kabukabumanさんのブログ

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法人税率を下げても空洞化は止まらない

新内閣の増税論ですが、そもそもデフレ環境下の増税自体が本末転倒なのに

私の様なド素人でも可笑しいと感じる矛盾点が幾つかあると思います。

 

その一つは増税以外の財源捻出に対して積極的に取り組む姿勢が見えないことです。

政府資産や特別会計の中身や扱い方を具体的に示さず、ひたすら増税を唱えるのは

多額の貯金があるのに、わざと財布を持たず他人の懐を当てにする不心得者と同じ様に思えます。

しかも歳費のカットは僅か半年間で所得税・住民税の増税は10年間?マジ??

その前にポルシェを乗り回しているお坊さんからしっかり税金を徴収して欲しいものです。

 

次に無駄の排除ですが、なかなか目に見えて改善する気配がありません。

この際事業仕分けの様な茶番は止めて、いっそ議員仕分けでもした方が余程無駄の排除になりそうです。
序にダメ議員には引っ込んでもらって、代わりに天下りではなく天上り優秀な人材を顧問にするとか。

つまり有能な民間人の頭脳をもっと借りるべきでしょう。

何故なら無駄を最も良く知っているのは政治家ではなく国民だと思うからです。

 

もう一つ法人実行税率を5%引き下げ、その範囲内で法人税の増税を行うという案ですが

これだと法人税は実質的に引き下げられることになります。

日本の法人実効税率は世界的に見ると高水準なので
法人実効税率を下げることで、産業の空洞化に歯止めをかけたいという考えがあるようですが

こちらも少々疑問を感じます。

過去に東京都が実施したアンケート調査(複数回答可)によれば
企業が生産拠点や営業拠点を海外に置く理由の中で多かった回答のベスト3は
①低い人件費②豊富な労働力③グローバル化の足掛かりで、それぞれ45%であったのに対し

法人実効税率を理由に挙げた企業は僅か3%しかありません。

因みに日本の法人実効税率は40.69%でアメリカと並び世界でトップの位置にありますが

(所得800万円以下の中小企業は18%)
研究開発や設備投資減税を加味すると、大手企業100社の平均税率は33.7%(2009年まで)
例えば同調査期間ではトヨタが30.1%、ソニーは12.9%など

同じ大手企業でも減税効果によって大きな違いがある様です。

各国の実効法人税率比較 → http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htm

これに対して東南アジア諸国は総じて低率で、税制優遇措置を加味すると
シンガポールの法人実効税率は僅か3%、タイが5%
この他マレーシア、インドネシア、フィリピンなども概ね5%の水準だそうです。
こうした現状を考えると法人実効税率を5%下げたくらいでは
空洞化に歯止めをかけることなどとても無理だと思われます。

 

日本経済の将来を考えれば、今は安易に増税するのではなく

景気対策(むしろ減税)や為替対策の方が優先でしょう。

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2件のコメントがあります
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    kabukabumanさん
    2011/9/17 23:18

    マーリンエンジンさんこんばんは。コメント有難うございます!

     

    財政再建を昔風に言うと

    お殿様のご乱行で藩の財政が行き詰まっても農民から年貢を搾り取ればいい。

    そんな例えが当て嵌まる気がします。

     

    上場企業なら差し詰め資金繰りに困ったから増資します!みたいなもので

    結局その場しのぎの自転車操業と何等変わりありません。

     

    しかも今の日本国民は教育レベルが高い所為か

    過酷な年貢を強いられても百姓一揆を起こす者など何処にも居ませんし

    増資によって株価が暴落してもただ泣き寝入りして終わりです。

     

    個人的に日本人は平和ボケ症候群に罹っていると思います。

    国民一人一人がもっと政治・経済に関心を持たなければ

    日本は狩猟民族の経済植民地になってしまうでしょう。

     

    残念ながら野田首相に日本(経済)の将来を任せるのは無理の様です。

    せめて閣僚の中に一人くらい減税を叫ぶ大臣が居ませんかね~。

     

     

     

  • イメージ

    減税措置で企業をえこひいき出来るから、財務省は天下り先に事欠かないのでしょう。


    今の政府に1番足りないのは、昨日テレビであの元官僚さんも言ってましたが、「経済成長をしよう」という概念がすっぽ抜けていることです。

    デフレで経済が縮小に向かっているのに社会保障費は増える一方、

    その解決法が「だから増税」ってのは無理があるでしょう。増税分、国家経済が縮小していくだけです。

    そもそも社会保障費の削減には限界があるんだから、もし増税で財政健全化が達成出来るなら、その明確な工程表を提示すべきです。

    それに財政健全化とはいったいどういう状態を指すのか?ある年度赤字国債を発行せずにすめば財政健全化は達成なのか?それとも政府の借金を完済することを言ってるのか?それだとしたら1000兆円を返し切るまでデフレは止まらないですね。何年かかるのやら、何百年?

    よく増税論者が「日本国民は甘過ぎる。それなりのサービスを受けたいなら、相応の対価は支払うべきだ」とか言いますが、

    僕ら(少なくとも僕は)は増税自体が嫌なんじゃなく、これ以上日本経済が落ち込んで行くのが嫌なんです。

    だから経済成長を捨てた人、もしくはそのノウハウを持ち合わせてない人達には、国の舵取りをしないで欲しいです。