東京株式（大引け）＝８９円高、米株高など受けリスク選好ムードも上値に重さ

　２９日の東京株式市場は、前日の米国株高や為替の円安を受けて日経平均株価は終始買い優勢の展開。ただ、上値も重く、買い一巡後は狭いレンジの往来となった。

　大引けの日経平均株価は前日比８９円８９銭高の２万２２０円３０銭と反発。東証１部の売買高概算は１９億５０４１万株、売買代金概算は２兆４４１９億９０００万円。値上がり銘柄数は１５１３、対して値下がり銘柄数は３９８、変わらずは１１０銘柄だった。

　きょうの東京市場は、リスクオンの流れが復活、前日の下げ分をほぼ取り戻す展開となった。米国株が急反発したことで投資家心理が改善、為替が円安方向に振れたことも主力株中心に追い風材料となった。鉄鋼、海運セクターなど市況関連が買われたほか、米長期金利の上昇をうけた金融株高が日本にも波及し、メガバンクなどが堅調で全体相場を支えた。国内政局に対する懸念などから、買い一巡後は上値も重く、日経平均２万２００円台では戻り売りに晒された。始値を終値が下回る日足陰線となり、大引けにかけ伸び悩んだことで年初来高値更新もおあずけとなった。もっとも個別物色意欲は根強く、値動きの軽い中小型株には大幅高する銘柄も相次いだ。全体売買代金は２兆４０００億円台と増勢、東証１部全体の約７５％の銘柄が上昇した。

　個別では、任天堂<7974.T>が高く、三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ<8306.T>などメガバンクも堅調、ソフトバンクグループ<9984.T>、ソニー<6758.T>もしっかり。ジーンズメイト<7448.T>がストップ高に買われたほか、シンフォニアテクノロジー<6507.T>も急伸、ラクーン<3031.T>が値を飛ばし、Ｊ．フロント　リテイリング<3086.T>、ＮＳユナイテッド海運<9110.T>も大きく買われた。日本カーバイド工業<4064.T>が物色人気となり、ジャパンディスプレイ<6740.T>も活況高。

　半面、ニトリホールディングス<9843.T>が大幅安、ＪＴ<2914.T>も軟調。東京エレクトロン<8035.T>も冴えない。東芝<6502.T>が売られ、レーザーテック<6920.T>も値を下げた。めぶきフィナンシャルグループ<7167.T>が安く、クラレ<3405.T>、ＪＡＣ　Ｒｅｃｒｕｉｔｍｅｎｔ<2124.T>なども売りに押された。

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）