kabukabumanさんのブログ
その⑰「仕手株投資の留意点」
第17回「仕手株投資の留意点」
<仕手筋とは>
仕手筋の多くは、資産家グループ(政治家・医師・企業主など)
宗教団体、投資顧問、暴力団、或は凄腕の投資家集団です。
凄腕の投資家で思い出されるのが「K氏」と呼ばれる加藤 暠氏です。
ご本人の消息については様々な憶測が流れていますが
取り敢えず仕手集団「般若の会」の代表として今でもその名前だけは登場しています。
<仕手擬き(モドキ)>
ここ数年、小金を持ったデイトレーダーが個人または集団で仕手筋の真似事をすることが多く
私はこういう連中を勝手に「仕手モドキ」と呼んでいます。
実際1億円程度の資金でも、時価総額の小さな新興銘柄なら容易に株価操作が可能で
数年前から急増している様に感じます。
また彼等の仕掛けは同じ銘柄で定期的に繰り返される傾向があり
大抵の場合2日以内で終わってしまうのが特徴です。
しかも連中は所詮素人ですから提灯を付けるのに必死で
仕掛ける時は必ずといって良いほど株式掲示板にステハンを使ったしつこい買い煽りが現れます。
特にYahooなどの株式掲示板では良く見掛ける光景です。
<仕手化し易い銘柄>
東証一部銘柄の場合 → 発行株式数1億株以内、浮動株比率30%前後(Max50%)、貸借銘柄
東証二部銘柄の場合 → 発行株式数5000万株以内、浮動株比率30%前後(Max50%)
さらに共通の条件として 資本金100億円以下、株価500円以下(100円~300円に多い)の銘柄
普段から個人の参加が多い人気銘柄は仕手化し難い
新興銘柄の場合 →
資本金、時価総額共に小さな企業が多く発行株式数も少ないので株価操縦は容易に行えます。
中でも時価総額が小さい上に売買単位が1株~100株の銘柄は資金力が無くても操作が容易で
仕手モドキのターゲットになり易いと思います。
また資金力のある仕手筋が新興銘柄に介入した場合はS高が連続することもあり
短期間で株価が2~3倍以上高騰することは珍しくありません。
<仕手株の見つけ方>
基本的な方法はYahooファイナンスで値上がり率ランキングのベスト50をチェック
もしくは東証(一部・二部)、東マ、JASDAQごとにそれぞれ上位20位ずつでもOKです。
次に上位にランクされた銘柄に株価が上がる材料のないことを確認します。
(当該企業のHPで確認)
そして特に材料が無いにも関わらず出来高が5倍~10倍と急に増加したり
突如値上り率上位にランクされた銘柄をピックアップして板情報のチェックへと進みます。
大まかな目安としは、出来高が普段の10倍以上になれば仕手筋の介入が考えられ
2~3倍でも、それが2~3日以上続けばやはり仕手筋の介入が疑われます。
また仕手筋が介入した銘柄にはしばしば見せ板が登場するので
板情報も大きなヒントになります。(仕手株に限らず板情報は個人の重要な判断指標です)
<玉集めの手法>
時間を掛ける場合 → 数ヶ月間かけて玉集めをするので余程注意していないと気付きません。
この場合は仕手筋が故意にボックス相場を演出し
ボックスの下限で厚い買い板を出し上限で厚い売り板を出します。
例えば平均単価250円付近で玉集めをする場合、株価が270円に近づくと厚い売り板を出し
230円辺りまで下がって来ると厚い買い板を出すという具合で、これならなかなか気付かれません。
しかし玉集めが思う様に進まないと利確を誘って突然下値を数%切り上げて来ることがあります。
そして仕込みが進めば今度は厚い売り板を出し失望売りを誘う往復ビンタ的な手法も使われます。
例えば2~3ヶ月に亘り狭いレンジのボックス相場が続いている途中で
何の理由も無く突如株価が目立って上下したら玉集めの可能性が有ります。
急ぎ働きの場合 → 見せ板が頻繁に使われるので比較的気付き易いと思います。
よく見掛けるのは厚い売り板を売り指値の最安値から数ティック上に置いて売りを誘う見せ板で
蓋をするという表現が用いられます。
また売り指値の最安値が喰われると間髪を入れず売りをぶつけて買い意欲を削いだりします。
逆に買い板に厚い見せ板を出す場合は、参加者に買い上がらせて売り抜る意図を感じます。
その他のサイン → 売り指値の最安値と買い指値の最高値の間を数ティック開ける
例えば500円で売りが出ている時、499円に買い指値があれば取引は成立し易いですが
仮に480円にしか買い指値が無ければまず我慢比べになります。
仕手筋は比較的人気の薄い銘柄に介入することが多いのでこうした手法が有効になります。
何故なら、普段注目されていない銘柄は我慢比べになればまず売らされる確率が高いからです。
また多少注目されている銘柄でも売値と買値の幅を拡げることで
個人投資家の売買が成立するのを妨害する効果があるのです。
→ 仕手筋は仕掛けるタイミングが近づくと事前に市場調査をする
つまり仕掛けても注目されなければ意味がありませんから、提灯が付くかどうかを確かめる為に
株価を故意に動意付かせて市場の反応を見ると同時に注意を惹こうとする訳です。
ただ余程板を注意深く観察していないと分り辛いのですが
監視中にこの様な不自然な動きが見えたら間違いなく買い場だと思います。
こうした仕手筋の揺さぶりは仕掛けの数日前であったり、時には当日ということもある様です。
→ 大量の空売りを入れ、篩い落としをかけてからスタートする
寄り付きと同時にいきなり10%程度下げて狼狽売りを誘い
その直後に反転・急騰というケースも珍しくありません。
また株価が高騰した後も、再び篩い落とすために一旦急落させて揺さぶりを掛けることもあります。
<仕手株を買うタイミング>
玉集めを疑う事象を発見した時に仕込めば、予想通り仕手戦に突入した場合短期で大きく稼げます。
しかし見込み違いの場合は早めに撤退して下さい。
以下に買いのタイミングと思われるケースを列記してみます。
①玉集めの形跡に気付いたら打診買い
②出来高急増(値幅に関係なく株価の上昇が条件)が2日続いたら打診買い
③怪しいと睨んだ銘柄に突然空売りが増えたら打診買い
④突如大陽線が出現した場合は確実性が増したと判断し打診買い
⑤統計的に初動日(突如大陽線が現れた日)の終値より翌日の終値が安い傾向があり
初動から2日目の押しは狙い目(目安として初動日の高値から10%前後押した辺り)
⑥初動日の翌日がGUスタートなら一度利益確定し、押したところを買い戻すのが賢明
⑦出来高が減少したにも関わらず株価が下がらない時も買い又は買い増しのタイミング
⑧厚い売り板がパックリ喰われたら同時に買い向かう
⑨数日間上げ続け反落した場合は三分の一押し付近が次の狙い目。
⑩三分の一押しで反発しなければ、25日線や75日線付近で再チャレンジする方法もありますが
仕手相場が続く期間は数日~数週間と幅広いので、下落が3日以上続けば見送る方が無難です。
<利益確定のタイミング>
仕手戦は数週間続くこともあれば2~3日で終わることもありますが
確実に利益を得ようと思えば一定のルールに従って利益確定することが大事だと思います。
如何に幾つかの例を挙げて置きます。
①初動の始値から30%上げたら全部または半分程度利益確定する
②初動からの出来高が浮動株数を超えた時点で全部または半分以上利益確定する
③出来高が1日~2日で発行株式数を超えたら全て売る
④初動日S高に張り付いて終わる様なら全部または一部を利益確定する
但し、半ば強引にS高に張り付かせた場合は翌日もう一段上げる可能性が高い
⑤初日S高に張り付いた場合、翌日GUスタートなら一旦利益を確定する
⑥初動2日目もいきなりS高に張り付いた場合は取り合えず成り行きで売りを入れ様子を見る
最終的にS高で引ける様なら半分利益確定し残りを持ち越す
⑦S高3連荘は取り敢えず売り
⑧NET上で騒がれ始めたら売り(投資顧問などが盛んに買いを推奨し始めたらほぼ最終局面)
ところでS高3の連荘以上も稀にありますが、最初からそれを期待して深追いすると
一転連続S安という落とし穴に嵌ることがあるので、あまり欲張らない方が賢明です。
またこの様な場合、3連荘目から徐々に利確しながら様子を見る方法もあります。
因みに③のケースは殆どの場合短期暴騰型ですから、さっさと勝ち逃げするのが利口です。
仕手株は通常30%くらいの上昇は期待出来ますが、稀にその手前で息切れすることもあるので
板からは絶対目を離さないことが大事です。ですから兼業トレーダーさんには向きません。
また①②は途中篩い落としを挟みながら2週間くらい続く場合もあるので
冒険したい人は回転させたり一部ホールドしながら再度押し目を狙う手もありますが
前述の様に寄り付きGUスタートの場合は、経験的に一旦利確する方が賢明だと思います。
さらにラウンド数字の株価はいろいろな意味で節目になり易いので注意が必要です。
例えば350円からスタートした仕手株が500円という節目に近付いた時
NET上に500円は通過点とか目標株価1000円などという情報が流れたらまず終わりです。
多くの場合500円を勢い良く越えて盛り上がりが最高潮に達した途端いきなり爆弾が投下され
その後はジェットコースター状態になるので危険です。
最近の仕手株はWトップやTトップ型の短期暴騰銘柄が多いので
売買のタイミングが難しくなりましたが
逆に初動翌日の押目狙いが有効であるケースが多い様な気がします。
仕手株は資金効率が極めて高い反面
ギャンブル性も極めて高いので不用意に参加すると危険ですが
仕手株の仕組みを充分理解し、仕手筋の心理を読むことが出来れば
特に専業トレーダーさんにとっては難しいどころか逆に美味しい投資対象になり得ると思います。
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