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2019年【株式市況早わかり】大納会29年ぶり高値、米中対立翻弄も米株高が後押し <年末特別企画>

配信元:株探
投稿:2019/12/31 09:00

●2019年【市況動向】 ── 2年ぶり大幅上昇、米中対立翻弄も米株高が後押し

 ■今年の相場ポイント
  1.日経平均は2年ぶりに上昇、大納会としては29年ぶり高値
  2.史上最長の好景気による米株高が上昇相場を後押し
  3.米中対立激化で上値を抑えられ調整する場面も
  4.年後半の円安進行や半導体需要回復期待が追い風
  5.米中貿易協議の部分合意で日経平均は一時2万4000円台乗せ

 今年は日経平均株価が昨年末比3641円(18.2%)高の2万3656円と2年ぶりに大幅上昇し、大納会としては1990年以来、29年ぶりの高値で取引を終えた。年末にかけてやや伸び悩んだものの、12月17日にはザラバベースで2万4091円まで買われ、一時昨年10月に付けたバブル崩壊後の高値に接近する場面があった。年間を通して史上最長の好景気が続く米国の株高が上昇相場を後押しした格好だ。
 昨年末に米利上げによる米国を発端とした世界株安で日経平均が急落した流れを引き継ぎ大発会こそ大幅安だったものの、その後は米株高に連動する形で4月までは回復基調が続いた。5月以降は貿易を巡る米国と中国との対立が翻弄、上値が抑えられ膠着感の強い展開となった。しかしながら、10月以降は米株高や世界景気の減速懸念後退が好感され日経平均は再び上値追う展開となる中、米中の部分合意で上昇に弾みがついた。

●2019年【月別市況】 ── 日経平均は9勝3敗

1月: 758円高 ── パウエルFRB議長発言で投資家心理が改善、海外勢が買い戻し
           …パウエル氏が金融引き締めに慎重姿勢を示した
2月: 611円高 ── 米株高連動でリスク選好が続く、中国・上海株高も後押し
           …海外ヘッジファンドなど短期筋の買い戻しが続く
3月: 179円安 ── 世界景気の減速警戒でリスク回避が強まる
           …景気後退の予兆とされる逆イールド(米長短金利逆転)が発生
4月: 1052円高 ── 世界景気の減速懸念後退と米中協議合意期待で2万2000円台乗せ
           …中国の経済指標が好転、日米協議の初会合は無難通過
5月: 1657円安 ── 米中貿易摩擦懸念が再燃、円高進行も加わり売り加速
           …トランプ大統領が中国製品への関税を10%→25%に引き上げると表明
6月: 674円高 ── 米中首脳会談開催・米年内利下げの確度が高まり買い優勢
           …米株大幅高で連動高、売り方の買い戻しも膨らむ
7月: 245円高 ── 米中貿易協議再開・米株最高値でリスク選好も上値重い
           …半導体関連を中心にハイテク株が上昇相場を牽引
8月: 817円安 ── 米中対立が再び激化と米長短金利逆転で世界・米国景気を懸念
           …トランプ大統領が対中追加関税第4弾の発動を表明
9月: 1051円高 ── 米中対立懸念の後退と円安進行で買い優勢
           …米国と中国の貿易協議が10月に再開されると伝わる
10月: 1171円高 ── 米中貿易協議の進展で買い戻し膨らみ1年ぶり高値奪還
           …対中追加関税第4弾先送り、円安や企業業績の底入れ期待も
11月: 366円高 ── 米中貿易協議の進展期待による米株高に追随も上値重い
           …米議会「香港人権法案」可決で下押す場面も
12月: 362円高 ── 米中貿易協議の部分合意で日経平均は一時2万4000円台乗せ
            …国内の大型経済対策も追い風


●2019年【セクター動向】 ── 33業種中、26業種が上昇
 今年の相場をセクター動向から見ると、東証33業種中、値上がりは26業種と値下がりの7業種を大きく上回った。

 上昇率トップは精密機器で時価総額が大きいオリンパス <7733>テルモ <4543>の上場来高値更新が牽引した。2位は電気機器だったが、同じ輸出関連業種の輸送用機器は21位と上昇が鈍かった。内需関連業種でも情報・通信業が4位、サービス業は5位と上位にランクインしたが、小売業や食料品は下位に沈んだ。昨年売り込まれた景気敏感業種では機械、海運業がトップ10入りとなった。金融では銀行業の上昇率の低さが目立った。
 下落率トップは石油・石炭だった。電気・ガスや鉄鋼もさえなかった。

 ■2019年の業種別騰落率ランキング
  ※2019年12月30日終値の昨年12月28日終値に対する騰落率
   東証1部33業種    値上がり: 26 業種  値下がり:  7 業種
   東証1部:2159銘柄  値上がり:1553 銘柄  値下がり: 602 銘柄  変わらず他:  4 銘柄

  東証33業種   騰落率(%)  【株価】上昇率/下落率 上位3銘柄
1. 精密機器(0268)   +45.84  マニー <7730>日本MDM <7600>オリンパス <7733>
2. 電気機器(0266)   +33.45  レーザーテク <6920>アドテスト <6857> 、第一精工 <6640>
3. その他製品(0269)  +30.70  オリバー <7959> 、広済堂 <7868>ニホンフラ <7820>
4. 情報・通信業(0275) +27.44  アイル <3854>ベネフィJ <3934>ジャスト <4686>
5. サービス業(0283)  +24.81  IRジャパン <6035>ストライク <6196>いであ <9768>
6. 機械(0265)     +22.49  ローツェ <6323>オルガノ <6368>サムコ <6387>
7. 医薬品(0258)    +21.24  第一三共 <4568>JCRファ <4552>大幸薬品 <4574>
8. 海運業(0272)    +20.35  乾汽船 <9308>川崎汽 <9107>共栄タ <9130>
9. 鉱業(0252)     +17.59  住石HD <1514>石油資源 <1662> 、国際石開帝石 <1605>
10. 不動産業(0282)   +17.55  ユニゾHD <3258>カチタス <8919>ビーロット <3452>
11. その他金融業(0281) +16.64  イントラスト <7191>日本モゲジS <7192>NECキャピ <8793>
12. 金属製品(0264)   +13.70  三益半導 <8155>SUMCO <3436>東京綱 <5981>
13. 保険業(0280)    +13.05  ソニーFH <8729>東京海上 <8766>MS&AD <8725>
14. 非鉄金属(0263)   +12.97  昭電線HD <5805>平河ヒューテ <5821>CKサンエツ <5757>
15. 証券・商品(0279)  +12.81  だいこう <8692>アジア投資 <8518>スパークス <8739>
16. 倉庫・運輸(0274)  +12.75  日本コンセプ <9386>渋沢倉 <9304>トランコム <9058>
17. 化学(0257)     +12.46  日立化 <4217>JCU <4975>トリケミカル <4369>
18. ガラス・土石(0261) +11.60  日東紡 <3110>クニミネ <5388>A&AM <5391>
19. 卸売業(0276)    +10.99  PバンCOM <3559>内田洋 <8057>神戸物産 <3038>
20. 建設業(0253)     +8.16  ダイセキS <1712>キャンディル <1446>浅沼組 <1852>
21. 輸送用機器(0267)   +8.04  三桜工 <6584>ショーワ <7274>ファルテック <7215>
22. 繊維製品(0255)    +6.34  ワールド <3612>キムラタン <8107>日東網 <3524>
23. 陸運業(0271)     +4.80  丸和運機関 <9090>SBSHD <2384>東武 <9001>
24. パルプ・紙(0256)   +4.62  阿波製紙 <3896>ザ・パック <3950>中越パ <3877>
25. 銀行業(0278)     +3.88  清水銀 <8364>南都銀 <8367> 、新生銀 <8303>
26. 小売業(0277)     +3.74  ハニーズHD <2792>GセブンHD <7508>千趣会 <8165>
27. 食料品(0254)     -2.04  SFOODS <2292>かどや製油 <2612>宝HLD <2531>
28. 水産・農林業(0251)  -2.54  マルハニチロ <1333>極洋 <1301>
29. ゴム製品(0260)    -2.61  オカモト <5122>フコク <5185>バンドー <5195>
30. 鉄鋼(0262)      -8.78  菱製鋼 <5632>山陽鋼 <5481>神戸鋼 <5406>
31. 空運業(0273)     -9.94  JAL <9201>ANAHD <9202>
32. 電気・ガス(0270)  -12.03  北海電 <9509>東電HD <9501>九州電 <9508>
33. 石油・石炭(0259)  -12.72  富士石油 <5017>出光興産 <5019> 、JXTG <5020>

※上記の「【株価】上昇率/下落率 上位3銘柄」は、業種別指数が前年比プラスの場合は株価上昇率の上位3銘柄、前年比マイナスの場合は株価下落率の上位3銘柄を記載。

★元日~6日に、2020年「新春特集」を一挙、“26本”配信します。ご期待ください。
        →→ 「新春特集」の記事一覧をみる

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