主要上場企業の想定為替レートは上期が1ドル100円前後であったのに対し
9月以降の円安で下期は105円に変更した企業が多くなっています。
また対ユーロでは135円が多く、それぞれ全体の40%を占めているとのこと。
しかし上期の想定為替レートを据え置いている主要企業も25%程度あり
通期業績予想がさらに上方修正される可能性が高いと思います。
以下にその一例をご紹介します。(出典:ロイター)
<25年度想定為替レートドル/ユーロ> <為替差益年間ベース(ドル/ユーロ)>
トヨタ 101円/136円 400億円/40億円
日産自 100円/140円 120億円/ ゼロ
ホンダ 101円/136円 120億円/ 5億円
富士重 100円/135円 92億円/ 2億円
マツダ 100円/135円 23億円/15億円
三菱自 100円/139円 20億円/13億円
ソニー 103円/137円 ─30億円/60億円
パナソニック 105円/135円 ゼロ/ 15億円
キヤノン 100円/135円 31億円/17億円
東芝 100円/135円 (非公表)
TDK 100円/135円 14億円/ほぼゼロ
任天堂 100円/140円 (非公表)
村田製作所 100円/135円 30億円/ ─
三菱ケミHD 102円/140円 10億円/1億円
住友化学 100円/─ 20億円/ ─
東レ 100円/133円 5億円
新日鉄住金 102円/─ ほぼゼロ
JFE 102.3円/─ ほぼゼロ
王子HD 102円/─ ─5億円
日本製紙 105円/─ ─8億円
*日立GPは1ドル98円、1ユーロ130円を据え置いています。
6305日立建機、6501日立製作所、6581日立工機、8036日立ハイテクノロジーズ
因みに、各企業の想定為替レートは発表された段階で株価に織り込まれていると考えるのが賢明で
輸出中心の企業では為替差益を除いた実質的な伸びが評価されるため
今後上方修正されたとしても、そこが絶好の売り場になり兼ねません。
ところで日経平均株価のPERは16.20倍、PBR 1.40倍、EPS 1064.72円 となっており
決して指標的に割安感はありません。
しかも海外勢から見ると本来PER16倍以上は割高で、円安がかなり進行していることも考えると
サプライズ無しでは今後買いが継続する可能性は低いと思います。
無論サプライズは次の衆院選で安倍長期政権が誕生することと(アベノミクスの完遂に期待)
さらなる追加緩和だと考えています。
ですから現在東京市場が堅調である理由は
あくまでも上記の実現に対する期待感と
GPIFによる日本株及び外債への投資促進効果に過ぎません。
以前も書きましたが、円安が株価に与える影響はこの先徐々に織り込まれ
もし今年度の企業業績が期待値を下回ることにでもなれば
26年度は日経平均20000円どころか現状の株価指数を大幅に下回る可能性もあると思います。
つまり今は、26年度の日経平均株価予想レンジは14000円~24000円だと考えて置くべきでしょう。
何?そんなの予想じゃない?(^_^;)
確かにそうかも知れませんが
それだけ来年度は政治の力に大きく左右される一年になるのではないでしょうか。
まずは衆院選で与党が極力議席数を減らさないこと。
そこからがアベノミクスの本番で、同時に日経平均株価の上昇もリスタートすると思います。