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クボタのニュース
*12:15JST 日経平均は3日続落、相場の方向性を決める今日明日が重要
日経平均は3日続落。405.51円安の32933.19円(出来高概算7億4521万株)で前場の取引を終えている。
5日の米株式市場でダウ平均は129.83ドル安(-0.37%)と4日ぶり反落、ナスダック総合指数は-0.18%と3日ぶり小反落。中国経済指標の悪化や中国政府による半導体材料の輸出規制など米中関係の悪化が懸念された。また、6月分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で政策当局者のタカ派姿勢が確認され、金利先高観がくすぶるなか終日軟調に推移した。米株安を引き継いで日経平均は280.3円安からスタートすると一時32857.94円(480.76円安)まで下げ幅を拡大。週末および週明けにかけて予定されている上場投資信託(ETF)分配金捻出に伴う換金売りが意識されたもよう。一方、押し目買い意欲が根強く、その後、日経平均は33000円を挟んだ一進一退となった。
個別では、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落を受けてアドバンテスト
<6857>、東エレク<8035>、ルネサス<6723>、ディスコ<6146>の半導体株が大きく下落、ソシオネクスト<6526>は主要株主による売出決定を受けてストップ安売り気配となっている。ファーストリテ<9983>、信越化<4063>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>の主力のグロース(成長)株や、新光電工<6967>、イビデン<4062>、TDK<6762>、三井ハイテック<6966>などのハイテク株が大幅安。日本製鉄<5401>、DOWA<5714>、クボタ<6326>などの景気敏感株、三菱商事<8058>、丸紅<8002>の商社なども軟調。東証プライム下落率上位にはANYCOLOR<5032>、MSOL<7033>、メドレー<4480>などグロース株が多く入った。
一方、配当性向の引き上げに関する報道を手掛かりに神戸鋼<5406>が逆行高。東京電力HD<9501>、楽天グループ<4755>、スズキ<7269>が高い。ソシオネクスト株の売出を決めた富士通<6702>、パナHD<6752>は堅調。決算が見直しにつながったエスプール<
2471>はストップ高まで買われ、高水準の自社株買いを発表したレオパレス21<8848>、外資証券がレーティングを引き上げた日清オイリオ<2602>なども大幅高となっている。
セクターで機械、その他金融、鉄鋼が下落率上位に並んだ一方、鉱業、空運、輸送機機器の3業種のみが上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の71%、対して値上がり銘柄は26%となっている。
本日の日経平均は一時33000円を割り込み、25日移動平均線水準での攻防となっている。ただ、引き続き同線がサポートラインとして意識される底堅さが見られている。
また、今週に入って欧米の長期金利が上昇するなか、ハイテク・グロース(成長)株からバリュー(割安)株への物色シフトが起きていることもあり、東証株価指数(TOPIX)は依然として25日線より上方でしっかりとした動きを保っている。本日、仮に日経平均が終値で多少25日線を下回ったとしても、TOPIXが同線上を維持できれば、本格的な調整には至らないかもしれない。
一方、欧米での長期金利の上昇圧力が気がかりだ。米10年債利回りは5日、3.94%と4カ月ぶりの水準にまで上昇し、再び4%を窺う動きとなっている。欧州は英国を筆頭に根強いインフレ圧力の抑制を目的に中央銀行が利上げ長期化を強いられるとの観測が高まっている。他方、米国では前日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が材料視された。議事要旨では、ほぼ全ての会合参加者が2023年の追加利上げを予想していたことが判明。利上げ支持派は「労働市場は非常に逼迫して経済の勢いは予想を上回っており、インフレが目標の2%に戻る軌道に乗っているという証拠はほとんどない」と指摘した。
FOMC議事要旨は総じてタカ派だったという印象を受けた。6月FOMC以降、パウエル議長が度々年内2回の追加利上げを示唆する発言をしていたが、これまで市場はポーズに過ぎないとして額面通りには捉えていなかった。しかし、徐々に本当に追加利上げ2回の可能性が高まってきていると見受けられ、米長期金利の一段の上昇には注意が必要だ。
こうした中、今晩は米供給管理協会(ISM)の6月サービス業景況指数、米5月雇用動態調査(JOLTS)の求人件数、米6月ADP雇用リポート、そして明日は米6月雇用統計と重要指標が相次いで発表される。引き続き堅調な労働市場が示唆されれば、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が維持される可能性があろう。
ただ、日米ともに株価指数を対象とした(日本はTOPIX、米国はS&P500指数)株式益利回りから米10年債利回りを差し引いたイールドスプレッドは過去10年における最も割高な水準に位置している。堅調な経済指標が一段の米長期金利の上昇につながれば、株価バリュエーションの割高感はさらに強まり、長期的には株高を正当化することがさらに難しくなりそうだ。
また、堅調な経済指標を受けて追加利上げ観測が高まれば、必要以上の追加利上げが経済をハードランディング(株価や為替、金利の急変を伴った経済の失速)へと陥れてしまうリスクが意識される可能性もある。一方、指標結果が予想より弱すぎれば、素直に景気後退入りが懸念される形で株式の下落につながる可能性もあろう。
今の株式市場は日米ともに基調が強く、個人投資家のセンチメントを表す指標も強気に大きく傾いている。上昇相場に乗り遅れまいとする投資家心理が維持され、強気相場が続く限り、経済指標の結果は都合よく解釈される可能性があるが、今回は強すぎず、弱すぎずといった絶妙な水準に落ち着く必要性があり、ハードルは低くないと考える。
また、上昇相場をけん引してきた半導体株の中でも象徴的だったソシオネクスト<6526>が大規模な売り出しの発表を契機に本日ストップ安売り気配のままになっていることは気がかりだ。同社株は6月22日にストップ安まで売られ基調の転換が示唆されていたが、その後はまだ底堅さを維持していた。しかし、今回の一件がダメ押しの一撃となる可能性が高い。また、半導体業界を巡っては、中国が半導体素材のガリウムとゲルマニウムの輸出規制を課すなど、米中摩擦に伴うコスト増の影響も懸念される。上昇相場のけん引役だった半導体株が一服となることは全体相場の調整にもつながり得る可能性があり、注意したい。
(仲村幸浩)
<AK>
5日の米株式市場でダウ平均は129.83ドル安(-0.37%)と4日ぶり反落、ナスダック総合指数は-0.18%と3日ぶり小反落。中国経済指標の悪化や中国政府による半導体材料の輸出規制など米中関係の悪化が懸念された。また、6月分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で政策当局者のタカ派姿勢が確認され、金利先高観がくすぶるなか終日軟調に推移した。米株安を引き継いで日経平均は280.3円安からスタートすると一時32857.94円(480.76円安)まで下げ幅を拡大。週末および週明けにかけて予定されている上場投資信託(ETF)分配金捻出に伴う換金売りが意識されたもよう。一方、押し目買い意欲が根強く、その後、日経平均は33000円を挟んだ一進一退となった。
個別では、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落を受けてアドバンテスト
<6857>、東エレク<8035>、ルネサス<6723>、ディスコ<6146>の半導体株が大きく下落、ソシオネクスト<6526>は主要株主による売出決定を受けてストップ安売り気配となっている。ファーストリテ<9983>、信越化<4063>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>の主力のグロース(成長)株や、新光電工<6967>、イビデン<4062>、TDK<6762>、三井ハイテック<6966>などのハイテク株が大幅安。日本製鉄<5401>、DOWA<5714>、クボタ<6326>などの景気敏感株、三菱商事<8058>、丸紅<8002>の商社なども軟調。東証プライム下落率上位にはANYCOLOR<5032>、MSOL<7033>、メドレー<4480>などグロース株が多く入った。
一方、配当性向の引き上げに関する報道を手掛かりに神戸鋼<5406>が逆行高。東京電力HD<9501>、楽天グループ<4755>、スズキ<7269>が高い。ソシオネクスト株の売出を決めた富士通<6702>、パナHD<6752>は堅調。決算が見直しにつながったエスプール<
2471>はストップ高まで買われ、高水準の自社株買いを発表したレオパレス21<8848>、外資証券がレーティングを引き上げた日清オイリオ<2602>なども大幅高となっている。
セクターで機械、その他金融、鉄鋼が下落率上位に並んだ一方、鉱業、空運、輸送機機器の3業種のみが上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の71%、対して値上がり銘柄は26%となっている。
本日の日経平均は一時33000円を割り込み、25日移動平均線水準での攻防となっている。ただ、引き続き同線がサポートラインとして意識される底堅さが見られている。
また、今週に入って欧米の長期金利が上昇するなか、ハイテク・グロース(成長)株からバリュー(割安)株への物色シフトが起きていることもあり、東証株価指数(TOPIX)は依然として25日線より上方でしっかりとした動きを保っている。本日、仮に日経平均が終値で多少25日線を下回ったとしても、TOPIXが同線上を維持できれば、本格的な調整には至らないかもしれない。
一方、欧米での長期金利の上昇圧力が気がかりだ。米10年債利回りは5日、3.94%と4カ月ぶりの水準にまで上昇し、再び4%を窺う動きとなっている。欧州は英国を筆頭に根強いインフレ圧力の抑制を目的に中央銀行が利上げ長期化を強いられるとの観測が高まっている。他方、米国では前日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が材料視された。議事要旨では、ほぼ全ての会合参加者が2023年の追加利上げを予想していたことが判明。利上げ支持派は「労働市場は非常に逼迫して経済の勢いは予想を上回っており、インフレが目標の2%に戻る軌道に乗っているという証拠はほとんどない」と指摘した。
FOMC議事要旨は総じてタカ派だったという印象を受けた。6月FOMC以降、パウエル議長が度々年内2回の追加利上げを示唆する発言をしていたが、これまで市場はポーズに過ぎないとして額面通りには捉えていなかった。しかし、徐々に本当に追加利上げ2回の可能性が高まってきていると見受けられ、米長期金利の一段の上昇には注意が必要だ。
こうした中、今晩は米供給管理協会(ISM)の6月サービス業景況指数、米5月雇用動態調査(JOLTS)の求人件数、米6月ADP雇用リポート、そして明日は米6月雇用統計と重要指標が相次いで発表される。引き続き堅調な労働市場が示唆されれば、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が維持される可能性があろう。
ただ、日米ともに株価指数を対象とした(日本はTOPIX、米国はS&P500指数)株式益利回りから米10年債利回りを差し引いたイールドスプレッドは過去10年における最も割高な水準に位置している。堅調な経済指標が一段の米長期金利の上昇につながれば、株価バリュエーションの割高感はさらに強まり、長期的には株高を正当化することがさらに難しくなりそうだ。
また、堅調な経済指標を受けて追加利上げ観測が高まれば、必要以上の追加利上げが経済をハードランディング(株価や為替、金利の急変を伴った経済の失速)へと陥れてしまうリスクが意識される可能性もある。一方、指標結果が予想より弱すぎれば、素直に景気後退入りが懸念される形で株式の下落につながる可能性もあろう。
今の株式市場は日米ともに基調が強く、個人投資家のセンチメントを表す指標も強気に大きく傾いている。上昇相場に乗り遅れまいとする投資家心理が維持され、強気相場が続く限り、経済指標の結果は都合よく解釈される可能性があるが、今回は強すぎず、弱すぎずといった絶妙な水準に落ち着く必要性があり、ハードルは低くないと考える。
また、上昇相場をけん引してきた半導体株の中でも象徴的だったソシオネクスト<6526>が大規模な売り出しの発表を契機に本日ストップ安売り気配のままになっていることは気がかりだ。同社株は6月22日にストップ安まで売られ基調の転換が示唆されていたが、その後はまだ底堅さを維持していた。しかし、今回の一件がダメ押しの一撃となる可能性が高い。また、半導体業界を巡っては、中国が半導体素材のガリウムとゲルマニウムの輸出規制を課すなど、米中摩擦に伴うコスト増の影響も懸念される。上昇相場のけん引役だった半導体株が一服となることは全体相場の調整にもつながり得る可能性があり、注意したい。
(仲村幸浩)
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