9月第2週の海外勢による現物株の売り越し額は1兆348億円に上り、
1987年10月19日(ブラックマンデー)の週に1兆1220億円売り越して以来
歴代2位の規模になりました。
これで、今年1月以降に海外投資家が買った現物株の売買累計額はマイナスに転じ
海外投資家が保有する現物株の売り物は理論上無くなったことになります。
また昨夜のNYダウと今日の日経平均は、連騰による利益確定売りに押された様ですが
東京市場は連休前の手仕舞いや政局の混乱を嫌気した売りが重なり
大幅下落に至ったのではないかと考えています。
ただ新興市場はしっかりしており、米国の利上げが先送りされたことで大きな不安要素が消え
個人の買い安心感に繋がったのではないかと推察しています。
一方、ロイターによれば、先物市場は8月に大暴れしたCTAなどの短期筋が鳴りを潜め
代わってグローバルマクロ系ヘッジファンドが介入しているとのことですが
手口は主に中期戦略なので、今後8月の様なジェットコースター相場は起こり難いと思います。
因みに彼等の動向を探るためには、外資系証券の先物手口を注視して置くことが大事ですが
特にモルガン・スタンレーMUFG証券、ニューエッジ、ABNアムロは要マークだと考えています。
<9/18、日中だけの先物売買状況(12月限)>
http://jp.reuters.com/article/2015/09/18/idJPL4N11O2LO20150918
<9/18、立会外取引を含む先物手口(12月限)>
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/invest_tool/futures/futures_top.asp
ところで、連休明けの東京市場ですが、外国人投資家の現物売りは収まることが予想され
その分、現物市場の下押し圧力は小さくなると思います。
さらに今日の大幅な下落で、テクニカル面でも自律反発が期待出来る水準ですが
安保法案を巡る政局の混乱で、海外勢が早々に買い戻すことは考え難い状況です。
ですから動きがあるとすれば、10月以降の四半期決算がきっかけになるのではないでしょうか。
また8月第2週から9月第2週まで続いた海外勢の記録的な売り越しに対し
信託銀行は8月第4週から、その他法人は8月第2週からそれぞれ連続で買い越しており
GPIFを初めとする国内機関投資家が買い向かった可能性があります。
だとすれば、海外勢の売り圧力は薄れても、今度は国内機関投資家の利益確定売りが控えているため
容易に株価が上昇トレンドに転換するという筋書きにはなりそうもありません。
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/investment_3/investment_3.asp
従って、今は好決算が期待出来る売られ過ぎの銘柄を狙う戦略が効果的ではないかと考えています。
但し11月4日の郵政3社上場に絡み、資金調達のための売りも考えられるので
全体的な需給の悪化や、地銀など競合銘柄の売買動向には注目して置くべきだと思います。
(ご参考=大型IPOで日経平均株価は下落するか?)
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/investment_3/investment_3.asp
それでは皆さん、楽しい連休をお過ごし下さい!