現在天然ガスの生産量世界1位はロシアからアメリカに移っていますが
欧州は天然ガス消費量のおよそ25%をロシア(ウクライナ経由)からの輸入に頼っています。
そのためロシア依存体質から脱却を図るべく、中央アジアからトルコを経由する
パイプライン計画が検討されていましたが、計画が難航したこともあり
結局ロシアに押し切られる形になったという経緯があります。
つまりロシアから見れば欧州市場は上得意様なので、未来永劫この関係を維持する目的で
ウクライナを経由せず直接欧州とパイプラインを繋ぐ
「サウス・ストリーム天然ガスパイプライン」計画を持ち掛けていました。
そして昨年漸く独・仏・伊との間でプロジェクトの調印にこぎ着けたのです。
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20131004_065956.html
ですから今回のウクライナ侵攻で最も憤りを感じているのは
消費量の40%に当たる天然ガスをロシアから輸入しているドイツだと思います。
しかし既に「サウス・ストリーム天然ガスパイプラインプロジェクト」はスタートしており
穿った見方をすれば、欧州はプーチンの罠にまんまと引っ掛かったも同然で
独・仏・伊を初めとする欧州連合が今後ロシアに対してどの様な対応をするかが注目されます。
<天然ガス生産量国別ランキング>
http://www.globalnote.jp/post-3212.html
近い将来アメリカからの輸入も考えられるためにロシアが先手を打った形ですが
欧州各国はせめてロシアのウクライナ侵攻には強硬姿勢で臨むべきだと思います。
つまり現状ではオバマ大統領よりメルケル首相の方が国際社会からみると
頼りになる存在かも知れません。
それにしてもプーチンのやり方は兵糧攻めと何等変わりません。
欧州の泣き所を突く様な政治手法が罷り通ってもいいのか甚だ疑問に思います。
ところで噂の段階ですが、日銀の早期追加緩和に若干期待が持てる展開になっている様です。
ウクライナ問題が本当に限定的ならば
明日の日経平均は再び15000円へのチャレンジ相場になる様な気がします。