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日経平均は3日続落、19000円レベルで攻防も目先の騰勢に一服感

配信元:フィスコ
投稿:2020/04/22 12:20
 日経平均は続落。230.45円安の19050.33円(出来高概算5億6000万株)で前場の取引を終えている。

 21日の米株式市場でNYダウは大幅に続落し、631ドル安となった。トランプ大統領が石油・ガス会社の資金援助計画を策定するよう指示したことや、石油輸出国機構(OPEC)が減産拡大を検討するとの報道を受けて、前日に史上初のマイナスとなったNY原油先物5月物はプラスに転じた。しかし、6月物は一時6ドル台まで急落し、原油安や企業の業績悪化が売りにつながった。本日の日経平均もこうした流れを引き継ぎ171円安からスタートすると、朝方には一時18858.25円(422.53円安)まで下落。その後、19000円を挟み一進一退の展開となった。

 個別では、売買代金トップのソフトバンクG<9984>が3%超の下落となったほか、東エレク<8035>が2%超下落するなどハイテク株も総じて軟調。その他売買代金上位ではファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>などがさえない。出光興産<5019>は配当維持が安心感につながったものの、原油安を受けて4%超下落した。また、FPG<7148>などが東証1部下落率上位に顔を出した。一方、任天堂<7974>、アドバンテス<6857>NTT<9432>などが堅調。任天堂はアクティビスト(物言う株主)ファンドの株式保有が伝わり、アドバンテスは米同業の決算が好感されたようだ。前期業績を上方修正した新光電工<6967>は急伸。また、明治海<9115>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。

 セクターでは、石油・石炭製品、空運業、鉱業などが下落率上位。半面、海運業、パルプ・紙、証券などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の71%、対して値上がり銘柄は26%となっている。

 NYダウが連日で600ドル前後の大幅下落となり、本日の日経平均も3日続落し節目の1
9000円を割り込む場面があった。売買代金上位では前日に続き日経平均への寄与が大きい値がさ株や景気敏感株が軟調だが、アドバンテスが強い値動きを見せ、ファナック<6954>キーエンス<6861>もプラスとなっており、総悲観といったムードではない。業種別騰落率では、原油安に絡んだセクターの軟調ぶりが目立つ。一方、原油貯蔵能力のひっ迫に絡んだ思惑から海運業が上昇率トップとなっているほかは、ディフェンシブセクターの一角がしっかり。ここまでの東証1部売買代金は9200億円弱と前日並み。前日急落したマザーズ指数は本日もマイナス圏で推移しているが、売り一巡後はやや下げ渋っている。

 前引けの東証株価指数(TOPIX)が0.67%の下落となっているため、後場は日銀による上場投資信託(ETF)買い入れが実施される公算が大きい。ただ、アジア市場も香港ハンセン指数を中心に総じて軟調で、買い手掛かりに乏しいところ。後場は日銀のETF買いをサポートに、ひとまず節目の19000円水準を維持できるかが焦点となりそうだ。

 前日の当欄で「目先の戻り一服」かどうかの分かれ目と指摘した。前日の米株式市場でナスダック総合指数が-3.48%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が-4.73%
となるなど、これまで相場全体の戻りをけん引していたハイテク株が大きく値を崩したところを見ると、やはり目先は騰勢一服との印象がある。原油安は関連企業の信用不安を再燃させるとともに、損失を被ったヘッジファンド等の株式売却につながっているとの観測もある。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は再び上昇傾向にある。

 米国では決算発表がピークを迎え、日本でも週後半から主要企業の決算発表が本格化するため、買い持ち高を減らしたいとの思惑もあるだろう。ただ、先行する米国では半導体のテキサス・インスツルメンツ(TI)や計測機器のテラダインが市場予想を上回る内容となった。ここからは新型コロナウイルスの影響下でも堅調な業績が期待できる銘柄を丁寧に選別していく必要がありそうだ。
(小林大純)
<AK>
配信元: フィスコ
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