2,844円
デンカのニュース
日経平均は続伸。102.14円高の29048.28円(出来高概算5億8000万株)で前場の取引を終えている。
2日の米株式市場でNYダウは小幅に5日続伸し、25ドル高となった。経済活動の正常化への期待が根強く、相場を下支えしたが、景気敏感株を中心に高値警戒感から利益確定の売りが出た。5月雇用統計をはじめとする雇用関連指標の発表を週後半に控え、様子見ムードも強かった。本日の日経平均もやや利益確定売り優勢で55円安からスタートしたが、その後自動車株や半導体関連株を中心に買いが入り、朝方には一時29157.16円(211.02円高)まで上昇。29100円前後でもみ合う展開になると、前引けにかけてやや上げ幅を縮めた。
個別では、トヨタ自<7203>が売買代金トップで2%超の上昇。連日で上場来高値を更新している。レーザーテック<6920>、ルネサス<6723>、アドバンテス<6857>といった半導体関連株の一角は大幅高。JR東<9020>も新型コロナウイルスのワクチン接種進展で前日に続き買われている。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、東エレク<8035>などが堅調。また、ポプラ<7601>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、ファーストリテ<9983>が4%超の下落。国内「ユニクロ」の5月既存店売上が1年ぶり減収となったことを嫌気した売りがかさんだ。郵船<9101>が2%近く下落し、ANA<9202>とJAL<9201>は揃って小安い。また、デンカ<4061>などが東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、ゴム製品、輸送用機器、食料品などが上昇率上位。一方、海運業、非鉄金属、鉄鋼などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の67%、対して値下がり銘柄は27%となっている。
本日の日経平均は朝安後に切り返し、プラス圏で前場を折り返した。日足チャートを見ると、引き続き29200円台に位置する75日移動平均線を前に伸び悩んでいるものの、連日の陽線で底堅さも感じさせる。本日ここまでの東証1部売買代金は1兆4000億円弱。重要な米経済指標の発表前ながら、取引は前日並みにまずまず活発のようだ。
業種別や個別の騰落状況を見ると、海運や鉄鋼といった市況関連銘柄が利益確定売り優勢。ウイルス感染対策などによる構造的な供給制約を抱える海運株は上昇トレンドが続いているが、中国政府が価格上昇をけん制した鉄鋼株は調整基調となっている。このところ期待インフレ率の指標である米10年物ブレークイーブン・インフレ率
(BEI)は2.4%台前半から半ば、米10年物国債利回りも1.6%前後で一進一退。広範な世界経済の改善とインフレ高進を見込んだポジションへの傾倒は見られず、一昨日の当欄で述べたように日本株全体にとって重しになっているとみられる。
また、来週11日には先物・オプション6月物の特別清算指数算出(メジャーSQ)が控えており、株価指数先物の売買は前日あたりからロールオーバー(限月乗り換え)が増えてきた。相場のトレンドは明確に出づらくなるだろう。
但し、トヨタ自、それにレーザーテックを中心とした半導体関連株の値動きを見ると、「質」重視に転じつつも現物株投資家の買い需要は根強いことが窺える。もう一点、ここ数日の先物手口でも海外勢が明確に買い姿勢に転じてきた印象は乏しいものの、「短期的な上方リスク」に警戒する向きは多いようだ。日経平均オプション6月物のコール(買う権利)では29000~29500円あたりの建玉が多く、売り方のヘッジニーズが強いことが窺える。カウンターパートとなる証券会社のヘッジ目的での先物買いが相場の底堅さにつながっているという指摘もある。
こうした状況を見ると、米雇用統計やメジャーSQといった重要イベントと前後して、海外勢の持ち高調整に伴い日経平均が上に走る可能性も念頭に置いておく必要がありそうだ。
しかし、一昨日取り上げた経済協力開発機構(OECD)の経済見通しなどに基づくと、中期的な基調として日本株は相対的に上値が重いという見方に変わりない。また、そろそろ国内の政治情勢なども話題に取り上げていこうと思うが、紙面の都合で次回以降とする。
(小林大純)
<AK>
2日の米株式市場でNYダウは小幅に5日続伸し、25ドル高となった。経済活動の正常化への期待が根強く、相場を下支えしたが、景気敏感株を中心に高値警戒感から利益確定の売りが出た。5月雇用統計をはじめとする雇用関連指標の発表を週後半に控え、様子見ムードも強かった。本日の日経平均もやや利益確定売り優勢で55円安からスタートしたが、その後自動車株や半導体関連株を中心に買いが入り、朝方には一時29157.16円(211.02円高)まで上昇。29100円前後でもみ合う展開になると、前引けにかけてやや上げ幅を縮めた。
個別では、トヨタ自<7203>が売買代金トップで2%超の上昇。連日で上場来高値を更新している。レーザーテック<6920>、ルネサス<6723>、アドバンテス<6857>といった半導体関連株の一角は大幅高。JR東<9020>も新型コロナウイルスのワクチン接種進展で前日に続き買われている。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、東エレク<8035>などが堅調。また、ポプラ<7601>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、ファーストリテ<9983>が4%超の下落。国内「ユニクロ」の5月既存店売上が1年ぶり減収となったことを嫌気した売りがかさんだ。郵船<9101>が2%近く下落し、ANA<9202>とJAL<9201>は揃って小安い。また、デンカ<4061>などが東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、ゴム製品、輸送用機器、食料品などが上昇率上位。一方、海運業、非鉄金属、鉄鋼などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の67%、対して値下がり銘柄は27%となっている。
本日の日経平均は朝安後に切り返し、プラス圏で前場を折り返した。日足チャートを見ると、引き続き29200円台に位置する75日移動平均線を前に伸び悩んでいるものの、連日の陽線で底堅さも感じさせる。本日ここまでの東証1部売買代金は1兆4000億円弱。重要な米経済指標の発表前ながら、取引は前日並みにまずまず活発のようだ。
業種別や個別の騰落状況を見ると、海運や鉄鋼といった市況関連銘柄が利益確定売り優勢。ウイルス感染対策などによる構造的な供給制約を抱える海運株は上昇トレンドが続いているが、中国政府が価格上昇をけん制した鉄鋼株は調整基調となっている。このところ期待インフレ率の指標である米10年物ブレークイーブン・インフレ率
(BEI)は2.4%台前半から半ば、米10年物国債利回りも1.6%前後で一進一退。広範な世界経済の改善とインフレ高進を見込んだポジションへの傾倒は見られず、一昨日の当欄で述べたように日本株全体にとって重しになっているとみられる。
また、来週11日には先物・オプション6月物の特別清算指数算出(メジャーSQ)が控えており、株価指数先物の売買は前日あたりからロールオーバー(限月乗り換え)が増えてきた。相場のトレンドは明確に出づらくなるだろう。
但し、トヨタ自、それにレーザーテックを中心とした半導体関連株の値動きを見ると、「質」重視に転じつつも現物株投資家の買い需要は根強いことが窺える。もう一点、ここ数日の先物手口でも海外勢が明確に買い姿勢に転じてきた印象は乏しいものの、「短期的な上方リスク」に警戒する向きは多いようだ。日経平均オプション6月物のコール(買う権利)では29000~29500円あたりの建玉が多く、売り方のヘッジニーズが強いことが窺える。カウンターパートとなる証券会社のヘッジ目的での先物買いが相場の底堅さにつながっているという指摘もある。
こうした状況を見ると、米雇用統計やメジャーSQといった重要イベントと前後して、海外勢の持ち高調整に伴い日経平均が上に走る可能性も念頭に置いておく必要がありそうだ。
しかし、一昨日取り上げた経済協力開発機構(OECD)の経済見通しなどに基づくと、中期的な基調として日本株は相対的に上値が重いという見方に変わりない。また、そろそろ国内の政治情勢なども話題に取り上げていこうと思うが、紙面の都合で次回以降とする。
(小林大純)
<AK>
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