3,802円
電通グループのニュース
日経平均は小幅反発。31.21円高の27994.68円(出来高概算6億4599万株)で前場の取引を終えている。
14日の米株式市場でダウ平均は211.16ドル安(−0.62%)と3日ぶり反落。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事のタカ派発言を受け、金利上昇を警戒した売りが先行。その後、ブレイナードFRB副議長が利上げ減速への移行が間もなく適切になるとの見解を示すと、警戒感も緩和して一時上昇に転換。しかし、長期金利上昇を嫌気した戻り待ちの売り圧力に押され、終盤にかけては再び大きく下落した。ナスダック総合指数も−1.12%と3日ぶり反落。
米国株安を受けて日経平均は23.21円安の27940.26円からスタート。心理的な節目の
28000円を下回ったことで序盤は軟調な展開が続き、前場中ごろには一時27903.27円
(60.2円安)まで下げた。ただ、時間外取引のナスダック100先物が堅調に推移していたほか、中国の「ゼロコロナ」政策の緩和期待を背景に香港ハンセン指数が大幅高で推移していたことで、日経平均も前引けにかけては徐々に下げ渋り、プラス圏に浮上した。なお、午前に発表された中国の10月小売売上高は前年比−0.5%と市場予想(+0.8%)に反してマイナスとなったほか、10月鉱工業生産指数は同+5.0%と市場予想
(+5.3%)を下回った。
個別では、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>などが大きく上昇しており、アドバンテスト<6857>、SUMCO<3436>など半導体関連や、郵船<9101>、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>の海運大手も高い。業績予想の上方修正に加えて増配や自社株買いを発表した三井住友<8316>が大幅高となっていて、三菱UFJ<8306>、T&DHD<8795>も自社株買いが好感された。ほか、業績予想を上方修正したマツキヨココ<3088>、新田ゼラチン<4977>、今期の2ケタ増益見通しが評価されたオープンH<3288>などが大きく上昇している。
一方、決算関連で7−9月期実績が市場予想比で下振れたリクルートHD<6098>と電通グループ<4324>、通期の営業利益予想を下方修正したSMC<6273>が大きく下落。業績予想を下方修正したTOYO TIRE<5105>、通期計画の据え置きが失望されたギフティ<4449>は急落。ほか、ネットプロHD<7383>、ダブルスタンダード<3925>、オーケストラ<6533>
などが決算を受けて大幅安となっている。
セクターでは銀行業、医薬品、鉄鋼が上昇率上位となった一方、サービス、機械、電気・ガスが下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の61%、対して値下がり銘柄は35%となっている。
本日の東京市場は決算を受けた個別株物色を除けば全般もみ合い、こう着感の強い展開となっている。日経平均は心理的な節目の28000円を割れてはいるものの、75日移動平均線上を優に上回った状態を続けていて、ほぼ横ばいの5日線上をも維持している。前日、米株式市場で主要株価指数が揃って下落した割には底堅く推移している。
前日は、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長が、利上げペース減速への移行が適切との、これまでの高官と同様の見解を示した一方、利上げ停止の検討は時期尚早との見方も示し、株式市場をけん制する一面も見せた。米10年債利回りは米10月消費者物価指数(CPI)の減速を受けて急低下した後の水準を維持し、依然として4%を大きく下回る水準にある。しかし、こうした中でも、前日の米株式市場でナスダック指数がラリーを続けられずに失速したのは、FRBの一段のタカ派発言を受けた金利の再上昇を恐れてのことなのかもしれない。
今晩の米国市場では米10月卸売物価指数(PPI)の発表がある。食品・エネルギーを除いたコア指数では前年比+7.2%と9月(+7.2%)から横ばいが予想されているものの、ヘッドラインでは前年比+8.3%と9月(+8.5%)と減速が予想されている。ヘッドラインとコア指数がともに減速すれば、株式市場はラリー再開となりそうだが、CPIより先行性の高いPPIの性質を踏まえれば、仮に予想に反して上振れとなると、株式市場は先週のCPI後の浮かれ気分から目を覚まされることになりそうだ。今晩の米国市場でのPPIの結果と反応を見極めたいとの思惑から、後場の東京市場は模様眺めのムードが支配的になりそうだ。
(仲村幸浩)
<AK>
14日の米株式市場でダウ平均は211.16ドル安(−0.62%)と3日ぶり反落。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事のタカ派発言を受け、金利上昇を警戒した売りが先行。その後、ブレイナードFRB副議長が利上げ減速への移行が間もなく適切になるとの見解を示すと、警戒感も緩和して一時上昇に転換。しかし、長期金利上昇を嫌気した戻り待ちの売り圧力に押され、終盤にかけては再び大きく下落した。ナスダック総合指数も−1.12%と3日ぶり反落。
米国株安を受けて日経平均は23.21円安の27940.26円からスタート。心理的な節目の
28000円を下回ったことで序盤は軟調な展開が続き、前場中ごろには一時27903.27円
(60.2円安)まで下げた。ただ、時間外取引のナスダック100先物が堅調に推移していたほか、中国の「ゼロコロナ」政策の緩和期待を背景に香港ハンセン指数が大幅高で推移していたことで、日経平均も前引けにかけては徐々に下げ渋り、プラス圏に浮上した。なお、午前に発表された中国の10月小売売上高は前年比−0.5%と市場予想(+0.8%)に反してマイナスとなったほか、10月鉱工業生産指数は同+5.0%と市場予想
(+5.3%)を下回った。
個別では、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>などが大きく上昇しており、アドバンテスト<6857>、SUMCO<3436>など半導体関連や、郵船<9101>、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>の海運大手も高い。業績予想の上方修正に加えて増配や自社株買いを発表した三井住友<8316>が大幅高となっていて、三菱UFJ<8306>、T&DHD<8795>も自社株買いが好感された。ほか、業績予想を上方修正したマツキヨココ<3088>、新田ゼラチン<4977>、今期の2ケタ増益見通しが評価されたオープンH<3288>などが大きく上昇している。
一方、決算関連で7−9月期実績が市場予想比で下振れたリクルートHD<6098>と電通グループ<4324>、通期の営業利益予想を下方修正したSMC<6273>が大きく下落。業績予想を下方修正したTOYO TIRE<5105>、通期計画の据え置きが失望されたギフティ<4449>は急落。ほか、ネットプロHD<7383>、ダブルスタンダード<3925>、オーケストラ<6533>
などが決算を受けて大幅安となっている。
セクターでは銀行業、医薬品、鉄鋼が上昇率上位となった一方、サービス、機械、電気・ガスが下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の61%、対して値下がり銘柄は35%となっている。
本日の東京市場は決算を受けた個別株物色を除けば全般もみ合い、こう着感の強い展開となっている。日経平均は心理的な節目の28000円を割れてはいるものの、75日移動平均線上を優に上回った状態を続けていて、ほぼ横ばいの5日線上をも維持している。前日、米株式市場で主要株価指数が揃って下落した割には底堅く推移している。
前日は、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長が、利上げペース減速への移行が適切との、これまでの高官と同様の見解を示した一方、利上げ停止の検討は時期尚早との見方も示し、株式市場をけん制する一面も見せた。米10年債利回りは米10月消費者物価指数(CPI)の減速を受けて急低下した後の水準を維持し、依然として4%を大きく下回る水準にある。しかし、こうした中でも、前日の米株式市場でナスダック指数がラリーを続けられずに失速したのは、FRBの一段のタカ派発言を受けた金利の再上昇を恐れてのことなのかもしれない。
今晩の米国市場では米10月卸売物価指数(PPI)の発表がある。食品・エネルギーを除いたコア指数では前年比+7.2%と9月(+7.2%)から横ばいが予想されているものの、ヘッドラインでは前年比+8.3%と9月(+8.5%)と減速が予想されている。ヘッドラインとコア指数がともに減速すれば、株式市場はラリー再開となりそうだが、CPIより先行性の高いPPIの性質を踏まえれば、仮に予想に反して上振れとなると、株式市場は先週のCPI後の浮かれ気分から目を覚まされることになりそうだ。今晩の米国市場でのPPIの結果と反応を見極めたいとの思惑から、後場の東京市場は模様眺めのムードが支配的になりそうだ。
(仲村幸浩)
<AK>
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