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日経平均は小幅に5日続伸、香港人権・民主主義法署名で利食い売りの動きも

配信元:フィスコ
投稿:2019/11/28 12:14
 日経平均は5日続伸。16.19円高の23453.96円(出来高概算4億7502万株)で前場の取引を終えた。前日の米国市場では、トランプ米大統領が米中交渉について「最重要の貿易協議は、生みの苦しみの最終段階にある」などと述べたことで、両国の合意への期待が高まるなか、市場予想を上回る米経済指標が相次ぎ、NYダウは3日連続で最高値を更新した。これを受けて円相場は日本時間で早朝頃までは1ドル=109円台後半の円安水準に弱含んでいたが、取引開始直前に、トランプ米大統領が香港人権・民主主義法に署名したことが伝わり、再び1ドル=109円台前半に押し戻される展開に。こうした流れから、日経平均は結局小幅高で前場取引を終えた。

 セクターでは鉄鋼業が1%高となったのを筆頭に石油、保険業、医薬品、空運業などがプラス推移した一方で、陸運業や金属、ガス、機械など下落。売買代金上位では、保有する日立化成<4217>株を昭和電工<4004>に売却する方針が伝えられている日立製作所<6501>が2%近い上昇となったほか、ソフトバンクG<9984>任天堂<7974>トヨタ自動車<7203>東エレク<8035>などが小幅高。他方、ソニー<6758>、ファーストリテ<9983>村田製作所<6981>などが小安い。

 日経平均が終値で明確に23500円を上抜いて24000円が次の高値目標となってくるためには、米中貿易協議についてもう一段階の進展がない限りは難しいだろう。ただ、上値が重い一方で引き続き下値は堅いとみられる。足元の需給動向としては、投資家別売買動向で見た際の海外投資家が10月以降から11月第2週まで7週連続で買い越してきていることに加えて、9月末配当の再投資の思惑が下支え要因として働いている。

 その他、各国の経済指標の改善傾向も世界経済の底入れ機運を強め、市場の支えとなっていると考えられる。米国では、先週発表されたフィラデルフィア連銀景況指数
(11月)や昨日発表された耐久財受注額(10月)などが市場予想を上回ったほか、7-9月期GDPが上方修正された。また、米国以外では、ドイツのIfo景況感指数(11月)が前回結果を上回り、輸出比率の高い同国経済の底打ち感が強まったことで、世界経済の回復機運に対する期待感も改めて強まってきた。

 日経平均は、テクニカル的には5日移動平均線が再び上向きに転じてきているほか、ローソク足で見た場合には、一時400円超下落した21日に25日線にワンタッチして反発しており、同移動平均線のサポートラインとしての有効性も増してきている。米中貿易協議の第一段階が合意に至らないなど突発的な外部ショックがない限りは、当面は底堅い押し目買い需要のもと、安定した株価推移となりそうだ。米国株式相場は、28日は感謝祭で休場、翌29日も午後1時までの短縮取引となるため、本日から明日にかけては引き続き薄商いとなりそうだが、この間は、ここのところ騰勢を強めているマザーズ指数を中心とした新興市場の中小型株が幕間つなぎ的なかたちで引き続き買いの対象となりそうである。
(仲村幸浩)
<AK>
配信元: フィスコ
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