株価の割安・割高を判断するのはとても難しいですね。
「株は安く買って高く売るもの」なんてことを言いますが
安値が何処で高値が何処かが分かれば投資で負ける人は居なくなりますし
そうなれば相場そのものが成り立ちません。
しかし実態は、個人投資家の半数以上は「高く買って安く売る」か
もしくは「安く買ってもそれ以上安く売る」ことが多いのです。
何故なら、個人は情報のスピード(質も同様ですが)が遅いので
売買チャンスでは大抵の場合初動が遅れてしまいます。
ところが株価が上がり始めると、アナリストや株式投資など一度もやったことが無い様な評論家が
マスコミに登場して買いだ!買いだ!と囃し立て
株式情報誌には「絶好の買い場到来!」などという見出しがズラリと並びます。
多くの個人投資家は、こうした目に見えない煽りに乗せられて買ってしまうことが多いので
結局「高く買って安く売る」ことになるのでしょう。
そういう私も同類ですが、株は心理戦なので、特に金融不安が根強い相場環境では
マスコミの情報に振り回されないために、自分流の判断基準を持つことが大事だと思います。
例えば財政危機国の国債利回りがどの様に変化しているか。
或いは商品相場やVIX指数の変化はどうか、仕掛け的な空売りが増えていないか・・・など
絶対値だけでなく変化の方向に目を向けることが重要だと思います。
ところでPERから見た日本市場の株価水準は常に世界のトップクラスでしたが
その理由はハイテクを中心とした日本の技術力が、付加価値として評価されていたからだと思います。
しかしその付加価値を生み出して来たソニーや任天堂を初め
(過去の?)国際優良銘柄の凋落ぶりを見ると、今後日本市場が水準訂正される可能性もあり
NYダウとの比較では、NK225は15%くらい下げても可笑しくありません。
単純に計算するとおよそ7300円になります。(世界市場との比較では6000円)
勿論これらは机上の空論です。
しかし欧州のソブリンリスクだけでなく、日本の実体経済やグローバルな優良企業の凋落という
もう一つのリスクがあることも事実だと思います。
因みにNK225はこの所8500円付近で揉み合っていますが
外人が売って個人が買っている、さらには日銀が日経平均ETFを大量に買っている現状を踏まえると
底はまだまだ深い様な気がします。