26日のイエレン発言を受け、9月利上げ観測が再浮上したことで
ドル円相場は一気に2円近く上昇しましたが、それでもまだ101円台に止まっています。
また、日経平均は元々ドル円相場が100円前後であったにも関わらず
16500円前後という極めて高い水準を維持しており
輸出関連株も下方修正は織り込み済みとして反騰する銘柄が数多く見られました。
ですから急に円安(100円➡102円)に振れたからといって
輸出株がさらに上昇すると安易に判断するの早計で
今回は、むしろ円高に連れ安した好業績の内需株に資金が戻る様な気がしています。
ところで米国の年内利上げ観測が高まれば
短中期的に新興国経済が後退する可能性を考えて置く必要があると思います。
(新興国の通貨危機を理由に、世界的な株価の暴落が起こった経緯があります)
無論FRBもその点には細心の注意を払い
止む無く「やるやる詐欺」に手を染めたのかも知れませんが
市場はそれを優柔不断、或いは分析力の欠如、決断力の欠如などと批判し始めたので
腹を括らざるを得なくなったのではないかと推察しています。
一方で、米国の利上げペースが極めてゆっくりで
尚且つ日欧の中央銀行が緩和政策を続けている限り
新興国への投資資金が急に引き上げられる心配はないという見方もあります。
しかしECBは来春にも債権買い入れの縮小に動くことが予想され
日銀の追加緩和策も手詰まり状態にあることを考えれば
短期的にせよ新興国から資金の流出が起こることは避けられないと思います。
中でも不動産バブルという問題を抱える中国は要注意ではないでしょうか。
<米国の利上げによって起こり得る事象>
○米長期金利が上昇(ローン金利も上昇し、住宅・自動車などの売り上げが低下)
○世界中のマネーが米国へ流入(ドルが買われドル高へ)
○新興国からマネーが流出(新興国は通貨安、経済の減速懸念)
○企業業績の悪化(資金調達コストが上昇、支払利息の増加 ➡ 設備投資抑制へ)
○株価の下落
(資金が債権へ向かう、日本株も要注意!米国で資金を調達している投資家が売る可能性)
○資源価格の下落(多くの資源はドル建てで取引されているため)
例えば「金・原油・鉄鉱石・亜鉛・銅・・・ etc」
またバルチック海運指数も同様の理由で低下することが考えられます。