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サンデンのニュース
2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反落、市場は落ち着くも「懸念」の解は見えず
・ドル・円は失速、アジア株安で円売り後退
・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がリクルートホールディングス<6098>
■日経平均は反落、市場は落ち着くも「懸念」の解は見えず
日経平均は反落。108.75円安の29554.75円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えている。
週明け1日の米株式市場でNYダウは大幅反発し、603ドル高となった。日用品・製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンの開発した新型コロナウイルスワクチンが食品医薬品局(FDA)の緊急使用の承認を受け、ワクチン接種が加速するとの期待が強まった。米国債相場が落ち着きを取り戻し、2月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数が市場予想を上回ったことも好感された。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3.0%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.3%の上昇となった。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで276円高からスタートすると、寄り付き直後には一時29996.39円(332.89円高)まで上昇。ただ、節目の3万円に届かず失速し、前場中ごろを過ぎるとマイナス転換した。
個別では、ファーストリテ<9983>、任天堂<7974>、ソニー<6758>が軟調。前日にLINEとの経営統合を果たしたZHD<4689>は3%超の下落。統合効果が期待されつつも、目先は材料出尽くし感が優勢のようだ。JAL<9201>などの空運株やH.I.S.<9603>などの旅行関連株も下げが目立つ。また、第三者割当増資の実施を発表したサンデンHD<6444>はストップ安水準で前場を折り返した。一方、米ハイテク株高を受けてSUMCO<3436>が堅調で、ソフトバンクG<9984>やキーエンス<6861>は小じっかり。ビットコイン価格の再上昇でマネックスG<8698>などの関連銘柄も買われている。また、業績上方修正を発表したヒマラヤ<7514>はストップ高水準で前場を折り返した。
セクターでは、空運業、海運業、鉱業などが下落率上位。半面、精密機器、ガラス・土石製品、その他金融業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の72%、対して値上がり銘柄は24%となっている。
日経平均は前日の米株高を手掛かりに続伸スタートとなったが、節目の3万円に届くことなく失速する格好となった。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は23.35(-4.60)に低下、同様に債券版のMOVE指数も低下し、金融市場はひとまず落ち着きを取り戻したかに見えた。朝方には日経平均の3万円台回復を予想する声も多かったが、「押し目は買いたいが上値追いには慎重」なムードが思いのほか強いのかもしれない。アジア市場でもやはり香港株や上海株は買いが先行したものの、上値の重さが拭えない。
前日は日経平均が700円近い上昇となったが、気になる点はあちこちに見られた。まず、日経平均は2月26日の下落分(1202.26円安)の半値戻し水準で上値が重くなり、東証1部の売買代金は2兆4773億円とやや低調だった。値幅の割に様子見ムードが強かったことが窺える。また、この日の先物手口を見ると、野村證券やモルガン・スタンレーMUFG証券が日経平均先物の買い越し上位、みずほ証券やJPモルガン証券が東証株価指数(TOPIX)先物の買い越し上位に浮上する一方、ゴールドマン・サックス証券がTOPIX先物を売り越していた。海外勢を中心とする機関投資家も買い戻しで歩調が合っていたわけではないようだ。
米国では2月のISM製造業景況指数が市場予想を上回る水準となったが、今週は3日にADP雇用統計とISM非製造業景況指数、5日に雇用統計と重要な経済指標の発表が多く控えている。とりわけ、金融政策のかじ取りが難しくなってきただけに、雇用関連統計の内容を見極めたいという思惑は強まるだろう。
また、先週末の当欄で触れた「マネーの変調」こそ回避できそうな情勢だが、「未来図」に関する懸念に明確な解が示されたようには思われない。需要の不足分を大幅に上回る米経済対策とそれによる政府債務の増大、主要中央銀行による過去に例のない規模の金融緩和…これらが行き着く先として先週来浮上している「インフレ加速」などといった懸念はいまだくすぶるのだろう。
本日は日経平均の失速とともにマイナス転換したが、ファーストリテは朝方に取引時間中の上場来高値を更新。「ユニクロ」「GU(ジーユー)」ブランドで良質・安価な衣料を提供する同社の経済圏は拡大、躍進が続く。他方、百貨店各社の2月売上高を見ると高額品の底堅さが窺え、百貨店株も戻り歩調を崩していない。
ファーストリテ株の躍進には、資産インフレが加速しても一般消費者の節約志向は変わらないという市場の見方が透ける。また、米国の大規模な財政・金融政策を受けて、株高の一因として「マネーの減価」が改めて意識されているのではないかとも思う。長くなってきたのでこのあたりの話はまた次回以降としたい。
(小林大純)
■ドル・円は失速、アジア株安で円売り後退
2日午前の東京市場でドル・円は失速し、106円70銭台にやや値を下げた。ランチタイムの日経平均先物は軟調、上海総合指数も下げに転じ、アジア株安により円買い方向に振れやすいようだ。一方、欧米株安観測でリスクオフのドル買い地合いとなり、対円では下げ渋っている。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円74銭から106円92銭、ユーロ・円は128円27銭から128円77銭、ユーロ・ドルは1.2015ドルから1.2050ドル。
■後場のチェック銘柄
・ビットワングループ<2338>、ユニバンス<7254>など、5銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がリクルートホールディングス<6098>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・1月有効求人倍率:1.10倍(予想:1.06倍、12月:1.06倍)
・日・1月失業率:2.9%(予想:3.0%、12月:2.9%)
・日・2月マネタリーベース:前年比+19.6%(1月:+18.9%)
【要人発言】
・ホークスビーNZ準備銀行総裁補佐
「必要に応じてキャッシュレートを引き下げることが可能」
「景気回復についてはぜい弱で見通しは弱い」
<国内>
特になし
<海外>
・12:30 豪準備銀行が政策金利発表(0.10%に据え置き予想)
・16:00 独・1月小売売上高(前月比予想:+0.5%、12月:-9.1%)
<CS>
・日経平均は反落、市場は落ち着くも「懸念」の解は見えず
・ドル・円は失速、アジア株安で円売り後退
・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がリクルートホールディングス<6098>
■日経平均は反落、市場は落ち着くも「懸念」の解は見えず
日経平均は反落。108.75円安の29554.75円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えている。
週明け1日の米株式市場でNYダウは大幅反発し、603ドル高となった。日用品・製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンの開発した新型コロナウイルスワクチンが食品医薬品局(FDA)の緊急使用の承認を受け、ワクチン接種が加速するとの期待が強まった。米国債相場が落ち着きを取り戻し、2月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数が市場予想を上回ったことも好感された。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3.0%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.3%の上昇となった。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで276円高からスタートすると、寄り付き直後には一時29996.39円(332.89円高)まで上昇。ただ、節目の3万円に届かず失速し、前場中ごろを過ぎるとマイナス転換した。
個別では、ファーストリテ<9983>、任天堂<7974>、ソニー<6758>が軟調。前日にLINEとの経営統合を果たしたZHD<4689>は3%超の下落。統合効果が期待されつつも、目先は材料出尽くし感が優勢のようだ。JAL<9201>などの空運株やH.I.S.<9603>などの旅行関連株も下げが目立つ。また、第三者割当増資の実施を発表したサンデンHD<6444>はストップ安水準で前場を折り返した。一方、米ハイテク株高を受けてSUMCO<3436>が堅調で、ソフトバンクG<9984>やキーエンス<6861>は小じっかり。ビットコイン価格の再上昇でマネックスG<8698>などの関連銘柄も買われている。また、業績上方修正を発表したヒマラヤ<7514>はストップ高水準で前場を折り返した。
セクターでは、空運業、海運業、鉱業などが下落率上位。半面、精密機器、ガラス・土石製品、その他金融業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の72%、対して値上がり銘柄は24%となっている。
日経平均は前日の米株高を手掛かりに続伸スタートとなったが、節目の3万円に届くことなく失速する格好となった。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は23.35(-4.60)に低下、同様に債券版のMOVE指数も低下し、金融市場はひとまず落ち着きを取り戻したかに見えた。朝方には日経平均の3万円台回復を予想する声も多かったが、「押し目は買いたいが上値追いには慎重」なムードが思いのほか強いのかもしれない。アジア市場でもやはり香港株や上海株は買いが先行したものの、上値の重さが拭えない。
前日は日経平均が700円近い上昇となったが、気になる点はあちこちに見られた。まず、日経平均は2月26日の下落分(1202.26円安)の半値戻し水準で上値が重くなり、東証1部の売買代金は2兆4773億円とやや低調だった。値幅の割に様子見ムードが強かったことが窺える。また、この日の先物手口を見ると、野村證券やモルガン・スタンレーMUFG証券が日経平均先物の買い越し上位、みずほ証券やJPモルガン証券が東証株価指数(TOPIX)先物の買い越し上位に浮上する一方、ゴールドマン・サックス証券がTOPIX先物を売り越していた。海外勢を中心とする機関投資家も買い戻しで歩調が合っていたわけではないようだ。
米国では2月のISM製造業景況指数が市場予想を上回る水準となったが、今週は3日にADP雇用統計とISM非製造業景況指数、5日に雇用統計と重要な経済指標の発表が多く控えている。とりわけ、金融政策のかじ取りが難しくなってきただけに、雇用関連統計の内容を見極めたいという思惑は強まるだろう。
また、先週末の当欄で触れた「マネーの変調」こそ回避できそうな情勢だが、「未来図」に関する懸念に明確な解が示されたようには思われない。需要の不足分を大幅に上回る米経済対策とそれによる政府債務の増大、主要中央銀行による過去に例のない規模の金融緩和…これらが行き着く先として先週来浮上している「インフレ加速」などといった懸念はいまだくすぶるのだろう。
本日は日経平均の失速とともにマイナス転換したが、ファーストリテは朝方に取引時間中の上場来高値を更新。「ユニクロ」「GU(ジーユー)」ブランドで良質・安価な衣料を提供する同社の経済圏は拡大、躍進が続く。他方、百貨店各社の2月売上高を見ると高額品の底堅さが窺え、百貨店株も戻り歩調を崩していない。
ファーストリテ株の躍進には、資産インフレが加速しても一般消費者の節約志向は変わらないという市場の見方が透ける。また、米国の大規模な財政・金融政策を受けて、株高の一因として「マネーの減価」が改めて意識されているのではないかとも思う。長くなってきたのでこのあたりの話はまた次回以降としたい。
(小林大純)
■ドル・円は失速、アジア株安で円売り後退
2日午前の東京市場でドル・円は失速し、106円70銭台にやや値を下げた。ランチタイムの日経平均先物は軟調、上海総合指数も下げに転じ、アジア株安により円買い方向に振れやすいようだ。一方、欧米株安観測でリスクオフのドル買い地合いとなり、対円では下げ渋っている。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円74銭から106円92銭、ユーロ・円は128円27銭から128円77銭、ユーロ・ドルは1.2015ドルから1.2050ドル。
■後場のチェック銘柄
・ビットワングループ<2338>、ユニバンス<7254>など、5銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がリクルートホールディングス<6098>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・1月有効求人倍率:1.10倍(予想:1.06倍、12月:1.06倍)
・日・1月失業率:2.9%(予想:3.0%、12月:2.9%)
・日・2月マネタリーベース:前年比+19.6%(1月:+18.9%)
【要人発言】
・ホークスビーNZ準備銀行総裁補佐
「必要に応じてキャッシュレートを引き下げることが可能」
「景気回復についてはぜい弱で見通しは弱い」
<国内>
特になし
<海外>
・12:30 豪準備銀行が政策金利発表(0.10%に据え置き予想)
・16:00 独・1月小売売上高(前月比予想:+0.5%、12月:-9.1%)
<CS>
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