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日経平均は反落。181.16円安の28641.13円(出来高概算5億2000万株)で前場の取引を終えている。
週明け25日の米株式市場でNYダウは3日続落し、36ドル安となった。バイデン政権が掲げる追加経済対策の行方に不透明感がくすぶるほか、製薬大手メルクが新型コロナウイルスワクチンの開発を中止すると発表したことも失望を誘い、景気敏感株を中心に売りが出た。一方、ハイテク株は好決算への期待が根強く、ナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新した。本日の日経平均はNYダウが下落した流れを引き継いで125円安からスタート。決算が注目された日本電産<6594>などは買いが先行したものの、前日に日経平均の押し上げ役となったファーストリテ<9983>やエムスリー<2413>
といった値がさ株は利益確定の売りが出て、日経平均も前場中ごろに28592.38円(229.91円安)まで下落する場面があった。
個別では、前述のファーストリテが2%、エムスリーが3%超の下落となり、2銘柄で日経平均を約100円押し下げた。トヨタ自<7203>も2%の下落。今期の生産計画を維持すると報じられているが、引き続き減産への懸念がくすぶっているようだ。その他では任天堂<7974>、ソニー<6758>が前日に続きさえない。川崎船<9107>が4%超下落するなど、海運株は軟調ぶりが目立つ。また、GMB<7214>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、決算評価が高い日本電産は2%の上昇。東エレク<8035>やレーザーテック<6920>といった半導体関連株、それに東京電力HD<9501>も堅調ぶりが目立つ。売買代金トップのソフトバンクG<9984>は小じっかり。決算発表銘柄ではJSR<
4185>などが急伸し、インソース<6200>は東証1部上昇率トップとなっている。
セクターでは、海運業、ゴム製品、非鉄金属などが下落率上位。半面、電気・ガス業、医薬品、水産・農林業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の63%、対して値上がり銘柄は32%となっている。
本日の日経平均は3桁の下落で前場を折り返した。ただ、先週から上昇と下落を繰り返す展開が続いており、トレンドに大きな変化は見られない。日足チャートを見ると、29000円手前での高値もち合いを継続。これから国内主要企業の決算発表が相次ぎ、さらに明日にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)があるため、総じて一進一退となりやすいところだろう。指数寄与度の高い銘柄は、日経平均型、東証株価指数(TOPIX)型とも高安まちまちだが、ファーストリテやトヨタ自の軟調が指数に大きく影響しているとみられる。ここまでの東証1部売買代金は1兆円に乗せた程度でやや低調だ。
新興市場ではマザーズ指数が5日ぶりに反落。ここ4日の上げ幅はおよそ65pt、19日
終値から5%強上昇していたため、本日は目先の利益を確定する売りが優勢となっている。マザーズ売買代金は21日、22日と続けて3000億円を超えていたが、25日は2514億円とやや減少。幕間つなぎ的な新興株物色が一巡し、こちらも決算内容を見極めたいといったムードなのかもしれない。
さて、前日から本格的に始まった2020年10-12月期の決算発表だが、日本電産やJSR、マザーズでも弁護士コム<6027>などを見るに、まずまず良好な滑り出しと言えるだろう。電気自動車(EV)向けモーターの拡大が期待され、ここまで大幅に株価上昇してきた日本電産だが、決算は市場予想をさらに上回る内容。弁護士コムは電子契約サービスの10-12月期売上高が前年同期比で約2.6倍、前四半期比で約1.3倍と引き続き大きく成長した。全社売上高に占める割合が3分の1近くまで高まった点も注目すべきだろう。
JSRはエラストマー(合成ゴム)の回復が目を引く。ただ、同社はもともと半導体材料やライフサイエンス事業などの成長期待が高く、株価純資産倍率(PBR)も前日
終値ベースで1.8倍台と他の化学大手より高い水準にあった。また今回、「物言う株主
(アクティビスト)」として知られる米運用会社のバリューアクト・キャピタルから社外取締役を招へいすることも発表している。「成長に向けた強い意志」が感じられる。
足元で「再びグロース(成長)株シフトが強まる」などといった声も増え始めた。7-9月期決算や米大統領選をきっかけに「景気の循環回復」への期待が高まり、昨年末にかけて出遅れていたバリュー(割安)株が強い戻りを見せていたが、10-12月期決算では「成長への意志ある企業」が再評価されることになりそうな印象だ。
(小林大純)
<AK>
週明け25日の米株式市場でNYダウは3日続落し、36ドル安となった。バイデン政権が掲げる追加経済対策の行方に不透明感がくすぶるほか、製薬大手メルクが新型コロナウイルスワクチンの開発を中止すると発表したことも失望を誘い、景気敏感株を中心に売りが出た。一方、ハイテク株は好決算への期待が根強く、ナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新した。本日の日経平均はNYダウが下落した流れを引き継いで125円安からスタート。決算が注目された日本電産<6594>などは買いが先行したものの、前日に日経平均の押し上げ役となったファーストリテ<9983>やエムスリー<2413>
といった値がさ株は利益確定の売りが出て、日経平均も前場中ごろに28592.38円(229.91円安)まで下落する場面があった。
個別では、前述のファーストリテが2%、エムスリーが3%超の下落となり、2銘柄で日経平均を約100円押し下げた。トヨタ自<7203>も2%の下落。今期の生産計画を維持すると報じられているが、引き続き減産への懸念がくすぶっているようだ。その他では任天堂<7974>、ソニー<6758>が前日に続きさえない。川崎船<9107>が4%超下落するなど、海運株は軟調ぶりが目立つ。また、GMB<7214>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、決算評価が高い日本電産は2%の上昇。東エレク<8035>やレーザーテック<6920>といった半導体関連株、それに東京電力HD<9501>も堅調ぶりが目立つ。売買代金トップのソフトバンクG<9984>は小じっかり。決算発表銘柄ではJSR<
4185>などが急伸し、インソース<6200>は東証1部上昇率トップとなっている。
セクターでは、海運業、ゴム製品、非鉄金属などが下落率上位。半面、電気・ガス業、医薬品、水産・農林業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の63%、対して値上がり銘柄は32%となっている。
本日の日経平均は3桁の下落で前場を折り返した。ただ、先週から上昇と下落を繰り返す展開が続いており、トレンドに大きな変化は見られない。日足チャートを見ると、29000円手前での高値もち合いを継続。これから国内主要企業の決算発表が相次ぎ、さらに明日にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)があるため、総じて一進一退となりやすいところだろう。指数寄与度の高い銘柄は、日経平均型、東証株価指数(TOPIX)型とも高安まちまちだが、ファーストリテやトヨタ自の軟調が指数に大きく影響しているとみられる。ここまでの東証1部売買代金は1兆円に乗せた程度でやや低調だ。
新興市場ではマザーズ指数が5日ぶりに反落。ここ4日の上げ幅はおよそ65pt、19日
終値から5%強上昇していたため、本日は目先の利益を確定する売りが優勢となっている。マザーズ売買代金は21日、22日と続けて3000億円を超えていたが、25日は2514億円とやや減少。幕間つなぎ的な新興株物色が一巡し、こちらも決算内容を見極めたいといったムードなのかもしれない。
さて、前日から本格的に始まった2020年10-12月期の決算発表だが、日本電産やJSR、マザーズでも弁護士コム<6027>などを見るに、まずまず良好な滑り出しと言えるだろう。電気自動車(EV)向けモーターの拡大が期待され、ここまで大幅に株価上昇してきた日本電産だが、決算は市場予想をさらに上回る内容。弁護士コムは電子契約サービスの10-12月期売上高が前年同期比で約2.6倍、前四半期比で約1.3倍と引き続き大きく成長した。全社売上高に占める割合が3分の1近くまで高まった点も注目すべきだろう。
JSRはエラストマー(合成ゴム)の回復が目を引く。ただ、同社はもともと半導体材料やライフサイエンス事業などの成長期待が高く、株価純資産倍率(PBR)も前日
終値ベースで1.8倍台と他の化学大手より高い水準にあった。また今回、「物言う株主
(アクティビスト)」として知られる米運用会社のバリューアクト・キャピタルから社外取締役を招へいすることも発表している。「成長に向けた強い意志」が感じられる。
足元で「再びグロース(成長)株シフトが強まる」などといった声も増え始めた。7-9月期決算や米大統領選をきっかけに「景気の循環回復」への期待が高まり、昨年末にかけて出遅れていたバリュー(割安)株が強い戻りを見せていたが、10-12月期決算では「成長への意志ある企業」が再評価されることになりそうな印象だ。
(小林大純)
<AK>
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