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*12:11JST 日経平均は6日ぶり大幅反落、需給転換意識のなか米信用不安も重なる
日経平均は6日ぶり大幅反落。351.57円安の28271.58円(出来高概算9億2706万株)
で前場の取引を終えている。
9日の米株式市場でダウ平均は543.54ドル安(-1.65%)と大幅に3日続落。新規失業保険申請件数が増加したことで利上げ長期化懸念が後退し、買いが先行。一方、バイデン大統領が24年会計年度の予算案を発表、富裕層や法人の増税案が嫌気され、売りに転じた。また、新興企業向けの商業銀行サービスを提供するSVBファイナンシャル・グループ株の急落で、地銀などの含み損拡大が明らかになり、終盤にかけては先行き警戒感から売りが加速した。ナスダック総合指数も-2.05%と大幅反落。米国株安を引き継いで日経平均は237.86円安からスタート。日本銀行の金融政策決定会合の結果を控える中、為替の円高への揺り戻しも重しとなり、寄り付きから売りが先行。
時間外取引のダウ平均先物も軟調な中、断続的な売りが入り、午前中ごろに28246.37円(376.78円安)とこの日の安値を付けた。
なお、3月限の株価指数先物・オプション取引の特別清算指数(SQ)は概算で28377.34円。
個別では、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>など値がさ株、ハイテク株に売りが先行。メルカリ<4385>、マネーフォワード<3994>、リクルートHD<6098>などグロース(成長)株も軒並み安。米銀行株の下落を受けて三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>の国内銀行株も全般下落。今週強かった三井物産<8031>、丸紅<8002>の商社や、マツキヨココ<3088>、パンパシHD<7532>、共立メンテ<9616>などのインバウンド関連も大幅安。鎌倉新書<6184>は好決算も目先の出尽くし感から急落。
一方、新中期経営計画や自社株買いが評価された大日本印刷<7912>、積水ハウス<1928>、今期経常益の増益見通しが好感された菱洋エレク<8068>が大幅高。東証スタンダード市場ではJTBとメディカルツーリズム事業に関して契約締結したTBグループ<6775>
が急伸。ほか、核融合炉の対応技術への期待感が続いた東邦金属<5781>、決算での赤字幅縮小が好感されたマツモト<7901>がそれぞれストップ高買い気配で終えている。
セクターでは銀行、小売、証券・商品先物取引を筆頭に全般下落した一方、海運、パルプ・紙、ゴム製品の3業種が上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の87%、対して値上がり銘柄は10%となっている。
先週末の急伸から強さを見せてきた東京市場は久々に大幅下落となっている。本日は相場の転換点となるかもしれない。今日は3月限の株価指数先物・オプション取引の特別清算指数算出(メジャーSQ)であった。一般的にメジャーSQを境に需給が転換することが多いが、今回もセオリー通りの展開になってきている。先週末から想定以上の強さを見せていた日経平均だが、本日は一転して寄り付き直後から下げ幅を広げる弱い動きとなっている。
奇しくも、この需給転換が意識されるメジャーSQ前日に、米国市場では銀行の信用不安という新たなリスクが台頭し、米国株式市場は大幅下落となった。米シリコンバレーの新興企業を中心に商業銀行サービスを展開する銀行持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価は9日、60.4%安と上場来最大の急落となった。証券ポートフォリオの損失とベンチャーキャピタル支援先企業の資金調達鈍化を受けて資本増強のための措置を講じたことが契機となった。
米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年から急速に金融引き締めを進める中、いずれは企業のデフォルト(債務不履行)などの事象が増加してくるだろうとは想定されていたが、今回それが表面化した。市場の一部では今回の一件がシステミックリスクに繋がり得る炭鉱のカナリアなのかとも警戒されており、今後、同様の動きがどれだけ増えてくるのか注目される。
米株式市場では9日、ダウ平均、S&P500種株価指数、ナスダック総合指数の主要株価3指数が揃って200日移動平均線を終値で割り込んだ。今後は商品投資顧問(CTA)などトレンドフォロー型ファンドの売りが加速する可能性もあり、米国株の動向には注意したい。
仮に当該案件が大きな問題に繋がらなかったとしても、メジャーSQの日にこうした投資家不安を煽るニュースが飛び込んできただけでも、相場の潮目の変化として意識されそうだ。また、こうした警戒感が高まる中でも、今後の経済データ次第ではFRBがまだ利上げを続けざるを得ない可能性も考えられ、ファンダメンタルズ(経済状況を示す基礎的な要因)の悪化が懸念される。
相場のセンチメントが悪化する中、経済活動の正常化など内需主導による恩恵が期待され、中国人観光客の回復という最大のカタリスト(株価変動を誘発する材料)もまだ温存されているリオープン・インバウンド関連などが相対的な安心感から買われやすい状況が予想される。
(仲村幸浩)
<AK>
で前場の取引を終えている。
9日の米株式市場でダウ平均は543.54ドル安(-1.65%)と大幅に3日続落。新規失業保険申請件数が増加したことで利上げ長期化懸念が後退し、買いが先行。一方、バイデン大統領が24年会計年度の予算案を発表、富裕層や法人の増税案が嫌気され、売りに転じた。また、新興企業向けの商業銀行サービスを提供するSVBファイナンシャル・グループ株の急落で、地銀などの含み損拡大が明らかになり、終盤にかけては先行き警戒感から売りが加速した。ナスダック総合指数も-2.05%と大幅反落。米国株安を引き継いで日経平均は237.86円安からスタート。日本銀行の金融政策決定会合の結果を控える中、為替の円高への揺り戻しも重しとなり、寄り付きから売りが先行。
時間外取引のダウ平均先物も軟調な中、断続的な売りが入り、午前中ごろに28246.37円(376.78円安)とこの日の安値を付けた。
なお、3月限の株価指数先物・オプション取引の特別清算指数(SQ)は概算で28377.34円。
個別では、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>など値がさ株、ハイテク株に売りが先行。メルカリ<4385>、マネーフォワード<3994>、リクルートHD<6098>などグロース(成長)株も軒並み安。米銀行株の下落を受けて三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>の国内銀行株も全般下落。今週強かった三井物産<8031>、丸紅<8002>の商社や、マツキヨココ<3088>、パンパシHD<7532>、共立メンテ<9616>などのインバウンド関連も大幅安。鎌倉新書<6184>は好決算も目先の出尽くし感から急落。
一方、新中期経営計画や自社株買いが評価された大日本印刷<7912>、積水ハウス<1928>、今期経常益の増益見通しが好感された菱洋エレク<8068>が大幅高。東証スタンダード市場ではJTBとメディカルツーリズム事業に関して契約締結したTBグループ<6775>
が急伸。ほか、核融合炉の対応技術への期待感が続いた東邦金属<5781>、決算での赤字幅縮小が好感されたマツモト<7901>がそれぞれストップ高買い気配で終えている。
セクターでは銀行、小売、証券・商品先物取引を筆頭に全般下落した一方、海運、パルプ・紙、ゴム製品の3業種が上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の87%、対して値上がり銘柄は10%となっている。
先週末の急伸から強さを見せてきた東京市場は久々に大幅下落となっている。本日は相場の転換点となるかもしれない。今日は3月限の株価指数先物・オプション取引の特別清算指数算出(メジャーSQ)であった。一般的にメジャーSQを境に需給が転換することが多いが、今回もセオリー通りの展開になってきている。先週末から想定以上の強さを見せていた日経平均だが、本日は一転して寄り付き直後から下げ幅を広げる弱い動きとなっている。
奇しくも、この需給転換が意識されるメジャーSQ前日に、米国市場では銀行の信用不安という新たなリスクが台頭し、米国株式市場は大幅下落となった。米シリコンバレーの新興企業を中心に商業銀行サービスを展開する銀行持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価は9日、60.4%安と上場来最大の急落となった。証券ポートフォリオの損失とベンチャーキャピタル支援先企業の資金調達鈍化を受けて資本増強のための措置を講じたことが契機となった。
米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年から急速に金融引き締めを進める中、いずれは企業のデフォルト(債務不履行)などの事象が増加してくるだろうとは想定されていたが、今回それが表面化した。市場の一部では今回の一件がシステミックリスクに繋がり得る炭鉱のカナリアなのかとも警戒されており、今後、同様の動きがどれだけ増えてくるのか注目される。
米株式市場では9日、ダウ平均、S&P500種株価指数、ナスダック総合指数の主要株価3指数が揃って200日移動平均線を終値で割り込んだ。今後は商品投資顧問(CTA)などトレンドフォロー型ファンドの売りが加速する可能性もあり、米国株の動向には注意したい。
仮に当該案件が大きな問題に繋がらなかったとしても、メジャーSQの日にこうした投資家不安を煽るニュースが飛び込んできただけでも、相場の潮目の変化として意識されそうだ。また、こうした警戒感が高まる中でも、今後の経済データ次第ではFRBがまだ利上げを続けざるを得ない可能性も考えられ、ファンダメンタルズ(経済状況を示す基礎的な要因)の悪化が懸念される。
相場のセンチメントが悪化する中、経済活動の正常化など内需主導による恩恵が期待され、中国人観光客の回復という最大のカタリスト(株価変動を誘発する材料)もまだ温存されているリオープン・インバウンド関連などが相対的な安心感から買われやすい状況が予想される。
(仲村幸浩)
<AK>
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