたが、新規ローンの申請件数が予想を下回り、株価が急落した。9月下旬にも、米中古車販売のカーマックスの決算を受けて自動車関連株が軒並み下落することがあったが、米国の個人消費を巡る環境は急速に悪化している可能性が高まってきた。個人消費の悪化を通じて企業の投資意欲もさらに落ち込んでいる可能性があり、広告需要の一段の悪化も想定される。現時時間で20日午後には米動画写真共有アプリを展開するスナップチャットの決算が予定されているが、広告関連のIT企業決算には注意が必要だろう。
(仲村幸浩)
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