第18回「その他のポイント」(最終回)
(ナンピンは悪手か、株主優待の利用法、デイトレは甘くない、銘柄のクセを見抜く、投資の鉄則)
当初は25回に分けて投稿する予定でしたが、重複する箇所が多いので18回に短縮しました。
今回が最終回になりますが、今までの日記に漏れたポイントを思い付くままに書いてみます。
<ナンピンは悪手か>
よく「下手なナンピン、スカンピン」と言われますが
ナンピンに限らずスカンピンに繋がることは全て悪手だと思います。
ただ自分の過去を振り返ってみると、皮肉なことにナンピンが大きな利益に繋がっています。
但し成功する可能性が高いナンピンには幾つか条件があると思います。
①地合の悪化で連れ安になった時
②下げた理由が当該企業固有の問題でない場合(例えば同業他社の下方修正に影響されるケースなど)
③設備投資目的の増資など、将来の成長に繋がるポジティブな理由で下げた時
④今は不人気でも何れ注目されそうな材料を内包している銘柄(私が最も好きな銘柄です)
特に④は長期保有で個人が大きな利益を上げることの出来る数少ないケースだと考えています。
ナンピンは悪手だと言われますが、損切りばかりしていては儲からないのもまた事実です。
自分の分析に自信があれば勇気を持ってナンピンすることも立派な投資戦略の一つだと思います。
<買い下がりとナンピンの違い>
「買い下がり」は株価が下げた時に買い増すという意味では「ナンピン」と変わりませんが
正確には、株価が底値圏にあるにも関わらず、地合いの悪化等でさらに下げた時が買い下がり。
比較的高い時に買ってしまい、仕方なく平均取得単価を下げたい時がナンピンだと言われています。
<株主優待との上手な付き合い方>
「A社の株主優待権が欲しい、株価も割安だから買っても損はなさそう」
そう思って飛び付いた株が権利確定日の翌日急落するという事例は良くあることです。
1万円相当の優待券を貰う為にいきなり5万円の含み損を抱えた投資家心理は恐らくこうでしょう。
「こんな高い優待券になるとは、悔しいから株価が戻るまで待たなきゃ損だ(塩漬け)」
すぐに株価が戻ればいいですが、運良く半年や1年後に戻ってもその機会損失は計り知れませんし
精神衛生上も良くありません。
そもそも株主優待制度は長期保有株主に対する企業の感謝の気持ちであると私は解釈しています。
ですから優待目当てで権利確定日に最小単位を買う投資家に企業が感謝するのは可笑しな話です。
優待を貰った上にキャピタルゲインまでゲットしようなんて、それはちょっと虫が良過ぎるのでは?
つまり株主優待が欲しくて買った株は下がって当たり前と考える方が合理的という訳です。
それでも優待が欲しいという人は最小限の資金で最大限の優待をゲットしましょう。
例えば1~10株保有で5千円のお米券、11~20株で1万円のお米券という基準ならば
1株又は11株買うのが賢い買い方です。
このケースでさらに効率の良い方法は、自分一人で10株買う代わりに9人に買い付け代金を渡し
総勢10人で1株ずつ買えば合計5万円分のお米券を手にすることが出来ます。
ひじょうにセコイ方法ですが、グループ内で了解が得られれば可能です。
但し、1万円分のお米券を貰って2万円損をしても、何となく得した気分になる人は
株式投資の世界では絶好のカモだと思います。
賢い投資家は、逆に優待狙いの買いに売りをぶつける人ではないでしょうか。
<デイトレは決して甘くない>
そもそもデイトレやスキャルピングで儲けることが出来るという誤解が起こるのは
1円抜きや2円抜きくらいなら簡単に出来そうに感じてしまうからです。
しかしそんなに楽して儲かるのなら皆デイトレーダーに転身して誰も働かなくなってしまします。
こういう考えはポジティブ思考ではなく単なる楽天思考に過ぎないのでかなり危険です。
その証拠に、デイトレーダーの寿命は極めて短く
初心者が安易にデイトレに走ると、多くは1年以内に退場するという報告もあります。
それでもで1円抜きで儲けようと考えるならかなりの資金が必要ですし
1円という値幅は瞬時に変動しますから
2~3分のトイレタイムが命取りになることだって有り得ます。
ですからデイトレやスキャルピングで利益を得ようとすればそれなりの覚悟と努力が必要です。
例えば個別銘柄は現物取引。先物はレバレッジを抑える、保有資産以上の取引は厳禁。
同時に複数の売買を避ける。個別の売買では上昇トレンドの銘柄を選ぶ。
利確や損切りのルールを守る等様々ですが
何よりも重要なことは事前準備に時間を掛けることです。
しかも事前準備は沢山あり過ぎて、全てを熟すのはとても無理です。
先ず世界のニュースをチェック(経済・戦争・内乱・テロ・災害・核問題など)
無論ニュースはリアルタイムでなくては意味がありません。
次に他のチェック項目を考えてみましょう。
CME・グロベ・ダウ先・ナス100・ADR・SGX日経先物・欧州の株価指数・欧米の経済指標
為替・原油価格・VIX指数・サイコロ分析・商品相場・各種指数チャート(国内)
東証売買高・同出来高の推移・個別チャート(トレンド・支持線・抵抗線)・個別出来高
信用取り組み・空売り残高状況・国内経済指標・企業IRの事前チェック・
寄り前外人動向・主力株の気配・セクター別の気配・アジア市場の動向・・・・・等々
これでは眠る間もありません。
そう云えばリーマンショックの頃、毎晩の様にCNBCを視聴して翌日職場で欠伸ばかりしてました。
さらに場が開いた後も先のチェック項目にアジア市場の動向が加わりますから
ぼーっとしている暇は有りません。
もし仕事の合い間でとか子育てをしながらなどと甘い考えでデイトレに臨めば
十中八九大切な資金を失います。
実践では日中足を分刻みもしくは秒刻みで追わなくてはならないので
少なくとも一トレードが完結するまで集中出来る環境が必要です。
しかしこれだけ努力しても数年間生き残れる人はほんの一握り。
ゲームなら勝ったり負けたりですがデイトレは決して甘くありません。
<銘柄のクセを見抜く>
銘柄のクセというのは株価の特徴的なパターンを指しますが
株価変動のクセが分かればそのクセを利用してより堅実に利益を積み上げることも可能です。
例えば一定のレンジ相場を繰り返すクセを見つければ下値支持線付近で買い
上値抵抗線に近づくと売る、そんなイメージです。
また日足を見た時、圧倒的に陽線が多い銘柄は寄り近くで買って引け前に売り
陰線が多い銘柄は引け前に買って、翌日の寄り付近で売ると理論的に勝機は広がります。
一般的に需給の良い銘柄は朝方安く寄り付いてもジリジリ戻す可能性が高く
需給の悪い銘柄は時間の経過とともに痺れを切らした投資家が投げて来るので
日足が陰線になりやすい傾向があります。
因みに季節要因が株価に影響を与えるケースも沢山あります。
例えば、夏場は清涼飲料、ビール、エアコン、クールビズ関連企業などは売り上げが伸びる傾向にあり
売上のアップに期待した買い需要が起こるのでは?という連想で株価が上昇しやすくなります。
こうした季節性の高い銘柄はジーンストックとも呼ばれ
ビールや清涼飲料水メーカー、乳製品やアイスクリームメーカー、食品メーカー
家電メーカー(販売店を含む)、アパレルメーカーなどが代表的です。
また特殊な例として、冬場に買われやすいインフルエンザワクチンメーカーや
逆に冬場売り上げが落ちる肥料メーカーなども季節に密接な関係がある業種だと思います。
<株式投資で損をしないための鉄則>
①投資は余裕資金の範囲内で行う (有事に備え常に予備資金を温存する)
②資金を増やすことより減らさないことを優先する (その為には資金管理とロスカットが重要)
③「株は自己責任」 (それ故、判断力や決断力が問われる)
④相場の方向が見えない時は休む (ヘッジするか、自分で判断出来るまで手を出さない)
⑤情報の入手と整理、さらに事前準備は最低限必要な条件 (不要な情報は捨てる)
⑥スキルアップに努める (株式投資で成功するには日々の努力の積み重ねしかない)
⑦ギャンブルをしない
⑧メンタルを鍛える(株は他人との戦いであると同時に自分との戦いでもある)
<メンタルのまとめ>
株は心理戦、言い換えると「騙し合いや探り合い」つまり毎日が駆け引きの世界です。
そして心理戦に惑わされない方法は唯一つ!他人(周囲)の心理を読み取ることしかありません!
他人との戦い→株は心理戦ですから、集団の心理を読み、決して集団に流されないことが大事。
駆け引きに翻弄されない為には
株式相場の歴史や自分の体験した事例を何時でも応用出来る様に整理して置くこと
つまり 相場が大きく動いた時に周囲がどの様な行動をとったか
その時自分はどの様に判断しどの様な行動をとったか
そしてその顛末がどうなったか
これらを継時的に記録して置くことが、自らの判断力や決断力を養います
自分との戦い→資金を減らさないとういう考えの基に、常にベストを尽くすこと
<最後に>
◎投資で同じ失敗を繰り返すは人鉄則を守っていない人
◎スランプに陥っている人は鉄則を忘れている人
以上で株初心者の皆さんにお伝えする私の講釈は終わりです。
少々突っ走りましたので、まだまだ抜けている重要なポイントもあると思いますが
その点は何卒ご容赦下さい!
拙い日記に最後まで目を通して頂いた皆様方に感謝申し上げると同時に
今後のご成功を心よりお祈りしております!
必勝 <(_ _)> 祈願