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後場に注目すべき3つのポイント~上値追いの材料待ち、グロース株は選別が重要

配信元:フィスコ
投稿:2022/11/18 12:25
18日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

日経平均は反発、上値追いの材料待ち、グロース株は選別が重要
・ドル・円は反落、北朝鮮のミサイル発射を嫌気も
・値上がり寄与トップはKDDI<9433>、同2位はエーザイ<4523>

日経平均は反発、上値追いの材料待ち、グロース株は選別が重要

日経平均は反発。47.49円高の27978.06円(出来高概算5億5459万株)で前場の取引を終えている。

17日の米株式市場でダウ平均は7.51ドル安(−0.02%)とほぼ横ばい。セントルイス連銀ブラード総裁のタカ派発言を受けて売りが先行し、序盤は大幅下落。失業保険申請件数の減少で労働市場の強さが証明され、利上げを後押しする結果となったことで一段安となった。その後、押し目買いや予想を上回った一部企業決算を好感した買いが下支えとなり、終盤にかけては下げ幅を縮小した。ナスダック総合指数は−0.34%と続落。一方、引け後に発表された米半導体企業の堅調な決算も手伝い、日経平均は79.25円高からスタート。時間外取引のナスダック100先物の堅調推移や香港ハンセン指数の上昇が支援要因になる一方、新規の買い手掛かりに欠ける中、上値は重く、28000円を挟んだ一進一退が続いた。

個別では、米アプライド・マテリアルズの予想を上回る決算を受けてアドバンテスト<6857>ソシオネクスト<6526>の半導体関連の一角が上昇。為替の円安により日産自<7201>三菱自<7211>の自動車も高い。インドの主要二輪車メーカーから燃料噴射システムを受注したミクニ<7247>は急伸。トランス・コスモス<9715>は国内証券による新規買い推奨が材料視された。ほか、前日の決算説明会の内容が好感された日本電波工業<6779>が大幅に上昇している。一方、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>メルカリ<4385>、リクルートHD<6098>のハイテク・グロース株が下落。キーエンス<6861>、HOYA<7741>信越化<4063>など値がさ株も軟調。東証プライム市場の値下がり率上位にはメドピア<6095>、Sansan<4443>マネーフォワード<3994>など中小型グロース株が散見される。

セクターでは保険、繊維製品、輸送用危機が上昇率上位となった一方、海運、サービス、陸運が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の66%、対して値下がり銘柄は28%となっている。

日経平均は小じっかり。前日の米株式市場も軟調ではあったが総じて底堅く推移しており、下値の堅さを連日で確認する格好となっている。一方で、日経平均は28000円前後で何度も往って来いの展開になっているのは気がかり。決算発表も一巡し、新規の手掛かり材料に欠ける中、買い上がる決め手を見出しあぐねている様子だ。

前日はセントルイス連銀のブラード総裁が政策金利を5.00−5.25%へと引き上げることが「最低条件」との見解を示し、米株式市場は一時大きく下落する場面があった。ただ、同氏は米連邦準備制度理事会(FRB)高官内で最もタカ派とも呼べる存在であり、その点は踏まえて言動を捉えるべきであろう。また、そもそも、これまでの高官発言を受けて、すでにターミナルレート(政策金利の最終到達点)は5%前後になるであろうことはほとんど織り込まれているため、特段のサプライズでもない。実際、米株式市場はその後急速に下げ幅を縮小して終えている。

一方、一昨日はウォラーFRB理事が「政策金利の引き上げは2023年の後半まで続く」などと発言していることもあり、FRBの利上げ停止時期が現在の市場コンセンサスである来年3月時点から延びる可能性は残されている。米国の10月の物価指標の明確な減速から、その可能性は低いとは思われるが、適宜挟まれる高官からのタカ派発言もある中、株式市場はどこまで上値を伸ばしていけるか見物だ。

ほか、前日の米株式市場では引け後に半導体製造装置大手のアプライド・マテリアルズの決算が発表された。一昨日、半導体メモリ大手のマイクロン・テクノロジーが市況見通しの下方修正を発表していたこともあり、警戒感は高まっていたが、22年11月−23年1月の売上高見通しが市場予想を上回り、同社株は時間外取引で3%程上昇している。一方、前日のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1%超反発し、アプライドの無難な決算もある中でも、本日の東京市場では半導体関連株は高安まちまちで上値の重さが残る。前日の当欄でも指摘したが、好調が続いているロジック向けでもネガティブな材料が増えてこない限り、完全な悪材料出尽くしには至らないと考えられる。

ターミナルレートの上限が見えてきて、来年の世界経済の減速も懸念される中、米長期金利の上昇は抑えられ、これはグロース株の追い風になると予想されるが、景気との連動性が高い電気機器、機械などのセクターに属するハイテク系グロース株の上値は当面重いとみておきたい。グロース株の中でも景気連動性の低い内需系グロース株、情報・通信やサービスといったセクターに属する銘柄の方がパフォーマンスは良好とみられ、今後の投資戦略の参考にしていただきたい。

東京証券取引所が16日に発表した11月11日時点での裁定取引に係る現物ポジションは、前週末比178.63億円減(売り越し)とネットベースで194.44億円の売り越しとなった。 9月半ばには1兆2000億円超の買い越しとなっていた時もあり、裁定買い残が大きく解消されたことは需給面での重石が解消されたことになる。一方、売り越し幅がさほど積み上がっていないことから、買い圧力も働きにくい。短期筋による先物主導での動きが反映される裁定残がほぼネットベースで中立水準にある中、短期筋の先物持ち高もほぼ中立に近いのだろう。

米株式市場については、S&P500種株価指数(17日終値は3946)が200日移動平均(4070)を上回ってくれば、上場投資信託(ETF)など指数連動型のパッシブ資金の流入が加速するとの指摘も聞かれている。こうしたテクニカルな要因で何であれ、何か一つでもきっかけとなる材料があれば、東京市場でも短期筋の先物買い持ち高の積み上げが加速するとみられ、株価上昇に弾みがつきそうだ。今はまだきっかけ待ちだが、年末にかけては株高が続きやすいとみている。

■ドル・円は反落、北朝鮮のミサイル発射を嫌気も

18日午前の東京市場でドル・円は反落し、140円50銭まで上昇後に139円80銭まで値を下げた。米10年債利回りの持ち直しでドル買いが先行したが、その後は失速。また、北朝鮮のミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した可能性から警戒の円買いが強まった。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は139円80銭から140円50銭、ユーロ・円は144円96銭から145円54銭、ユーロ・ドルは1.0357ドルから1.0378ドル。

■後場のチェック銘柄

ピクスタ<3416>VALUENEX<4422>など、5銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはKDDI<9433>、同2位はエーザイ<4523>

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・日・10月消費者物価指数(生鮮品除く):前年比+3.6%(予想:+3.5%、9月:+3.0%)

【要人発言】

・鈴木財務相
「CPI上振れ、国際的な原材料価格の上昇や円安の影響」
「経済対策を裏付ける補正予算の早期成立を図りたい」

・黒田日銀総裁
「来年度全体で物価は2%を割る、他の機関も同様の見方」
「物価目標の安定的持続には3%程度の賃上げ継続が必要」

<国内>
特になし

<海外>
・16:00 英・10月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.5%、9月:-1.4%)

<CS>
配信元: フィスコ
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