2,457円
スギホールディングスのニュース
日経平均は続伸。140.93円高の26665.72円(出来高概算4億7000万株)で前場の取引を終えている。
23日の米株式市場でNYダウは反発し、114ドル高となった。トランプ米大統領が追加経済対策法案で拒否権を発動する可能性を示唆し、実際に国防法案に拒否権を発動すると引けにかけて上げ幅を縮めた。ただ、米製薬大手ファイザーと米政府が新型コロナウイルスワクチンの追加供給契約を結んだこと、英国と欧州連合(EU)は貿易交渉で合意に近づいていると伝わったことなどが相場の支えとなった。本日の日経平均はNYダウの上昇を受けて110円高からスタートすると、朝方には一時26764.53円(239.74円高)まで上昇。ただ、国内外での新型コロナ感染拡大への警戒感も根強く、買い一巡後は26600円台でもみ合う展開となった。
個別では、ファーストリテ<9983>1銘柄で日経平均を約53円押し上げているほか、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>といった銀行株、日本電産<6594>などが堅調。トヨタ自<7203>やキーエンス<6861>は小じっかり。今期業績予想を上方修正したイオン<8267>は4%近い上昇となっている。脱炭素社会の実現に向けた政府計画の原案が報じられ、レノバ<9519>などが活況。また、業績上方修正や増配が好感されたシンシア<7782>はストップ高を付けている。一方、売買代金トップのソフトバンクG<9984>が軟調。
出資先の中国アリババグループについて、中国当局が独占の疑いで調査すると発表している。任天堂<7974>やソニー<6758>は小安い。また、北米2工場でのトラック生産停止を発表した日野自<7205>などが東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、鉱業、鉄鋼、非鉄金属などが上昇率上位で、その他も全般堅調。情報・通信業とその他製品の2業種のみ下落した。東証1部の値上がり銘柄は全体の71%、対して値下がり銘柄は24%となっている。
新型コロナワクチンの普及や英EUの交渉妥結への期待を支えに、本日の東京市場では買いが先行する展開となった。日経平均の日足チャートを見ると、ここ2日ほどは上昇中の25日移動平均線を割り込むと下げ渋る動きを見せている。この間、海外の実需筋とみられる機関投資家から株価指数先物の売りが出ていたようだが、日銀による上場投資信託(ETF)買いの支援をうけつつ底堅さを発揮したことで、にわかに年末にかけての一段高を期待する向きが増えてきた。
とはいえ、年末を前に市場のエネルギー低下は続いており、本日の日経平均も上値が重い。前日の東証1部売買代金は1兆8106億円と、10月27日以来およそ2カ月ぶりの2兆円割れ。本日の前場も8500億円あまりにとどまっている。
また、改めてバリュエーションの観点からも日経平均の水準を点検しておきたい。11月中旬から下旬にかけて当欄で「株価純資産倍率(PBR)1.2倍水準となる26000円が目先の上値めど」と度々述べた。その後の日経平均の推移を見ると、1株当たり純資産
(BPS)の増額に伴い日経平均自体の水準はやや上振れしたが、PBRはやはり1.2倍で伸び悩む格好となっている。改めて指摘しておくと、PBR1.2倍は米中対立の激化懸念が強まった2018年12月以前の水準である。世界的に新型コロナの感染拡大ペースがなお高水準で推移し、それに伴い各種自粛要請や営業規制が強化中、さらに変異種への懸念もくすぶるなか、バリュエーションの一段の向上は期待しにくいだろう。
このタイミングでバリュエーション面に目を向けたのは、コロナ禍や海外情勢に関心が向きがちだが、小売・サービス企業を中心とした9-11月期の決算発表が始まってくるためだ。12月中には25日のニトリHD<9843>、28日のしまむら<8227>、29日のスギHD<7649>などがある。小売大手などは比較的値がさで、その業績動向は日経平均の1株当たり利益(EPS)やBPSに少なからぬインパクトがある。新型コロナ感染状況の影響を受けやすい業種で、第1波の際に財務を悪化させた企業も多いだけに、今後発表される9-11月期決算には注意する必要があるだろう。
22日上場のウェルスナビ<7342>が本日も大幅続伸するなど、個人投資家の物色意欲はなお旺盛だ。筆者自身も中小型株を中心とした新年相場の盛り上がりに期待しているが、経済・企業業績といった実態面にはなお懸念がくすぶると言わざるを得ないだろう。
(小林大純)
<AK>
23日の米株式市場でNYダウは反発し、114ドル高となった。トランプ米大統領が追加経済対策法案で拒否権を発動する可能性を示唆し、実際に国防法案に拒否権を発動すると引けにかけて上げ幅を縮めた。ただ、米製薬大手ファイザーと米政府が新型コロナウイルスワクチンの追加供給契約を結んだこと、英国と欧州連合(EU)は貿易交渉で合意に近づいていると伝わったことなどが相場の支えとなった。本日の日経平均はNYダウの上昇を受けて110円高からスタートすると、朝方には一時26764.53円(239.74円高)まで上昇。ただ、国内外での新型コロナ感染拡大への警戒感も根強く、買い一巡後は26600円台でもみ合う展開となった。
個別では、ファーストリテ<9983>1銘柄で日経平均を約53円押し上げているほか、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>といった銀行株、日本電産<6594>などが堅調。トヨタ自<7203>やキーエンス<6861>は小じっかり。今期業績予想を上方修正したイオン<8267>は4%近い上昇となっている。脱炭素社会の実現に向けた政府計画の原案が報じられ、レノバ<9519>などが活況。また、業績上方修正や増配が好感されたシンシア<7782>はストップ高を付けている。一方、売買代金トップのソフトバンクG<9984>が軟調。
出資先の中国アリババグループについて、中国当局が独占の疑いで調査すると発表している。任天堂<7974>やソニー<6758>は小安い。また、北米2工場でのトラック生産停止を発表した日野自<7205>などが東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、鉱業、鉄鋼、非鉄金属などが上昇率上位で、その他も全般堅調。情報・通信業とその他製品の2業種のみ下落した。東証1部の値上がり銘柄は全体の71%、対して値下がり銘柄は24%となっている。
新型コロナワクチンの普及や英EUの交渉妥結への期待を支えに、本日の東京市場では買いが先行する展開となった。日経平均の日足チャートを見ると、ここ2日ほどは上昇中の25日移動平均線を割り込むと下げ渋る動きを見せている。この間、海外の実需筋とみられる機関投資家から株価指数先物の売りが出ていたようだが、日銀による上場投資信託(ETF)買いの支援をうけつつ底堅さを発揮したことで、にわかに年末にかけての一段高を期待する向きが増えてきた。
とはいえ、年末を前に市場のエネルギー低下は続いており、本日の日経平均も上値が重い。前日の東証1部売買代金は1兆8106億円と、10月27日以来およそ2カ月ぶりの2兆円割れ。本日の前場も8500億円あまりにとどまっている。
また、改めてバリュエーションの観点からも日経平均の水準を点検しておきたい。11月中旬から下旬にかけて当欄で「株価純資産倍率(PBR)1.2倍水準となる26000円が目先の上値めど」と度々述べた。その後の日経平均の推移を見ると、1株当たり純資産
(BPS)の増額に伴い日経平均自体の水準はやや上振れしたが、PBRはやはり1.2倍で伸び悩む格好となっている。改めて指摘しておくと、PBR1.2倍は米中対立の激化懸念が強まった2018年12月以前の水準である。世界的に新型コロナの感染拡大ペースがなお高水準で推移し、それに伴い各種自粛要請や営業規制が強化中、さらに変異種への懸念もくすぶるなか、バリュエーションの一段の向上は期待しにくいだろう。
このタイミングでバリュエーション面に目を向けたのは、コロナ禍や海外情勢に関心が向きがちだが、小売・サービス企業を中心とした9-11月期の決算発表が始まってくるためだ。12月中には25日のニトリHD<9843>、28日のしまむら<8227>、29日のスギHD<7649>などがある。小売大手などは比較的値がさで、その業績動向は日経平均の1株当たり利益(EPS)やBPSに少なからぬインパクトがある。新型コロナ感染状況の影響を受けやすい業種で、第1波の際に財務を悪化させた企業も多いだけに、今後発表される9-11月期決算には注意する必要があるだろう。
22日上場のウェルスナビ<7342>が本日も大幅続伸するなど、個人投資家の物色意欲はなお旺盛だ。筆者自身も中小型株を中心とした新年相場の盛り上がりに期待しているが、経済・企業業績といった実態面にはなお懸念がくすぶると言わざるを得ないだろう。
(小林大純)
<AK>
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