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住友金属鉱山のニュース
*12:19JST 日経平均は反落、高まる景気楽観論、危うさはらむ
日経平均は反落。94.97円安の32605.97円(出来高概算6億6233万株)で前場の取引を終えている。
24日の米株式市場でダウ平均は183.55ドル高(+0.52%)と11日続伸、ナスダック総合指数は+0.18%と3日ぶり反発。予想を上回る改善を見せた7月製造業の購買担当者景気指数(PMI)やエネルギーのシェブロンの好決算を背景に景気敏感株が相場をけん引した。一方、金利の上昇などを背景にハイテクの上値は重かった。前日に大幅高となっていた日経平均は反動も意識され4.45円高と小幅高でスタート。すぐに下落に転じると朝方に140円近くまで下げ幅を広げる場面があった。ただ、景気敏感株を中心とした買いが相場を支えたほか、今週に控える多くのイベントを前に持ち高を傾ける動きも限られ、その後は軟調ながらも下値は限定的な展開となった。
個別では、アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>の半導体のほか、キーエンス<6861>、ニデック<6594>、ファーストリテ<9983>、任天堂<7974>、芝浦メカトロニクス<6590>などのハイテク・グロース(成長)株が下落。東証プライムの下落率上位にはメドレー<4480>、ラクスル<4384>、Sansan<4443>など中小型グロース株が入った。インソース<6200>は業績上方修正も出尽くし感から大幅安となった。
一方、前期業績を上方修正したレーザーテック<6920>は買い先行後に伸び悩んだが上昇で終えている。半導体ではソシオネクスト<6526>も大幅高。業績上方修正が評価された三菱自動車<7211>が大きく上昇し、日産自<7201>、マツダ<7261>、SUBARU<7270>など自動車が高い。川崎汽船<9107>、郵船<9101>の海運、三菱UFJ<8306>、りそなHD<
8308>の銀行など景気敏感株が全般堅調。原油市況の上昇や中国の景気対策への期待からINPEX<1605>、ENEOS<5020>、住友鉱<5713>、大阪チタ<5726>などの鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属などの上昇も目立つ。ほか、日ペHD<4612>、安川電機<6506>、ダイキン<6367>など中国売上比率の高い銘柄も堅調。今期ガイダンスが好感されたGenkyDrugStores<9267>、株主優待を拡充したコジマ<7513>などは急伸している。
セクターで保険、その他製品、空運が下落率上位に並んでいる一方、鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属が上昇率上位に並んでいる。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の40%、対して値上がり銘柄は56%となっている。
米ダウ平均が11日続伸と6年5カ月ぶりの連騰記録を見せた一方、前日に日本銀行の政策修正観測の後退を背景とした為替の円安を追い風に大幅上昇した日経平均は反動安が優勢の展開となっている。今晩から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や週末にかけて控える日銀金融政策決定会合、そして徐々に本格化していく企業決算を前に積極的な売買を手掛けにくい様子。前日も東証プライム市場の売買代金は3兆円割れと、値幅の割に商いは活発とはいえなかった。
本日は前日に続き景気敏感株が相場の主役となっている。前日は為替の円安を背景に自動車関連が大きく上昇したが、本日も三菱自動車工業<7211>の決算などを材料に自動車関連は全般強い動きとなっている。また、業績上方修正を受けて前日ストップ高となった東京製鐵<5423>は本日も小幅ながら続伸、JFEホールディングス<5411>、神戸製鋼所<5406>なども続伸するなど鉄鋼も堅調な展開が続いている。
鉄鋼以外にも原油市況の上昇を受けて鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属などの景気敏感セクターが軒並み高い上昇率となっている。中国政府が不動産セクターの緩和策や地方政府の債務削減策を講じる方針と伝わったことが追い風になっているようだ。
また、前日に発表された米7月製造業の購買担当者景気指数(PMI)が49.0と、6月(46.3)から低下すると想定していた市場予想(46.2)に反して大幅に改善したことや、米エネルギー会社のシェブロンの好決算などを背景に米ダウ平均が連騰劇を見せたことも景気敏感株の支援材料になっているもよう。
一方、対象的に半導体を中心としたハイテク株はこれまでの好調さから転じて一服感がより鮮明になっている。前期業績の上方修正を発表したレーザーテック<6920>も伸び悩むなど株価反応は冴えない。蘭ASMLホールディングや台湾積体電路製造(TSMC)の決算を見る限り、ハイテク株が再び相場のけん引役になっていくのはハードルが高まっている印象を抱く。
代わりに景気敏感株が相場のけん引役であり続けることができればよいだろうが、これに関してはあまり楽観視できないだろう。まず、上述した米製造業PMIは改善したとはいえ、依然として景況感の拡大・縮小の境界値である50を割り込んだままだ。また、一方で製造業の低調さを相殺してきた米サービス業の7月PMIは50を上回ったままではあったが、52.4と6月(54.4)から大きく低下し、市場予想(54.0)も下回った。
さらに、欧州に目を向けるとより悲惨だ。7月ユーロ圏総合PMIは48.9と6月(49.9)
からさらに悪化し、昨年11月以降で最低を記録。特に製造業が深刻で、製造業PMIは42.7と6月(43.4)から低下し、改善するとの市場予想(43.6)に反して悪化した。サービス業PMIも51.7と50は上回ったが、市場予想(52.0)を下回った。
中国の景気対策についてもこれまでと同様、市場が期待するような大規模なものが打ち出されたわけではない。総じて世界景気に対する株式市場の見方はかなり楽観的と言わざるを得ない。
日本時間27日の午前3時にはFOMCの結果公表が予定されており、その後にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見が控えている。可能性としては高くないだろうが、さらなる追加利上げに積極的な姿勢が示された場合には、今会合での利上げサイクル終了を見込んでいる市場の期待に反することになる。この場合、世界景気のソフトランディング(軟着陸)を期待している株式市場の見方とは乖離があり、やはり現在の市場のシナリオは楽観的で危うさをはらんでいると言わざるを得ない。
自動車株をはじめ日本株の追い風になっている為替の円安についても楽観視は危険だ。たしかに、観測報道の通り、今週の日銀金融政策決定会合において現行の政策が維持された場合には、一時的にさらに円安が進む可能性はある。しかし、思惑は根強く、結局、政策修正観測は次会合以降に引き継がれるだけとも言える。また、欧米の景気指標に減速感がみられるなか、いつまでも日銀の緩和策の維持だけで円安基調を語れるわけでもないだろう。足元の景気敏感株を中心とした株式市場の上昇には冷静に対応したい。
(仲村幸浩)
<AK>
24日の米株式市場でダウ平均は183.55ドル高(+0.52%)と11日続伸、ナスダック総合指数は+0.18%と3日ぶり反発。予想を上回る改善を見せた7月製造業の購買担当者景気指数(PMI)やエネルギーのシェブロンの好決算を背景に景気敏感株が相場をけん引した。一方、金利の上昇などを背景にハイテクの上値は重かった。前日に大幅高となっていた日経平均は反動も意識され4.45円高と小幅高でスタート。すぐに下落に転じると朝方に140円近くまで下げ幅を広げる場面があった。ただ、景気敏感株を中心とした買いが相場を支えたほか、今週に控える多くのイベントを前に持ち高を傾ける動きも限られ、その後は軟調ながらも下値は限定的な展開となった。
個別では、アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>の半導体のほか、キーエンス<6861>、ニデック<6594>、ファーストリテ<9983>、任天堂<7974>、芝浦メカトロニクス<6590>などのハイテク・グロース(成長)株が下落。東証プライムの下落率上位にはメドレー<4480>、ラクスル<4384>、Sansan<4443>など中小型グロース株が入った。インソース<6200>は業績上方修正も出尽くし感から大幅安となった。
一方、前期業績を上方修正したレーザーテック<6920>は買い先行後に伸び悩んだが上昇で終えている。半導体ではソシオネクスト<6526>も大幅高。業績上方修正が評価された三菱自動車<7211>が大きく上昇し、日産自<7201>、マツダ<7261>、SUBARU<7270>など自動車が高い。川崎汽船<9107>、郵船<9101>の海運、三菱UFJ<8306>、りそなHD<
8308>の銀行など景気敏感株が全般堅調。原油市況の上昇や中国の景気対策への期待からINPEX<1605>、ENEOS<5020>、住友鉱<5713>、大阪チタ<5726>などの鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属などの上昇も目立つ。ほか、日ペHD<4612>、安川電機<6506>、ダイキン<6367>など中国売上比率の高い銘柄も堅調。今期ガイダンスが好感されたGenkyDrugStores<9267>、株主優待を拡充したコジマ<7513>などは急伸している。
セクターで保険、その他製品、空運が下落率上位に並んでいる一方、鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属が上昇率上位に並んでいる。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の40%、対して値上がり銘柄は56%となっている。
米ダウ平均が11日続伸と6年5カ月ぶりの連騰記録を見せた一方、前日に日本銀行の政策修正観測の後退を背景とした為替の円安を追い風に大幅上昇した日経平均は反動安が優勢の展開となっている。今晩から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や週末にかけて控える日銀金融政策決定会合、そして徐々に本格化していく企業決算を前に積極的な売買を手掛けにくい様子。前日も東証プライム市場の売買代金は3兆円割れと、値幅の割に商いは活発とはいえなかった。
本日は前日に続き景気敏感株が相場の主役となっている。前日は為替の円安を背景に自動車関連が大きく上昇したが、本日も三菱自動車工業<7211>の決算などを材料に自動車関連は全般強い動きとなっている。また、業績上方修正を受けて前日ストップ高となった東京製鐵<5423>は本日も小幅ながら続伸、JFEホールディングス<5411>、神戸製鋼所<5406>なども続伸するなど鉄鋼も堅調な展開が続いている。
鉄鋼以外にも原油市況の上昇を受けて鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属などの景気敏感セクターが軒並み高い上昇率となっている。中国政府が不動産セクターの緩和策や地方政府の債務削減策を講じる方針と伝わったことが追い風になっているようだ。
また、前日に発表された米7月製造業の購買担当者景気指数(PMI)が49.0と、6月(46.3)から低下すると想定していた市場予想(46.2)に反して大幅に改善したことや、米エネルギー会社のシェブロンの好決算などを背景に米ダウ平均が連騰劇を見せたことも景気敏感株の支援材料になっているもよう。
一方、対象的に半導体を中心としたハイテク株はこれまでの好調さから転じて一服感がより鮮明になっている。前期業績の上方修正を発表したレーザーテック<6920>も伸び悩むなど株価反応は冴えない。蘭ASMLホールディングや台湾積体電路製造(TSMC)の決算を見る限り、ハイテク株が再び相場のけん引役になっていくのはハードルが高まっている印象を抱く。
代わりに景気敏感株が相場のけん引役であり続けることができればよいだろうが、これに関してはあまり楽観視できないだろう。まず、上述した米製造業PMIは改善したとはいえ、依然として景況感の拡大・縮小の境界値である50を割り込んだままだ。また、一方で製造業の低調さを相殺してきた米サービス業の7月PMIは50を上回ったままではあったが、52.4と6月(54.4)から大きく低下し、市場予想(54.0)も下回った。
さらに、欧州に目を向けるとより悲惨だ。7月ユーロ圏総合PMIは48.9と6月(49.9)
からさらに悪化し、昨年11月以降で最低を記録。特に製造業が深刻で、製造業PMIは42.7と6月(43.4)から低下し、改善するとの市場予想(43.6)に反して悪化した。サービス業PMIも51.7と50は上回ったが、市場予想(52.0)を下回った。
中国の景気対策についてもこれまでと同様、市場が期待するような大規模なものが打ち出されたわけではない。総じて世界景気に対する株式市場の見方はかなり楽観的と言わざるを得ない。
日本時間27日の午前3時にはFOMCの結果公表が予定されており、その後にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見が控えている。可能性としては高くないだろうが、さらなる追加利上げに積極的な姿勢が示された場合には、今会合での利上げサイクル終了を見込んでいる市場の期待に反することになる。この場合、世界景気のソフトランディング(軟着陸)を期待している株式市場の見方とは乖離があり、やはり現在の市場のシナリオは楽観的で危うさをはらんでいると言わざるを得ない。
自動車株をはじめ日本株の追い風になっている為替の円安についても楽観視は危険だ。たしかに、観測報道の通り、今週の日銀金融政策決定会合において現行の政策が維持された場合には、一時的にさらに円安が進む可能性はある。しかし、思惑は根強く、結局、政策修正観測は次会合以降に引き継がれるだけとも言える。また、欧米の景気指標に減速感がみられるなか、いつまでも日銀の緩和策の維持だけで円安基調を語れるわけでもないだろう。足元の景気敏感株を中心とした株式市場の上昇には冷静に対応したい。
(仲村幸浩)
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