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*12:15JST 日経平均は小反発、買い先行も上げ幅は限定的
日経平均は小反発。26.99円高の32418.25円(出来高概算6億2573万株)で前場の取引を終えている。
国内連休中の米株式市場は堅調に推移、ダウ平均は続伸した。主要銀行の予想を上回る決算が好感されたほか、経済のソフトランディング(軟着陸)期待も強まった。
また、イエレン財務長官が米国内経済への影響は小さく、景気後退を回避できると楽観的な見解を再表明したことで警戒感が後退。金利低下でハイテクが引き続き買われ、相場全体を押し上げた。ナスダック総合指数も上昇、主要株価指数が堅調に推移した米株市場を横目に、18日の日経平均は65.92円高の32457.18円と反発して取引を開始した。その後はプラス圏での堅調もみ合い展開となった。
個別では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>、アドバンテ<6857>などの半導体関連株が上昇。三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、三井物産<8031>や三菱商事<8058>などの商社株も堅調に推移。また、トヨタ自<7203>、ANYCOLOR<5032>、ディスコ<6146>、JT<2914>なども上昇した。そのほか、第1四半期2ケタ増益で業績上振れ期待が高まったサーバーワークス<4434>が急騰、第1四半期大幅増益で好進捗となったヨシムラフード<2884>も急上昇、古野電気<6814>、RPAホールディングス<6572>、ジンズホールディングス<3046>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、JR東<9020>やJR西<9021>などの鉄道株、出光興産<5019>やENEOS<5020>などの石油関連が軟調に推移。ファーストリテ<9983>、日立<6501>、楽天グループ<4755>、メルカリ<4385>なども下落。ほか、第1四半期大幅減益をネガティブ視されたテラスカイ<3915>が下がり率トップに、第1四半期は想定以上の大幅減益となったIDOM<7599>が大幅下落、北の達人コーポレーション<2930>、JNSホールディングス<3627>、ベイカレント<6532>などが東証プライム市場の値下がり率上位に顔を出した。
セクターでは、銀行業、金属製品、空運業が上昇率上位となった一方で、石油・石炭、鉱業、サービスが下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の67%、対して値下がり銘柄は30%となっている。
今日の東京株式市場は買いが先行した。東京市場が3連休中、ダウ平均が0.55%、ナスダックが0.75%上昇したことが東京市場の株価の支えとなった。また、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が昨日は2.32%上昇となっており、東京市場で半導体関連株の株価支援要因となった。さらに、円安・ドル高水準となり輸出株などの追い風となった。
新興市場は強弱入り混じる展開となっている。マザーズ指数は上昇スタートとなり、その後はプラス圏で推移しているが、上げ幅は限定的となっている。グロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後、即座にマイナス圏に転落した。朝方に下げ幅を広げると、その後はマイナス圏で軟調推移となった。決算発表を終えた個別株物色が中心となっている。売買代金上位銘柄や直近IPO銘柄の下落を横目に地合いが不安定になってきている中、個人投資家の資金の逃げ足の速さには注意したい。前引け時点での東証マザーズ指数は0.30%高、東証グロース市場Core指数は0.84%安。
さて、中国国家統計局が17日発表した2023年4-6月の国内総生産(GDP)が6.3%増と、予想の6.9%(QUICK集計の市場予想の平均)を下回った。前四半期と比べた伸び率としてはプラス0.8%にとどまり、景気回復の勢いは減速している。また、6月の小売売上高は大きく減速し、上期の不動産投資も縮小した。景気回復の勢いが減速した要因は、関連産業を含めるとGDPの4分の1ほどを占めるとされる不動産市場の低迷の長期化や輸出の減少が挙げられている。
また、今回の中国4-6月GDPの発表を受けて、ウォール街では中国の経済成長率見通しを軒並み引き下げている。JPモルガン・チェースやモルガン・スタンレー、シティグループなどは今年の中国の経済成長率を5%に下方修正した。中国の景気回復にはかなりの脆弱さがあり、政府による刺激策は比較的抑制されているとの見方が背景となっているようだ。中国経済の減速感が意識されたことは、国内の投資家心理を悪化させる要因の一つとなっており、本日の日経平均の上昇は限定的となっている。
一方、イエレン米財務長官は、中国の成長減速は米国にある程度の悪影響を及ぼす可能性があるとしつつも、米国のリセッション(景気後退)は想定していないと語っている。労働市場は非常に力強く、働き盛りの人の労働市場参入を後押ししているが、「賃金の伸びは緩やかになりつつありインフレは落ち着きつつある」と指摘。また、ゴールドマンサックスでは、先週の米インフレ統計を受けて今後1年間の米リセッション確率を20%と従来の25%から引き下げている。さらに、米連邦公開市場委員会
(FOMC)は来週の会合で政策金利を再度引き上げる見通しだが、最後の利上げになると想定しているようだ。今後、インフレ圧力緩和の継続や利上げの終了が現実味を帯びてくると、直近堅調に推移している株価にとってもさらなるポジティブ材料となろう。
そのほか、日本取引所グループが前週13日に発表した投資部門別売買動向によると、海外投資家は7月第1週(3〜7日)に現物株を314億円買い越したことが明らかになった。前週(3042億円の買い越し)から買い越し額は縮小しており、海外勢の買いの勢いは足元でやや鈍りつつある。一方、個人投資家は現物株を2週ぶりに買い越しており、買い越し額は3687億円、年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行は再び売り越しに転じた。引き続き海外勢の動きに加えて個人投資家の動向にも注意しておきたい。
さて、後場の日経平均はプラス圏での推移を継続できるか。今週から米企業、来週からは国内企業の4-6月期決算発表が本格化することから、決算内容を見極めたいとして積極的ない買いを手控える向きもありそうだ。また、ハイテク株や景気敏感株といった東証プライム主力株への投資は様子見ムードが台頭する可能性もある。本日は、一足先に決算を発表している企業へ注目が集まっている。引き続き個別株物色が中心となるか注目しておきたい。(山本泰三)
<AK>
国内連休中の米株式市場は堅調に推移、ダウ平均は続伸した。主要銀行の予想を上回る決算が好感されたほか、経済のソフトランディング(軟着陸)期待も強まった。
また、イエレン財務長官が米国内経済への影響は小さく、景気後退を回避できると楽観的な見解を再表明したことで警戒感が後退。金利低下でハイテクが引き続き買われ、相場全体を押し上げた。ナスダック総合指数も上昇、主要株価指数が堅調に推移した米株市場を横目に、18日の日経平均は65.92円高の32457.18円と反発して取引を開始した。その後はプラス圏での堅調もみ合い展開となった。
個別では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>、アドバンテ<6857>などの半導体関連株が上昇。三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、三井物産<8031>や三菱商事<8058>などの商社株も堅調に推移。また、トヨタ自<7203>、ANYCOLOR<5032>、ディスコ<6146>、JT<2914>なども上昇した。そのほか、第1四半期2ケタ増益で業績上振れ期待が高まったサーバーワークス<4434>が急騰、第1四半期大幅増益で好進捗となったヨシムラフード<2884>も急上昇、古野電気<6814>、RPAホールディングス<6572>、ジンズホールディングス<3046>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、JR東<9020>やJR西<9021>などの鉄道株、出光興産<5019>やENEOS<5020>などの石油関連が軟調に推移。ファーストリテ<9983>、日立<6501>、楽天グループ<4755>、メルカリ<4385>なども下落。ほか、第1四半期大幅減益をネガティブ視されたテラスカイ<3915>が下がり率トップに、第1四半期は想定以上の大幅減益となったIDOM<7599>が大幅下落、北の達人コーポレーション<2930>、JNSホールディングス<3627>、ベイカレント<6532>などが東証プライム市場の値下がり率上位に顔を出した。
セクターでは、銀行業、金属製品、空運業が上昇率上位となった一方で、石油・石炭、鉱業、サービスが下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の67%、対して値下がり銘柄は30%となっている。
今日の東京株式市場は買いが先行した。東京市場が3連休中、ダウ平均が0.55%、ナスダックが0.75%上昇したことが東京市場の株価の支えとなった。また、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が昨日は2.32%上昇となっており、東京市場で半導体関連株の株価支援要因となった。さらに、円安・ドル高水準となり輸出株などの追い風となった。
新興市場は強弱入り混じる展開となっている。マザーズ指数は上昇スタートとなり、その後はプラス圏で推移しているが、上げ幅は限定的となっている。グロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後、即座にマイナス圏に転落した。朝方に下げ幅を広げると、その後はマイナス圏で軟調推移となった。決算発表を終えた個別株物色が中心となっている。売買代金上位銘柄や直近IPO銘柄の下落を横目に地合いが不安定になってきている中、個人投資家の資金の逃げ足の速さには注意したい。前引け時点での東証マザーズ指数は0.30%高、東証グロース市場Core指数は0.84%安。
さて、中国国家統計局が17日発表した2023年4-6月の国内総生産(GDP)が6.3%増と、予想の6.9%(QUICK集計の市場予想の平均)を下回った。前四半期と比べた伸び率としてはプラス0.8%にとどまり、景気回復の勢いは減速している。また、6月の小売売上高は大きく減速し、上期の不動産投資も縮小した。景気回復の勢いが減速した要因は、関連産業を含めるとGDPの4分の1ほどを占めるとされる不動産市場の低迷の長期化や輸出の減少が挙げられている。
また、今回の中国4-6月GDPの発表を受けて、ウォール街では中国の経済成長率見通しを軒並み引き下げている。JPモルガン・チェースやモルガン・スタンレー、シティグループなどは今年の中国の経済成長率を5%に下方修正した。中国の景気回復にはかなりの脆弱さがあり、政府による刺激策は比較的抑制されているとの見方が背景となっているようだ。中国経済の減速感が意識されたことは、国内の投資家心理を悪化させる要因の一つとなっており、本日の日経平均の上昇は限定的となっている。
一方、イエレン米財務長官は、中国の成長減速は米国にある程度の悪影響を及ぼす可能性があるとしつつも、米国のリセッション(景気後退)は想定していないと語っている。労働市場は非常に力強く、働き盛りの人の労働市場参入を後押ししているが、「賃金の伸びは緩やかになりつつありインフレは落ち着きつつある」と指摘。また、ゴールドマンサックスでは、先週の米インフレ統計を受けて今後1年間の米リセッション確率を20%と従来の25%から引き下げている。さらに、米連邦公開市場委員会
(FOMC)は来週の会合で政策金利を再度引き上げる見通しだが、最後の利上げになると想定しているようだ。今後、インフレ圧力緩和の継続や利上げの終了が現実味を帯びてくると、直近堅調に推移している株価にとってもさらなるポジティブ材料となろう。
そのほか、日本取引所グループが前週13日に発表した投資部門別売買動向によると、海外投資家は7月第1週(3〜7日)に現物株を314億円買い越したことが明らかになった。前週(3042億円の買い越し)から買い越し額は縮小しており、海外勢の買いの勢いは足元でやや鈍りつつある。一方、個人投資家は現物株を2週ぶりに買い越しており、買い越し額は3687億円、年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行は再び売り越しに転じた。引き続き海外勢の動きに加えて個人投資家の動向にも注意しておきたい。
さて、後場の日経平均はプラス圏での推移を継続できるか。今週から米企業、来週からは国内企業の4-6月期決算発表が本格化することから、決算内容を見極めたいとして積極的ない買いを手控える向きもありそうだ。また、ハイテク株や景気敏感株といった東証プライム主力株への投資は様子見ムードが台頭する可能性もある。本日は、一足先に決算を発表している企業へ注目が集まっている。引き続き個別株物色が中心となるか注目しておきたい。(山本泰三)
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