今週の【早わかり株式市況】2週続落、FRBの金融引き締め策強化を警戒する売り優勢

配信元:株探
投稿:2022/04/09 06:40

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週連続で下落、FRBの金融引き締め策強化を警戒
 2.新市場再編後の取引で週前半は様子見ムード、株価は堅調な動き
 3.週央から荒れ模様、FOMC議事要旨も嫌気され2日連続大幅安
 4.週末は自律反発狙いの買いや買い戻しで下げ止まるも上値に重さ
 5.週間では700円近く水準を下げ、2万7000円台を割り込む

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比680円(2.46%)安の2万6985円と2週連続で下落した。

 今週は「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編後、初の取引が行われたが売り圧力の強さが目立った。依然として先行き不透明なウクライナ情勢や、FRB(米連邦準備理事会)による金融引き締め策が強化されるとの観測、更にそれに伴う米長期金利の上昇などが株式市場の重荷となった。週半ばから後半にかけて日経平均は大きく下値を探った。

 4日(月)は市場が再編されて最初の取引となった。初日ということもあって積極的な取引は行われず模様眺め感の強い地合いに。3月の米雇用統計が好調な内容であったことでFRBの引き締め策が強化されることへの警戒感も漂ったが、日経平均はプラス圏で引けた。5日(火)は続伸。相変わらず様子見ムードながら、総じて買いが優勢に。売買代金トップのソフトバンクグループ<9984>が高く、全体相場の上昇に貢献した。ただTOPIXは小幅ながら安く引けている。6日(水)は日経平均が大きく下値を試す展開に。前日の米国株市場ではFRB高官の相次ぐタカ派発言などを受けて米長期金利が急上昇し、これが日米ともにハイテク株に逆風となった。日経平均の下げは440円弱に達した。7日(木)も前日の欧米株安を受けてリスク回避の流れが継続。注目された3月に開催したFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨は保有資産圧縮や利上げ強化などに言及したタカ派色の強いもので、市場心理を悪化させ売りにつながった。この日は前日の下げ幅を上回る460円あまりの急落となり、2営業日合わせると900円近い下落となった。そして週末8日(金)は日経平均がようやく下げ止まり3日ぶりに反発。自律反発狙いの買いや空売りの買い戻しが優勢だったものの上値は重く、終値で2万7000円台を回復できなかった。

■来週のポイント
 2週続落で下値には買いが流入しているものの、米長期金利の上昇という重荷があるだけに、来週は方向感に欠ける展開になりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では13日朝に発表される2月機械受注が注目される。海外では11日に発表される中国3月の消費者物価指数と生産者物価指数や12日発表の米国3月消費者物価指数、13日発表の中国3月貿易収支、14日に発表されるECB(欧州中央銀行)の政策金利に注視が必要だろう。

■日々の動き(4月4日~4月8日)

【↑】   4月 4日(月)―― 4日ぶり反発、前週末の欧米株高を受け買い優勢
 日経平均 27736.47(  +70.49)  売買高10億0946万株 売買代金 2兆1874億円

【↑】   4月 5日(火)―― 小幅続伸、強弱観対立のなか方向感に欠ける展開
 日経平均 27787.98(  +51.51)  売買高11億5544万株 売買代金 2兆6678億円

【↓】   4月 6日(水)―― 3日ぶり反落、米長期金利上昇などを警戒し売り優勢
 日経平均 27350.30( -437.68)  売買高11億7486万株 売買代金 2兆7911億円

【↓】   4月 7日(木)―― 続落、欧米株安や中国懸念でリスクオフの売り継続
 日経平均 26888.57( -461.73)  売買高11億8811万株 売買代金 2兆8624億円

【↑】   4月 8日(金)―― 3日ぶり反発、米株高を受け自律反発狙いの買い流入
 日経平均 26985.80(  +97.23)  売買高12億7096万株 売買代金 3兆1093億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、28業種が値下がり
 (2)郵船 <9101> など海運が値下がり率トップ
 (3)輸出株はトヨタ <7203> など自動車、パナHD <6752> など電機、ダイキン <6367> など機械が下落する一方
   オリンパス <7733> など精密機器は上昇
 (4)三菱倉 <9301> など倉庫・運輸や大成建 <1801> など建設、JR東日本 <9020> など陸運といった内需株は総じて軟調
 (5)市況関連は日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友電 <5802> など非鉄金属が安いも
   コスモHD <5021> など石油、三井松島HD <1518> など鉱業は高い
 (6)第一生命HD <8750> など保険、オリックス <8591> などその他金融、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は売られた
 (7)アステラス <4503> など医薬品が値上がり率トップ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
 1(2) メタバース ── 「メタバース・ブロックC・量子」Web3革命で大変身期待の7銘柄
 2(1) 円安メリット
 3(4) 半導体
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  ※カッコは前週の順位

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