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三菱UFJフィナンシャル・グループのニュース
日経平均は反落。67.92円安の29677.95円(出来高概算5億4403万株)で前場の取引を終えている。
前週末19日の米株式市場でNYダウは268.97ドル安(-0.74%)と3日続落。オーストリアが再び全土ロックダウン入りするなど欧州で新型コロナウイルスが再流行、米国でも一部地域で感染件数の増加が見られ世界経済の回復を遅らせるとの懸念が根強く、寄り付き後下落。さらに、連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が12月連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和縮小(テーパリング)の加速についての協議が適切との認識を示唆したことも重しとなった。一方、長期金利の低下を背景にハイテク株は好調で、ナスダック総合指数、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は連日で史上最高値を更新した。
新型コロナ再流行による世界景気への懸念やNYダウの下落を受けて週明けの日経平均は127.32円安の29618.55円でスタートすると、安値圏でもみ合った後一時29542.29円まで下げ幅を拡げた。ただ、国内ではまだ新型コロナの感染動向が落ち着いていることや、ハイテク株には買いが入ったこともあり、日経平均は売り一巡後に下げ渋ると、その後は前引けまで下げ幅を縮める動きが続いた。
個別では、円高・ドル安を受けトヨタ自<7203>や日産自<7201>、デンソー<6902>などが大きく下落。米長期金利の低下による利ザヤ縮小懸念から三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>も売り優勢。新型コロナ再流行を嫌気し、JAL<9201>、エイチ・アイ・エス<9603>、JR東海<9022>、エアトリ<6191>などのアフターコロナ関連株が軒並み大幅下落。WTI原油先物価格の軟調を背景にINPEX<1605>が急落し、山崎製パン<2212>は投資判断の格下げを受けて下落。そのほか、株式売出実施を発表した国際紙パルプ商事<
9274>、第三者割当による新株予約権発行を発表したディア・ライフ<3245>がそれぞれ急落し、東証1部下落率上位に並んでいる。また、東証2部では、東京商工リサーチとの業務提携解消を発表したリスクモンスター<3768>が急落し、下落率上位となっている。
一方、先週下落が目立った郵船<9101>や商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運株が大幅に上昇。レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、SUMCO<3436>などの半導体関連株、太陽誘電<6976>、日立製<6501>、ZHD<4689>、チェンジ<3962>、エムスリー<2413>、ベイカレント<6532>、OLC<4661>、マネックスG<8698>などのハイテク株、グロース(成長)株の一部も買われている。また、先週末の取引時間中に業績及び配当予想の上方修正を発表した東京海上<8766>も上昇している。そのほか、OKK<
6205>、GameWith<6552>、アグレ都市デザイン<3467>、JUKI<6440>、イソライト<5358>などが1部上昇率上位に並んでいる。
セクターでは鉱業、空運業、輸送用機器などが下落率上位となっている一方、海運業、証券・商品先物取引業、保険業などが上昇率上位となっている。東証1部の値下がり銘柄は全体の55%、対して値上がり銘柄は39%となっている。
前場の日経平均は朝方の売り一巡後は下げ渋った。チャートでは25日移動平均線を
サポートとした動きが続いており、底堅さが窺える一方、依然として3万円回復には遠い印象で、上値も重い様子。
欧州で新型コロナが再流行しており、感染者数が落ち着いている日本でも、冬の本格化に伴い感染第6波を警戒する声が聞かれる。そうした世界景気鈍化の懸念が再び強まっているなか、先週末は、FRBのクラリダ副議長が12月のFOMCでのテーパリング加速についての協議を示唆したしたほか、ウォラーFRB理事もテーパリングを加速し、ゼロ金利政策からの脱却を速める必要があるとの認識を示した。早期利上げ懸念が高まる中でも週末の米長期金利はむしろ低下するなど、スタグフレーション(物価上昇と景気後退の併存)を示唆するかのような動きもみられた。
現在は、発生当初と異なり、ワクチン接種が進んでいるほか、治療薬の開発も進展していることから、感染が再流行したとしても、重症患者数は抑えられ、医療ひっ迫につながる可能性も低いと思われる。ただ、こうした報道が増えてくると、世界の景気敏感株と位置付けられる日本株には少なくとも短期的には重しとなりかねないだろう。
また、先週には岸田政権の経済対策が、金額としては従来想定よりも大規模になる見込みなどとポジティブな報道もあったが、相場の反応は限定的で、結局、日経平均の3万円手前での足踏みの脱却にはつながらなかった。衆院選での与党勝利後に見られる株高アノマリーなどは一体どこにいったのかという印象だ。各種メディアでも既に報じられているが、政策の中身をみると、給付金などの分配色の強いものがほとんど。将来の成長につながるような政策は乏しいと言わざるを得ない。分配も大事だが、成長しなければいずれ分配する資金源が枯渇するのは避けられない。給付金などの分配政策も、その多くが貯蓄に回る可能性が高く、仮に一部が消費に回っても恒久的な消費支出の増加にはつながらないだろう。
結局、成長シナリオが描けていないからこそ、誰も積極的にそうした国の株を買おうと思わないのだろう。政権に関するニュースフローが出ても一向に3万円を回復しない日経平均、売買高が停滞傾向にある先物市場などの動きをみても、日本株がじり貧にあるような印象が拭えない。割安感だけでは日本株が買われないことは、これまでの動きをみても明らかだろう。日本株の上値の重い展開は想定以上に長くなることも想定しておいた方がよいかもしれない。
さて、後場の日経平均は戻り一服でもみ合いになるとみておきたい。明日は祝日で国内市場が休場となるなか、上海総合指数や香港ハンセン指数が小動きで新規の材料にも乏しい。祝日明け24日には、早期利上げ懸念が強まるなか注目度が高まっていると思われるFOMC議事要旨の公表のほか、FRBが政策判断で重要視するPCEコアデフレータなどの発表もある。さらに、今週中にはFRBの新議長の発表もあるだろう。これらの結果を見極めたいとの思惑もあり、後場の日経平均は動意薄とみておきたい。
<AK>
前週末19日の米株式市場でNYダウは268.97ドル安(-0.74%)と3日続落。オーストリアが再び全土ロックダウン入りするなど欧州で新型コロナウイルスが再流行、米国でも一部地域で感染件数の増加が見られ世界経済の回復を遅らせるとの懸念が根強く、寄り付き後下落。さらに、連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が12月連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和縮小(テーパリング)の加速についての協議が適切との認識を示唆したことも重しとなった。一方、長期金利の低下を背景にハイテク株は好調で、ナスダック総合指数、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は連日で史上最高値を更新した。
新型コロナ再流行による世界景気への懸念やNYダウの下落を受けて週明けの日経平均は127.32円安の29618.55円でスタートすると、安値圏でもみ合った後一時29542.29円まで下げ幅を拡げた。ただ、国内ではまだ新型コロナの感染動向が落ち着いていることや、ハイテク株には買いが入ったこともあり、日経平均は売り一巡後に下げ渋ると、その後は前引けまで下げ幅を縮める動きが続いた。
個別では、円高・ドル安を受けトヨタ自<7203>や日産自<7201>、デンソー<6902>などが大きく下落。米長期金利の低下による利ザヤ縮小懸念から三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>も売り優勢。新型コロナ再流行を嫌気し、JAL<9201>、エイチ・アイ・エス<9603>、JR東海<9022>、エアトリ<6191>などのアフターコロナ関連株が軒並み大幅下落。WTI原油先物価格の軟調を背景にINPEX<1605>が急落し、山崎製パン<2212>は投資判断の格下げを受けて下落。そのほか、株式売出実施を発表した国際紙パルプ商事<
9274>、第三者割当による新株予約権発行を発表したディア・ライフ<3245>がそれぞれ急落し、東証1部下落率上位に並んでいる。また、東証2部では、東京商工リサーチとの業務提携解消を発表したリスクモンスター<3768>が急落し、下落率上位となっている。
一方、先週下落が目立った郵船<9101>や商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運株が大幅に上昇。レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、SUMCO<3436>などの半導体関連株、太陽誘電<6976>、日立製<6501>、ZHD<4689>、チェンジ<3962>、エムスリー<2413>、ベイカレント<6532>、OLC<4661>、マネックスG<8698>などのハイテク株、グロース(成長)株の一部も買われている。また、先週末の取引時間中に業績及び配当予想の上方修正を発表した東京海上<8766>も上昇している。そのほか、OKK<
6205>、GameWith<6552>、アグレ都市デザイン<3467>、JUKI<6440>、イソライト<5358>などが1部上昇率上位に並んでいる。
セクターでは鉱業、空運業、輸送用機器などが下落率上位となっている一方、海運業、証券・商品先物取引業、保険業などが上昇率上位となっている。東証1部の値下がり銘柄は全体の55%、対して値上がり銘柄は39%となっている。
前場の日経平均は朝方の売り一巡後は下げ渋った。チャートでは25日移動平均線を
サポートとした動きが続いており、底堅さが窺える一方、依然として3万円回復には遠い印象で、上値も重い様子。
欧州で新型コロナが再流行しており、感染者数が落ち着いている日本でも、冬の本格化に伴い感染第6波を警戒する声が聞かれる。そうした世界景気鈍化の懸念が再び強まっているなか、先週末は、FRBのクラリダ副議長が12月のFOMCでのテーパリング加速についての協議を示唆したしたほか、ウォラーFRB理事もテーパリングを加速し、ゼロ金利政策からの脱却を速める必要があるとの認識を示した。早期利上げ懸念が高まる中でも週末の米長期金利はむしろ低下するなど、スタグフレーション(物価上昇と景気後退の併存)を示唆するかのような動きもみられた。
現在は、発生当初と異なり、ワクチン接種が進んでいるほか、治療薬の開発も進展していることから、感染が再流行したとしても、重症患者数は抑えられ、医療ひっ迫につながる可能性も低いと思われる。ただ、こうした報道が増えてくると、世界の景気敏感株と位置付けられる日本株には少なくとも短期的には重しとなりかねないだろう。
また、先週には岸田政権の経済対策が、金額としては従来想定よりも大規模になる見込みなどとポジティブな報道もあったが、相場の反応は限定的で、結局、日経平均の3万円手前での足踏みの脱却にはつながらなかった。衆院選での与党勝利後に見られる株高アノマリーなどは一体どこにいったのかという印象だ。各種メディアでも既に報じられているが、政策の中身をみると、給付金などの分配色の強いものがほとんど。将来の成長につながるような政策は乏しいと言わざるを得ない。分配も大事だが、成長しなければいずれ分配する資金源が枯渇するのは避けられない。給付金などの分配政策も、その多くが貯蓄に回る可能性が高く、仮に一部が消費に回っても恒久的な消費支出の増加にはつながらないだろう。
結局、成長シナリオが描けていないからこそ、誰も積極的にそうした国の株を買おうと思わないのだろう。政権に関するニュースフローが出ても一向に3万円を回復しない日経平均、売買高が停滞傾向にある先物市場などの動きをみても、日本株がじり貧にあるような印象が拭えない。割安感だけでは日本株が買われないことは、これまでの動きをみても明らかだろう。日本株の上値の重い展開は想定以上に長くなることも想定しておいた方がよいかもしれない。
さて、後場の日経平均は戻り一服でもみ合いになるとみておきたい。明日は祝日で国内市場が休場となるなか、上海総合指数や香港ハンセン指数が小動きで新規の材料にも乏しい。祝日明け24日には、早期利上げ懸念が強まるなか注目度が高まっていると思われるFOMC議事要旨の公表のほか、FRBが政策判断で重要視するPCEコアデフレータなどの発表もある。さらに、今週中にはFRBの新議長の発表もあるだろう。これらの結果を見極めたいとの思惑もあり、後場の日経平均は動意薄とみておきたい。
<AK>
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