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*12:09JST 日経平均は4日続伸、今晩の米CPIとFOMC議事要旨を前に整理
日経平均は4日続伸。173.37円高の28096.74円(出来高概算4億7686万株)で前場の取引を終えている。
11日の米株式市場でダウ平均は98.27ドル高(+0.29%)と4日続伸。ディフェンシブや景気循環株の買いに支えられて上昇して始まった。その後、イエレン財務長官が信用縮小の兆候が見られないと金融混乱の悪化回避を示唆、米国経済が並外れて強いとの見解を示したためダウ平均は堅調に推移。一方、重要インフレ指標の発表を控えた警戒感やNY連銀のウィリアムズ総裁の追加利上げへの言及を受けて金利が上昇したため、ハイテクは終日軟調に推移、ナスダック総合指数は-0.43%と続落した。ダウ平均の上昇や為替の円安を追い風に日経平均は62.56円高からスタート。景気後退懸念の緩和を背景にバリュー(割安)株など景気循環株を中心に買いが入る中、すぐに28000円を回復すると、その後も堅調に推移し、前引けにかけては騰勢を強める展開となった。
個別では、著名投資家ウォーレン・バフェット氏の追加投資に関する報道が手掛かりとなり、丸紅<8002>、住友商事<8053>、三井物産<8031>など商社株が大幅続伸。景気後退懸念の緩和を背景に郵船<9101>、商船三井<9104>の海運、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼、コマツ<6301>、クボタ<6326>の建機なども高い。建機では決算が好感された竹内製作所<6432>が急伸。
コシダカHD<2157>も好決算を手掛かりに急伸し、わらべや日洋HD<2918>は堅調決算や配当方針の変更が材料視された。ほか、業績予想を上方修正したセラク<6199>、大阪での統合型リゾート施設(IR)開設に向けた報道を手掛かりにオーイズミ<6428>、日本金銭機械<6418>などが大幅高となっている。
一方、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、ルネサス<6723>の半導体、村田製<
6981>、新光電工<6967>などのハイテクが軟調。シンプレクスHD<4373>、SREHD<2980>、鎌倉新書<6184>、Appier Group<4180>などグロース(成長)株が全般下落。ローツェ<6323>は今期2ケタ営業減益見通しが失望されて急落。業績予想を下方修正したインターアクション<7725>も大幅安。ほか、イズミ<8273>、イオンFS<8570>が決算を嫌気される形で下落した。
セクターでは卸売、鉱業、鉄鋼が上昇率上位に並んだ一方、空運、精密機器、不動産の3業種が下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の76%、対して値下がり銘柄は21%となっている。
本日の東京市場では主要株価指数はまちまち。一方、日経平均は4日続伸で再び28000円に乗せるなど堅調な展開。ただ、今晩に発表を控える米3月消費者物価指数(CPI)、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3/21-22日開催分)を皮切りに、13日の米3月卸売物価指数(PPI)、14日の米3月小売売上高、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数、米銀大手決算など、重要イベントを前に大勢は様子見ムードが広がっている。
米3月CPIは総合では前年比+5.1%へと2月(+6.0%)から大きく鈍化し、前月比でも+0.2%と2月(+0.4%)からはモメンタムが弱まる見通し。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が重要視している食品・エネルギーを除くコア指数では前年比+5.6%
と2月(+5.5%)からやや加速する見通し。前月比では+0.4%と2月(+0.5%)に続き強いモメンタムが維持される見込みだ。
FEDウォッチによると、堅調な米雇用統計などを受けて、次回5月3日のFOMCでの0.25ポイントの利上げ確率は7割近くにまで上昇している。一方、金利先物市場は7月、9月会合からの利下げ転換を織り込んでおり、この点は依然としてまだFRBの姿勢との比較では前のめり過ぎる印象があり、コアCPIの上振れ度合いではやや波乱の余地がありそうだ。
また、今月2日には、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」が予想外の減産を発表したことで、原油市況が急伸した。中国経済の再開や米国でのドライブシーズン突入前を背景とした需要増への思惑がくすぶる中、その後も原油先物価格は高止まりしている。このため、今晩の総合CPIが前年比で鈍化しても、この点はすでに過去のものとして捉えられ、好感される可能性は低い。総合の鈍化は織り込み済み、コアの上振れはサプライズ余地あり、というのがCPI発表前の考え方の整理としては妥当だろうか。
他方、米商品先物取引委員会(CFTC)によると、E-mini S&P500株価指数先物を対象とした4月4日時点での投機筋の持ち高状況をみると、32万1459枚の売り越しとなっており、これはコロナショック後の水準も超える売り越し幅で、過去10年でみても最大の売り越し幅だ。このため、投機筋は株価指数を使ってヘッジポジションをすでに構築済みのため、CPIがネガティブな結果となった場合でも、株価の下落はマイルドなもので済む可能性もあろう。
もう一つ、今晩の米国市場で公表されるFOMC議事要旨についてだが、前回FOMCはハト派ともタカ派ともどちらにも捉えられる内容だったため、今回の議事要旨で追加のヒントを得ようと考える向きは多いだろう。FRBは銀行経営不安には規制政策で対応、インフレには金融政策で対応という形で、割り切り姿勢がわりと明確な印象もあるため、利下げ転換ハードルがやはり高いとの見方が強まれば、株価にはマイナスに作用すると考えられる。今晩の米国市場の動きは非常に読みにくく、週末の米銀決算など後に控える重要イベントも踏まえれば、今は様子見に徹しておいた方がよさそうだ。
(仲村幸浩)
<AK>
11日の米株式市場でダウ平均は98.27ドル高(+0.29%)と4日続伸。ディフェンシブや景気循環株の買いに支えられて上昇して始まった。その後、イエレン財務長官が信用縮小の兆候が見られないと金融混乱の悪化回避を示唆、米国経済が並外れて強いとの見解を示したためダウ平均は堅調に推移。一方、重要インフレ指標の発表を控えた警戒感やNY連銀のウィリアムズ総裁の追加利上げへの言及を受けて金利が上昇したため、ハイテクは終日軟調に推移、ナスダック総合指数は-0.43%と続落した。ダウ平均の上昇や為替の円安を追い風に日経平均は62.56円高からスタート。景気後退懸念の緩和を背景にバリュー(割安)株など景気循環株を中心に買いが入る中、すぐに28000円を回復すると、その後も堅調に推移し、前引けにかけては騰勢を強める展開となった。
個別では、著名投資家ウォーレン・バフェット氏の追加投資に関する報道が手掛かりとなり、丸紅<8002>、住友商事<8053>、三井物産<8031>など商社株が大幅続伸。景気後退懸念の緩和を背景に郵船<9101>、商船三井<9104>の海運、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼、コマツ<6301>、クボタ<6326>の建機なども高い。建機では決算が好感された竹内製作所<6432>が急伸。
コシダカHD<2157>も好決算を手掛かりに急伸し、わらべや日洋HD<2918>は堅調決算や配当方針の変更が材料視された。ほか、業績予想を上方修正したセラク<6199>、大阪での統合型リゾート施設(IR)開設に向けた報道を手掛かりにオーイズミ<6428>、日本金銭機械<6418>などが大幅高となっている。
一方、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、ルネサス<6723>の半導体、村田製<
6981>、新光電工<6967>などのハイテクが軟調。シンプレクスHD<4373>、SREHD<2980>、鎌倉新書<6184>、Appier Group<4180>などグロース(成長)株が全般下落。ローツェ<6323>は今期2ケタ営業減益見通しが失望されて急落。業績予想を下方修正したインターアクション<7725>も大幅安。ほか、イズミ<8273>、イオンFS<8570>が決算を嫌気される形で下落した。
セクターでは卸売、鉱業、鉄鋼が上昇率上位に並んだ一方、空運、精密機器、不動産の3業種が下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の76%、対して値下がり銘柄は21%となっている。
本日の東京市場では主要株価指数はまちまち。一方、日経平均は4日続伸で再び28000円に乗せるなど堅調な展開。ただ、今晩に発表を控える米3月消費者物価指数(CPI)、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3/21-22日開催分)を皮切りに、13日の米3月卸売物価指数(PPI)、14日の米3月小売売上高、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数、米銀大手決算など、重要イベントを前に大勢は様子見ムードが広がっている。
米3月CPIは総合では前年比+5.1%へと2月(+6.0%)から大きく鈍化し、前月比でも+0.2%と2月(+0.4%)からはモメンタムが弱まる見通し。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が重要視している食品・エネルギーを除くコア指数では前年比+5.6%
と2月(+5.5%)からやや加速する見通し。前月比では+0.4%と2月(+0.5%)に続き強いモメンタムが維持される見込みだ。
FEDウォッチによると、堅調な米雇用統計などを受けて、次回5月3日のFOMCでの0.25ポイントの利上げ確率は7割近くにまで上昇している。一方、金利先物市場は7月、9月会合からの利下げ転換を織り込んでおり、この点は依然としてまだFRBの姿勢との比較では前のめり過ぎる印象があり、コアCPIの上振れ度合いではやや波乱の余地がありそうだ。
また、今月2日には、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」が予想外の減産を発表したことで、原油市況が急伸した。中国経済の再開や米国でのドライブシーズン突入前を背景とした需要増への思惑がくすぶる中、その後も原油先物価格は高止まりしている。このため、今晩の総合CPIが前年比で鈍化しても、この点はすでに過去のものとして捉えられ、好感される可能性は低い。総合の鈍化は織り込み済み、コアの上振れはサプライズ余地あり、というのがCPI発表前の考え方の整理としては妥当だろうか。
他方、米商品先物取引委員会(CFTC)によると、E-mini S&P500株価指数先物を対象とした4月4日時点での投機筋の持ち高状況をみると、32万1459枚の売り越しとなっており、これはコロナショック後の水準も超える売り越し幅で、過去10年でみても最大の売り越し幅だ。このため、投機筋は株価指数を使ってヘッジポジションをすでに構築済みのため、CPIがネガティブな結果となった場合でも、株価の下落はマイルドなもので済む可能性もあろう。
もう一つ、今晩の米国市場で公表されるFOMC議事要旨についてだが、前回FOMCはハト派ともタカ派ともどちらにも捉えられる内容だったため、今回の議事要旨で追加のヒントを得ようと考える向きは多いだろう。FRBは銀行経営不安には規制政策で対応、インフレには金融政策で対応という形で、割り切り姿勢がわりと明確な印象もあるため、利下げ転換ハードルがやはり高いとの見方が強まれば、株価にはマイナスに作用すると考えられる。今晩の米国市場の動きは非常に読みにくく、週末の米銀決算など後に控える重要イベントも踏まえれば、今は様子見に徹しておいた方がよさそうだ。
(仲村幸浩)
<AK>
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