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今週の【早わかり株式市況】2週ぶり反落、国内でもリセッション懸念高まる

配信元:株探
投稿:2022/07/02 06:40

■今週の相場ポイント
 1.日経平均株価は2週ぶり下落、週前半と週央以降でガラリと地合いが変わる
 2.週明けは前週末の欧米株高に追随、NYダウの一時800ドル超上昇を好感
 3.週半ば以降はFRBの金融引き締め強化による米景気後退懸念が売りを誘発
 4.半導体関連株などへの売りも嫌気され、日経平均は週末にかけて下げ加速へ
 5.鉱工業生産の予想を上回る下落などで日本国内でもリセッション懸念高まる

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比556円(2.10%)安の2万5935円と、2週ぶり下落となった。

 今週は週前半こそ強気優勢の地合いで、日経平均株価は終値で2万7000円台を回復する場面もあったが、週央を境に大きく値を崩す展開となった。連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め強化に伴う米国景気後退が警戒されたほか、日本国内も鉱工業生産指数の予想以上の低下などを背景にリセッション懸念が意識され、週後半に大崩れとなり2万6000円台を一気に割り込んだ。

 週明け27日(月)は前週末の欧米株高を追い風に上値指向を継続。日経平均は大幅高で3日続伸した。米国株市場ではNYダウが一時800ドルを超える上昇をみせるなどリスク選好の流れが加速したことで、東京市場もこれに追随した。28日(火)も目先筋の利益確定売りをこなし、日経平均は上値追いを続け終値で2万7000円台を回復した。外国為替市場での円安進行が輸出株にプラスに働いたほか、6月権利付き最終売買日ということで権利取り狙いの買いなども株価を押し上げた。しかしリスクオンの流れはここまで、29日(水)から日経平均はガラッと値動きが変わることに。この日は主力株をはじめ広範囲に利益確定売りが広がった。配当権利落ちに伴う下げ圧力も加わり、2万6000円台に押し戻された。なお、売買代金は急増したが、これはTOPIX浮動株比率見直しに絡む取引の関係で大勢トレンドへの影響は軽微だった。30日(木)は下げが加速。米国ではFRBの金融引き締め強化がリセッションを招くのではないかという懸念がくすぶり、半導体主力銘柄が大きく売り込まれ全体相場を押し下げた。この日発表された5月の鉱工業生産指数が市場予想を上回る急低下となったことで日本国内でもリセッション懸念が高まり、日経平均の下げ幅は終値で400円を上回った。そして名実ともに7月相場入りの1日(金)は、前日の欧米株安を受け下値模索の動きが継続。軟調な米株価指数先物を横目に後場に下げ足を強め、日経平均は一時500円を超える下落に。大引けはやや下げ渋ったものの2万6000円台を割り込んだ。

■来週のポイント
 来週は米国で重要経済指標の発表が多い上、8日にはパッシブ型ETFの分配金支払日が控える。資金捻出の売りが出るとみられ、上値の思い展開となりそうだ。日経平均の下値メドは直近安値の2万5500円近辺が意識されている。

 重要イベントとしては、国内では7日に発表される5月景気動向指数、10日に行われる参議院議員選挙の投開票が注目される。海外では6日に発表される米国6月ISM非製造業PMI、7日発表の米国5月貿易収支、8日に発表される米国6月雇用統計、9日に発表される中国6月の消費者物価指数と生産者物価指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(6月27日~7月1日)

【↑】   6月27日(月)―― 3日続伸、欧米株高でリスク選好の買い優勢
 日経平均 26871.27( +379.30)  売買高11億0957万株 売買代金 2兆6990億円

【↑】   6月28日(火)―― 4日続伸、円安や中国株高で2万7000円台を回復
 日経平均 27049.47( +178.20)  売買高12億2685万株 売買代金 2兆8093億円

【↓】   6月29日(水)―― 5日ぶり反落、米景況感悪化で利益確定売りが優勢
 日経平均 26804.60( -244.87)  売買高16億6292万株 売買代金 3兆8714億円

【↓】   6月30日(木)―― 大幅続落、景気減速懸念で半導体関連が売られる
 日経平均 26393.04( -411.56)  売買高13億6402万株 売買代金 3兆2144億円

【↓】   7月 1日(金)―― 3日続落、米景気失速懸念で2万6000円割れ
 日経平均 25935.62( -457.42)  売買高13億4973万株 売買代金 3兆1469億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、20業種が値下がり
 (2)値下がり率トップはブリヂストン <5108> などゴム製品
 (3)ソニーG <6758> など電機、トヨタ <7203> など自動車、HOYA <7741> など精密機器といった輸出株が売られた
 (4)内需株はZHD <4689> など情報通信、リクルート <6098> などサービスが安い一方、
  大和ハウス <1925> など建設、三菱倉 <9301> など倉庫・運輸は高安まちまち
 (5)金融株は日本取引所 <8697> などその他金融、SBI <8473> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行が軟調だがMS&AD <8725> など保険は上昇
 (6)電力逼迫による原発再稼働の思惑から東電HD <9501> など電力株の一角が買われた
 (7)値上がり率トップは出光興産 <5019> など石油

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
  1(3) メタバース
  2(97) 猛暑 ── 東京都心で6月初となる2日連続猛暑日を記録
  3(7) ディフェンシブ
  4(96) 水ビジネス ── 早期梅雨明けで水不足に懸念
  5(4) 半導体
  ※カッコは前週の順位

株探ニュース
配信元: 株探
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