410円
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日経平均は3日続伸。326.87円高の27577.15円(出来高概算5億3120万株)で前場の取引を終えている。
25日の米株式市場でダウ平均は337.12ドル高(+1.07%)と3日続伸。予想を下回った住宅関連指標を受けて景気後退懸念が強まるなか売りが先行。一方、10月消費者信頼感指数の悪化を背景に長期金利が大きく低下すると買いが優勢となり上昇に転じた。ドル高の一服も支援した。ナスダック総合指数は+2.25%と3日続伸。金利低下と米株高を好感し、日経平均は160.36円高からスタート。朝方の買い先行後はもみ合いが続いていたが、中国・香港株が大幅高となると、前場中ごろからは日経平均も騰勢をさらに強める動きとなり、前引け直前に27578.05円(327.77円高)とこの日の高値を付けた。
個別では、ソフトバンクG<9984>、キーエンス<6861>、メルカリ<4385>、リクルートHD<6098>、エムスリー<2413>、ベイカレント<6532>などのハイテク・グロース株が大幅高。エーザイ<4523>、中外製薬<4519>、第一三共<4568>の医薬品、ニトリHD<9843>、神戸物産<3038>、資生堂<4911>のディフェンシブも高い。業績予想を上方修正したリョーサン<8140>やNOK<7240>、サイボウズ<4776>、セプテーニHD<4293>との資本提携締結を発表したandfac<7035>が急伸して東証プライム市場の値上がり率上位に並んだ。セメント事業からの撤退を発表したデンカ<4061>は構造改革として評価する動きが優勢となった。
一方、国内証券によるレーティング格下げの動きを受けて、郵船<9101>、商船三井<
9104>、川崎汽船<9107>の海運大手3社が揃って大幅に下落。ダブル・スコープ<6619>
のほか、ルネサス<6723>、ディスコ<6146>、ローム<6963>の半導体・ハイテク関連、三菱商事<8058>、日本製鉄<5401>、三菱重工<7011>などの市況関連株が下落。JR東日本<9020>、JR東海<9022>の陸運も軟調。ほか、7−9月期営業益が市場予想を下回った山パン<2212>、好決算も出尽くし感に繋がったKOA<6999>などが急落。キヤノンMJ<8060>
も業績予想を上方修正したが売られている。
セクターでは医薬品、サービス、精密機器が上昇率上位となった一方、海運、鉄鋼、陸運が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体75%、対して値下がり銘柄は21%となっている。
本日の日経平均は大きく3日続伸し、節目の27500円を回復、75日移動平均線も超えてきた。10月3日をボトムに下値と上値を切り上げる形となっており、短期的には75日線突破からの上昇に勢いが付きやすい状況となってきた。
一方、本日の上昇は短期的なものに過ぎないとも言えそうだ。25日の米株式市場の取引終了後に決算を発表したマイクロソフトとアルファベットは共に市場の期待値を下回るものとなり、両者の株価は時間外取引で大きく下落している。マクロ景況感の悪化で企業の広告需要が落ち込むなか、アルファベットの決算がそれなりに冴えないものになることは想定されていた。しかし、広告企業の中でも、検索エンジン型の同社の広告収入は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)企業に比べれば堅調と想定されていただけに、市場予想を10億ドル程下回った売上高などはネガティブな印象が強い。
GAFAMの中でも相対的に好調な決算が見込まれていたマイクロソフトも印象が良くない。パソコンメーカー向け基本ソフト「Windows(ウィンドウズ)」の販売が7−9月期は前年同期比で15%減と大きく減速した。また、好調が続いていたクラウドサービス事業の「Azure(アジュール)」の増収率もドル高の影響もあって35%と、前四半期
(4−6月)の40%、その前(1−3月)の46%からの減速傾向が鮮明になってきている。
さらに、半導体大手テキサス・インスツルメンツの決算もネガティブなものだった。10−12月期の売上高見通しが市場予想を下回ったほか、「産業機械メーカーの一部が発注を遅らせている」と言及しており、先んじて急速な調整を強いられているパソコンやスマートフォンなどの民生向け市場だけでない分野でも、半導体調整の波が押し寄せていることが確認された。
今晩26日の米株式市場では、メタ・プラットフォームズが決算発表を予定している。先週のスナップの決算を受けてすでに警戒感が高まっているが、堅調が期待されていたマイクロソフトとアルファベットが予想を下振れて株価下落しているあたり、メタの決算には改めて注意が必要だ。
一方で、本日の東京市場は時間外取引のナスダック100先物の大幅下落を無視する形で買い優勢の展開になっている。先週末、ウォールストリート・ジャーナル紙(WJ)
が米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利上げ幅縮小を示唆する記事を報じていたが、そうした中でも、米10年債利回りは一昨日24日に2008年7月以来の高水準を記録していた。金利の高止まりにより、WJの報道を素直に好感し切れていなかったところ、前日25日の米国市場で金利がようやく大きく低下したことが安心感を誘ったとみられる。こうした背景が、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした売り方の買い戻しを誘っているとみられ、これが米IT大手の冴えない決算と株価反応との間にギャップを生んでいるものと考えられる。
実際、本日の東京市場での上昇率上位の銘柄をみると、マネーフォワード<3994>やJMDC<4483>、ネットプロHD<7383>、インフォマート<2492>などの安値圏にある銘柄が多く入っており、ショートカバー(売り方の買い戻し)が主体の動きといえる。米国でも、前日はベッド・バス・アンド・ビヨンドやゲームストップなどのいわゆるミーム銘柄が急伸していた。相場が強気に転じるにはなお時期尚早といえそうだ。
(仲村幸浩)
<NH>
25日の米株式市場でダウ平均は337.12ドル高(+1.07%)と3日続伸。予想を下回った住宅関連指標を受けて景気後退懸念が強まるなか売りが先行。一方、10月消費者信頼感指数の悪化を背景に長期金利が大きく低下すると買いが優勢となり上昇に転じた。ドル高の一服も支援した。ナスダック総合指数は+2.25%と3日続伸。金利低下と米株高を好感し、日経平均は160.36円高からスタート。朝方の買い先行後はもみ合いが続いていたが、中国・香港株が大幅高となると、前場中ごろからは日経平均も騰勢をさらに強める動きとなり、前引け直前に27578.05円(327.77円高)とこの日の高値を付けた。
個別では、ソフトバンクG<9984>、キーエンス<6861>、メルカリ<4385>、リクルートHD<6098>、エムスリー<2413>、ベイカレント<6532>などのハイテク・グロース株が大幅高。エーザイ<4523>、中外製薬<4519>、第一三共<4568>の医薬品、ニトリHD<9843>、神戸物産<3038>、資生堂<4911>のディフェンシブも高い。業績予想を上方修正したリョーサン<8140>やNOK<7240>、サイボウズ<4776>、セプテーニHD<4293>との資本提携締結を発表したandfac<7035>が急伸して東証プライム市場の値上がり率上位に並んだ。セメント事業からの撤退を発表したデンカ<4061>は構造改革として評価する動きが優勢となった。
一方、国内証券によるレーティング格下げの動きを受けて、郵船<9101>、商船三井<
9104>、川崎汽船<9107>の海運大手3社が揃って大幅に下落。ダブル・スコープ<6619>
のほか、ルネサス<6723>、ディスコ<6146>、ローム<6963>の半導体・ハイテク関連、三菱商事<8058>、日本製鉄<5401>、三菱重工<7011>などの市況関連株が下落。JR東日本<9020>、JR東海<9022>の陸運も軟調。ほか、7−9月期営業益が市場予想を下回った山パン<2212>、好決算も出尽くし感に繋がったKOA<6999>などが急落。キヤノンMJ<8060>
も業績予想を上方修正したが売られている。
セクターでは医薬品、サービス、精密機器が上昇率上位となった一方、海運、鉄鋼、陸運が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体75%、対して値下がり銘柄は21%となっている。
本日の日経平均は大きく3日続伸し、節目の27500円を回復、75日移動平均線も超えてきた。10月3日をボトムに下値と上値を切り上げる形となっており、短期的には75日線突破からの上昇に勢いが付きやすい状況となってきた。
一方、本日の上昇は短期的なものに過ぎないとも言えそうだ。25日の米株式市場の取引終了後に決算を発表したマイクロソフトとアルファベットは共に市場の期待値を下回るものとなり、両者の株価は時間外取引で大きく下落している。マクロ景況感の悪化で企業の広告需要が落ち込むなか、アルファベットの決算がそれなりに冴えないものになることは想定されていた。しかし、広告企業の中でも、検索エンジン型の同社の広告収入は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)企業に比べれば堅調と想定されていただけに、市場予想を10億ドル程下回った売上高などはネガティブな印象が強い。
GAFAMの中でも相対的に好調な決算が見込まれていたマイクロソフトも印象が良くない。パソコンメーカー向け基本ソフト「Windows(ウィンドウズ)」の販売が7−9月期は前年同期比で15%減と大きく減速した。また、好調が続いていたクラウドサービス事業の「Azure(アジュール)」の増収率もドル高の影響もあって35%と、前四半期
(4−6月)の40%、その前(1−3月)の46%からの減速傾向が鮮明になってきている。
さらに、半導体大手テキサス・インスツルメンツの決算もネガティブなものだった。10−12月期の売上高見通しが市場予想を下回ったほか、「産業機械メーカーの一部が発注を遅らせている」と言及しており、先んじて急速な調整を強いられているパソコンやスマートフォンなどの民生向け市場だけでない分野でも、半導体調整の波が押し寄せていることが確認された。
今晩26日の米株式市場では、メタ・プラットフォームズが決算発表を予定している。先週のスナップの決算を受けてすでに警戒感が高まっているが、堅調が期待されていたマイクロソフトとアルファベットが予想を下振れて株価下落しているあたり、メタの決算には改めて注意が必要だ。
一方で、本日の東京市場は時間外取引のナスダック100先物の大幅下落を無視する形で買い優勢の展開になっている。先週末、ウォールストリート・ジャーナル紙(WJ)
が米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利上げ幅縮小を示唆する記事を報じていたが、そうした中でも、米10年債利回りは一昨日24日に2008年7月以来の高水準を記録していた。金利の高止まりにより、WJの報道を素直に好感し切れていなかったところ、前日25日の米国市場で金利がようやく大きく低下したことが安心感を誘ったとみられる。こうした背景が、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした売り方の買い戻しを誘っているとみられ、これが米IT大手の冴えない決算と株価反応との間にギャップを生んでいるものと考えられる。
実際、本日の東京市場での上昇率上位の銘柄をみると、マネーフォワード<3994>やJMDC<4483>、ネットプロHD<7383>、インフォマート<2492>などの安値圏にある銘柄が多く入っており、ショートカバー(売り方の買い戻し)が主体の動きといえる。米国でも、前日はベッド・バス・アンド・ビヨンドやゲームストップなどのいわゆるミーム銘柄が急伸していた。相場が強気に転じるにはなお時期尚早といえそうだ。
(仲村幸浩)
<NH>
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