884円
大紀アルミニウム工業所のニュース
日経平均は4日ぶり大幅反落。502.77円安の26341.95円(出来高概算7億2755万株)
で前場の取引を終えている。
1日の米株式市場ではNYダウが597.65ドル安と大幅続落。増強したロシア軍がウクライナの首都キエフの包囲を狙って準備を進めているとの報道で警戒感が高まり、寄り付き後下落。対ロ制裁が一段と強化される可能性などから投資家心理が悪化し、終日軟調に推移。さらに、原油価格が7年ぶりの高値を更新するなど燃料価格の急激な上昇で景気回復が鈍化するとの懸念も強まり、引けにかけて一段安となった。ナスダック総合指数も-1.59%と4日ぶりに大幅反落した。こうした流れを引き継いで、日経平均は312.52円安でスタート。しばらくもみ合いが続いていたが、アジア市況が軟調なこともあり、午前中ごろを過ぎると、一段と下げ幅を広げる展開となった。一時26332.38円(512.34円安)まで下げ、そのまま下げ幅を500円超で前場を終えた。
個別では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>などの半導体関連が大幅安。ソニーG<6758>やキーエンス<6861>、ファナック<6954>、ベイカレント<6532>などの値がさグロース(成長)株も大きく下落。米金利低下を受けて三菱UFJ<8306>や東京海上<8766>なども軟調。トヨタ自<7203>やデンソー<6902>も3%を超える下落。太平洋セメ<5233>や三井海洋開発<6269>はレーティング格下げもあり下落。一方、資源価格の高騰を支援要因にINPEX<1605>や大紀アルミ<5702>が急伸し、住友鉱<5713>や三菱商事<8058>も上昇。日経平均に新規採用されたオリックス<8591>は朝高後に失速してマイナスに転じている。
セクターではゴム製品、保険業、輸送用機器などが下落率上位に並んだ。一方、鉱業、石油・石炭製品、海運業などが上昇率上位に並んだ。東証1部の値下がり銘柄は全体の85%、対して値上がり銘柄は11%となっている。
WTI原油先物価格は時間外取引で1バレル=108ドルを挟んだ水準で推移。ロシアへの経済制裁による商品市況の逼迫が警戒され、節目の100ドルを突破すると一気に駆け上がってきた。国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済網からの排除など、厳しい経済制裁の実施後もロシアの姿勢に変化は見られず、ウクライナの主要都市では砲撃がむしろ強化されているもよう。これを受け、西側諸国は更なる経済制裁の実施も検討していると伝わっている。事態の収束目途はいつなのか、実体経済への悪影響はどれ程のものになるのか、先行き不透明感が一段と強まるなか、株式市場ではリスク回避の動きが再び強まっている。
こうした中、今晩、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は下院金融サービス委員会での証言に臨む予定。足元では、ウクライナ情勢を巡る不透明感に配慮し、FRBが金融引き締めペースを遅らせるのではないかとの期待が高まっている。実際、明日の証言では、パウエル議長からウクライナ情勢に対する懸念などが示される可能性は高い。
しかし、ウクライナ情勢混乱による実体経済への影響が懸念されるなか、景気下振れリスクに配慮してFRBが引き締めペースを遅らせるのではという市場の期待は、そもそもエネルギー純輸出国である米国は、欧州ほどにはロシアへの経済制裁による悪影響がないということを無視していると思えてならない。下方硬直性のある賃金や住宅価格の歴史的な高騰が、地政学リスクで後退するとも考えにくい。
住宅価格の伸びはピークを過ぎたとの指摘もあるが、12月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数の伸びは11月を上回っている。また、FRBによる利上げが予想されるなか、金利上昇前に住宅を購入しておこうとする駆け込み需要が高まってきていることも報告されており、今後はむしろ伸びが再加速していく可能性もある。地政学リスクの高まりも、資源価格の高騰を通じて、むしろFRBの引き締めを加速させる要因となり得る可能性がある。
そうした中でも、市場のFRBによる利上げ織り込みは足元で急速に後退しており、これが新たな市場の波乱要因とならないか心配だ。可能性としては低いが、仮に、明日の議会証言でパウエル議長が想定ほどにはウクライナ情勢に配慮せず、これまでのインフレファイターの姿勢を維持することを示唆した場合、利上げ後退期待で前日までリバウンドしていた株式市場が一段の下げに見舞われる可能性はあり得る。
1日、イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)のソンダース委員とキャサリン・マン委員が、インフレ抑制のため中銀の迅速な行動が必要だと主張し、利上げに引き続き積極的な姿勢を示したことも気掛かりだ。ウクライナ情勢が緊迫化する前は、インフレファイターへと変貌したFRBの姿勢を確認した上で、株価の下値を支えるてくれる「パウエル・プット」はもう存在しないことを市場参加者は認識していたはず。それが、ここにきて再びパウエル・プットに期待する声が増えていることが心配だ。筆者の見解が悲観的過ぎるだけであればいいが、明日のパウエル議長の議会証言が期待通りに作用するか見守りたい。
後場の日経平均は引き続き軟調な展開となろう。上述した通り、今晩のパウエル議長の議会証言を控え、積極的な押し目買いは手控えられやすい。また、ウクライナでの戦闘激化など新たなヘッドラインへの懸念もあり、売り方優位の地合いが続きやすいだろう。時間外取引の米株価指数先物の動き次第では、一段と下値模索の展開になる可能性もあろう。
<AK>
で前場の取引を終えている。
1日の米株式市場ではNYダウが597.65ドル安と大幅続落。増強したロシア軍がウクライナの首都キエフの包囲を狙って準備を進めているとの報道で警戒感が高まり、寄り付き後下落。対ロ制裁が一段と強化される可能性などから投資家心理が悪化し、終日軟調に推移。さらに、原油価格が7年ぶりの高値を更新するなど燃料価格の急激な上昇で景気回復が鈍化するとの懸念も強まり、引けにかけて一段安となった。ナスダック総合指数も-1.59%と4日ぶりに大幅反落した。こうした流れを引き継いで、日経平均は312.52円安でスタート。しばらくもみ合いが続いていたが、アジア市況が軟調なこともあり、午前中ごろを過ぎると、一段と下げ幅を広げる展開となった。一時26332.38円(512.34円安)まで下げ、そのまま下げ幅を500円超で前場を終えた。
個別では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>などの半導体関連が大幅安。ソニーG<6758>やキーエンス<6861>、ファナック<6954>、ベイカレント<6532>などの値がさグロース(成長)株も大きく下落。米金利低下を受けて三菱UFJ<8306>や東京海上<8766>なども軟調。トヨタ自<7203>やデンソー<6902>も3%を超える下落。太平洋セメ<5233>や三井海洋開発<6269>はレーティング格下げもあり下落。一方、資源価格の高騰を支援要因にINPEX<1605>や大紀アルミ<5702>が急伸し、住友鉱<5713>や三菱商事<8058>も上昇。日経平均に新規採用されたオリックス<8591>は朝高後に失速してマイナスに転じている。
セクターではゴム製品、保険業、輸送用機器などが下落率上位に並んだ。一方、鉱業、石油・石炭製品、海運業などが上昇率上位に並んだ。東証1部の値下がり銘柄は全体の85%、対して値上がり銘柄は11%となっている。
WTI原油先物価格は時間外取引で1バレル=108ドルを挟んだ水準で推移。ロシアへの経済制裁による商品市況の逼迫が警戒され、節目の100ドルを突破すると一気に駆け上がってきた。国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済網からの排除など、厳しい経済制裁の実施後もロシアの姿勢に変化は見られず、ウクライナの主要都市では砲撃がむしろ強化されているもよう。これを受け、西側諸国は更なる経済制裁の実施も検討していると伝わっている。事態の収束目途はいつなのか、実体経済への悪影響はどれ程のものになるのか、先行き不透明感が一段と強まるなか、株式市場ではリスク回避の動きが再び強まっている。
こうした中、今晩、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は下院金融サービス委員会での証言に臨む予定。足元では、ウクライナ情勢を巡る不透明感に配慮し、FRBが金融引き締めペースを遅らせるのではないかとの期待が高まっている。実際、明日の証言では、パウエル議長からウクライナ情勢に対する懸念などが示される可能性は高い。
しかし、ウクライナ情勢混乱による実体経済への影響が懸念されるなか、景気下振れリスクに配慮してFRBが引き締めペースを遅らせるのではという市場の期待は、そもそもエネルギー純輸出国である米国は、欧州ほどにはロシアへの経済制裁による悪影響がないということを無視していると思えてならない。下方硬直性のある賃金や住宅価格の歴史的な高騰が、地政学リスクで後退するとも考えにくい。
住宅価格の伸びはピークを過ぎたとの指摘もあるが、12月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数の伸びは11月を上回っている。また、FRBによる利上げが予想されるなか、金利上昇前に住宅を購入しておこうとする駆け込み需要が高まってきていることも報告されており、今後はむしろ伸びが再加速していく可能性もある。地政学リスクの高まりも、資源価格の高騰を通じて、むしろFRBの引き締めを加速させる要因となり得る可能性がある。
そうした中でも、市場のFRBによる利上げ織り込みは足元で急速に後退しており、これが新たな市場の波乱要因とならないか心配だ。可能性としては低いが、仮に、明日の議会証言でパウエル議長が想定ほどにはウクライナ情勢に配慮せず、これまでのインフレファイターの姿勢を維持することを示唆した場合、利上げ後退期待で前日までリバウンドしていた株式市場が一段の下げに見舞われる可能性はあり得る。
1日、イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)のソンダース委員とキャサリン・マン委員が、インフレ抑制のため中銀の迅速な行動が必要だと主張し、利上げに引き続き積極的な姿勢を示したことも気掛かりだ。ウクライナ情勢が緊迫化する前は、インフレファイターへと変貌したFRBの姿勢を確認した上で、株価の下値を支えるてくれる「パウエル・プット」はもう存在しないことを市場参加者は認識していたはず。それが、ここにきて再びパウエル・プットに期待する声が増えていることが心配だ。筆者の見解が悲観的過ぎるだけであればいいが、明日のパウエル議長の議会証言が期待通りに作用するか見守りたい。
後場の日経平均は引き続き軟調な展開となろう。上述した通り、今晩のパウエル議長の議会証言を控え、積極的な押し目買いは手控えられやすい。また、ウクライナでの戦闘激化など新たなヘッドラインへの懸念もあり、売り方優位の地合いが続きやすいだろう。時間外取引の米株価指数先物の動き次第では、一段と下値模索の展開になる可能性もあろう。
<AK>
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