432円
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日経平均は3日続伸。256.13円高の22581.74円(出来高概算7億7000万株)で前場の取引を終えている。
2日の米株式市場でNYダウは267ドル高と続伸し、およそ3カ月ぶりの高値を付けた。
人種問題を巡る抗議デモの激化や米中対立といったリスク要因が上値を抑える場面もあったが、新型コロナウイルスの流行が鎮静化しつつあること、経済活動の再開やワクチン・治療薬の開発が進んでいることで先行きへの期待が相場を押し上げた。リスク選好的な動きから円相場は一時1ドル=108円台後半まで下落し、本日の日経平均はこうした流れを好感して323円高からスタート。朝方には22818.87円(493.26円高)まで上昇する場面があったが、買いが一巡すると利益確定の売りも出て上値の重い展開となった。
個別では、ファーストリテ<9983>が2%近く上昇し、日経平均を約42円押し上げた。
5月の国内「ユニクロ」既存店減収率が縮小し、ポジティブに受け止められた。円安進行や世界的な自動車販売の回復期待を背景に、トヨタ自<7203>など自動車株の堅調ぶりも目立つ。その他売買代金上位では東エレク<8035>、三菱UFJ<8306>や三井住友<
8316>といったメガバンク株がしっかり。中小型株ではブイキューブ<3681>が連日で賑わい、DLE<3686>やWSCOPE<6619>はストップ高水準で前場の取引を終えた。
一方、ソフトバンクG<9984>が利益確定売りに押され5日ぶりに反落し、ソニー<6758>
は小安い。また、今期業績予想を下方修正したanfac<7035>などが東証1部下落率上位に顔を出した。
セクターでは、非鉄金属、輸送用機器、ゴム製品などが上昇率上位。半面、パルプ・紙、食料品、電気・ガス業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の41%、対して値下がり銘柄は55%となっている。
本日の日経平均は朝方に一時500円近く上昇。米株高や円安を受け、海外投資家の買い戻しが強まったとみられる。月次データを開示したファーストリテの日経平均押し上げ効果が大きい印象で、東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多い。とはいえ、ファーストリテだけでなく主力の自動車株や金融株も堅調なのは明るい材料で、前引け時点の上昇率は日経平均の+1.15%に対し、東証株価指数(TOPIX)も+0.60%としっかり。業種別騰落率を見ると、景気敏感株の買い戻しと内需・ディフェンシブ株の利益確定の動きが鮮明となっている。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまりと前日より増え、徐々に売り買いが交錯してきた感がある。
ここまで人気だった中小型株には利益確定の売りが出ており、新興市場ではマザーズ指数が4日ぶり反落。前引け時点では2%近い下落となり、節目の1000ptを下回る一方、990pt手前に位置する5日移動平均線を割り込まずにいる。世界的な株高や円安進行にもかかわらず、日米とも長期金利の上昇は限定的。さらに投資家の「ウィズコロナ」「アフターコロナ」への意識も残り、新興成長株はまだ本格調整には至らないと考えられる。
外部環境の改善による買い戻しが一巡すると日経平均の上値は重くなっているが、このところ後場に海外投資家の取引参加で一段高となるケースが散見される。今晩の米国では5月のADP雇用統計やサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数といった経済指標の発表が予定されているが、投資家の視線は過去のデータでなく先行きに向いている。後場の日経平均は引き続き堅調に推移しそうだ。
さて、前日の当欄では先物手口から海外投資家の動向を探り、一段の株高余地が残ると指摘した。2日の先物手口も見てみると、ゴールドマン・サックス証券(GS)がTOPIX先物を大きく買い越している。「海外投資家の更なる買い戻し」シナリオが早々に顕在化した格好だ。前日も少々触れたが、GSは直近で米国株の下落見通しを修正したという。GS経由の売買フローがリスク回避後退に傾いたのと符合する。欧米の大手証券ではマクロ経済指標の悪化などを理由に、株式が二番底を付けに行くとの見通しを示していたところが多い。今後も証券各社がこうした見通しの修正を迫られ、それとともに買い戻しが加速する場面が出てくるだろう。一部のモメンタム系を除く大半の投資家がなおネットショート(売り越し)の状態との情報もある。
ではここまでの株高の要因は何だったのか、との質問も受けるが、3月の急落局面での新規投資家の参戦、株価急落によるリバランス(資産配分の再調整)目的の買い、また日本に関しては日銀による上場投資信託(ETF)買い入れや公的年金の買い出動などが大きかったのだろう。売りにベットしてここまで苦戦を強いられた海外ヘッジファンド等の買い戻しはなお続く可能性がある。
(小林大純)
<AK>
2日の米株式市場でNYダウは267ドル高と続伸し、およそ3カ月ぶりの高値を付けた。
人種問題を巡る抗議デモの激化や米中対立といったリスク要因が上値を抑える場面もあったが、新型コロナウイルスの流行が鎮静化しつつあること、経済活動の再開やワクチン・治療薬の開発が進んでいることで先行きへの期待が相場を押し上げた。リスク選好的な動きから円相場は一時1ドル=108円台後半まで下落し、本日の日経平均はこうした流れを好感して323円高からスタート。朝方には22818.87円(493.26円高)まで上昇する場面があったが、買いが一巡すると利益確定の売りも出て上値の重い展開となった。
個別では、ファーストリテ<9983>が2%近く上昇し、日経平均を約42円押し上げた。
5月の国内「ユニクロ」既存店減収率が縮小し、ポジティブに受け止められた。円安進行や世界的な自動車販売の回復期待を背景に、トヨタ自<7203>など自動車株の堅調ぶりも目立つ。その他売買代金上位では東エレク<8035>、三菱UFJ<8306>や三井住友<
8316>といったメガバンク株がしっかり。中小型株ではブイキューブ<3681>が連日で賑わい、DLE<3686>やWSCOPE<6619>はストップ高水準で前場の取引を終えた。
一方、ソフトバンクG<9984>が利益確定売りに押され5日ぶりに反落し、ソニー<6758>
は小安い。また、今期業績予想を下方修正したanfac<7035>などが東証1部下落率上位に顔を出した。
セクターでは、非鉄金属、輸送用機器、ゴム製品などが上昇率上位。半面、パルプ・紙、食料品、電気・ガス業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の41%、対して値下がり銘柄は55%となっている。
本日の日経平均は朝方に一時500円近く上昇。米株高や円安を受け、海外投資家の買い戻しが強まったとみられる。月次データを開示したファーストリテの日経平均押し上げ効果が大きい印象で、東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多い。とはいえ、ファーストリテだけでなく主力の自動車株や金融株も堅調なのは明るい材料で、前引け時点の上昇率は日経平均の+1.15%に対し、東証株価指数(TOPIX)も+0.60%としっかり。業種別騰落率を見ると、景気敏感株の買い戻しと内需・ディフェンシブ株の利益確定の動きが鮮明となっている。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまりと前日より増え、徐々に売り買いが交錯してきた感がある。
ここまで人気だった中小型株には利益確定の売りが出ており、新興市場ではマザーズ指数が4日ぶり反落。前引け時点では2%近い下落となり、節目の1000ptを下回る一方、990pt手前に位置する5日移動平均線を割り込まずにいる。世界的な株高や円安進行にもかかわらず、日米とも長期金利の上昇は限定的。さらに投資家の「ウィズコロナ」「アフターコロナ」への意識も残り、新興成長株はまだ本格調整には至らないと考えられる。
外部環境の改善による買い戻しが一巡すると日経平均の上値は重くなっているが、このところ後場に海外投資家の取引参加で一段高となるケースが散見される。今晩の米国では5月のADP雇用統計やサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数といった経済指標の発表が予定されているが、投資家の視線は過去のデータでなく先行きに向いている。後場の日経平均は引き続き堅調に推移しそうだ。
さて、前日の当欄では先物手口から海外投資家の動向を探り、一段の株高余地が残ると指摘した。2日の先物手口も見てみると、ゴールドマン・サックス証券(GS)がTOPIX先物を大きく買い越している。「海外投資家の更なる買い戻し」シナリオが早々に顕在化した格好だ。前日も少々触れたが、GSは直近で米国株の下落見通しを修正したという。GS経由の売買フローがリスク回避後退に傾いたのと符合する。欧米の大手証券ではマクロ経済指標の悪化などを理由に、株式が二番底を付けに行くとの見通しを示していたところが多い。今後も証券各社がこうした見通しの修正を迫られ、それとともに買い戻しが加速する場面が出てくるだろう。一部のモメンタム系を除く大半の投資家がなおネットショート(売り越し)の状態との情報もある。
ではここまでの株高の要因は何だったのか、との質問も受けるが、3月の急落局面での新規投資家の参戦、株価急落によるリバランス(資産配分の再調整)目的の買い、また日本に関しては日銀による上場投資信託(ETF)買い入れや公的年金の買い出動などが大きかったのだろう。売りにベットしてここまで苦戦を強いられた海外ヘッジファンド等の買い戻しはなお続く可能性がある。
(小林大純)
<AK>
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