*14:48JST 国内株式市場見通し:日経平均10月戻り高値32533円上抜けをうかがう展開か
■日米中銀ウイーク通過し日経平均32000円台を一時回復
今週の日経平均は日米の中銀ウイークを通過し、週間で958.20円高(+3.1%)の31949.89円と3週ぶりに反発に転じた。週初10月30日は中東情勢の緊迫化を嫌気して反落でスタートしたが、日米金融政策にらみで様子見ムードが強かった。31日は日本銀行による大幅な政策変更がなかったことから、金融株主導で反発に転じた。ただ、大引け後の総裁会見を見極めたいと上昇幅は限られた。11月1日は日銀の金融緩和政策維持方針を好感したほか、場中に発表されたトヨタ<7203>の業績見通し上方修正が支援材料となり、日経平均は742.80円高と大幅続伸。1日の上げ幅としては今年2番目となった。この日の夜に結果が判明した米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通り政策金利を据え置き、米国主要株式指数は上昇。これを受け2日も国内株式市場では買いが先行し、10月18日以来となる32000円台を一時回復したが、3連休を控えて利益確定売りもみられた。
■雇用統計の発表を受けて米利上げ見送り観測強まる
来週の日経平均は、東京市場の連休中に、NYダウが5連騰、ナスダック総合指数が6営業日連続高となったことで、大幅高のスタートとなることが予想される。3日のシカゴ日経平均先物は32720円まで上昇していることから、10月13日の戻り高値32533.08円をキャッチアップし、33000円台をうかがう動きとなることが期待される。
まず、今週の日銀金融政策決定会合では、イールドカーブ・コントロールの運用について1%をメドとすることで事実上の1%以上容認とさらに柔軟化されたものの、事前予想では上限1.5%への引き上げも見込まれていたため、想定よりハト派なイメージとなったためか、その後の株高につながった。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の事前予想通り2会合連続で政策金利が据え置かれた。その後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見では追加利上げには積極的でない姿勢が示され、米長期金利は低下し、米国主要株価指数は上昇して今週末の取引を終えた。
市場の一部では利上げ終了の予想も台頭し始めたが、これを3日発表の米10月の雇用統計が支援する形となった。非農業部門就業者数は前月比15万人増加と伸びは前月実績から大幅に縮小し、市場予想の18万人も下回った。さらに失業率は3.9%と前回より上昇、平均時給伸び率は前月比0.2%、前年同月比4.1%と前回を下回った。また同日、ISM非製造業購買担当者景気指数も事前予想と前回実績を下回り、米国の景気減速への懸念が年内利上げ見送り期待の高まりにつながっている。
次回のFOMC、日銀金融政策決定会合はともに12月の予定となっている。引き続き、金利動向をにらんだ展開が予想されるが、今週は米国の金融政策に影響が大きい経済・労働統計の発表は特に見当たらない。企業業績についても、日本に先行して主要企業の決算発表がほぼ一巡した米国では8日にダウ採用銘柄のウォルト・ディズニーが予定している程度で、事前に予想される波乱要因は少ない。
引き続き中東情勢や中国の経済指標が不確定要素として控えるなか、日経平均は今週末の3連騰で合計1252円高、NYダウは5連騰で1643ドル高を見ていることから、短期的な過熱感からくる調整も予想されるが、日経平均は往来相場を上放れ、一段の上値をうかがう展開が期待される。
■ソニーGとソフトバンクGの決算に注目
物色展開は、引き続き佳境に入る業績発表を受けて「決算トレード」が中心となってくるだろう。主要企業では、6日に三菱重工<7011>、日本郵船<9101>、7日に任天堂<7974>、NTT<9432>、8日に東レ<3402>、富士フイルム<4901>、三井不動産<8801>、9日にソニーグループ<6758>、ホンダ<7267>、ソフトバンクグループ<9984>、10日に三越伊勢丹<3099>、ブリヂストン<5108>、東京エレクトロン<8035>がそれぞれ決算発表を予定している。なかでも、ソニーグループの決算はトヨタ<7203>と同様に、市場のセンチメントに与える影響が大きい。9月に米ナスダック新規上場し8日に決算発表を予定する半導体設計大手のアームを傘下に持つソフトバンクグループの決算内容も注目度が高まる。
これらの決算発表を受けて、証券アナリストレポートによる投資判断(レーティング)や目標株価の変更が、個別企業の株価に影響を与えることにも目配せが必要となってくるだろう。また、任天堂とソニーグループの決算でゲーム関連、三菱重工と東レの決算を受けて航空機関連といった物色テーマに関心が向かう可能性がある。
■金融政策決定会合議事要旨、中・消費者物価指数、など
来週は6日に9月21-22日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨の公表、東証マザーズ指数が東証グロース市場250指数へ名称変更、7日に9月家計調査、8日に9月景気動向指数、9日に10月30-31日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」の公表、10月景気ウォッチャー調査、10日に11月限特別清算指数(SQ)算出が予定されている。海外では7日に中・10月貿易収支、米・9月貿易収支、9日に中・10月消費者・生産者物価指数、10日に米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報がそれぞれ予定されている。
<FA>
今週の日経平均は日米の中銀ウイークを通過し、週間で958.20円高(+3.1%)の31949.89円と3週ぶりに反発に転じた。週初10月30日は中東情勢の緊迫化を嫌気して反落でスタートしたが、日米金融政策にらみで様子見ムードが強かった。31日は日本銀行による大幅な政策変更がなかったことから、金融株主導で反発に転じた。ただ、大引け後の総裁会見を見極めたいと上昇幅は限られた。11月1日は日銀の金融緩和政策維持方針を好感したほか、場中に発表されたトヨタ<7203>の業績見通し上方修正が支援材料となり、日経平均は742.80円高と大幅続伸。1日の上げ幅としては今年2番目となった。この日の夜に結果が判明した米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通り政策金利を据え置き、米国主要株式指数は上昇。これを受け2日も国内株式市場では買いが先行し、10月18日以来となる32000円台を一時回復したが、3連休を控えて利益確定売りもみられた。
■雇用統計の発表を受けて米利上げ見送り観測強まる
来週の日経平均は、東京市場の連休中に、NYダウが5連騰、ナスダック総合指数が6営業日連続高となったことで、大幅高のスタートとなることが予想される。3日のシカゴ日経平均先物は32720円まで上昇していることから、10月13日の戻り高値32533.08円をキャッチアップし、33000円台をうかがう動きとなることが期待される。
まず、今週の日銀金融政策決定会合では、イールドカーブ・コントロールの運用について1%をメドとすることで事実上の1%以上容認とさらに柔軟化されたものの、事前予想では上限1.5%への引き上げも見込まれていたため、想定よりハト派なイメージとなったためか、その後の株高につながった。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の事前予想通り2会合連続で政策金利が据え置かれた。その後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見では追加利上げには積極的でない姿勢が示され、米長期金利は低下し、米国主要株価指数は上昇して今週末の取引を終えた。
市場の一部では利上げ終了の予想も台頭し始めたが、これを3日発表の米10月の雇用統計が支援する形となった。非農業部門就業者数は前月比15万人増加と伸びは前月実績から大幅に縮小し、市場予想の18万人も下回った。さらに失業率は3.9%と前回より上昇、平均時給伸び率は前月比0.2%、前年同月比4.1%と前回を下回った。また同日、ISM非製造業購買担当者景気指数も事前予想と前回実績を下回り、米国の景気減速への懸念が年内利上げ見送り期待の高まりにつながっている。
次回のFOMC、日銀金融政策決定会合はともに12月の予定となっている。引き続き、金利動向をにらんだ展開が予想されるが、今週は米国の金融政策に影響が大きい経済・労働統計の発表は特に見当たらない。企業業績についても、日本に先行して主要企業の決算発表がほぼ一巡した米国では8日にダウ採用銘柄のウォルト・ディズニーが予定している程度で、事前に予想される波乱要因は少ない。
引き続き中東情勢や中国の経済指標が不確定要素として控えるなか、日経平均は今週末の3連騰で合計1252円高、NYダウは5連騰で1643ドル高を見ていることから、短期的な過熱感からくる調整も予想されるが、日経平均は往来相場を上放れ、一段の上値をうかがう展開が期待される。
■ソニーGとソフトバンクGの決算に注目
物色展開は、引き続き佳境に入る業績発表を受けて「決算トレード」が中心となってくるだろう。主要企業では、6日に三菱重工<7011>、日本郵船<9101>、7日に任天堂<7974>、NTT<9432>、8日に東レ<3402>、富士フイルム<4901>、三井不動産<8801>、9日にソニーグループ<6758>、ホンダ<7267>、ソフトバンクグループ<9984>、10日に三越伊勢丹<3099>、ブリヂストン<5108>、東京エレクトロン<8035>がそれぞれ決算発表を予定している。なかでも、ソニーグループの決算はトヨタ<7203>と同様に、市場のセンチメントに与える影響が大きい。9月に米ナスダック新規上場し8日に決算発表を予定する半導体設計大手のアームを傘下に持つソフトバンクグループの決算内容も注目度が高まる。
これらの決算発表を受けて、証券アナリストレポートによる投資判断(レーティング)や目標株価の変更が、個別企業の株価に影響を与えることにも目配せが必要となってくるだろう。また、任天堂とソニーグループの決算でゲーム関連、三菱重工と東レの決算を受けて航空機関連といった物色テーマに関心が向かう可能性がある。
■金融政策決定会合議事要旨、中・消費者物価指数、など
来週は6日に9月21-22日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨の公表、東証マザーズ指数が東証グロース市場250指数へ名称変更、7日に9月家計調査、8日に9月景気動向指数、9日に10月30-31日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」の公表、10月景気ウォッチャー調査、10日に11月限特別清算指数(SQ)算出が予定されている。海外では7日に中・10月貿易収支、米・9月貿易収支、9日に中・10月消費者・生産者物価指数、10日に米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報がそれぞれ予定されている。
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関連銘柄
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3099
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2,753.0
(12/27)
|
+41.5
(+1.53%)
|
3402
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1,009.0
(12/27)
|
+9.7
(+0.98%)
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4901
|
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(12/27)
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+56.0
(+1.71%)
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5108
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5,328.0
(12/27)
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-28.0
(-0.52%)
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6758
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3,417.0
(12/27)
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+67.0
(+2.00%)
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7011
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2,270.0
(12/27)
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+20.0
(+0.88%)
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7203
|
3,188.0
(12/27)
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(+1.46%)
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7267
|
1,531.0
(12/27)
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(+2.06%)
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7974
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9,350.0
(12/27)
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(+0.97%)
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24,380.0
(12/27)
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(+2.30%)
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1,269.0
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(+1.07%)
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(+1.60%)
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9984
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9,254.0
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(+1.59%)
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