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20日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は3日続落、欧米と中国の関係悪化も懸念材料に
・ドル・円は強含み、4連休控え国内勢のまとまった買い
・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテ<9983>
■日経平均は3日続落、欧米と中国の関係悪化も懸念材料に
日経平均は3日続落。80.19円安の22616.23円(出来高概算4億5771万株)で前場の取引を終えている。
先週末17日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は62.76ドル安の26671.95ドル、ナスダックは29.36ポイント高の10503.19ポイントで取引を終了した。6月住宅着工件数の増加を好感し小幅上昇して寄り付いたが、7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想外に6月から低下すると個人消費の鈍化懸念が広がり下落に転じた。一方で、ハイテク株は底堅く推移するまちまちな展開となった。
米国株式相場を受けた今日の東京株式市場では、新型コロナワクチン開発への期待感などから、やや買いが先行した。先週末までの2日間で日経平均が250円近く下落した後ということもあり、押し目買いも入りやすかった。ただ、新型コロナ感染拡大に加え、英国政府が5Gから中国ファーウェイ機器を排除すると決めるなど、中国との対立が米国以外の西側諸国に広がっていることも懸念材料となった。また、今週は3営業日のみの取引となることもあり、寄り後は積極的な買いは手控えられ、日経平均は前場中頃にマイナス圏に転じた。
個別では、吸収性局所止血材の承認取得と新型コロナ抗体検査キットの提供・使用開始を発表した3Dマトリクス<7777>がストップ高買い気配となり、今期の小幅減益見通し受けて悪材料出尽くし感が台頭したパソナ<2168>、第1四半期業績見通しが想定以上に底堅いとの見方からKOA<6999>、上半期業績上振れ観測報道が伝えられた富士ソフト<9749>、新電力各社が安値の販売プランで攻勢と伝えられイーレックス<9517>が高くなった。また、英国政府が日本政府に対し5Gの通信網づくりで協力を求めたことを手掛かりに富士通<6702>が上場来高値、NEC<6701>も一時上場来高値を更新した。
一方、第1四半期営業損益が0.15億円の赤字となったベクター<2656>が10%を超す大幅安となり、国内証券が今期業績下方修正で2ケタ営業減益見通しとしたケネディクス<4321>、上半期は想定以上の営業赤字見通しになったNOK<7240>が下げた。
セクターでは、機械、電気機器、証券商品先物、医薬品、ガラス土石製品などが上昇率上位。一方、空運業、繊維製品、陸運業、鉱業、ゴム製品などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の27%、対して値下がり銘柄は68%となっている。
先週末の米国株式市場ではダウ平均が続落する一方、ナスダックは反発した。このところ米国市場では、新型コロナワクチン開発に期待が高まると、早期に新型コロナが収束し景気回復が早まるとの見方から景気敏感株が物色され、ダウ平均が上昇する。一方、新型コロナへの警戒感が高まると、ウィズコロナで成長が期待できるハイテク株が物色され、ナスダックが上昇する。こうした相場が交互に訪れている。
新型コロナの拡大やワクチン開発の進展に一喜一憂する相場展開だが、より重要なことは金融財政政策への目配りだろう。日本経済新聞によると、トランプ米政権と議会は7月中にも追加の新型コロナウイルス対策を発動する方針だという。トランプ政権は秋の大統領選挙までは財政出動に糸目をつけないとみられ、当面、米国の財政政策が相場を下支えするという見方は変える必要はなさそうだ。
一方、日本では黒田日銀総裁が先週15日の記者会見で、当面は新型コロナウイルス感染症の影響を注視して「必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」と述べたと伝えられた。黒田総裁は以前からこのフレーズをよく使うが、新型コロナに関してこのフレーズが最初に使われたのは今年2月。以降、定例会見では一貫してこのフレーズが繰り返されている。日銀による金融政策も頑ななまでに不変のようだ。もうひとつの株価下支え要因である財政政策に関しては、政府は17日に経済財政運営の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。新型コロナ感染拡大の防止と経済活動再開本格化の両立を図ることになる。
さらに、18日まで開かれたG20では、新たな対策は打ち出されなかったが、「財政・金融政策は必要な限り実施され続ける」と声明に明記された。また、EU首脳会議では新型コロナウイルスの復興基金案を巡って協議が続いている。合意できなければ再度の首脳会議を開くとの見方もあり、相場の足かせとはなりにくいだろう。新型コロナへの警戒度合いは日々増減するが、金融財政政策が相場を強力に下支えするという構図は何ら変わらないようだ。
さて、後場の東京株式市場で、日経平均はもみ合いとなりそうだ。今週は水曜日まで3日間のみの取引ということもあり、ポジションを片方に傾けにくい。さらにその後の4連休中には、米国でテスラやマイクロソフト、ツイッター、インテルなどをはじめ注目企業の4-6月決算発表が目白押しとなり、東京市場でも決算内容を見極めたいという雰囲気が広がりそうだ。また、TOPIXが前引け時点で下落率0.3%程度となっており、日銀ETF買いも意識されてきそうだ。
■ドル・円は強含み、4連休控え国内勢のまとまった買い
20日午後の東京市場でドル・円は強含み。週明けの取引は107円付近で寄り付いた後、仲値にかけて国内勢による4連休前のドル買いが強まり、一時107円半ばまで強含んだ。ただ、日経平均株価が下げに転じ、円売りの縮小でドルは正午にかけて107円30銭台に失速している。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は107円02銭から107円53銭、ユーロ・円は122円06銭から122円77銭、ユーロ・ドル1.1412ドルから1.1446ドル。
■後場のチェック銘柄
・Aiming<3911>、sMedio<3913>、2銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテ<9983>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・日銀金融政策決定会合議事要旨(6/15-16開催分)
「3月以降、感染症への影響に対する金融緩和措置を相次いで打ち出してきており、当面は一連の政策効果を丁寧かつ慎重に点検していくことが重要」(多くの委員)
「当面は感染症の影響を注視し、必要があればちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」(委員)
【経済指標】
・日・6月貿易収支:-2688億円(予想:-119億円、5月:-8382億円)
<国内>
特になし
<海外>
・EU首脳会議(18日まで)
<HH>
・日経平均は3日続落、欧米と中国の関係悪化も懸念材料に
・ドル・円は強含み、4連休控え国内勢のまとまった買い
・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテ<9983>
■日経平均は3日続落、欧米と中国の関係悪化も懸念材料に
日経平均は3日続落。80.19円安の22616.23円(出来高概算4億5771万株)で前場の取引を終えている。
先週末17日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は62.76ドル安の26671.95ドル、ナスダックは29.36ポイント高の10503.19ポイントで取引を終了した。6月住宅着工件数の増加を好感し小幅上昇して寄り付いたが、7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想外に6月から低下すると個人消費の鈍化懸念が広がり下落に転じた。一方で、ハイテク株は底堅く推移するまちまちな展開となった。
米国株式相場を受けた今日の東京株式市場では、新型コロナワクチン開発への期待感などから、やや買いが先行した。先週末までの2日間で日経平均が250円近く下落した後ということもあり、押し目買いも入りやすかった。ただ、新型コロナ感染拡大に加え、英国政府が5Gから中国ファーウェイ機器を排除すると決めるなど、中国との対立が米国以外の西側諸国に広がっていることも懸念材料となった。また、今週は3営業日のみの取引となることもあり、寄り後は積極的な買いは手控えられ、日経平均は前場中頃にマイナス圏に転じた。
個別では、吸収性局所止血材の承認取得と新型コロナ抗体検査キットの提供・使用開始を発表した3Dマトリクス<7777>がストップ高買い気配となり、今期の小幅減益見通し受けて悪材料出尽くし感が台頭したパソナ<2168>、第1四半期業績見通しが想定以上に底堅いとの見方からKOA<6999>、上半期業績上振れ観測報道が伝えられた富士ソフト<9749>、新電力各社が安値の販売プランで攻勢と伝えられイーレックス<9517>が高くなった。また、英国政府が日本政府に対し5Gの通信網づくりで協力を求めたことを手掛かりに富士通<6702>が上場来高値、NEC<6701>も一時上場来高値を更新した。
一方、第1四半期営業損益が0.15億円の赤字となったベクター<2656>が10%を超す大幅安となり、国内証券が今期業績下方修正で2ケタ営業減益見通しとしたケネディクス<4321>、上半期は想定以上の営業赤字見通しになったNOK<7240>が下げた。
セクターでは、機械、電気機器、証券商品先物、医薬品、ガラス土石製品などが上昇率上位。一方、空運業、繊維製品、陸運業、鉱業、ゴム製品などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の27%、対して値下がり銘柄は68%となっている。
先週末の米国株式市場ではダウ平均が続落する一方、ナスダックは反発した。このところ米国市場では、新型コロナワクチン開発に期待が高まると、早期に新型コロナが収束し景気回復が早まるとの見方から景気敏感株が物色され、ダウ平均が上昇する。一方、新型コロナへの警戒感が高まると、ウィズコロナで成長が期待できるハイテク株が物色され、ナスダックが上昇する。こうした相場が交互に訪れている。
新型コロナの拡大やワクチン開発の進展に一喜一憂する相場展開だが、より重要なことは金融財政政策への目配りだろう。日本経済新聞によると、トランプ米政権と議会は7月中にも追加の新型コロナウイルス対策を発動する方針だという。トランプ政権は秋の大統領選挙までは財政出動に糸目をつけないとみられ、当面、米国の財政政策が相場を下支えするという見方は変える必要はなさそうだ。
一方、日本では黒田日銀総裁が先週15日の記者会見で、当面は新型コロナウイルス感染症の影響を注視して「必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」と述べたと伝えられた。黒田総裁は以前からこのフレーズをよく使うが、新型コロナに関してこのフレーズが最初に使われたのは今年2月。以降、定例会見では一貫してこのフレーズが繰り返されている。日銀による金融政策も頑ななまでに不変のようだ。もうひとつの株価下支え要因である財政政策に関しては、政府は17日に経済財政運営の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。新型コロナ感染拡大の防止と経済活動再開本格化の両立を図ることになる。
さらに、18日まで開かれたG20では、新たな対策は打ち出されなかったが、「財政・金融政策は必要な限り実施され続ける」と声明に明記された。また、EU首脳会議では新型コロナウイルスの復興基金案を巡って協議が続いている。合意できなければ再度の首脳会議を開くとの見方もあり、相場の足かせとはなりにくいだろう。新型コロナへの警戒度合いは日々増減するが、金融財政政策が相場を強力に下支えするという構図は何ら変わらないようだ。
さて、後場の東京株式市場で、日経平均はもみ合いとなりそうだ。今週は水曜日まで3日間のみの取引ということもあり、ポジションを片方に傾けにくい。さらにその後の4連休中には、米国でテスラやマイクロソフト、ツイッター、インテルなどをはじめ注目企業の4-6月決算発表が目白押しとなり、東京市場でも決算内容を見極めたいという雰囲気が広がりそうだ。また、TOPIXが前引け時点で下落率0.3%程度となっており、日銀ETF買いも意識されてきそうだ。
■ドル・円は強含み、4連休控え国内勢のまとまった買い
20日午後の東京市場でドル・円は強含み。週明けの取引は107円付近で寄り付いた後、仲値にかけて国内勢による4連休前のドル買いが強まり、一時107円半ばまで強含んだ。ただ、日経平均株価が下げに転じ、円売りの縮小でドルは正午にかけて107円30銭台に失速している。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は107円02銭から107円53銭、ユーロ・円は122円06銭から122円77銭、ユーロ・ドル1.1412ドルから1.1446ドル。
■後場のチェック銘柄
・Aiming<3911>、sMedio<3913>、2銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテ<9983>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・日銀金融政策決定会合議事要旨(6/15-16開催分)
「3月以降、感染症への影響に対する金融緩和措置を相次いで打ち出してきており、当面は一連の政策効果を丁寧かつ慎重に点検していくことが重要」(多くの委員)
「当面は感染症の影響を注視し、必要があればちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」(委員)
【経済指標】
・日・6月貿易収支:-2688億円(予想:-119億円、5月:-8382億円)
<国内>
特になし
<海外>
・EU首脳会議(18日まで)
<HH>
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