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デンカのニュース
日経平均は5日ぶり反発。54.63円高の17873.35円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えている。
2日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに反発し、469ドル高となった。週間の新規失業保険申請件数が過去最高を記録した前週のほぼ2倍に跳ね上がり、朝方は売りが先行。
しかし、ロシアとサウジアラビアが原油減産で合意する見込みとトランプ大統領が示唆すると、原油先物相場の急伸とともにエネルギー関連株が大きく買われた。米長期金利の上昇とともに円相場が一時1ドル=108円近辺まで下落し、本日の日経平均はこうした流れを好感して132円高からスタート。朝方には18059.15円(240.43円高)まで上昇する場面もあったが、一段の上値追いの動きは乏しく、伸び悩む展開となった。
個別では、デンカ<4061>が商いを伴って急伸し、東証上昇率トップとなった。新型コロナウイルス治療を巡り期待の高まる「アビガン」の原料供給を決定したと発表している。「アビガン」を手掛ける富士フイルム<4901>は5%上昇した。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>などがしっかり。原油高を受けて国際帝石<1605>などは大きく上昇した。一方、リクルートHD<6098>が5日続落し、ソニー<6758>は小安い。村田製<6981>が2%超、TDK<6762>が3%超下落するなど電子部品株の軟調ぶりが目立つ。臨時休業を発表した鳥貴族<3193>や串カツ田中<3547>は急落し、インソース<6200>が東証1部下落率トップとなった。
セクターでは、鉱業、パルプ・紙、石油・石炭製品などが上昇率上位。半面、ゴム製品、鉄鋼、海運業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の50%、対して値下がり銘柄は46%となっている。
前日の米国市場では、トランプ氏の発言をきっかけに原油先物相場が急伸。原油安が産油国の財政悪化やシェール関連企業の信用不安につながると警戒されていただけに、ひとまず安心感につながったようだ。しかし、本日の日経平均は朝方に一時240円高まで上げ幅を広げると失速。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりにとどまっており、積極的な売買は手控えられている。業種別の動向を見ると、原油高に関連したところを除き、引き続きディフェンシブ性の強いセクターが資金を集めている印象。反面、景気敏感セクターの一角が弱い。マザーズ指数は早々に朝方マイナスへ転じており、個人投資家も週末を前に利益確定に動いていることが窺える。
米国では本日、3月の雇用統計やサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数の発表が予定されている。週間の新規失業保険申請件数が連続で過去最高を大きく更新するなか、雇用や経済情勢の悪化を警戒せざるを得ないところだろう。
また、本日は日経平均、東証株価指数(TOPIX)ともプラスで前場を折り返しており、日銀による上場投資信託(ETF)買い実施が期待しにくい。日経平均は直近4日で1500円以上下落しており、週末を控え買い戻しの動きが出てくる可能性もあるが、このところ後場に入ると先物の売りで下に振らされる場面が目立つ。これらを考慮すると、積極的な押し目買いは入りづらいとみておいた方がいいだろう。
反発のきっかけとなった原油相場の動向についても、先行きを注視する必要がありそうだ。サウジはトランプ氏の求めに応じ産油国の臨時会合を要請したが、減産については米国等を含めた幅広い合意を条件としているもようで、ハードルが高い印象は拭えない。トランプ氏が示唆した減産幅についても、一部産油国は否定しているもよう。まずは臨時会合が実現するか見極めたいところだろう。
その他、新型コロナを巡っては東京都内で2日、新たに97人とこれまでで最多の感染者が確認された。一部外資系証券は日本の2020年経済成長率見通しを4%超のマイナスに下方修正。このところ外資系証券各社は東京の都市封鎖(ロックダウン)による経済への悪影響を巡る議論を活発化させており、これとともに海外勢の株価指数先物売りも再び強まってきた。当面、不安定な相場展開が続くことを想定しておきたい。
(小林大純)
<AK>
2日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに反発し、469ドル高となった。週間の新規失業保険申請件数が過去最高を記録した前週のほぼ2倍に跳ね上がり、朝方は売りが先行。
しかし、ロシアとサウジアラビアが原油減産で合意する見込みとトランプ大統領が示唆すると、原油先物相場の急伸とともにエネルギー関連株が大きく買われた。米長期金利の上昇とともに円相場が一時1ドル=108円近辺まで下落し、本日の日経平均はこうした流れを好感して132円高からスタート。朝方には18059.15円(240.43円高)まで上昇する場面もあったが、一段の上値追いの動きは乏しく、伸び悩む展開となった。
個別では、デンカ<4061>が商いを伴って急伸し、東証上昇率トップとなった。新型コロナウイルス治療を巡り期待の高まる「アビガン」の原料供給を決定したと発表している。「アビガン」を手掛ける富士フイルム<4901>は5%上昇した。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>などがしっかり。原油高を受けて国際帝石<1605>などは大きく上昇した。一方、リクルートHD<6098>が5日続落し、ソニー<6758>は小安い。村田製<6981>が2%超、TDK<6762>が3%超下落するなど電子部品株の軟調ぶりが目立つ。臨時休業を発表した鳥貴族<3193>や串カツ田中<3547>は急落し、インソース<6200>が東証1部下落率トップとなった。
セクターでは、鉱業、パルプ・紙、石油・石炭製品などが上昇率上位。半面、ゴム製品、鉄鋼、海運業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の50%、対して値下がり銘柄は46%となっている。
前日の米国市場では、トランプ氏の発言をきっかけに原油先物相場が急伸。原油安が産油国の財政悪化やシェール関連企業の信用不安につながると警戒されていただけに、ひとまず安心感につながったようだ。しかし、本日の日経平均は朝方に一時240円高まで上げ幅を広げると失速。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりにとどまっており、積極的な売買は手控えられている。業種別の動向を見ると、原油高に関連したところを除き、引き続きディフェンシブ性の強いセクターが資金を集めている印象。反面、景気敏感セクターの一角が弱い。マザーズ指数は早々に朝方マイナスへ転じており、個人投資家も週末を前に利益確定に動いていることが窺える。
米国では本日、3月の雇用統計やサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数の発表が予定されている。週間の新規失業保険申請件数が連続で過去最高を大きく更新するなか、雇用や経済情勢の悪化を警戒せざるを得ないところだろう。
また、本日は日経平均、東証株価指数(TOPIX)ともプラスで前場を折り返しており、日銀による上場投資信託(ETF)買い実施が期待しにくい。日経平均は直近4日で1500円以上下落しており、週末を控え買い戻しの動きが出てくる可能性もあるが、このところ後場に入ると先物の売りで下に振らされる場面が目立つ。これらを考慮すると、積極的な押し目買いは入りづらいとみておいた方がいいだろう。
反発のきっかけとなった原油相場の動向についても、先行きを注視する必要がありそうだ。サウジはトランプ氏の求めに応じ産油国の臨時会合を要請したが、減産については米国等を含めた幅広い合意を条件としているもようで、ハードルが高い印象は拭えない。トランプ氏が示唆した減産幅についても、一部産油国は否定しているもよう。まずは臨時会合が実現するか見極めたいところだろう。
その他、新型コロナを巡っては東京都内で2日、新たに97人とこれまでで最多の感染者が確認された。一部外資系証券は日本の2020年経済成長率見通しを4%超のマイナスに下方修正。このところ外資系証券各社は東京の都市封鎖(ロックダウン)による経済への悪影響を巡る議論を活発化させており、これとともに海外勢の株価指数先物売りも再び強まってきた。当面、不安定な相場展開が続くことを想定しておきたい。
(小林大純)
<AK>
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