7,878円
しまむらのニュース
日経平均は小幅反落。28.17円安の27708.30円(出来高概算5億7000万株)で前場の取引を終えている。
4日の米株式市場でNYダウは続伸し、103ドル高となった。ロシア軍によるウクライナの民間人虐殺疑惑を受けて欧米諸国の対ロ制裁強化が懸念されたほか、金融大手JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が世界経済の先行きに懸念を示したことも相場の重しとなった。ただ、中国企業の米上場を巡る警戒感が和らいだことなどを支援材料として、ハイテク株を中心に買いが入った。ナスダック総合指数は+1.90%と大幅続伸。本日の日経平均も米株高の流れを引き継いで229円高からスタートした。ただ、積極的に上値を追う動きは限られ、寄り付きをこの日の高値に失速。その後は前日終値を挟んでもみ合う場面が多かった。
個別では、郵船<9101>、川崎船<9107>、商船三井<9104>といった海運株が揃って反落。東京海上<8766>などの保険株も海運株と同様に軟調ぶりが目立った。その他売買代金上位ではレーザーテック<6920>、トヨタ自<7203>、任天堂<7974>などがさえない。また、3月既存店売上高が4カ月連続の減収となった良品計画<7453>は売りがかさみ、東証プライム市場の下落率トップとなっている。一方、東エレク<8035>やソニーG<6758>は小じっかり。ソフトバンクG<9984>は中国ハイテク企業を巡る懸念後退で買いが続き、3%上昇している。ファーストリテ<9983>は3月の国内「ユニクロ」既存店売上高が8カ月連続の減収となったが買い優勢。しまむら<8227>は決算が好感され、イマジカG<6879>などとともに東証プライム市場の上昇率上位に顔を出している。
セクターでは、保険業、海運業、銀行業などが下落率上位。一方、鉱業、陸運業、小売業などが上昇率上位だった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の44%、対して値上がり銘柄は52%となっている。
本日の日経平均は米株高の流れを引き継いで200円あまり上昇して始まったが、結局前日終値を挟みもみ合う展開となっている。日足チャートを見ると、27400円台に位置する75日移動平均線を明確に割り込むことなく底堅い印象だが、本日陰線を引く格好となって28000円前後での上値の重さも拭いづらいだろう。
物色傾向としては米株と同様に値がさグロース(成長)株や消費関連株に買い。一方で海運株や金融株に売り。東証プライム市場全体としては値上がり銘柄の方が多いが、業種別では値下がりセクターの方が多い。規模別では大型が軟調で、小型が堅調。前引けの日経平均が-0.10%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-0.35%。ここまでの東証プライム市場の売買代金は1兆3000億円ほどで、旧東証1部市場と単純比較できないが、前日からやや低調な印象を受ける。
新興株ではマザーズ指数が+1.94%と6日続伸。前日にはおよそ2カ月ぶりに800pt台を回復し、同水準に位置する75日移動平均線を上回ってきたが、本日も買いが先行する展開となっている。ただ、ここ数日陽線を付けていたのに対し、本日は上値で利益確定売りも出ているようだ。個別では時価総額トップのメルカリ<4385>などが堅調で、ウェルスナビ<7342>は大幅高。東証新市場「グロース」でのIPO(新規株式公開)
第1号となったセカンドサイト<5028>は上場2日目の本日、公開価格比+129.5%という高い初値を付け、前引けではストップ高水準での買い気配となっている。足元の新興株高を追い風にIPO銘柄への物色意欲も高まっているようだ。
さて、前日の米主要株価指数の動向を見ると、NYダウ+0.29%、S&P500指数+0.80%、ナスダック総合指数+1.90%だった。ハイテク株の堅調ぶりが目を引くが、とりわけ電気自動車(EV)のテスラが+5.61%、ゲーム専門店のゲームストップが+3.47%
などと、いわゆる「ミーム株(はやりの株)」がけん引役となっている印象を受ける。昨年1月にゲームストップ株の乱高下が話題となったとおり、これらミーム株はコロナショック後の緩和相場で個人投資家の投資マネーが流入した。とりわけ米個人はオプションの取引も活発化させ、株価変動を大きくしているとの指摘がある。
昨年末ごろから米インフレとそれに伴う金融引き締め観測が強まり、さらに年が明けてウクライナ危機が深刻化するなど弱気材料が相次いだことで、これらミーム株はプットオプション(売る権利)の買いが活発になったという。しかし、1日の当欄「経済の先行き懸念も『過度に悲観』か疑問」で触れたとおり、直近の米個人投資家向け調査では「弱気」との意見が後退しており、ミーム株は売り持ちの解消を巻き込んで大きくリバウンドしているものと考えられる。上述したような懸念材料は払しょくされていないが、新規の弱気材料が出てきているわけでなく、先行きに強気の見方が少なからずあることも個人投資家のセンチメントを支えている可能性がある。
もっとも、先の米個人投資家向け調査(全米個人投資家教会(AAII)の週間調査)
についてもう一点付け加えると、「中立」との意見が2020年1月以来の水準に上昇し、
「弱気」との意見が21年11月以来の水準に低下したが、「強気」との意見はほぼ横ばい(若干の低下)にとどまっている。金融引き締め観測が足元むしろ強まっているだけに、米個人投資家のミーム株物色は短期と割り切ってのものかもしれない。
日本の新興株も主力大型株の様子見ムードやミーム株物色に刺激されて投資資金が流入しているが、個人投資家の信用取引が中心とみられ、昨年末以来の値動きを見てもミーム株同様に株価変動は大きい。5月には次の米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、注意して取り組む必要があるだろう。
(小林大純)
<AK>
4日の米株式市場でNYダウは続伸し、103ドル高となった。ロシア軍によるウクライナの民間人虐殺疑惑を受けて欧米諸国の対ロ制裁強化が懸念されたほか、金融大手JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が世界経済の先行きに懸念を示したことも相場の重しとなった。ただ、中国企業の米上場を巡る警戒感が和らいだことなどを支援材料として、ハイテク株を中心に買いが入った。ナスダック総合指数は+1.90%と大幅続伸。本日の日経平均も米株高の流れを引き継いで229円高からスタートした。ただ、積極的に上値を追う動きは限られ、寄り付きをこの日の高値に失速。その後は前日終値を挟んでもみ合う場面が多かった。
個別では、郵船<9101>、川崎船<9107>、商船三井<9104>といった海運株が揃って反落。東京海上<8766>などの保険株も海運株と同様に軟調ぶりが目立った。その他売買代金上位ではレーザーテック<6920>、トヨタ自<7203>、任天堂<7974>などがさえない。また、3月既存店売上高が4カ月連続の減収となった良品計画<7453>は売りがかさみ、東証プライム市場の下落率トップとなっている。一方、東エレク<8035>やソニーG<6758>は小じっかり。ソフトバンクG<9984>は中国ハイテク企業を巡る懸念後退で買いが続き、3%上昇している。ファーストリテ<9983>は3月の国内「ユニクロ」既存店売上高が8カ月連続の減収となったが買い優勢。しまむら<8227>は決算が好感され、イマジカG<6879>などとともに東証プライム市場の上昇率上位に顔を出している。
セクターでは、保険業、海運業、銀行業などが下落率上位。一方、鉱業、陸運業、小売業などが上昇率上位だった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の44%、対して値上がり銘柄は52%となっている。
本日の日経平均は米株高の流れを引き継いで200円あまり上昇して始まったが、結局前日終値を挟みもみ合う展開となっている。日足チャートを見ると、27400円台に位置する75日移動平均線を明確に割り込むことなく底堅い印象だが、本日陰線を引く格好となって28000円前後での上値の重さも拭いづらいだろう。
物色傾向としては米株と同様に値がさグロース(成長)株や消費関連株に買い。一方で海運株や金融株に売り。東証プライム市場全体としては値上がり銘柄の方が多いが、業種別では値下がりセクターの方が多い。規模別では大型が軟調で、小型が堅調。前引けの日経平均が-0.10%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-0.35%。ここまでの東証プライム市場の売買代金は1兆3000億円ほどで、旧東証1部市場と単純比較できないが、前日からやや低調な印象を受ける。
新興株ではマザーズ指数が+1.94%と6日続伸。前日にはおよそ2カ月ぶりに800pt台を回復し、同水準に位置する75日移動平均線を上回ってきたが、本日も買いが先行する展開となっている。ただ、ここ数日陽線を付けていたのに対し、本日は上値で利益確定売りも出ているようだ。個別では時価総額トップのメルカリ<4385>などが堅調で、ウェルスナビ<7342>は大幅高。東証新市場「グロース」でのIPO(新規株式公開)
第1号となったセカンドサイト<5028>は上場2日目の本日、公開価格比+129.5%という高い初値を付け、前引けではストップ高水準での買い気配となっている。足元の新興株高を追い風にIPO銘柄への物色意欲も高まっているようだ。
さて、前日の米主要株価指数の動向を見ると、NYダウ+0.29%、S&P500指数+0.80%、ナスダック総合指数+1.90%だった。ハイテク株の堅調ぶりが目を引くが、とりわけ電気自動車(EV)のテスラが+5.61%、ゲーム専門店のゲームストップが+3.47%
などと、いわゆる「ミーム株(はやりの株)」がけん引役となっている印象を受ける。昨年1月にゲームストップ株の乱高下が話題となったとおり、これらミーム株はコロナショック後の緩和相場で個人投資家の投資マネーが流入した。とりわけ米個人はオプションの取引も活発化させ、株価変動を大きくしているとの指摘がある。
昨年末ごろから米インフレとそれに伴う金融引き締め観測が強まり、さらに年が明けてウクライナ危機が深刻化するなど弱気材料が相次いだことで、これらミーム株はプットオプション(売る権利)の買いが活発になったという。しかし、1日の当欄「経済の先行き懸念も『過度に悲観』か疑問」で触れたとおり、直近の米個人投資家向け調査では「弱気」との意見が後退しており、ミーム株は売り持ちの解消を巻き込んで大きくリバウンドしているものと考えられる。上述したような懸念材料は払しょくされていないが、新規の弱気材料が出てきているわけでなく、先行きに強気の見方が少なからずあることも個人投資家のセンチメントを支えている可能性がある。
もっとも、先の米個人投資家向け調査(全米個人投資家教会(AAII)の週間調査)
についてもう一点付け加えると、「中立」との意見が2020年1月以来の水準に上昇し、
「弱気」との意見が21年11月以来の水準に低下したが、「強気」との意見はほぼ横ばい(若干の低下)にとどまっている。金融引き締め観測が足元むしろ強まっているだけに、米個人投資家のミーム株物色は短期と割り切ってのものかもしれない。
日本の新興株も主力大型株の様子見ムードやミーム株物色に刺激されて投資資金が流入しているが、個人投資家の信用取引が中心とみられ、昨年末以来の値動きを見てもミーム株同様に株価変動は大きい。5月には次の米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、注意して取り組む必要があるだろう。
(小林大純)
<AK>
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