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日経平均は4日続落、手掛けづらい環境だが個別株物色に活路

配信元:フィスコ
投稿:2018/09/05 12:12
 日経平均は4日続落。65.73円安の22631.17円(出来高概算5億6000万株)で前場の取引を終えている。

 連休明けとなった4日の米国市場でNYダウは12ドル安と3日続落した。米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉が5日から再開されるが、トランプ大統領が「NAFTAにカナダをとどめる必要はない」などと強硬姿勢を示しており、先行きへの警戒感が広がった。
米8月サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が14年ぶりの高水準となったことで円相場は1ドル=111円台半ばまで下落する場面があったが、本日の日経平均は米株安を嫌気して33円安からスタートすると、朝方には一時22604.41円(92.49円安)まで下落した。その後は押し目買いの動きも見られたが、全般に手控えムードが強く、マイナス圏でのもみ合いが続いた。

 個別では、ソフトバンクG<9984>資生堂<4911>が3%前後下落し、日経平均の押し下げ役となった。資生堂のほかコーセー<4922>が4%超安、ファンケル<4921>が8%超安となるなど化粧品関連の下げが目立ったが、台風21号の影響で訪日外国人客(インバウンド)が減少するとの懸念が広がったようだ。その他ではトヨタ自<7203>、東海カーボ<5301>ファナック<6954>、ソニー<6758>などが軟調だった。一方、国内「ユニクロ」の8月既存店売上高が4カ月ぶりに前年比プラスに転じたファーストリテ<9983>は4%近い上昇。売買代金上位ではスズキ<7269>スルガ銀<8358>も逆行高となった。また、ペッパー<3053>は米ナスダックにADR(米国預託証券)の上場を申請したと発表し、商いを伴って急伸した。セクターでは、空運業、不動産業、電気・ガス業などが下落率上位で、その他も全般軟調。上昇したのは鉱業、パルプ・紙、金属製品の3業種のみだった。

 連休明けの米国株式市場が小安く終わり、東京市場でも買い手掛かりに乏しいなかで利益確定の売りがやや優勢となっている。円相場の弱含みは支援材料となるが、米国とカナダ、中国などの通商問題の先行き不透明感から輸出関連株は手掛けづらい。また、内需・ディフェンシブ関連株でも台風21号の影響に対する懸念が広がっているとあって、日経平均は後場も上値の重い展開が続きそうだ。ペッパーなどで見られるように、個人投資家は材料株の個別物色に活路を見出しているようだ。

 新興市場でもマザーズ指数が小幅に反落しているが、朝方には買い優勢となる場面が見られた。75日移動平均線に接近して目先の利益を確定する売りが出やすいものの、指数寄与度が大きいSOSEI<4565>などは戻り歩調が続いている。また、JPX<8697>と共同で実証実験を行うと発表したロゼッタ<6182>なども活況を見せており、個人投資家の物色意欲は根強い。
(小林大純)
<AK>
配信元: フィスコ
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