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ラウンドワンのニュース
日経平均は大幅に4日続落。337.58円安の28456.92円(出来高概算4億9534万株)で前場の取引を終えている。
22日の米株式市場でダウ平均は643.13ドル安(-1.90%)と大幅続落。ジャクソンホール会合を控えるなか連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢を警戒した売りが継続し、寄り付きから大幅下落。長期金利が1カ月ぶりの高値を更新したことでハイテク株主体に売られ、相場の下押し圧力となった。引けにかけ主要株価指数は下げ幅を拡大し、ナスダック総合指数は-2.54%と大幅続落。日経平均は214.30円安からスタート。
朝方から売りが広がり、前場中ごろには一時28395.30円(399.20円安)まで下落した。その後は下げ止まったが、戻りは鈍く、この日の安値圏でのもみ合いが続いた。
個別では、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>など主力ハイテク株が大幅安。エムスリー<2413>やメルカリ<4385>のグロース(成長)株も大きく下落。東証プライム市場の下落率上位にはマネーフォワード<3994>、SREHD<2980>、ラクス<3923>などの中小型グロース株が多く並んでいる。為替の円安基調は続いているが、トヨタ自<7203>やデンソー<6902>、ホンダ<7267>なども大きく売られた。エンジン不正問題の拡大を嫌気し、日野自<7205>が前日に続き急落。
一方、原油先物価格の上昇を支援要因にINPEX<1605>、出光興産<5019>が大幅高となり、石油資源開発<1662>は年初来高値を更新。政府が水際対策の緩和を検討しているとの報道を好感し、JAL<9201>、エアトリ<6191>、オープンドア<3926>が軒並み高。持ち株会社体制への移行を検討すると発表したラウンドワン<4680>も高い。ほか、ダブル・スコープ<6619>、三井松島HD<1518>といった個人投資家人気の高い銘柄が大きく上昇。
セクターでは輸送用機器、電気機器、ゴム製品が下落率上位となった一方、鉱業、空運、海運が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体73%、対して値上がり銘柄は23%となっている。
日経平均は米株安を引き継いで大幅に下落。前日は朝方に安値を付けた後は急速に下げ渋っていたが、本日は買い戻しが鈍く、底這い状態が続いている。25日移動平均線や52週移動平均線などよりもまだ上方での推移となっているが、28500円を下回ってきたことで、28000円近辺までは一両日中に下げてきそうか。
もともと、売り目線の機関投資家が夏休み入りで不在だったなか、商品投資顧問(CTA)などのトレンドフォロー型ファンドやVIX指数の低下を背景としたリスクパリティ型ファンドによる機械的な買いで吊り上げられたような相場だったため、下げるのも速そうだ。下げても買いが入る異次元のような強い動きを見せていた米株式市場は、先週末のSQ(特別清算指数)算出を境に極端に弱い動きに変わった。これまでもSQがトレンド転換のきっかになることが多かったが、今回もご多分に漏れずといった形だ。リバウンドが始まってから1カ月以上が過ぎ、S&P500種株価指数が200日線目前まで上昇していたことで、日柄的にも指数の水準的にも戻りは目一杯のところまで来ていたのだろう。
足元では、セントルイス連銀のブラード総裁が7月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ptの利上げ支持に傾いていると表明したほか、リッチモンド連銀のバーキン総裁が「インフレ抑制のためには何でもする」と発言するなど高官のタカ派姿勢が目立っている。25日から開催される経済シンポジウム、ジャクソンホール会合では来年の利下げを期待する投資家とのギャップを埋めるために、パウエル議長からけん制発言で出るとの警戒も強い。
こうした中、米10年債利回りが22日、1カ月ぶりに3%を超えてきた。8月1日に付けた安値2.57%から0.5pt近くも上昇しており、ペースが速い。ちょうど1カ月程前の時点では、機関投資家の中では3%水準では債券を買いたいという声が多く聞かれていたが、今晩以降の米国市場での動きはどうだろうか。ここで金利が低下することなく、一段と上昇するようだと、これまで金利の低位安定を背景に楽観ムードが広がっていた分、神経質な相場展開が予想され、注目したい。
足元で、世界経済の構造変化を背景に、インフレは、投資家が想像する以上に長期化するとの専門家の指摘がいくつか散見されているほか、ヘッジファンドがジャクソンホール会合前後の金利上昇を狙って債券の空売りを増やしているとの指摘が聞かれている。ちなみに、米商品先物取引委員会(CFTC)が週1回発表している投機筋の持ち高情報によると、8月16日時点で、ヘッジファンドは10年債をネットで36万3000枚以上売り越している。直近3年間では、2022年3月29日時点での47万6000枚超が最も高い水準で、まだ売り持ち高を増やす余地はありそうだ。
ほか、CFTC の発表によると、8月16日時点でのVIXを対象としたヘッジファンドの持ち高はネットで10万2000枚超の売り越しだ。前回、ネットの売り越し幅が10万枚を超えたのは2021年11月2日で、この時はその後買い戻しが進み、VIX指数の上昇に繋がった。これまでの株高を支えてきた金利とVIX指数が足元で急速に上昇してきている点はやはりトレンドの転換を示唆していると考えられ、安易な押し目買いは避けた方が無難だろう。
(仲村幸浩)
<AK>
22日の米株式市場でダウ平均は643.13ドル安(-1.90%)と大幅続落。ジャクソンホール会合を控えるなか連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢を警戒した売りが継続し、寄り付きから大幅下落。長期金利が1カ月ぶりの高値を更新したことでハイテク株主体に売られ、相場の下押し圧力となった。引けにかけ主要株価指数は下げ幅を拡大し、ナスダック総合指数は-2.54%と大幅続落。日経平均は214.30円安からスタート。
朝方から売りが広がり、前場中ごろには一時28395.30円(399.20円安)まで下落した。その後は下げ止まったが、戻りは鈍く、この日の安値圏でのもみ合いが続いた。
個別では、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>など主力ハイテク株が大幅安。エムスリー<2413>やメルカリ<4385>のグロース(成長)株も大きく下落。東証プライム市場の下落率上位にはマネーフォワード<3994>、SREHD<2980>、ラクス<3923>などの中小型グロース株が多く並んでいる。為替の円安基調は続いているが、トヨタ自<7203>やデンソー<6902>、ホンダ<7267>なども大きく売られた。エンジン不正問題の拡大を嫌気し、日野自<7205>が前日に続き急落。
一方、原油先物価格の上昇を支援要因にINPEX<1605>、出光興産<5019>が大幅高となり、石油資源開発<1662>は年初来高値を更新。政府が水際対策の緩和を検討しているとの報道を好感し、JAL<9201>、エアトリ<6191>、オープンドア<3926>が軒並み高。持ち株会社体制への移行を検討すると発表したラウンドワン<4680>も高い。ほか、ダブル・スコープ<6619>、三井松島HD<1518>といった個人投資家人気の高い銘柄が大きく上昇。
セクターでは輸送用機器、電気機器、ゴム製品が下落率上位となった一方、鉱業、空運、海運が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体73%、対して値上がり銘柄は23%となっている。
日経平均は米株安を引き継いで大幅に下落。前日は朝方に安値を付けた後は急速に下げ渋っていたが、本日は買い戻しが鈍く、底這い状態が続いている。25日移動平均線や52週移動平均線などよりもまだ上方での推移となっているが、28500円を下回ってきたことで、28000円近辺までは一両日中に下げてきそうか。
もともと、売り目線の機関投資家が夏休み入りで不在だったなか、商品投資顧問(CTA)などのトレンドフォロー型ファンドやVIX指数の低下を背景としたリスクパリティ型ファンドによる機械的な買いで吊り上げられたような相場だったため、下げるのも速そうだ。下げても買いが入る異次元のような強い動きを見せていた米株式市場は、先週末のSQ(特別清算指数)算出を境に極端に弱い動きに変わった。これまでもSQがトレンド転換のきっかになることが多かったが、今回もご多分に漏れずといった形だ。リバウンドが始まってから1カ月以上が過ぎ、S&P500種株価指数が200日線目前まで上昇していたことで、日柄的にも指数の水準的にも戻りは目一杯のところまで来ていたのだろう。
足元では、セントルイス連銀のブラード総裁が7月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ptの利上げ支持に傾いていると表明したほか、リッチモンド連銀のバーキン総裁が「インフレ抑制のためには何でもする」と発言するなど高官のタカ派姿勢が目立っている。25日から開催される経済シンポジウム、ジャクソンホール会合では来年の利下げを期待する投資家とのギャップを埋めるために、パウエル議長からけん制発言で出るとの警戒も強い。
こうした中、米10年債利回りが22日、1カ月ぶりに3%を超えてきた。8月1日に付けた安値2.57%から0.5pt近くも上昇しており、ペースが速い。ちょうど1カ月程前の時点では、機関投資家の中では3%水準では債券を買いたいという声が多く聞かれていたが、今晩以降の米国市場での動きはどうだろうか。ここで金利が低下することなく、一段と上昇するようだと、これまで金利の低位安定を背景に楽観ムードが広がっていた分、神経質な相場展開が予想され、注目したい。
足元で、世界経済の構造変化を背景に、インフレは、投資家が想像する以上に長期化するとの専門家の指摘がいくつか散見されているほか、ヘッジファンドがジャクソンホール会合前後の金利上昇を狙って債券の空売りを増やしているとの指摘が聞かれている。ちなみに、米商品先物取引委員会(CFTC)が週1回発表している投機筋の持ち高情報によると、8月16日時点で、ヘッジファンドは10年債をネットで36万3000枚以上売り越している。直近3年間では、2022年3月29日時点での47万6000枚超が最も高い水準で、まだ売り持ち高を増やす余地はありそうだ。
ほか、CFTC の発表によると、8月16日時点でのVIXを対象としたヘッジファンドの持ち高はネットで10万2000枚超の売り越しだ。前回、ネットの売り越し幅が10万枚を超えたのは2021年11月2日で、この時はその後買い戻しが進み、VIX指数の上昇に繋がった。これまでの株高を支えてきた金利とVIX指数が足元で急速に上昇してきている点はやはりトレンドの転換を示唆していると考えられ、安易な押し目買いは避けた方が無難だろう。
(仲村幸浩)
<AK>
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