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レノバのニュース
日経平均は3日続伸。440.01円高の28488.95円(出来高概算6億4963万株)で前場の取引を終えている。
8日の米株式市場でのNYダウは8.69ドル安(-0.02%)と小幅反落。9月雇用統計での雇用者数の伸びが19.4万人増と市場予想(50万人増)を大きく下回ったことで、労働市場の回復鈍化が懸念された。一方、平均賃金の伸びは前月比0.6%増と4月以来の伸びとなり、市場予想も上回った。インフレ加速が懸念されるなか、米10年国債利回りが4カ月ぶりに1.6%台にまで上昇したこともあり、ナスダック総合指数も0.5%安と反落した。
金利高や米株安の流れを受け、週明けの日経平均は71.37円安の27977.57円でスタート。ただ、1ドル112円台まで進んだ円安や、週末の岸田首相の「(金融所得課税引き上げについては)当面触ることは考えていない」とした発言が投資家心理の改善につながり、売りが一巡すると、急速に値戻しが進んだ。プラス転換してからは一気に上げ幅を拡げ、その後も断続的な買い戻しが進み、前場中頃には28500円を回復した。
個別では、安川電機<6506>が想定以上の受注動向など良好な上期決算を発表し、同時に今期2度目となる通期計画の上方修正を発表したが、6-8月期営業利益が市場予想を下回ったほか、通期計画も市場予想並みにとどまったこともあり、売りが優勢となった。マルマエ<6264>も今期大幅増益見通しを示したものの、期待値も高かったようで、朝高の買い先行後は売りに押された。第3四半期の収益水準低下が嫌気されたファーストブラザーズ<3454>は大幅に下落し、ビジョン<9416>、フリービット<3843>などと共に東証1部の値下がり率上位に並んでいる。そのほか、米長期金利の上昇がグロース(成長)株の重しとなり、レーザーテック<6920>やレノバ<9519>が大きく下落。
一方、文部科学省が実施する委託事業を落札したと発表したEduLab<4427>、決算は想定線も1対4の株式分割実施が好感されたSansan<4443>などがそれぞれ急伸し、東証1部値上がり率上位に入った。連結子会社の固定資産の譲渡を発表した明治海運<9115>、前期業績上振れ着地に加え今期も想定以上の増益見通しとしたカーブスHD<
7085>なども値上がり率上位に並んだ。そのほか、TSMC(台湾積体電路製造)との半導体新工場の共同建設が報道されたソニーG<6758>が大幅高。東証1部売買代金上位では、日本郵船<9101>、ソフトバンクG<9984>、三菱UFJ<8306>、キーエンス<6861>、ファーストリテ<9983>、トヨタ<7203>、ベイカレント<6532>、信越化<4063>、リクルートHD<6098>、三菱商事<8058>などが大幅高となっている。
セクターでは空運業、鉱業、輸送用機器などが上昇率上位となっている一方、電気・ガス業、パルプ・紙の2業種のみが下落している。東証1部の値上がり銘柄は全体の76%、対して値下がり銘柄は19%となっている。
週明けの日経平均は値幅を伴った上昇で28500円台まで上昇してきた。前週6日に27293.62円まで急落したが、外部環境の不透明感後退なども追い風に、値ごろ感からの買い戻しが進んだ。しかし、前週末の米雇用統計のさえない結果や、米株安の動きも踏まえると、週明けからこれだけの上昇幅が出たのには別の事情もありそうだ。
やはり、多方面でも話題になっているように、岸田首相の金融所得課税への言及が大きいとみられる。「成長」よりも「分配」に重きを置いた政策、「変化」よりも
「安定」が重視されたような印象の強い岸田新政権への株式市場での評価は厳しく、これまでネガティブに捉えられていた。特にその代表格として金融所得課税の引き上げが注目されており、企業の四半期開示の原則見直しなどとも相まって、投資家からの批判が高まっていた様子。
それが、週末の民放番組での出演で、金融所得課税引き上げについては「当面考えていない」、「成長なくして分配はない。金融所得課税を考える前にやることはいっぱいある」などと発言。これにより、当面の増税懸念が後退したほか、過度な「分配」先行イメージが払拭され、ネガティブな印象を緩和することに寄与したようだ。
そのほか、中国政府が電力不足の緩和に向け、制限していた国内での石炭の増産に動き出したほか、輸入先の多様化や拡大に努めはじめたことも、サプライチェーン
(供給網)の混乱が緩和されるとの見方から、投資家心理の改善につながっているようだ。
これらの動きは、今後の展開次第では、はく落してしまった国政期待の復活や、外部環境の不透明感の緩和につながり、再び株高基調に転換するきっかけにもなり得ると期待したい。
一方で、岸田新政権の政策には依然として具体性が乏しく、経済成長につながるストーリーが明確化されていない印象が残る。今回の金融所得課税引き上げの先送りだけで、大きくはく落してしまった海外投資家からの期待を完全に取り戻せるとは言いにくいだろう。
また、外部環境の不透明感についても、まだ警戒が必要だ。米長期金利が4カ月ぶりに1.6%台へと上昇したほか、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率は約5カ月ぶりに2.5まで上昇してきている。インフレ加速や長期金利の更なる上昇など警戒感は残る。今週は、米国で13日に消費者物価指数(CPI)、14日生産者物価指数(PPI)が発表される。インフレを巡る思惑や長期金利の動向には引き続き注意したい。
後場の日経平均は引き続き堅調に推移しそうだ。ただ、28500円を回復した達成感もあり、今週の米物価指標の発表を前に、29000円に向けては一旦上値が重くなる展開も想定しておきたい。
<AK>
8日の米株式市場でのNYダウは8.69ドル安(-0.02%)と小幅反落。9月雇用統計での雇用者数の伸びが19.4万人増と市場予想(50万人増)を大きく下回ったことで、労働市場の回復鈍化が懸念された。一方、平均賃金の伸びは前月比0.6%増と4月以来の伸びとなり、市場予想も上回った。インフレ加速が懸念されるなか、米10年国債利回りが4カ月ぶりに1.6%台にまで上昇したこともあり、ナスダック総合指数も0.5%安と反落した。
金利高や米株安の流れを受け、週明けの日経平均は71.37円安の27977.57円でスタート。ただ、1ドル112円台まで進んだ円安や、週末の岸田首相の「(金融所得課税引き上げについては)当面触ることは考えていない」とした発言が投資家心理の改善につながり、売りが一巡すると、急速に値戻しが進んだ。プラス転換してからは一気に上げ幅を拡げ、その後も断続的な買い戻しが進み、前場中頃には28500円を回復した。
個別では、安川電機<6506>が想定以上の受注動向など良好な上期決算を発表し、同時に今期2度目となる通期計画の上方修正を発表したが、6-8月期営業利益が市場予想を下回ったほか、通期計画も市場予想並みにとどまったこともあり、売りが優勢となった。マルマエ<6264>も今期大幅増益見通しを示したものの、期待値も高かったようで、朝高の買い先行後は売りに押された。第3四半期の収益水準低下が嫌気されたファーストブラザーズ<3454>は大幅に下落し、ビジョン<9416>、フリービット<3843>などと共に東証1部の値下がり率上位に並んでいる。そのほか、米長期金利の上昇がグロース(成長)株の重しとなり、レーザーテック<6920>やレノバ<9519>が大きく下落。
一方、文部科学省が実施する委託事業を落札したと発表したEduLab<4427>、決算は想定線も1対4の株式分割実施が好感されたSansan<4443>などがそれぞれ急伸し、東証1部値上がり率上位に入った。連結子会社の固定資産の譲渡を発表した明治海運<9115>、前期業績上振れ着地に加え今期も想定以上の増益見通しとしたカーブスHD<
7085>なども値上がり率上位に並んだ。そのほか、TSMC(台湾積体電路製造)との半導体新工場の共同建設が報道されたソニーG<6758>が大幅高。東証1部売買代金上位では、日本郵船<9101>、ソフトバンクG<9984>、三菱UFJ<8306>、キーエンス<6861>、ファーストリテ<9983>、トヨタ<7203>、ベイカレント<6532>、信越化<4063>、リクルートHD<6098>、三菱商事<8058>などが大幅高となっている。
セクターでは空運業、鉱業、輸送用機器などが上昇率上位となっている一方、電気・ガス業、パルプ・紙の2業種のみが下落している。東証1部の値上がり銘柄は全体の76%、対して値下がり銘柄は19%となっている。
週明けの日経平均は値幅を伴った上昇で28500円台まで上昇してきた。前週6日に27293.62円まで急落したが、外部環境の不透明感後退なども追い風に、値ごろ感からの買い戻しが進んだ。しかし、前週末の米雇用統計のさえない結果や、米株安の動きも踏まえると、週明けからこれだけの上昇幅が出たのには別の事情もありそうだ。
やはり、多方面でも話題になっているように、岸田首相の金融所得課税への言及が大きいとみられる。「成長」よりも「分配」に重きを置いた政策、「変化」よりも
「安定」が重視されたような印象の強い岸田新政権への株式市場での評価は厳しく、これまでネガティブに捉えられていた。特にその代表格として金融所得課税の引き上げが注目されており、企業の四半期開示の原則見直しなどとも相まって、投資家からの批判が高まっていた様子。
それが、週末の民放番組での出演で、金融所得課税引き上げについては「当面考えていない」、「成長なくして分配はない。金融所得課税を考える前にやることはいっぱいある」などと発言。これにより、当面の増税懸念が後退したほか、過度な「分配」先行イメージが払拭され、ネガティブな印象を緩和することに寄与したようだ。
そのほか、中国政府が電力不足の緩和に向け、制限していた国内での石炭の増産に動き出したほか、輸入先の多様化や拡大に努めはじめたことも、サプライチェーン
(供給網)の混乱が緩和されるとの見方から、投資家心理の改善につながっているようだ。
これらの動きは、今後の展開次第では、はく落してしまった国政期待の復活や、外部環境の不透明感の緩和につながり、再び株高基調に転換するきっかけにもなり得ると期待したい。
一方で、岸田新政権の政策には依然として具体性が乏しく、経済成長につながるストーリーが明確化されていない印象が残る。今回の金融所得課税引き上げの先送りだけで、大きくはく落してしまった海外投資家からの期待を完全に取り戻せるとは言いにくいだろう。
また、外部環境の不透明感についても、まだ警戒が必要だ。米長期金利が4カ月ぶりに1.6%台へと上昇したほか、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率は約5カ月ぶりに2.5まで上昇してきている。インフレ加速や長期金利の更なる上昇など警戒感は残る。今週は、米国で13日に消費者物価指数(CPI)、14日生産者物価指数(PPI)が発表される。インフレを巡る思惑や長期金利の動向には引き続き注意したい。
後場の日経平均は引き続き堅調に推移しそうだ。ただ、28500円を回復した達成感もあり、今週の米物価指標の発表を前に、29000円に向けては一旦上値が重くなる展開も想定しておきたい。
<AK>
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