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ピアラのニュース
日経平均は大幅続落。546.96円安の26803.34円(出来高概算5億7000万株)で前場の取引を終えている。
6日の米株式市場でNYダウは続落し、144ドル安となった。3月の連邦公開市場委員会
(FOMC)議事要旨の公表を前に急ピッチの金融引き締めが警戒され、10年物国債利回りが一時2.66%まで上昇するとともにハイテク株中心に売りが出た。FOMC議事要旨では保有資産の削減ペースや年内数回の0.5pt利上げ実施が示唆され、公表直後に一段と売りが広がる場面もあったが、その後おおむね想定内との受け止めから下げ渋った。
ナスダック総合指数は-2.22%と大幅続落。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで317円安からスタートすると、前場中ごろには一時26801.79円(548.51円安)まで下落した。コロナ禍でロックダウン(都市封鎖)を強いられる中国経済の悪化懸念に加え、新たに変異株・亜型が相次ぎ確認されていることもあり、積極的な押し目買いの動きは限られた。
個別では、米ハイテク株安の流れを引き継いでレーザーテック<6920>が5%超、東エレク<8035>が4%超の下落。その他売買代金上位も郵船<9101>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、ソニーG<6758>など全般軟調で、ホンダ<7267>の下落が目立つ。
エアトリ<6191>など旅行関連株の一角は新型コロナウイルス感染再拡大の警戒感から急落。また、ファーマF<2929>などが東証プライム市場の下落率上位に顔を出している。一方、アステラス薬<4503>が4%超上昇し、武田薬<4502>や任天堂<7974>は小じっかり。決算発表のベルシス24<6183>や業績上方修正のビックカメラ<3048>は好感した買いが優勢だ。また、ピアラ<7044>が連日の大幅高で東証プライム市場の上昇率トップとなっている。
セクターでは、鉱業、電気機器、非鉄金属などが下落率上位で、その他も全般軟調。上昇したのは医薬品のみだった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の94%、対して値上がり銘柄は5%となっている。
本日の日経平均は大幅続落し、500円を超える下落で前場を折り返した。朝方下げ幅を広げると26800円台での軟調もみ合いが続き、押し目買いの動きが乏しい印象を与えるだろう。日足チャートでは、前日に27400円近辺に位置する75日移動平均線を割り込むと、本日の大幅続落で26700円台に位置する25日移動平均線近くまで調整。売買代金上位では半導体関連などの値がさグロース(成長)株、業種別騰落率では市況関連セクターを中心に軟調ぶりが目立つ。グロース株、景気敏感株ともに手掛けづらく、逃避資金がディフェンシブ色の強い(景気の影響を受けにくい)医薬品株に向いた格好だろう。前引けの日経平均が-2.00%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)も-2.00%。
ここまでの東証プライム市場の売買代金は1兆3000億円あまりで、ここ2日とおおむね同水準となっている。
新興株ではマザーズ指数が-3.66%と大幅続落。こちらも節目の800ptや同水準に位置する75日移動平均線を割り込んできた。前日の後場には押し目買いが入り下げ渋る動きを見せたが、本日はここまで弱含みの展開となっている。時価総額トップのメルカリ<4385>が-3.96%、売買代金トップのJTOWER<4485>が-8.62%となるなど全般軟調で、物色の矛先が向いている銘柄は限られる印象だ。
さて、3月FOMC議事要旨では量的引き締め(QT)について月950億ドルを上限として資産縮小していくことや、0.5ptの利上げについて年内1回以上の実施が正当化されるとの見方が示された。ただ、金融市場ではQTについて月1000億ドル規模、利上げについても複数会合で0.5ptとなることが見込まれていたうえ、直前にはブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事らからタカ派的な発言が出ていたため、想定内と言えば想定内の内容と言えるだろう。実際、米国債市場では6日、10年物国債利回りが2.60%(+0.06pt)に上昇する一方で、金融政策の影響を受けやすい2年物については2.47%(-0.04pt)に低下。10年金利も一時2.66%まで上昇してからは伸び悩んだ。
もっとも、急ピッチの金融引き締めが想定されているのに変わりはない。また、「QTに上限を設けるべきでない」との意見も出てきており、更なる引き締め加速への懸念も拭いづらいだろう。なにより、急ピッチの金融引き締めをかなり織り込んでいた債券市場と比べ、株式市場では直近、新興グロース株が賑わうなどやや楽観に傾いていた面もある(5日の当欄「米『ミーム株』と日本の新興株」などを参照頂きたい)。
「長短金利の逆転より、スティープニング(傾斜化)しつつも長期金利が切り上がる方が米株にはネガティブでは」といった声が聞かれたが、将来収益に基づき株価形成される新興グロース株の賑わいに水を差すという点では頷ける指摘である。
このタイミングで新型コロナ感染再拡大に警戒せざるを得ない報道が相次いで出ているのも、短期の株価トレンドを悪化させそうだ。前日開催された厚生労働省の専門家会合では新規感染者数の増加に伴い「療養者数も増加傾向に転じている」との分析が示された。一部専門家は「第7波が既に開始している」とも指摘しているという。また、英国で確認された新変異株「オミクロンXE」は強い感染力を持つとされており、ロックダウンを強いられている中国でも新たな亜型が見つかったもようだ。しかし、コロナ禍による経済減速懸念が広がっても、FRBの姿勢を踏まえると金融引き締めの緩和期待は持ちにくいだろう。財需要や供給制約が持続し、インフレ圧力を強めるとの懸念が拭えない。
前引けのTOPIX下落率が2%に達し、後場は日銀による上場投資信託(ETF)買い実施観測が相場の下支えとなるだろう。それでも世界経済の先行き懸念は拭えず、戻りは限定的とみておきたい。なお、本日は小売企業を中心に決算発表が多くあるため、これらの内容も注視しておく必要があるだろう。
(小林大純)
<AK>
6日の米株式市場でNYダウは続落し、144ドル安となった。3月の連邦公開市場委員会
(FOMC)議事要旨の公表を前に急ピッチの金融引き締めが警戒され、10年物国債利回りが一時2.66%まで上昇するとともにハイテク株中心に売りが出た。FOMC議事要旨では保有資産の削減ペースや年内数回の0.5pt利上げ実施が示唆され、公表直後に一段と売りが広がる場面もあったが、その後おおむね想定内との受け止めから下げ渋った。
ナスダック総合指数は-2.22%と大幅続落。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで317円安からスタートすると、前場中ごろには一時26801.79円(548.51円安)まで下落した。コロナ禍でロックダウン(都市封鎖)を強いられる中国経済の悪化懸念に加え、新たに変異株・亜型が相次ぎ確認されていることもあり、積極的な押し目買いの動きは限られた。
個別では、米ハイテク株安の流れを引き継いでレーザーテック<6920>が5%超、東エレク<8035>が4%超の下落。その他売買代金上位も郵船<9101>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、ソニーG<6758>など全般軟調で、ホンダ<7267>の下落が目立つ。
エアトリ<6191>など旅行関連株の一角は新型コロナウイルス感染再拡大の警戒感から急落。また、ファーマF<2929>などが東証プライム市場の下落率上位に顔を出している。一方、アステラス薬<4503>が4%超上昇し、武田薬<4502>や任天堂<7974>は小じっかり。決算発表のベルシス24<6183>や業績上方修正のビックカメラ<3048>は好感した買いが優勢だ。また、ピアラ<7044>が連日の大幅高で東証プライム市場の上昇率トップとなっている。
セクターでは、鉱業、電気機器、非鉄金属などが下落率上位で、その他も全般軟調。上昇したのは医薬品のみだった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の94%、対して値上がり銘柄は5%となっている。
本日の日経平均は大幅続落し、500円を超える下落で前場を折り返した。朝方下げ幅を広げると26800円台での軟調もみ合いが続き、押し目買いの動きが乏しい印象を与えるだろう。日足チャートでは、前日に27400円近辺に位置する75日移動平均線を割り込むと、本日の大幅続落で26700円台に位置する25日移動平均線近くまで調整。売買代金上位では半導体関連などの値がさグロース(成長)株、業種別騰落率では市況関連セクターを中心に軟調ぶりが目立つ。グロース株、景気敏感株ともに手掛けづらく、逃避資金がディフェンシブ色の強い(景気の影響を受けにくい)医薬品株に向いた格好だろう。前引けの日経平均が-2.00%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)も-2.00%。
ここまでの東証プライム市場の売買代金は1兆3000億円あまりで、ここ2日とおおむね同水準となっている。
新興株ではマザーズ指数が-3.66%と大幅続落。こちらも節目の800ptや同水準に位置する75日移動平均線を割り込んできた。前日の後場には押し目買いが入り下げ渋る動きを見せたが、本日はここまで弱含みの展開となっている。時価総額トップのメルカリ<4385>が-3.96%、売買代金トップのJTOWER<4485>が-8.62%となるなど全般軟調で、物色の矛先が向いている銘柄は限られる印象だ。
さて、3月FOMC議事要旨では量的引き締め(QT)について月950億ドルを上限として資産縮小していくことや、0.5ptの利上げについて年内1回以上の実施が正当化されるとの見方が示された。ただ、金融市場ではQTについて月1000億ドル規模、利上げについても複数会合で0.5ptとなることが見込まれていたうえ、直前にはブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事らからタカ派的な発言が出ていたため、想定内と言えば想定内の内容と言えるだろう。実際、米国債市場では6日、10年物国債利回りが2.60%(+0.06pt)に上昇する一方で、金融政策の影響を受けやすい2年物については2.47%(-0.04pt)に低下。10年金利も一時2.66%まで上昇してからは伸び悩んだ。
もっとも、急ピッチの金融引き締めが想定されているのに変わりはない。また、「QTに上限を設けるべきでない」との意見も出てきており、更なる引き締め加速への懸念も拭いづらいだろう。なにより、急ピッチの金融引き締めをかなり織り込んでいた債券市場と比べ、株式市場では直近、新興グロース株が賑わうなどやや楽観に傾いていた面もある(5日の当欄「米『ミーム株』と日本の新興株」などを参照頂きたい)。
「長短金利の逆転より、スティープニング(傾斜化)しつつも長期金利が切り上がる方が米株にはネガティブでは」といった声が聞かれたが、将来収益に基づき株価形成される新興グロース株の賑わいに水を差すという点では頷ける指摘である。
このタイミングで新型コロナ感染再拡大に警戒せざるを得ない報道が相次いで出ているのも、短期の株価トレンドを悪化させそうだ。前日開催された厚生労働省の専門家会合では新規感染者数の増加に伴い「療養者数も増加傾向に転じている」との分析が示された。一部専門家は「第7波が既に開始している」とも指摘しているという。また、英国で確認された新変異株「オミクロンXE」は強い感染力を持つとされており、ロックダウンを強いられている中国でも新たな亜型が見つかったもようだ。しかし、コロナ禍による経済減速懸念が広がっても、FRBの姿勢を踏まえると金融引き締めの緩和期待は持ちにくいだろう。財需要や供給制約が持続し、インフレ圧力を強めるとの懸念が拭えない。
前引けのTOPIX下落率が2%に達し、後場は日銀による上場投資信託(ETF)買い実施観測が相場の下支えとなるだろう。それでも世界経済の先行き懸念は拭えず、戻りは限定的とみておきたい。なお、本日は小売企業を中心に決算発表が多くあるため、これらの内容も注視しておく必要があるだろう。
(小林大純)
<AK>
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